持ち家の維持費はいくらかかる?費用を賢く抑える方法を解説

持ち家の維持費はいくらかかる?費用を賢く抑える方法を解説

持ち家の購入後は、ローンの支払いに目が行きがちですが、税金や保険料、修繕費などの維持費も継続的にかかります。

持ち家の維持費は、持ち家で安心かつ安全に住み続けるために必要なコストです。特に戸建ての場合、マンションでは毎月徴収される修繕積立金が発生しないため、自分で修繕に備えなければなりません。

この記事では、新築戸建てを購入した場合にかかる維持費と、それらの出費を上手に抑える方法をご紹介します。何に対して継続的に費用がかかるのかを事前に把握して、準備しておきましょう。

mokuji目次

  1. 戸建ての維持費は年間いくらくらいかかる?
    1. 税金
    2. 保険料
    3. 修繕費
  2. 戸建てとマンションの維持費の違い
    1. 税金
    2. 保険料
    3. 修繕費
  3. 戸建ての維持費を賢く抑える方法
    1. 固定資産税の減額措置を利用する
    2. 保険を定期的に見直す
    3. こまめにメンテナンスする
    4. 耐久性を考慮した家を買う
    5. アフターサービスが充実している業者を選ぶ
  4. 持ち家の維持費を下げるためには、税金や保険料、修繕費を上手に抑えよう

戸建ての維持費は年間いくらくらいかかる?

持ち家の維持費は、何にいくらくらいかかるのでしょうか。新築戸建てを購入した場合、維持費は大きく税金、保険料、修繕費の3つに分類され、一般的には年間で40万円以上かかるといわれています。

家を建てたエリアや広さ、構造、使われている素材などによっても大きく異なりますが、ローンの支払いに上乗せされる金額としては決して安くありません。まずは、一般的な戸建ての持ち家にかかる維持費を、項目ごと詳しくご紹介します。

税金

持ち家を購入した後、ランニングコストとして毎年かかる税金は、固定資産税と都市計画税です。

固定資産税

固定資産税は、土地や住宅、マンションなどの固定資産を有する人が納付する税金です。土地と建物それぞれに税金がかかり、それらを所有する限り支払い続けなければなりません。

毎年、1月1日時点で所有している固定資産があれば、税金を納める義務が発生します。年に1回届く支払い通知書に沿って、1年分の税額を4期に分けて支払うのが一般的です。

固定資産税の税額は、固定資産税評価額(課税標準額)に、原則として1.4%を掛けて算出されます。固定資産税評価額は、総務大臣が定めた基準にもとづいて市町村の長が固定資産を評価して決定するもので、3年ごとに評価の見直しが行われる仕組みです。

市町村によっては、異なる税率を採用していることもあります。住宅によって税額は変わりますが、一般的に年10万〜15万円程度はかかるとされています。

例えば、下記の条件で、新築の戸建て住宅の固定資産税を計算してみましょう。
<固定資産税を算出する新築戸建ての条件>
・土地の固定資産税評価額:2,000万円
・建物の固定資産税評価額:1,000万円
・土地の面積:150平方メートル
・家屋の床面積:100平方メートル
・税率:1.4%
土地の固定資産税の計算式は、下記のとおりです。なお、土地における200平方メートル以下の部分は標準課税が6分の1となる、「小規模住宅用地の特例」を適用できます。
<土地の固定資産税>
2,000万円×1/6×1.4%=4万6,666円
※小数切り捨て
建物の固定資産税の計算式は下記のとおりです。新築の場合は3年間、税額を2分の1にする軽減措置を適用できます。
<建物の固定資産税>
1,000万円×1.4%×1/2=7万円
土地と建物の固定資産税の合計は、11万6,666円となります。

都市計画税

戸建ての持ち家にかかるもうひとつの税金が、都市計画税です。都市計画税は、道路や水道、公園などの公共施設の整備や土地区画整理事業などを通じて、市町村の開発やさらなる発展を図るための税金です。

