60歳以上で生命保険は必要?選び方や見直し方法をわかりやすく解説
この記事では、60代からの生命保険の必要性と見直すべき保険の種類、見直しのポイントについてわかりやすく解説します。これから保険の見直しを考えている60代の人は、ぜひ参考にしてください。
目次
60代からの生命保険は必要?
60代からも生命保険は必要
長生きできるようになった現代において、老後の生活資金や医療費、介護費など、将来のお金に対する不安は尽きないでしょう。
生命保険文化センターの「2022年生活保障に関する調査」によると、「生活上の不安項目」(複数回答)において、「自分の介護が必要となること」を挙げた60歳代は男性49.3%、女性57.0%でした。
この割合は、20歳代から70歳代の中で60歳代が最も高い数値です。
つまり、60代は病気やケガのリスクが高まり、医療費がかかる可能性も高くなる年代といえます。
だからこそ、そのようなリスクに備えて、生命保険への加入が重要になります。
セカンドライフの安心のために、生命保険でしっかりと備えておきましょう。
60代の生命保険加入率は男女ともに85%以上
この数字は、多くの60代が生命保険の必要性を認識し、将来に備えていることの現れといえるでしょう。
若い頃に加入した保険を見直したり、新たに加入を検討したりするなど、積極的にリスクに備える姿勢がうかがえます。
このように、生命保険は60代以降の生活設計において、重要な役割を果たしているのです。
60歳以上はがんのリスクも高まる
例えば、35〜39歳の患者数と比較すると、65〜69歳では約10倍に増加します。
年齢 | 悪性新生物の総患者数 |
20〜24歳 | 4 |
25〜29歳 | 7 |
30〜34歳 | 18 |
35〜39歳 | 42 |
40〜44歳 | 84 |
45〜49歳 | 176 |
50〜54歳 | 218 |
55〜59歳 | 253 |
60〜64歳 | 291 |
65〜69歳 | 456 |
このようながんのリスクの増加を踏まえると、すでに生命保険に加入している人も保障内容の見直しを検討する必要があるといえるでしょう。
特に、がん保険や医療保険の保障額や保障内容を再確認し、必要に応じた調整は重要です。
年齢とともに変化する健康リスクに合わせて、適切な保障を確保しましょう。
【60歳以上向け】生命保険の選び方
死亡保険
60歳以上の人が死亡保険に加入する主な目的は、葬儀費用や残された家族の生活費を確保するため、あるいは相続対策などです。
死亡保険には、大きく分けて「終身保険」と「定期保険」の2種類があります。
終身保険は一生涯の保障が続く保険で、保険料は高めですが、必ず保険金が支払われる点が特徴です。
また、貯蓄性があるため、解約時に解約返戻金を受け取れます。
定期保険は、一定期間の保障を提供する保険です。
保険料は終身保険よりも割安ですが、保障期間が終了すると更新が必要になる場合があり、更新時の保険料は高くなる傾向があります。
定期保険は基本的に掛け捨てですが、その分、保険料を抑えて必要な保障を確保できる点はメリットです。
どちらの保険を選ぶかは保障期間や保険料、そして自身のニーズに合わせて検討する必要があります。
医療保険
公的医療保険制度ではカバーされない医療費の自己負担分の補填ができます。
60歳以上になると病気やケガのリスクが高まるため、医療費の負担も大きくなるおそれがあります。
医療保険に加入しておくと、いざというときに安心して治療に専念できるでしょう。
がん保険
医療保険でもがんによる入院や手術の際に給付金を受け取れますが、がん保険は、がん治療に伴うさまざまな費用に幅広く対応できるのが特徴です。
例えば、抗がん剤治療や放射線治療などの費用、先進医療にかかる費用、などを保障するがん保険もあります。
60歳以上になるとがんになるリスクが高まるため、がん保険のニーズも高まります。がんと診断された場合、治療費だけでなく、生活費や介護費用なども必要となる可能性があるからです。
がん保険に加入すると、がんのための経済的な負担を軽減し、治療に専念できる環境を整えることができます。
また、がん保険の中には、がんの予防や早期発見をサポートするサービスを提供しているものもあります。
定期的な健康診断やがん検診の受診が早期発見・早期治療につながり、健康寿命を延ばすことにも役立ちます。
