吹き抜けとは?高天井との違いや、メリット・デメリットを解説

吹き抜けとは?高天井との違いや、メリット・デメリットを解説

上下階の空間を縦につなぐ吹き抜けは、住まいに開放的な印象を与えます。採光性が高く、部屋を明るい雰囲気にする点も吹き抜けのメリットです。
一方、上のフロアのスペースが狭くなったり、掃除やメンテナンスの手間が生じたりといったデメリットがあることをご存じでしょうか。

本記事では、吹き抜けのメリット・デメリットのほか、吹き抜けのある空間をより快適に過ごすための方法をご紹介します。一般的に混同されがちな高天井との違いについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

mokuji目次

  1. 吹き抜けは複数階を縦にまたぐ連続的な空間
    1. 吹き抜けと高天井の違い
  2. 吹き抜けを造るメリット
    1. 開放感が生まれる
    2. 採光性が向上する
    3. 風通しが良くなる
    4. 家族の存在が感じられる
    5. 家がおしゃれな雰囲気になる
    6. リビング階段との相性が良い
  3. 吹き抜けを造るデメリット
    1. 上のフロアのスペースが狭くなる
    2. 掃除やメンテナンスが大変になる
    3. 音や匂いが漏れる
    4. 光熱費が高くなる
    5. 耐震強度が低くなる
  4. 吹き抜けの空間をさらに快適にする方法
    1. 照明の明るさや数を調整する
    2. 全館空調を導入する
  5. 吹き抜けのある家づくりは、実績のあるハウスメーカーへ

吹き抜けは複数階を縦にまたぐ連続的な空間

吹き抜けは、複数階ある建物において、下層階の天井であり上層階の床である部分を取り払い、縦に連続して空間をつないだ場所のことです。

マンションの場合はエントランスホールなどにおいて吹き抜けが設けられていることが多く、戸建ての場合は玄関のほか、リビング、階段などでよく取り入れられています。

吹き抜けと高天井の違い

吹き抜けと似た造りに、高天井があります。どちらも、1つの部屋を実際の面積以上に広く見せ、圧迫感のない造りにする点は同じですが、空間の造り方が異なります。

まず、吹き抜けは、上下階をさえぎる天井や床を取り払い、2つ以上の階にわたって空間をつなげています。上層階からは下層階を見下ろすことができ、空間に連続性があるのが特徴です。

一方の高天井は、1つの階層の天井の高さを上げた間取りです。設置するには複数の階層を必要とする吹き抜けに対して、高天井は平屋でも造ることができます。

高天井の高さについては明確な定義はないものの、一般的な一戸建て住宅の天井高が2.4〜2.7m程度であることが多いのに対し、高天井は3m以上であることが多いようです。
家族や来客との時間をのびのび過ごせるよう、リビングルームやダイニングルーム、ゲストルームなどに高天井を採用するケースも見られます。

吹き抜けを造るメリット

家の中に吹き抜けを設けることには、さまざまなメリットがあります。ここでは、部屋の雰囲気や機能性における吹き抜けのメリットをご紹介します。

開放感が生まれる

吹き抜けを造るメリットのひとつが開放感です。天井が高くなることによって、頭上の圧迫感が抑えられます。
土地の形状や予算の都合で1フロアの広さに制限がある場合でも、吹き抜けを取り入れることによって空間の広さを体感することができるでしょう。

採光性が向上する

部屋の採光性が向上することも、吹き抜けを造るメリットです。吹き抜けの上部に窓を設置することで、自然光が室内に届きやすくなります。

隣家との間隔が狭く自然光が入りにくい都心の住宅でも、2階から1階に光を取り込むことができ、家全体が明るい雰囲気になります。

風通しが良くなる

吹き抜けを造るメリットとして、風通しが良くなることも挙げられます。吹き抜けの上部に開閉可能な高窓を設けて換気をすることで、部屋に新鮮な空気が循環し、換気効率の向上が期待できます。

ただし、開閉できない「FIX窓(はめ殺し窓)」を設ける場合、換気はできません。吹き抜け部分に窓を設ける場合は、換気や掃除のしやすさなどを考慮して種類を決めることが大切です。

家族の存在が感じられる

吹き抜けを造ると、家族の存在がいつでも身近に感じられることもメリットといえます。戸建ての場合、違うフロアにいると、家族同士でお互いの様子が把握しにくいことも少なくありません。

一方、吹き抜けがあると、上層階と下層階の空間がつながることで、異なるフロアにいる家族の気配が伝わりやすくなります。家族間のコミュニケーションが、さらにとりやすくなることも期待できるでしょう。

