2016年08月25日 09時40分
【自動車保険】見落としがちな「自分側の補償」 5つまとめて解説
事故が起きたら、ドライバーや同乗者、愛車が被害に遭うこともある。検討すべき保険種目を確認しておこう
任意保険の加入者は、事故相手への補償を第一に考えている人がほとんど。昨今の高額賠償判例を見ても、一般的な所得層が貯金でカバーできる金額ではない(関連記事を参照)。そこで、任意保険に組み込まれている「対人賠償」や「対物賠償」といった“相手を補償する保険”に契約している人は多いはずだ。
だが、実際に事故を起こせば、ケガをするのは相手だけではない。ドライバー自身、または同乗者や愛車が被害に遭うことも十分に考えられる。
■自分側の補償の重要性
例えば車同士など相手のある事故で、自分側がケガを負った際、もちろん相手に損害賠償責任が発生する。とはいえ、金額は過失割合に大きく左右される。賠償金100万円のケースで過失割合ごとにいくらになるか見てみよう。
・過失割合2:8→80万円を相手側が賠償
・過失割合9:1→10万円を相手側が賠償
※過失割合は自分:相手
このように過失割合により賠償額は限定されてしまう。9:1なら90万円を自分で補償、また、もし自分に100%非があれば、相手から賠償されることはなく、自力で賄わなくてはならない。そこで自分側の補償が役に立つのだ。
■加入を検討すべき5つの保険
・人身傷害補償保険、搭乗者傷害保険
任意保険の人身傷害補償保険と搭乗者傷害保険は、自分を含め契約している車に乗っているすべての人が補償される。相手側から賠償してもらえない自身の過失分について、保険金額上限まで支払われるほか、自分の過失が100%だった事故の場合も補償可能だ。また、人身傷害補償保険のタイプ次第では、契約車両に搭乗中の事故でなくても補償される。
・自損事故保険、無保険車傷害保険
そのほか、単独で事故を起こした際に補償を受けられる自損事故保険、当て逃げの被害者となった場合や相手が保険に入っておらず被害を被った場合に補償される無保険車傷害保険もある。事故相手のみならず、自分および同乗者のために加入を検討すべきだろう。
・車両保険
さらに車両保険もある。文字通り、自分の車の損害を補償してくれる保険だ。加入しておけば、相手のある事故・単独事故を問わず、保険を使って車を修理することが可能になる。カーオーディオなども、車両の一部と認められれば補償される。「新車で補償を万全にしておきたい」といった場合は申し込むべきだろう。
これらの保険に加入するかどうかは、基本的には契約者の自由。保険金額をいくらにするかについて、自分で設定する種目もある。面倒に感じるかもしれないが、それぞれの特徴をきちんと踏まえ、事故に遭っても安心できる契約内容にしておいてほしい。
(文/西村有樹)
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