注文住宅の見積もりを取るのはいつ?依頼や確認のポイントを解説
この記事では、注文住宅の見積もりを取る適切なタイミングやハウスメーカーとの契約までの流れのほか、見積書の正しい見方とチェックすべきポイントを解説します。
注文住宅の見積もりの種類
概算見積もり
複数のハウスメーカーから概算見積もりを取ることで、それぞれのおすすめプランを比較し、家づくりに必要な費用の概算を把握できるでしょう。ただし、この段階での見積もりはあくまで参考程度にとどめ、金額のみでハウスメーカーを選ぶのは避けてください。
なぜなら、概算見積もりは大まかな金額であり、ハウスメーカーごとに内容が異なるため、金額だけで判断すると後悔する可能性があるからです。適切なハウスメーカー選びには、金額だけではなく提案内容やサービスの質なども総合的に考慮することが大切といえます。
詳細見積もり
詳細見積もりは、建築に用いる資材の種類、品質、数量、さらに作業人数や建築の日程など、細部にわたって詳細に作成されます。詳細見積もりにより、顧客は建築プロジェクトの各段階でどれだけの費用がかかるのかといったことや、それぞれの工程で使用される資材について理解を深めることが可能です。
一般的に、概算見積もりは複数のハウスメーカーから取れるのに対し、詳細見積もりは選定した1社にのみ依頼することになります。
詳細見積もりは、実際の建築費用に非常に近いため、予算計画や資金調達をする際の重要な資料です。
ハウスメーカーと契約するまでの流れ
ここでは、予算設定から希望条件の洗い出し、見積もりを取るタイミング、適切なハウスメーカーの選定方法など、契約までの流れを解説します。
1. 予算を決める
まず、用意できる自己資金額を把握しましょう。次に、各金融機関が提供する住宅ローンシミュレーションツールなどを利用して、住宅ローンの限度額を算出します。住宅ローンシミュレーションツールを利用することで、返済期間や利息率、月々の返済額など、さまざまな条件にもとづいて借入可能額を見積もることが可能です。
2. 家の希望条件を洗い出す
希望条件を出す際は、現在の希望だけではなく、将来的な家族構成やライフスタイルの変化も考慮に入れることが大切です。
例えば、子供の成長や老後の生活を想定して、間取りやバリアフリー設計を検討する必要があります。
3. ハウスメーカーを数社に絞る
理想に近い構造やデザインを提供するハウスメーカーを見つけるためには、住宅展示場に足を運ぶのがおすすめです。展示場に足を運ぶことで、実際の建物の質感や雰囲気を体感し、自分の好みに合ったハウスメーカーを見つけられるでしょう。
また、予算や具体的な希望をハウスメーカーに伝え、概算見積もりや設計プランを出してもらうことも重要です。これにより、各社の提案内容を比較しやすくなります。
さらに、営業担当者とのコミュニケーションのしやすさも考慮することも大切です。注文住宅の場合、建築計画は数ヵ月から数年に及ぶため、営業担当者との相性は進捗に大きく影響します。
4. 概算見積もりを比較し、1社に絞る
まず、各社から提案された間取りのアイディアやデザインの質、構造・工法の詳細、そして費用を総合的に比較します。また、概算見積もりを再度依頼したくなるケースもあるでしょう。概算見積もりは無料で提供されることが一般的ですが、一部のハウスメーカーでは見積もりに費用が発生する場合もあるため、確認が必要です。
1社に絞った後は、より細部に及ぶ打ち合わせを行い、詳細見積もりと具体的な実施計画を出してもらいます。この段階での細かな調整と確認は、理想の家づくりにおいて重要な過程です。全体のコストや工期、使用する資材や設備の詳細など、すべての要素を総合的に判断してください。
5. 契約する
もし、契約を解除することがあれば、手付金の放棄や違約金の支払いが発生する可能性があるため、契約前にはキャンセルポリシーを確認し、理解しておくことが重要です。
契約内容に関する疑問点や不明点は、契約前に確認することでトラブルを防ぎ、安心して建築計画を進められるでしょう。契約内容を慎重に確認し、納得できる内容であることを確認した上で契約に進むことが大切です。
注文住宅の見積書を理解しよう
一般的に見積書は、「本体工事費」「付帯工事費」「諸費用」の3つの要素で構成されています。ハウスメーカーによっては見積書に付帯工事費や諸費用が含まれていないケースもあるため、予算計画を立てる上では見積もりの各項目をしっかり理解し、全体的なコストを適切に把握することが大切です。
本体工事費
おおむね建築費全体の7〜8割を占めることが多いようです。本体工事費には、主に下記の項目が含まれています。
・仮設工事
・基礎工事
・木工事
・屋根工事
・外壁工事
・左官工事
・タイル工事
・塗装工事
・内装工事
また、本体工事費と付帯工事費との線引きも、ハウスメーカーによって異なる場合があります。見積書に明記されていない工事項目がある場合は、付帯工事費の項目を確認することが重要です。
付帯工事費
付帯工事費は、土地の状態や住宅設備などによって変動します。例えば、地盤改良工事の必要性や追加でかかる費用を知るためには、地盤調査の実施が必要です。
具体的に付帯工事費に含まれるのは、下記のような項目です。
・地盤改良工事
・既存建築物の解体工事
・水道やガスの引き込み工事
・屋外の給排水工事
・外構工事
諸費用
・設計費
・建築確認申請手数料
・登記費用
・印紙代
・火災保険料や地震保険料
注文住宅の見積書でチェックすべきポイント
希望どおりの内容になっているか
また、間取りや設備が希望に沿った内容になっているかも重要なポイントです。特に、「必ず欲しい」と伝えた項目が見積もりに含まれているか、オプションとして追加されていないかを確認する必要があります。同時に、打ち合わせの際に希望していない設備が追加されていないかを確認することも大切です。
概算見積もりを比較するときは条件をそろえる
例えば、坪単価を比較するときは、本体工事費に含まれる内容や延床面積が同じであることを確認する必要があります。条件をそろえることで、各社の価格や工事内容などを明確に把握することが可能です。
概算見積もりを確認する際には、建物の性能評価や設備のグレードなどにも注意してください。
例えば、耐震性能や断熱性能のレベル、遮音性能の違いは価格に大きく影響します。
また、フローリングの材質や外壁の種類も重要な比較ポイントです。無垢材のフローリングやタイル張りの外壁など、質の高い資材を使用すると費用が高くなる傾向があります。キッチンや浴室などの設備のグレードも、同様に価格に影響を与えます。
条件をそろえて概算見積もりを慎重に比較することで、最適なハウスメーカーを選ぶことができるでしょう。
見積もりの内容を理解して、納得のいく注文住宅を建てよう
複数のハウスメーカーを比較する際には、条件をそろえた上で概算見積もりを出してもらうことが大切です。各社の価格や工事内容などが比較しやすくなり、夢のマイホームを実現する適切なハウスメーカーを選定できるでしょう。
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