2017年11月29日 12時40分

トヨタ車に搭載  LINE開発AIアシスタント「Clova」、その実力とは?

トヨタ・プリウスに搭載したLINEが開発したAIアシスタント「Clova(クローバ)」(第45回東京モーターショー2017にて) [拡大する]

トヨタ・プリウスに搭載したLINEが開発したAIアシスタント「Clova(クローバ)」(第45回東京モーターショー2017にて)

 現在、さまざまなジャンルで導入が進む人工知能。自動車業界においても、音声を認識し、要求された検索などのタスクを実行する「AIアシスタント」が注目を集めている。2018年からは、「LINE」が開発したAIアシスタント「Clova(クローバ)」とトヨタ自動車による連携もスタート。これにより、一体どんなことが可能になるのだろうか?

■クルマを運転しながら声でLINEの操作が可能に

 10月27日から11月5日まで東京国際展示場にて開催した「第45回東京モーターショー2017」のトヨタ自動車ブースで話題を呼んだのが、AIアシスタント「Clova」を車内で利用できる新サービス。そのプロトタイプが初公開された。「Clova」は、LINEとNAVERの共同プロジェクトにより開発されたAIアシスタントで、チャットをベースとしたコミュニケーション技術や検索技術、豊富なコンテンツやサービスを提供している。

 トヨタ・プリウスの車載機器と連携した同サービスは、たとえばステアリングホイールに音声認識ボタンをタップして話しかけることで、「LINE」アプリの新着メッセージを読み上げるといった機能を呼び出すことができる。トヨタは、クルマとスマホを連携させ、アプリを車載ディスプレイ上で操作することを目指しているが、この新サービスもその一環といえるだろう。

 ほかにも、音声のみの操作でLINEメッセージのやりとり、LINE MUSICで好きな音楽を再生、天気やニュースなどの確認もできる。これは、クルマとスマートフォンをつなぐ「スマートデバイスリンク(SDL)」という仕組みが利用されているとのこと。

■今後の“AI×自動車”に注目

 東京モーターショーで展示されていたプロトタイプは、2018年中にはサービスとして提供を開始する予定だ。トヨタはAIの技術をクルマに活用するための研究にも熱心で、今年1月にはAI 研究のための新会社「トヨタ・リサーチ・インスティテュート」を設立している。今後、「Clova」がどのように進化していくかにも注目だ。

 また、他社でも同様の取り組みは行われている。たとえば、メルセデス車では、アマゾンのAI音声アシスタントサービス「Alexa」(アレクサ)を用いた機能の拡充を試みている。ドライバーが「アレクサ、メルセデスに航続について聞いて」と言えば、次の燃料補給までに何km走行できるか教えてくれる、といったものだ。

 三菱自動車では、コンセプトカー「MITSUBISHI e-EVOLUTION CONCEPT」の概要を発表。AIがドライバーの運転スキルを学習し、改善すべきところがあれば音声でアドバイスするコーチングの技術を搭載するという。

 “AI×自動車”の開発は確実に進んでいる。AIが当たり前のようにカーライフをサポートする未来もそう遠くなさそうだ。

(オオノ・ヨーコ)

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