生命保険の選び方のポイントは?各保険の種類や特徴も解説

生命保険の選び方のポイントは?各保険の種類や特徴も解説

生命保険には、死亡保険や医療保険、がん保険など数多くの種類があります。そのため、加入すべき生命保険の選び方で迷ってしまう人は少なくありません。

生命保険の選び方で重要となるのは、加入する目的や保障が必要な期間、必要な保障額などを考えたうえで、商品を比較することです。

この記事では、生命保険の基本的な仕組みや種類、選び方のポイントを解説します。

mokuji目次

  1. 生命保険とは何か?
    1. 生命保険の基本的なしくみ
    2. 生命保険の種類
  2. 生命保険の種類と特徴
    1. 定期保険
    2. 終身保険
    3. 収入保障保険
    4. 民間医療保険
    5. がん保険
    6. 就業不能保険
    7. 民間介護保険
    8. 養老保険
    9. 学資保険
  3. 自分に合った生命保険の選び方とポイントを解説
    1. 加入目的を明確にする
    2. 保障が必要な期間を検討する
    3. 必要保障額を把握する
    4. 無理のない保険料であるかを確認する
  4. ライフステージ別の保険見直しポイント
  5. 選び方のポイントを押さえ、自分に合った保険商品の選択を

生命保険とは何か?

生命保険とは何か?

まず、そもそも生命保険とは何かを解説していきます。

生命保険の基本的なしくみ

生命保険は、亡くなったときや病気になったときなどに、保険金や給付金を受け取れる商品です。
生命保険に加入した人がそれぞれ保険料を支払い、万が一のことが起こった人には集められたお金のなかから給付が受けられるという「相互扶助」の仕組みで成り立っています。

生命保険を契約するときは「契約者」「被保険者」「保険金受取人」という3つの名義を決めます。それぞれの役割は、以下の通りです。

契約者:生命保険会社と契約を結び、契約内容や名義の変更などができる権利と保険料を支払う義務を負う人
被保険者:保険がかけられている人、被保険者の生死や病気、ケガなどが保険の対象となる
保険金受取人:保険金や給付金などを受け取れる人

生命保険の種類

厳密にいうと生命保険とは、被保険者の死亡や生存によって保険金が支払われる商品のことです。生命保険には「死亡保険」「生存保険」「生死混合保険」の3種類があります。

死亡保険:被保険者が亡くなったときや所定の高度障害状態になったときに保険金が支払わる商品(例:定期保険・終身保険)
生存保険:保険期間(保障を受けられる期間)が満了したときに、被保険者が生存していると保険金が支払われる商品(例:学資保険・個人年金保険)
生死混合保険:死亡保険と生存保険を組み合わせた商品(例:養老保険)

上記の他にも、病気やケガをした際の「(民間)医療保険」や、所定のがんに手厚く備えられる「がん保険」も、広い意味で生命保険といわれます。

生命保険の種類や特徴については、以下の記事も参考にしてください。
生命保険とは? 仕組みや種類をわかりやすく解説

生命保険の種類と特徴

生命保険の種類と特徴

続いて、ここから生命保険の種類と保障内容を詳しくみていきましょう。

定期保険

定期保険は、保険期間が「10年間」や「60歳まで」といった一定期間である死亡保険です。保険期間が満了するまでのあいだに、被保険者が亡くなったときや所定の高度障害状態になったときに、死亡・高度障害保険金が一括で支払われます。

定期保険を途中で解約しても、戻ってくるお金(解約返戻金)はないか、あってもごくわずかです。その代わりに、一生涯にわたる保障がある終身保険よりも保険料が割安であるため、家計への負担を抑えながら万が一に手厚く備えることができます。

終身保険

終身保険は、一生涯にわたって死亡と所定の高度障害の保障が続く死亡保険です。保険料は「20年間」や「60歳まで」などの一定期間、払い込んでいきますが、商品によっては一生涯支払い続ける「終身払」も選べます。
また、終身保険を途中で解約したときは、加入から経過した期間に応じた解約返戻金が戻ってきます。保険料の払込期間が終わった後に終身保険を解約すると、払い込んだ保険料の総額を上回る解約返戻金を受け取ることもできるため、資産形成に活用することも可能です。

終身保険については、以下の記事も参考にしてください。
貯蓄型保険とは?死亡保険(終身保険)についてもわかりやすく解説

収入保障保険

収入保障保険は、万が一のことがあったときに、死亡保険金を年金形式で受け取ることができる保険です。被保険者が亡くなった後、一定期間にわたって毎月決まった保険金が支払われるため、残された家族の生活費や子どもの教育費をカバーすることに特化した商品といえます。