「市街化区域内」に土地や家屋がある場合に、固定資産税とあわせて納付します。

都市計画税は、固定資産税評価額(課税標準額)に0.3%を掛けて算出されます。地域によって、税率が変わることがあるので確認しておいてください。

固定資産税と同じく家によって異なりますが、都市計画税は一般的に年間5万円前後かかるといわれます。

例えば、上記と同様の条件で税率0.3%を掛けて、新築戸建て住宅の都市計画税を計算してみましょう。

まず、土地の都市計画税の計算式は下記のとおりです。土地における200平方メートル以下の部分は標準課税が3分の1となる、「小規模住宅用地の特例」を適用できます。
<土地の都市計画税>
2,000万円×1/3×0.3%=2万円
建物の都市計画税の計算式は下記のとおりです。
<建物の都市計画税>
1,000万円×0.3%=3万円
土地と建物の都市計画税の合計は、5万円となります。

保険料

戸建ての維持費としてかかるのが、保険料です。新築の戸建てを購入すると、多くの人が万が一に備えて保険に加入します。

特に火災保険は、住宅ローンを組む際にほとんどの金融機関で加入が義務付けられています
また、火災保険とセットで地震保険に加入するケースも多いでしょう。

火災保険と地震保険、それぞれどのくらいの出費を想定しておくべきかは、下記のとおりです。

火災保険

火災保険は、火災、落雷、爆破・爆風などに対して建物や家財を補償する保険です。保険料は、補償内容や保険金額、居住地域、専有面積、建物の構造などによって変わります。

まずは、各保険会社が運営するWebサイトのシミュレーションなどを利用し、見積もりを出してみることをおすすめします。

地震保険

地震保険の保険料は保険会社と国が共同で運営しているため、どの保険会社においても一律です。

セットで加入する火災保険料の30〜50%の範囲で地震保険料が決められます。
地震保険の基本料率は、財務省の「地震保険の基本料率」でも確認してみてください。

保険会社によりますが、火災保険と地震保険をあわせて、一般的には年間10万円前後の出費を想定しておくといいでしょう。

修繕費

戸建ての維持費として欠かせないのが修繕費です。建物は10年を過ぎると劣化が目立ち始め、修繕が必要になります。具体的には、外壁や屋根、床、給排水設備、ガス設備など、それぞれの箇所によって10〜20年ごとに修繕をする場合が多いです。

新築の戸建てを購入してすぐに修繕費が発生するわけではありませんが、先を見据えて自分たちで計画的に費用を用意しておく必要があります。

修繕が必要になる箇所や時期などは住宅によって大きく異なるため一概にいえませんが、一般的な木造住宅の場合、新築で購入してから30年間で400万〜800万円程かかるともいわれます。年に均して15万〜30万円程度は用意しておくと安心かもしれません。

戸建てとマンションの維持費の違い

戸建てとマンションの維持費の違い

一般的に戸建てとマンションでは、かかる維持費に差があるといわれています。税金や保険料、修繕費における具体的な違いについて、詳しく見ていきましょう。

税金

戸建てとマンションでは、かかる税金が異なります。建物の価値によって決まる固定資産税は、戸建てのほうが安くなります。これは、木造の戸建てよりも鉄筋コンクリートのマンションのほうが、固定資産税評価額が高くなるためです。

同様に、都市計画税も戸建てのほうが安く抑えられます

保険料

火災保険や地震保険の保険料も、戸建てとマンションでは異なり、一般的にはマンションのほうが安くなるといわれます。木造の戸建てよりも鉄筋コンクリートのマンションのほうが、防火性や耐震性が優れているとみなされるためです。

修繕費

修繕にかかる費用も、戸建てとマンションでは違います。マンションの場合は、管理費と修繕積立金を毎月支払います

公益財団法人東日本不動産流通機構の調査では、首都圏の中古マンションにおける管理費が月1万2,831円、修繕積立金が月1万1,907円、合計で2万4,738円でした(※)。年間では約30万円、30年間では約900万円となります。

また、マンションの修繕積立金は、基本的に共用部分の大規模修繕工事やメンテナンスのための資金です。自室のリフォームや設備の交換などにかかる費用は、別途準備する必要があります。

それらをすべて含めると、戸建てよりもマンションのほうが、修繕に関わる維持費が高くなる場合が多いといえます。

※出典:東日本不動産流通機構「首都圏中古マンションの管理費・修繕積立金 (2023年度)

