2017年02月13日 08時30分

ドラッグストアのレシートを捨てないで! “セルフメディケーション税制”とは?

医療費控除の新しい特例「セルフメディケーション税制」の概要を紹介 [拡大する]

医療費控除の新しい特例「セルフメディケーション税制」の概要を紹介

 そろそろ、確定申告シーズン。「医療費控除」の申告のために準備をしている人もいるかもしれない。実は今年分(つまり来年2018年に行う確定申告分)から、この「医療費控除」に新しい特例が始まったことをご存じだろうか。「セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)」と呼ばれる制度で、対象となる医薬品の購入額が年間1万2000円を超えると、「医療費控除」の対象になるというものだ。

 今年の確定申告には関係がないものの、来年申告する際には、今年分(2017年1月1日〜12月31日)の医療費のレシートが必要になるので、今のうちに確認しておこう。

■薬局やドラッグストアで買った医療費も対象になる!

 まず「医療費控除」とは、1年間の家族の医療費の自己負担額が合計10万円(総所得金額等が200万円未満の場合は総所得金額等の5%)を超えた場合に確定申告をすると、一定額の所得控除を受けることができ、税金が戻ってくるという制度だ。しかし、大きなけがや病気のほか、妊娠・出産などがない限り、年間10万円を超えることは少ないかもしれない。

 そこで、今年1月1日から始まった「セルフメディケーション税制」を確認しておこう。これは、薬局やドラッグストアなどで、対象製品となる「特定の成分を含んだOTC医薬品(スイッチOTC医薬品)」の購入額が1万2000円を超えれば、その金額を超えた金額(上限は8万8000円)に対して税金分が戻ってくるという制度。病院に行かず、薬局で薬を買うことが多い人はチェックしておきたい。なお、これは特例として2021年12月31日までの期間限定で行われる。

 また対象者は、これまでの医療費控除と同様で、自分と生計を一緒にしている家族や親族を含むので、仕送りをしている遠方の子どもや両親なども「生計を一緒にしている」のであればOKだ。

■条件をしっかり確認しておこう

 ただし、「セルフメディケーション税制」を利用するには、いくつか条件がある。

 (1)薬局やドラッグストアで買ったすべての医薬品が対象になるわけではなく、「治療または療養に必要な医薬品、製品」が対象だ。対象医薬品のパッケージにはロゴが明示されている(写真1、2)ほか、レシートにもその旨が表示される(写真3)ので、購入する際には確認しておこう。また、厚生労働省のホームページでも対象医薬品を確認でき、2月9日調査時点で1577品目が掲載されている。対象医薬品の追加や修正は随時行われている。

 (2)申告する際には、申告者が対象期間の1年間に“健康の維持増進および疾病予防への取り組み”として健康診断や特定健康診査、予防接種など、自主的に健康管理をしているという証明書を添付する必要がある。今年、健康診断や予防接種などを行ったら、結果通知表や領収書も一緒に保管しておこう。

 (3)これまでの「医療費控除」とは併用ができず、従来の医療費控除か、セルフメディケーション税制のどちらか一つを選ばないといけない。どちらが有利になるかは年末になるまでわからないので、病院にかかった際の領収書もまとめて保管しておくようにしよう。

 買い物をした際にレシートを受け取らなかったり、すぐに捨てたりする人もいるかと思うが、ドラッグストアなどで医薬品を購入した場合は、必ずレシートを保管しておこう。


(ライター:西山美紀)
ファイナンシャルプランナー。2児の母。これまでに1万件以上のマネーデータを分析し、500人以上にマネーの取材を行うほか、女性の生き方などをテーマに取材・執筆・記事監修なども行っている。著書に『お金が貯まる「体質」のつくり方』(すばる舎)。公式サイト:http://www.nishiyamamiki.jp/

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