介護保険
60歳以上の人が加入する主な目的は将来的な介護費用の備えと、家族の経済的・身体的負担の軽減です。
公的介護保険では賄えない費用を補えるため、老後の安心につながります。
ただし、介護保険は医療保険などと比べて、保険会社による保障内容の違いが大きい点に注意が必要です。
要介護状態の定義や給付条件が保険会社ごとに異なるため、自身のニーズに合うかを慎重に判断しましょう。
60歳以上が生命保険を見直す場合のポイント
死亡保険
これまで、家族の生活を守るために高額な死亡保障が必要だった人も、60代になると必要保障額が減っているケースが多いでしょう。
特に、更新型の定期保険に加入している場合は、更新時に保険料が大幅に上がる可能性があります。
年齢を重ねると、定期保険の割安感が薄れてしまう可能性がある点に考慮が必要です。
ただし、60代であっても子どもがまだ独立していない、あるいは、相続対策が必要といった事情のある人もいるでしょう。
その場合は、個々の状況に応じて保障内容を調整する必要があります。
医療保険
すでに加入している場合でも、現在の保障内容が十分かどうか再確認しましょう。
入院日数や手術の保障額が適切か、新たな特約の追加が必要かを検討します。
また、持病がある人や健康に不安がある人は、「引受基準緩和型医療保険」の加入を検討するのもひとつの選択肢です。
ただし、保険料は通常の医療保険より割高になります。
医療保険はある程度の蓄えがあり、医療費の自己負担に備えられる場合は必要性が低くなるでしょう。
また、年齢とともに保険料が上がる傾向にあるため、コストパフォーマンスを意識した選択が求められます。
がん保険
すでにがん保険に加入している人も保障内容が現在のがんの治療事情に合致しているか、確認する必要があります。
そのため、入院給付金に重点を置いた従来型のプランでは、十分な保障を受けられない可能性があるのです。
また、がん保険は、保険会社によって保障内容や保険料が大きく異なります。自身の状況に合わせて、保障内容を見直しましょう。
介護保険
公的な介護保険制度だけでは、介護費用が不足する可能性もあるため、民間の介護保険への加入を検討するのもひとつの方法です。
60歳以上の生命保険選びでよくある質問(Q&A)
60歳からでも生命保険は入れる?年齢制限は?
年齢制限は保険会社や商品によって異なりますが、中には85歳くらいまで加入できるものもあります。
しかし、持病がある場合や過去の入院歴によっては、加入を断られる可能性もある点に注意が必要です。
そのような場合は、引受基準緩和型保険など、加入条件が緩和された商品を検討するのもひとつの選択肢です。
60歳で保険に加入するメリットはある?
まず、加齢とともに高まる健康リスクに備えられることが大きな利点です。
医療保険やがん保険に加入すると、将来の医療費負担を軽減できます。
また、介護保険に加入すれば、将来の介護リスクにも備えられます。
さらに、死亡保険に加入すると、亡くなった場合の葬儀費用や残された家族の生活費の確保が可能です。
生命保険によって、60歳以降の健康リスクや死亡リスクに対して、自分や家族の経済的負担を軽減できます。
加えて、自分にとって必要な保険加入で得られる精神的な安心感も、大切なメリットのひとつです。
60歳以上の生命保険見直しのポイントは?
子どもの独立や住宅ローンの完済により、不要になった保障がないか見直しましょう。
次に、医療保障や介護保障の充実度も確認しましょう。
年齢とともに高まる健康リスクに備え、必要に応じた保障の強化も検討すべきポイントです。
また、年金生活を見据えて、限られた収入で無理なく保険料を払い続けられるかを検討します。
必要最小限の保障に絞り込むと、保険料負担を軽減できる可能性があります。
自身に合った保険選びで安心できる将来を
死亡保障の見直し、医療保険やがん保険による健康面での備え、さらには将来の介護に対する準備など、考慮すべき点は多岐にわたります。
しかし、闇雲に保障を増やすのではなく、ご自身の状況やニーズに合わせて適切な保障を選択することが大切です。資産状況や家族構成、健康状態などを総合的に判断し、必要な保障を見極めましょう。
オリコン顧客満足度ランキングでは、「生命保険 顧客満足度ランキング」を発表しています。こちらもぜひ参考にしてみてください。