2016年09月08日 08時50分

ネット銀行の「住宅ローン」は安全? 借入時の比較ポイントもあわせて解説

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ネット銀行の住宅ローンを利用するのは安全なのか? FPが解説する

 金利面などで店舗型銀行よりも優位性のある「ネット銀行」。利率の高い定期預金が注目される傾向にあるが、なかには住宅ローンの取り扱いもある。とても大きな金額になるため、万が一に備える意味でも安全なところで借りたいものだが、基本的に実店舗のないネット銀行は危険ではないのだろうか? 考えていこう。

▼住宅ローンはどこで組んでも問題ない

 住宅ローンの借入先が破たんした場合は、ほかの銀行などに引き継がれるのが通常だ。個人を対象とする住宅ローンは、貸し倒れになる(=踏み倒される)ケースが比較的少なく、長期的に安定した収益が得られるため、“優良債権”として引き継がれる。

 引き継ぎの際、一方的に金利タイプや金利水準、残りの返済期間といった条件が変更される可能性は非常に低い。以前、シティバンク銀行の住宅ローンがUFJ銀行(当時)に一括譲渡されたときは、適用金利だけでなく、当時のUFJ銀行にはなかった「口座残高からの自動繰り上げ返済」という仕組みもすべて引き継がれた。

 したがって、住宅ローンは銀行の場合どこで組んでも大きな問題はないと考えていいだろう。もちろん、ネット銀行も選択肢に加えることをおすすめする。

▼金利だけでなく手数料なども比較すべき

 住宅ローンを組むのであれば、借入金利を比較するのは当然だ。例えば、2000万円を返済期間30年で借りる場合、適用金利(全期間固定金利)年1%と年1.1%では、総返済額は30万円以上違ってくる。そのため、まずは金利の低さを優先すべきだ。

 そのうえで、手数料や保証料、そのほかの諸経費など、金融機関ごとに異なる項目を比較検討しよう。ちなみに、住宅ローンを取り扱っているネット銀行では、ネット上で1円単位での繰り上げ返済を可能としていることが多い。魅力的ではあるが、金利や手数料が高いと元も子もない。トータルコストを見ていくことが重要だ

 店舗型銀行も含め、近年は住宅ローンの金利引き下げやサービスの競争が激化している。そのこと自体は歓迎だが、一方で細かな部分までチェックしないと優位性の高い住宅ローンがどれなのかわかりにくくなっている部分もあるので、手間を惜しまず比較検討することを心がけてほしい。

<記事/菱田雅生(マイアドバイザー登録FP)>
早稲田大学法学部卒業後、大手証券会社を経て独立系FPに。資産運用や住宅ローンなどを中心テーマに、相談業務や原稿執筆、セミナー講師などに従事している(http://www.la-consul.com)。

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