2016年03月25日 09時00分

単身者にオススメ! 「住宅購入」のポイントをFPが解説

単身者向けの住宅販売が増加。購入前におさえておきたいポイントをFPが紹介する [拡大する]

単身者向けの住宅販売が増加。購入前におさえておきたいポイントをFPが紹介する

 総務省の調査によると、2015年時点で日本の総世帯数は5000万強。そのうち、単身世帯数の割合は3割を超えており、人数にすると1500万人ほどが一人暮らしをしている計算になる。50歳までに一度も結婚していない人の割合も、1980年頃までは数パーセントだったが、昨今は2桁を超え、“夫が会社員で妻が専業主婦、子どもは2人”という「標準家庭」は減少傾向にある。そこで増えてきているのが、単身者向けの住宅販売だ。

▼変化に対応でき、売却しやすい物件がオススメ

 単身者が“住居を購入するか賃貸するか”は、悩ましいテーマである。特に、年をとるにつれ「退職して年金収入になったとき、賃貸審査が心配だから購入しておいた方がいいのだろうか」と考える人は多い。現在パートナーがいなくても、住宅ローンの金利が低くなったこともあり「買っちゃおうかな」という気持ちになっている人も増えているのだ。

 だが、ローンを組むとなると、「病気や失業などで収入が途絶えたら返済はどうなる?」「結婚や転勤などで住み続けられなくなるかもしれない」といった心配もあり、誰しも慎重になるもの。世帯で購入する物件以上に“変化に対応でき、売却もしやすい物件”であることがポイントのひとつといえるだろう。

 住宅ローンの選び方や設定の仕方については、家族のある人との間に大きな違いはない。とはいえ、収入が途絶えるようになった場合にもひとりで対応しなければならないため、「余裕のあるローンを組む」「万が一のために手元資金はプールしておく」といったことは必須だ。

▼女性向けの住宅ローンも販売されている

 以前は、「女性の住宅ローンは審査が通らない」とよく言われたが、今では“女性向け住宅ローン”も販売されている。一般の住宅ローンでは審査の通過が難しい契約社員や年収が低めの人でも借りることができるタイプ、保険が無料で付くタイプ、出産後一定期間の金利優遇制度があるタイプとさまざまで、全体的に金利が優遇されるものもある。

 だが、ハードルが低い分、金利が高めのものもある。女性向けにこだわるのでなく、一般の住宅ローンも含めて比較検討をして、自分の求める条件に合うものを探したい。

▼「住宅ローン減税」を受ける条件を知っておこう

 住宅ローンを借りる際に知っておきたいのが、「住宅ローン減税」である。これは、住宅ローンでマイホームを購入したときに、ローンの残高に応じた所得税の還付を最長10年まで受けられる制度。低金利で借りることができれば、ローン減税分で金利分をまかなえることもあり、元金返済に注力できるというありがたい面がある。だが、受けるにはいくつか条件がある。

【住宅ローン減税を受ける条件】
・住居の床面積が50平方メートル以上であること
・耐震基準に合致した建物であること
・ローンの契約期間が10年以上であること など

 シングル仕様の小さなマンションを購入した場合、ローン減税を受けようと思ったら面積が足りなかったということもある。受けるために広い家を購入する人はいないだろうが、“受けるつもりだったのに受けられなかった”ということのないように、知識として覚えておこう。

<記事/山根裕子(マイアドバイザー登録FP)>
CFP。会計事務所系FP会社で中小企業のオーナーや個人の顧客のお金に関する問題解決の実行支援を展開中。「お金のかかりつけ医」として家族ぐるみの相談相手になることも多い。

>>金利種類別に見る! 利用者が選ぶ「住宅ローン」満足度ランキング

>>マイナス金利で「住宅ローン」はどう変わる? 金利0.1%下がるだけで数十万円違う!!

住宅ローンオリコン顧客満足度ランキング

オリコン日本顧客満足度ランキングの調査方法について

当サイトで公開されている情報(文字、写真、イラスト、画像データ等)及びこれらの配置・編集および構造などについての著作権は株式会社oricon MEに帰属しております。これらの情報を権利者の許可なく無断転載・複製などの二次利用を行うことは固く禁じております。