定期保険と同様に掛け捨て型の保険であり、途中で解約しても基本的に解約返戻金はありません。

民間医療保険

民間医療保険は、病気やケガで入院・手術をした際に給付金が支払われる保険です。主な保障は、入院時に支払われる入院給付金と、手術を受けた際の手術給付金です。

入院給付金の多くは、病気やケガを治療する目的で入院したときに「入院給付金日額×入院日数」で計算される給付金が支払われます。手術給付金は、受けた手術の種類によって給付金額が異なるものと、定額のものがあります。

また、特約を付けるとがんや三大疾病(がん・心筋梗塞・脳卒中※)、先進医療による療養を受けたときの費用負担などの保障を手厚くすることも可能です。
※保険会社によって三大疾病の定義は異なります

がん保険

がん保険は、保障の対象が所定のがんに限定される代わりに、がんに手厚く備えることができる保険です。主な保障は、所定のがんと診断された場合のがん診断一時金や、がんの専門治療(例:放射線治療・抗がん剤治療)などを受けたときのがん治療給付金などです。

保障対象となるがんとは、基本的に「生まれて初めて診断確定された悪性新生物」のことを指しますが、2024年7月現在は「上皮内新生物」も保障対象となる商品もあります。

ただし、がん保険には基本的に「免責期間」があり、契約が成立して保険期間が開始されてから90日間、または3カ月のあいだにがんと診断されても給付金の支払対象にはなりません。

就業不能保険

就業不能保険は、病気やケガで長期間にわたって働けなくなった際の収入減少に備えられる保険です。就業不能保険に加入すると、保険会社の定める就業不能状態になった場合、免責期間(通常は60日から180日)を経過した後に、保険金が支払われます。

保険期間が満了するまでのあいだ、所定の就業不能状態が続く限り、保険金を受け取ることが可能です。保険期間は、60歳満了や65歳満了など、年齢を基準に決めるのが一般的です。

また、うつ病を始めとした精神疾患による就業不能も、保障対象とする商品もあります。

民間介護保険

民間介護保険は、介護が必要になったときの介護費用をカバーするための保険です。被保険者が介護を必要となる状態になり、保険会社が定める給付条件に当てはまると、給付金が支払われます。

給付金の受取方法は、年金形式、一時金、あるいはその両方です。※商品によって選択できる受取方法は異なります。

給付金が支払われる条件は、公的介護保険制度の要支援・要介護認定と連動するものと、保険会社が独自に定めているものがあります。

養老保険

養老保険は、生死混合保険の1種であり、保険期間中に被保険者が死亡したときだけでなく、満期まで生存したときも保険金が支払われる商品です。

養老保険には貯蓄機能があるため、万が一に備えながら老後資金や教育資金などを積み立てることができます。保険期間は10年、20年などの選択肢があります。保険会社が用意する範囲で、万が一の保障を確保したい期間や資金が必要となるタイミングなどに応じて保険期間を設定することができます。

学資保険

学資保険は、子どもの教育資金を準備することに特化した貯蓄型の保険です。子どもが18歳など一定の年齢に達すると、満期保険金や学資金を受け取れるのが特徴です。子どもが小学校や中学校などに進学するたびにお祝い金が支払われる商品もあります。

また、学資保険の多くには「保険料払込免除特約(特則)」が付いており、契約者である親や祖父母などが万が一亡くなったときは、その後の保険料が免除されます。

保険料の払い込みが免除された後も、子どもは契約時に定めたタイミングで満期保険金やお祝い金などを受け取れるため、保護者の万が一に備えながら計画的に教育資金を準備することが可能です。

学資保険について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
学資保険とは?特徴や加入するメリットなどをわかりやすく解説

自分に合った生命保険の選び方とポイントを解説

自分に合った生命保険の選び方とポイントを解説

ここからは、自分に合った生命保険の選び方とポイントをわかりやすく解説していきます。

加入目的を明確にする

生命保険を選ぶ際は、まず保険に加入する目的を明確にすることが大切です。

例えば、自分自身が亡くなったときに、残された家族が生活費や住宅ローン、子どもの教育費などの支払いに困らないようにすることが加入する目的であるとしましょう。この場合、定期保険や収入保障保険などで死亡保障を準備するのがよいといえます。

