初めての「住宅ローン」自分にあった金融機関選び

 消費税増税を控え、また住宅ローン減税の延長も決定して、この機会に住宅購入を検討している人も多いのでは? 「住宅ローン」とは、住宅用のための土地・建物の取得や、リフォームのために資金を借りることだが、その形態はさまざまで、どんな種類があるのか? 初めて住宅ローンを組む場合、自分はどこから借りることができるのかなど気になるところ。そこで、金利や借入限度、借入条件など借入先によって異なるので、自分にとって最適な住宅ローンを組むために、まずは住宅ローンのメリットとデメリットを知っておこう。

住宅ローンは公的融資から民間融資が主流に

 まず住宅ローンには大きく分けて公的融資と民間融資の2種類がある。住宅ローンはかつて住宅金融公庫(現在の住宅金融支援機構)など公的融資が主流だったが、昨今では民間融資が中心になってきている。

【公的融資】
財形住宅融資、自治体融資など

【民間融資】
銀行・信用金庫・信用組合・労働金庫等金融機関、
ネット銀行、JA、生命保険会社、ノンバンクなど

○住宅金融支援機構
 災害復興住宅融資など政策的に重要でありながら民間金融機関では対応が困難な融資に限り行っている。このほかに「つみたてくん」(平成16年度で新規募集を終了)の利用者対象。一般の利用は終了している。

 「フラット35」が利用できない物件を取得する場合のみ単独での民間融資利用となることが多い。また「フラット35」の補完的役割として利用する場合もある。

○ 財形住宅融資
 給与所得者(会社員や公務員等)が対象。財形貯蓄(一般財形、住宅財形、年金財形のいずれか)を最低1年以上継続、かつ貯蓄残高50万円以上が条件となっている。借入上限は財形貯蓄残高の10倍まで、融資限度額は4,000万円。所要額の90%を限度として融資を受けられる。

 また、原則として勤務先から5年以上にわたり融資額の1%以上となる住宅手当や利子補給を受け取る「負担軽減措置」も必要。勤務先を通して申し込むため将来転職、退職する際のこともローンを組む前に考慮に入れておいたほうがいい。

○銀行・信用金庫・信用組合・労働金庫等金融機関
 年齢や収入要件、地域など金融機関によって条件が異なる。

○JAは地域
 農協組合員が対象。

○生命保険会社、ノンバンク
 不動産会社等との提携ローンが多い傾向。

○ 自治体融資
 一定期間以上その自治体に居住または勤務していること、一定の収入以下の人、住民税を滞納していないことなど自治体による条件さえ整っていれば、自営業者やサラリーマンなどの区別なく融資を受けることができる。

 しかし、地方自治体の財政難により制度自体を廃止する自治体が増えている。

○ ネット銀行(ネットバンク)
 金利や手数料を抑えることができ店舗に出向く必要もないため、日中時間がとれない人や、パソコンや携帯のネット利用に慣れている人にお勧め。

よく耳にする住宅ローン「フラット35」はどんな点がお得?

 「フラット35」は、住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)と民間金融機関が提携して提供する長期固定金利住宅ローンで、ほとんどの金融機関で取り扱っている。
最長35年の全期間固定金利が最大の特長。そのため、返済終了までの借入金利や返済額が確定するのでライフプランが立てやすくなる。

1)「フラット35」のメリットは?

■保証料0円、繰上返済手数料0円、保証人も必要なし
■住宅の断熱性・耐久性等について、住宅金融支援機構の技術基準による物件検査を受け、新築住宅においては建築基準法に基づく検査済証が交付される。
■返済方法変更のメニューも多様。
■団体信用生命保険の加入は任意。

2)住宅の質を高めて借入金利引き下げ 「フラット35S」

 省エネルギー性や耐震性などが優れた住宅を購入する際に知っておきたいのが「フラット35S」。「フラット35」の借入金利を一定期間0.3%引き下げる制度。技術基準に適合しているかを証明するために、検査機関による物件検査が必要となる。また、予算金額があるため、それに達した場合には受付を終了する。

 この他に長期優良住宅の認定を受けた住宅について、償還期間の上限を50年間に設定した「フラット50」がある。

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