家がおしゃれな雰囲気になる

家がおしゃれな雰囲気になることも、吹き抜けを造るメリットです。吹き抜けはどの家にもある定番の間取りではないからこそ、特別感のあるおしゃれな雰囲気を演出できます

さらに、上階まで続く長い壁面を活かしたインテリアや壁紙、照明などを取り入れれば、お気に入りの空間に仕上げることができます。

リビング階段との相性が良い

吹き抜けを造るメリットとして、リビング階段との相性が良いことも挙げられます。リビングの一角に階段を設ける「リビング階段」は、外出時や帰宅時に必ずリビングを通るため、家族が接する機会を増やせる人気の間取りです。

リビング階段と吹き抜けは相性が良く、組み合わせることで空間をより広く見せることができます。また、下の階から上の階へと空気が循環しやすくなり、効率良く自然換気できることもメリットです。

吹き抜けを造るデメリット

吹き抜けを造るデメリット

吹き抜けにはメリットが多くある反面、設置する前に知っておきたいデメリットも存在します。吹き抜けを造る際に考えられるデメリットは、下記のとおりです。

上のフロアのスペースが狭くなる

吹き抜けを造ると、上のフロアの空間が狭くなることはデメリットといえます。吹き抜けによって上のフロアの床面積が減少した結果、理想どおりの部屋数や広さを確保できなくなることもあります。

居住スペースをなるべく確保したい場合は、家の真ん中に配置されたリビングではなく、家の端にある玄関に吹き抜けを造るなどの工夫をするといいかもしれません。

掃除やメンテナンスが大変になる

掃除やメンテナンスが大変になることも、吹き抜けを造るデメリットのひとつです。吹き抜けを設置すると、天井やシーリングファンが高い位置に設置されるため、自力で掃除をするのが難しくなります

専門の業者に依頼をして足場を組んでもらうなどの対応が必要になることもあるため、ランニングコストがかかる可能性も考えておきましょう。

音や匂いが漏れる

吹き抜けを設けるデメリットは、音や匂いの漏れが気になることです。吹き抜けのおかげで家族の存在を近くに感じられる一方、音や匂いも吹き抜けを通して家全体に伝わる可能性があります

賑やかなリビングの声がテレワークの妨げになったり、料理の匂いが上のフロアに充満したりすることもあるでしょう。設計の段階で、換気や防音に関する対策を施工業者に相談しておくことをおすすめします。

光熱費が高くなる

光熱費が高くなる場合があることも、吹き抜けを造るデメリットです。吹き抜けがあることで、冬場はエアコンの暖かい空気が上へと逃げてしまい、下のフロアが暖まるのに時間がかかる場合もあります。

反対に夏場は、高窓から日が差し込み、冷房が効きにくくなることもあります。
エアコンの位置を工夫したり、高窓を覆うシェードを取り付けたりといった対策が必要です

耐震強度が低くなる

耐震強度が低くなる場合があることも、吹き抜けを設けるデメリットといえます。例えば、2階建ての家の場合、2階の床がなく、支える柱が通常より少ない分、吹き抜けの大きさによっては耐震強度が低くなる可能性も考えられます。

吹き抜けのある家の設計実績が豊富なハウスメーカーに依頼し、耐力壁を設置する、補強のために梁を入れるなどの対策が必要になることもあるでしょう。また、吹き抜けに大きな窓を設置した場合は、自然災害で割れる可能性を考慮して、強度の高いガラスを採用することもおすすめします。

吹き抜けの空間をさらに快適にする方法

吹き抜けの空間をさらに快適にする方法

吹き抜けのある暮らしをより快適にするためには、いくつか工夫できることがあります。下記の方法を参考にしてみてください。

照明の明るさや数を調整する

照明の明るさや数を調整すると、吹き抜けの空間がさらに快適になります。吹き抜けがあると昼間の採光性が上がる一方、夜になると照明の光が吹き抜けの下に届きにくくなる場合があります。

薄暗くなるのを避けるため、十分な明るさのある照明を取り付けたり、吊り下げ型の照明を組み合わせたりすると、夜も快適に過ごせます。

全館空調を導入する

吹き抜けの空間をさらに快適にする方法として、全館空調の導入も考えられます。全館空調とは、家の中の空調を一括管理して全体の温度を快適に保つシステムです。

すべての部屋の室温を均一にできるため、吹き抜けによる大きな空間があっても、全体の室温をムラなく整えてくれます。そのため、冷暖房効率も上がり、季節を問わず寒暖差の少ない快適な空間となります。

吹き抜けのある家づくりは、実績のあるハウスメーカーへ

吹き抜けは、家の中に開放感を生み、採光性を向上させるなど、多くのメリットがあります。一方で、居住スペースが狭くなったりメンテナンスが大変になったりといった、デメリットが生じる可能性も考えられます。
吹き抜けのある家づくりを行うときは、実績が豊富なハウスメーカーに相談し、懸念点への対策を考えておくことが大切です

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