保障が必要な期間を検討する

加入目的が決まった後は、いつまで保障が必要なのかを考えます。

例えば、万が一のときに家族の生活費だけでなく子どもの教育費も準備するために生命保険に加入するとしましょう。この場合、子どもが独立するまでの年数を1つの目安として保険期間を考えます。

現在だけでなく、高齢になって病気のリスクが高まったときも医療保障を準備したいのであれば、保障期間が一生涯である終身型の医療保険やがん保険が主な選択肢となります。生命保険を選ぶ際は、現在の年齢や家族構成をもとに、ライフステージに合った保険期間を設定することが大切です。

必要保障額を把握する

必要保障額は、万が一のことがあったときに必要となる資金の総額です。亡くなった後に、残された家族が支払っていくと想定される支出(支出見込額)から、想定される収入(収入見込額)を差し引いて計算します。支出見込額と収入見込額に該当するものは、それぞれ以下の通りです。

支出見込額

収入見込額

・残された家族の生活費
・子どもの教育費
・住居費用(家賃・駐車場代など)
・自分自身の葬儀費用
・借入金などの負債の精算資金
・相続税の納税資金・相続費用
・予備費 など

・遺族年金などの公的保障
・死亡退職金や弔慰金
・預貯金・有価証券などの自己資産
・配偶者の労働で得られる収入

例えば、支出見込額が1億8,000万円、収入見込額が1億4,000万円である場合、必要保障額は「1億8,000万円−1億4,000万円=4,000万円」です。そのため、生命保険に加入する際は、死亡保険金額を4,000万円に設定することで、過不足のない保障を準備できると考えられます。

必要保障額を正確に計算するためには、万が一のことがあった後の生活費や教育費、国から支給される遺族年金などを調べる必要があります。そのため、保険金額を決めるときは保険会社の担当者やファイナンシャルプランナーなどにサポートを依頼するとよいでしょう。

無理のない保険料であるかを確認する

生命保険の保障を手厚くすると、保険料は高くなります。保険料の負担が家計を圧迫すると、生活が苦しくなってしまいかねません。

そのため、生命保険に加入する際は、問題なく支払っていける保険料となっているかをよく確認することが大切です。検討している契約内容の保険料負担が重いと思われるときは「優先順位の低い保障を削る」「保険料の払込期間を削減する」などの方法で調整をしましょう。

ライフステージ別の保険見直しポイント

ライフステージ別の保険見直しポイント

結婚や出産、子どもの独立、定年退職などによって必要な保障内容や保障額が変化することがあります。生命保険に加入した後も、ライフステージに応じて適切に見直しをすることが重要です。

以下は、ライフステージごとに生命保険を見直す際のポイントです。

結婚したとき
●夫婦共働きの場合は病気やケガをしたときの保障を検討する
●配偶者が仕事を辞めて世帯収入が低下したときは、家計を支える人の死亡保障を検討する

家を購入したとき
●住宅ローンを組み団体信用生命保険(団信)に加入した場合は、借り手に万が一のときにローン残債が保障されるようになるため、死亡保険金の減額ができないか検討する

子どもが生まれたとき
●万が一のときの子育てにかかるさまざまな支出や教育費に備えるため、死亡保険の新規加入や保険金の増額を検討する

子どもが独立したとき
●大きな死亡保障が不要となる場合が多いため、保険金の減額を検討する
●医療保険、がん保険、介護保険など、自身の健康リスクに備えられる保険の加入を検討する
●個人年金保険や変額個人保険など、老後に向けた資金づくりができる保険の加入を検討する

定年退職したとき
●一時払いの終身保険などの生命保険で、葬儀費用や遺品整理費用などの準備や、相続税の非課税枠を活用した相続対策などをすべきか検討する

こうしたライフステージの節目で、家族構成の変化や収入・支出の変動を考慮し、必要保障額を再計算します。

生命保険の見直しについて詳しく知りたい方はこちらもご覧ください。
生命保険の見直しのポイントは?タイミングや注意点もわかりやすく解説

選び方のポイントを押さえ、自分に合った保険商品の選択を

生命保険を選ぶ際は、まず加入目的を明確にしたうえで、保険の種類を選ぶことが大切です。また、保険期間を決める際は「いつまで保障が必要なのか」を考えます。必要保障額については、万が一のときの支出見込額から収入見込額を差し引いて計算します。

加えて、生命保険に契約したあとも問題なく支払っていける保険料であるかを確認することも重要です。自分自身にあった生命保険を選ぶためには、家族構成やライフステージなどをもとに、項目を1つずつ検討していきましょう。

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