2016年08月22日 07時40分
【住宅ローン】知っておきたい! 「無理なく返せる金額」算出時の考え方
住宅ローンを無理なく返済するには、“借りられる金額”と”返せる金額”の検討が大切
住宅ローンの返済は長期にわたる。その間には様々なライフイベントが起こるだろう。だからといって返済を滞らせるわけにいかないので、実際に借りるときは「無理なく返せる金額」について考える必要がある。その際、ひとつの目安となるのが“返済負担率”だ。
■借りられる金額は返済負担率で決まる
返済負担率とは、年収に対する1年間の総返済額の割合で、自動車ローンなどほかのローンも含めて計算する。住宅ローンの借入可能額は、この返済負担率などによって決まり、基準は金融機関ごとに設けられている。
例を挙げると、フラット35では年収400万円未満で30%以内、400万円以上で35%以内となっている。年収500万円であれば、年間の返済額が175万円以下になる形で借り入れが可能というわけだ。
ただし、期間や金利によって変わる部分もある。例えば金利が低ければ、そのぶん借入可能額は高くなるので、現時点で自分がどれくらい借り入れることができるのか確認したい場合は、金融機関のWebサイトで計算してみよう。
■借りられる金額と返せる金額は違う
ここでおさえておきたいのは、上述の金額はあくまで借り入れできる上限であるということ。間違っても「限度額いっぱいまで借りよう」と考えてはいけない。
返済負担率を計算する際の“年収”は、税金や社会保険料を差し引く前の額面金額だ。実際に住宅ローンを返すときに使えるのは、これらを差し引いた後の“手取り収入”となる。年収では返済負担率が30%以内であっても、手取りで考えると40%近くになることもあるだろう。今後、生活費や教育費などの負担が増加していく可能性があれば、破たんしてしまうかもしれない。
つまり、「無理なく返せる金額」を算出するためには、「手取り収入の何%であれば安定して返済できるか」を考えるべきなのだ。フラット35のWebサイトでは、毎月の返済額から借入可能額を計算することもできるので、ぜひ手取りベースで返せる金額をシミュレーションしてほしい。
記事/江原さとみ
ファイナンシャル・プランナー、FPオフィスなでしこ代表(http://www.fp-nadesiko.com/)。システムエンジニアとして働きながらFP資格を取得。その後の証券会社や生・損保代理店での勤務経験を活かし、セミナーや執筆、個人相談など積極的に活動している。「お金の話を身近に、わかりやすく」がモットー。
監修/SAKU
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