戸建ての維持費を賢く抑える方法

戸建ての維持費を賢く抑える方法

戸建てを購入したら、できるだけ維持費を抑えながら、長く快適に暮らせることが理想です。続いては、戸建ての維持費を賢く抑えるコツをご紹介します。

固定資産税の減額措置を利用する

戸建ての維持費を賢く抑える方法のひとつが、固定資産税の減額措置を活用することです。

新築住宅が一定の床面積の条件を満たす場合、取得から3年間にわたって固定資産税が2分の1に減額されます。申請書を作成し、市町村の役所に提出しましょう。

保険を定期的に見直す

保険を定期的に見直すことも、戸建ての維持費を抑える方法です。過去に入った火災保険が、実は他社より高かったということは珍しくありません。

定期的に保険内容の見直しを行い、複数社と比較しながら、最も無駄のないプランを選ぶことが大切です。

こまめにメンテナンスする

戸建ての維持費を抑える方法として、こまめなメンテナンスも挙げられます。家のメンテナンスはそれなりに費用がかかるため、つい後回しになりがちです。

しかし、放置したことで家の状態が悪化し、大規模な工事が必要になるケースも少なくありません。無駄な費用がかかるのを防ぐため、ダメージが大きくなる前のこまめなメンテナンスを心掛けてください

耐久性を考慮した家を買う

耐久性を考慮した家を買うことも、戸建ての維持費を抑える方法です。屋根や外壁材など、メンテナンス費用が高額になる部分は耐用年数が長い建築材を選び、家の寿命を延ばす工夫をすることも大切です

初期費用がかかったとしても、メンテナンス費用は減らせるため、結果的に全体のコスト削減につながります。

アフターサービスが充実している業者を選ぶ

戸建ての維持費を抑えるためには、業者選びも大切です。建てて終わりではなく、適切なアフターフォローを行ってくれる業者を選びましょう。

家を建てる際にサービスに申し込んでおけば、暮らし始めた後も定期的にメンテナンスの連絡が来るので安心です。

持ち家の維持費を下げるためには、税金や保険料、修繕費を上手に抑えよう

持ち家の維持費は、一般的には年間40万円以上かかることが多いといわれます。計画的に資金を準備しながら、税金における減額制度の活用や保険の定期的な見直し、こまめなメンテナンスなどを行い、安全で快適な住まいを保ちましょう。

また、維持費を抑えるには、耐久性のある家づくりが得意なハウスメーカーや、定期的なアフターサービスが充実しているハウスメーカーを探すことをおすすめします。

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デザインや価格の納得感、モデルハウス、営業担当者の対応など、さまざまな視点でのランキングを確認できますので、ハウスメーカー選びの参考にしてください。

ハウスメーカー 注文住宅オリコン顧客満足度ランキング

  • 1位

    80.8

    スウェーデンハウス

  • 2位

    78.3

    積水ハウス

  • 3位

    78.2

    ヘーベルハウス

  • 4位

    78.1

    住友林業

  • 5位

    77.1

    一条工務店

  • 6位

    76.8

    パナソニック ホームズ

  • 6位

    76.8

    三井ホーム

  • 8位

    76.4

    セキスイハイム

  • 9位

    76.2

    大和ハウス

  • 10位

    75.9

    ミサワホーム

  • 11位

    75.6

    トヨタホーム

  • 12位

    75.0

    イシンホーム

  • 13位

    74.8

    アイ工務店

  • 13位

    74.8

    住友不動産

  • 15位

    74.4

    クレバリーホーム

  • 16位

    73.1

    アキュラホーム

  • 17位

    73.0

    住宅情報館

  • 17位

    73.0

    富士住建

  • 17位

    73.0

    ユニバーサルホーム

  • 20位

    72.9

    イシカワ

  • 21位

    72.7

    アイフルホーム

  • 22位

    72.6

    桧家住宅

  • 23位

    71.9

    タマホーム

  • 23位

    71.9

    日本ハウスホールディングス

  • 25位

    71.2

    ヤマダホームズ

  • 26位

    70.1

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  • 27位

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  • 28位

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