2016年05月26日 09時40分

オトクに見えて落とし穴も! 知って役立つ「自動車保険の特約」

車が壊れて走行不能になった場合に役立つ「代車費用特約」はどんな特約? [拡大する]

車が壊れて走行不能になった場合に役立つ「代車費用特約」はどんな特約?

 誰しも事故には遭いたくないが、それでも時に起こりうるのが自動車事故。だからこそ自動車保険は、いざというときに役立つ内容にしておく必要がある。だが、仮に事故により自車が壊れて走行不能になった場合、「代車費用特約」が重宝できることは、意外と知られていないのではないだろうか。保険の実務に詳しいファイナンシャルプランナー(以下、FP)が、実際の事例をもとにわかりやすく解説する。

▼代車費用特約とは?

 代車費用特約とは、事故・故障時において一定の条件を満たす場合に、最大30日間(故障時は15日間)の代車費用が保険金で賄われる特約。保険会社ごとに名称や利用条件は異なるが、概ね「事故時に自走不能となり、現場から修理工場までレッカーによる搬送が行われた場合」に適用となる。なお、あくまで保険会社経由でレッカーを手配することが前提であり、自分で手配した場合は対象外となるのが基本なので注意が必要だ。

 実際にこの特約が役立った事例を紹介しよう。追突事故を起こしてしまったドライバーが、自走不能となったケースだ。このドライバーは代車費用特約を付帯していたため、事故報告とあわせて保険会社の提携修理工場を手配した。その結果、事故現場から工場までのレッカー移動、そして代車手配までスムーズに手続きが進み、当日から代わりの車を利用することができ、費用面も含め日常生活への支障を最小限におさえられたのだ。

▼保険料は安いが落とし穴も…

 最近では、ほとんどの自動車保険にロードサービスがセットされているため、レッカー搬送サービスを受けることは可能。また、代車を無料としている修理工場も増えてきた。そのため、「ロードサービス+工場代車」を前提に、代車費用特約を付帯しない人も多い。そのぶん保険料が安くなるからだ。だが、この組み合わせには落とし穴がある。

 修理工場には数台の代車が用意されているため、修理期間中は無料で貸してくれる。だが、まず混み合っているといった理由で代車に空きがない場合、事故現場からレッカー搬送はできても、工場が受け入れ可能かどうかはわからない。また、仮に受け入れられ、修理をしてくれることになっても、工場の無料代車は利用できず、レンタカーを手配しなければならない可能性もある。加入している保険会社のサービス内容にもよるが、この場合、費用が発生してしまうことも考えられるのだ。

 事故は突然起きるもの。自営業など業務において常に車が必要な場合は、もし急に使えなくなったら仕事にも影響が出るだろう。保険料を安くしようとするあまり、本当に必要な補償がないようでは本末転倒だ。今回紹介した代車費用特約は、事故はもちろん、故障の際にもとても役立つ補償である。ぜひ、付帯することをおすすめする。

<記事/奥田知典(マイアドバイザー登録FP)>
第一勧業銀行(現みずほ銀行)、東京海上日動火災保険、2006年から現在は(有)ekコンサルタント取締役として住宅セミナー講演、工務店経営支援、TV・ラジオ出演やコラム執筆等、幅広いジャンルで活躍中。

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自動車保険会社は、ダイレクト系と代理店系の2つに大きくわけられます。双方のメリット・デメリットをきちんと踏まえて選びましょう。

人身事故の最高賠償金額は約5億円。物損事故でも約3億円にのぼるケースがあります。まずは実際の事故事例を見て任意保険の必要性を知りましょう。

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