中庭のある家のメリット・デメリットは?注意点やアイディアを紹介

中庭のある家のメリット・デメリットは?注意点やアイディアを紹介

家族や大切な人と自由にくつろげる中庭に、憧れる人は多いでしょう。中庭は、家の中を明るく風通しの良い空間にしたり、プライバシーを維持した空間を楽しめたりと、さまざまなメリットがあります。

一方で、建築コストが高くなったり、居住スペースが狭くなったりといったデメリットも考えられます。限られた敷地の中で中庭を設ける際には、どのような点に注意する必要があるのでしょうか。

この記事では、中庭のある家のメリット・デメリットのほか、中庭を造る際の注意点中庭をより充実させるためのアイディアなどをご紹介します。

mokuji目次

  1. 中庭とは、建物や壁に囲まれた屋根のない空間のこと
    1. ロの字型
    2. コの字型
    3. L字型
  2. 中庭のある家のメリット
    1. 採光性や通気性が良くなる
    2. プライバシーが確保しやすい
    3. 防犯性が高い
    4. 子供やペットが安全に遊べる
    5. 多目的で使える
  3. 中庭のある家のデメリット
    1. 建築コストが高くなる
    2. 湿気や熱が滞留しやすい
    3. メンテナンスの手間が増える
    4. 冷暖房効率が良くない
    5. 居住スペースが狭くなる
  4. 中庭のある家を造るときの注意点
    1. 生活動線を考えた間取りにする
    2. 十分な排水設備を確保しておく
    3. 窓の大きさや数、位置を考える
    4. 実績のある施工業者を選ぶ
  5. 中庭のある家をより充実させるアイディア
    1. タイル張りやウッドデッキにする
    2. 植物を配置する
    3. 芝生を敷く
  6. 中庭のある家は、実際の暮らしを想像してプロに相談を

中庭とは、建物や壁に囲まれた屋根のない空間のこと

中庭とは、住宅の内部の一角にあるオープンスペースで、壁や建物に囲まれた屋根のない場所のことです。通常の庭のように季節を感じられる空間でありながら、外部からの視線が気にならない造りで、プライベート空間としてさまざまな使い方ができます。中庭は大きく、「ロの字型」「コの字型」「L字型」の3つに分けられます。

ロの字型

ロの字型は、スペースの周囲を壁や建物がぐるりと取り囲んだ中庭です。建物の内側からしか中庭に入ることができないため、第三者の視線が気にならない完全なプライベート空間として活用できます。

光が届きにくい家の中心部が明るくなるのもメリットです。ただし、真ん中に中庭を抱き込むような形になるため設計が複雑になり、建築コストが高くなる可能性があります。

コの字型

コの字型は、中庭の三辺を建物や壁が囲んでいる造りです。開口部の一辺は外に開いているため、外との出入りがしやすく、利便性が良いことがポイントです。

三辺は壁に囲まれているので、隣家や通りからの視線を適度にさえぎりながら、開放感のある空間にすることができます。

L字型

L字型は、アルファベットのLのように、長めの一辺と短めの一辺で囲まれたタイプの庭です。ロの字型やコの字型よりも広めの中庭を造ることができ、建物の間取りの制限も少ないため、3つのパターンの中ではコストも抑えられます。

道路に面した側を庭にせずに家屋を建てれば、建物が目隠しとなって適度にプライバシーを保つことも可能です。

中庭のある家のメリット

中庭のある家は、採光性や通気性が良くなり防犯性も期待できるなど、さまざまなメリットがあります。中庭のある家造りを検討するにあたって、参考にしてみてください。

採光性や通気性が良くなる

中庭のある家のメリットは、採光性や通気性が良くなることです。
中庭を造ると家の表面積が増えます。その分、中庭に接する部屋に大きな窓やガラス戸を設置することで、通常の間取りでは暗くなりがちな北側の部屋にも自然光や風を取り込むことが可能です。家全体が、より明るく快適になるでしょう。

プライバシーが確保しやすい

通常の庭に比べると、プライバシーが確保しやすいことも中庭のある家のメリットです。通常の庭と中庭との大きな違いは、プライバシーを確保できるかどうかです。

通常の庭は道路や隣地に対して開かれているため、外からの視線が気になることが少なくありません。中庭は家が庭を取り囲んでいるため、隣家が近い都心部の住宅でも、人目が気になりにくくなります。

防犯性が高い

防犯性が高いことも、中庭のある家のメリットです。道路や隣家に面した通常の庭に比べて、特にロの字型は、中庭に面した窓を開け放しておいても、外から他者に侵入される可能性が低いといえます。開放感のある暮らしを安心して楽しむことができるでしょう。

子供やペットが安全に遊べる

中庭のある家のメリットとして、子供やペットが安全に遊べることも挙げられます。庭が建物に囲まれているため、目を離した隙に子供やペットが外に出てしまう可能性が低くなります。

キッチンやリビングから中庭がひと続きになるよう間取りを工夫すれば、子供やペットの様子を見ながら家事をすることも可能です。

多目的で使える

あらゆる目的で活用できることも、中庭のメリットといえます。中庭は、自由度の高い使い方ができる空間です。建物で囲っている分、通常の庭に比べて隣家に煙や音が届きにくいため、バーベキューやDIY、子供のプール遊びなどにも最適です。ライフスタイルにあわせて、活用の仕方をアレンジできます。

中庭のある家のデメリット

中庭のある家のデメリット

中庭のある家にはさまざまなメリットある一方、通常の庭に比べると建築コストが高くなったり、メンテナンスが必要になったりといったデメリットもあります。それぞれについて詳しく解説します。

建築コストが高くなる

中庭のある家のデメリットとして、建築コストが高くなることが挙げられます。中庭のある家を造るためには、ある程度の広さの土地が必要です。そのため、まずは土地の取得に費用がかかる可能性があります

また、シンプルな形の家に比べ、設計が煩雑になる分、建築コストもかさむ場合も少なくありません。表面積が広くなるため、外壁代やサッシ代がプラスになることも注意しておく必要があるでしょう。

湿気や熱が滞留しやすい

湿気や熱が滞留しやすいことも、中庭がある家のデメリットといえます。中庭は建物に囲まれているため、雨が降った後には湿気が溜まったり、日射が強い日には熱がこもったりすることがあります

雨水を外に流れやすくするための排水設備を整えたり、熱を外に逃がしやすくするための隙間を外壁に設けたりするといった対策をしておくことが大切です。

メンテナンスの手間が増える

メンテナンスの手間が増えることも、中庭がある家のデメリットです。中庭を造ると、建物の外壁部分の面積が増えます。その分、一般的な住宅より、外壁を手入れする手間が増える可能性があります

また、中庭に設けた排水口のメンテナンスや、窓の掃除なども定期的に行う必要があるでしょう。

冷暖房効率が良くない

中庭がある家のデメリットとして、冷暖房効率が良くないことも挙げられます。中庭があると窓が増えて採光性が良くなる反面、断熱性能が悪くなることがあるためです。

光熱費がかさむ場合もあるため、施工業者に相談しながら、必要な箇所には断熱材を使うなど検討してみてください。

居住スペースが狭くなる

中庭がある家は、居住スペースが狭くなるというデメリットもあります。中庭を広くしたことで居住スペースが狭くなり、家でくつろげないという事態を避けるため、先に居住スペースを確保した上で、中庭の位置や広さを検討することが大切です。

中庭のある家を造るときの注意点

中庭のある家を造る際には、生活動線を踏まえながら、間取りや設備を整えておく必要があります。中庭のある家を造るときに注意しておきたい点をご紹介します。

生活動線を考えた間取りにする

中庭のある家を造るときの注意点のひとつが、普段の生活の動線を考えた間取りにすることです。

例えば、寝室からトイレへ行くのに、中庭の周囲をぐるりと遠回りをする必要があるような間取りはおすすめできません。キッチンからダイニング、洗濯場からベランダといったように、家事をする際の動線をよく考えながら、部屋の位置を決めることが大切です。

十分な排水設備を確保しておく

十分な排水設備を確保しておくことも、中庭のある家を造る際には注意が必要です。大量の雨が降った際、スムーズに排水を促せるよう、排水設備を充実させておく必要があります

中でもロの字型の中庭は、設計に失敗すると水が溜まり、家の劣化が早くなってしまいます。排水口を設置することはもちろん、水はけの良い床材を選ぶと安心です。

窓の大きさや数、位置を考える

窓の大きさや数、位置をよく検討しておくことも、中庭のある家を造るときに注意しましょう。中庭に面した窓は、サイズが大きすぎたり数が多すぎたりすると、耐震強度が下がります。また、断熱性が落ちたり、冷暖房効率が悪くなったりする場合もあります。適切な窓の大きさと数、位置を施工業者に相談してみてください

実績のある施工業者を選ぶ

中庭のある家を造るときの注意点として、施工業者選びも欠かせません。中庭のある家の快適性を高めるには、断熱性や耐震性、メンテナンスのしやすさ、動線など、多角的な視点を設計に反映する必要があります。

これまで中庭にまつわる豊富な実績があり、専門的な知見のある施工業者を選ぶことが大切です。

中庭のある家をより充実させるアイディア

中庭のある家をより充実させるアイディア

続いては、中庭をさらに使い勝手良く、過ごしやすい空間にするためのアイディアをご紹介します。手軽にできることも多いので、ぜひ取り入れてみてください。

タイル張りやウッドデッキにする

中庭のある家を充実させるアイディアのひとつが、タイル張りやウッドデッキを取り入れることです。くつろぐために中庭を使うことが多いなら、テーブルセットなどが置きやすいタイル張りやウッドデッキにするのもおすすめです。

室内の床と素材のテイストをそろえて連続性を高めることで、広さも感じられるようになります。

植物を配置する

気に入った植物を取り入れることも、中庭のある家を充実させるアイディアです。シンボルツリーを1本植えたり、観葉植物を置いたりするだけで、身近に自然を感じられる空間になります。手入れの手間を考えて、落ち葉の少ない植物を選ぶのがおすすめです。

芝生を敷く

芝生を買ってきて敷くことも、中庭のある家を充実させるアイディアです。見た目が青々としている芝生は、室内からの眺めが良くなるだけでなく、万が一小さな子供が転んでも衝撃をやわらげてくれるため、遊び場としての安全性も高めてくれます

暑さが厳しい夏に、日差しの照り返しが少ないこともメリットです。

中庭のある家は、実際の暮らしを想像してプロに相談を

中庭は、採光性や通気性が良くなり防犯性にも優れ、さまざまな目的で活用できるなどのメリットがあります。一方で、建築コストが高くなったり居住スペースが狭くなったりするなどのデメリットがあることも頭に入れておきましょう。

普段の生活動線を踏まえた上で、ライフスタイルに合った間取りや適切な設備を検討することが大切です。中庭のある家を造る際は、実績と知見が豊富な施工業者に相談することをおすすめします。

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