2018年03月30日 09時20分

2つの自動車“傷害保険”、その違いと組み合わせのメリット

「搭乗者傷害保険」と「人身傷害補償保険」の内容と組み合わせについて解説(写真はイメージ) [拡大する]

「搭乗者傷害保険」と「人身傷害補償保険」の内容と組み合わせについて解説(写真はイメージ)

 自動車保険を選ぶとき、運転者や同乗者のけがに備える「搭乗者傷害保険」と「人身傷害補償保険」の組み合わせに迷ったことはないだろうか。保険会社によって異なるが、そもそもこの保険にはどんな違いがあるのだろうか。今回はこれらの補償内容と組み合わせについて解説する。

■2つの保険の違いは「定額払い」か「実費払い」

 どの会社を選べばよいか、どのような契約パターンがよいか迷う場合には、まずは2つの保険がどのような役割をするのか知ったうえで判断しよう。基本的に搭乗者傷害保険も人身傷害保険も、車に乗っている人のけがや死亡による損害をカバーしてくれる保険という点で共通している。

・搭乗者傷害保険
 「部位症状別」に「定額払い」となるのが一般的。たとえば「頭部の骨折は60万円」といった具合に、傷害のあった部位と症状が分かった時点で保険金を受け取ることができる。「死亡時には1000万円」といった死亡保険金を支払う、または死亡保険金ではなく「傷害一時金」とする保険会社もある。

・人身傷害補償保険
 損害に対して実費が支払われる。たとえば、「頭部の骨折」で治療費が50万円かかった場合は50万円、150万円かかった場合は150万円が支払われる。これに加えて、通院交通費、休業損害や逸失利益、精神的損害も補償対象となる。ただし、損害額の確定を待つ必要があるため、保険金の支払いは遅くなる。

■2つの保険の組み合わせは3パターン

 自動車保険は会社によって、契約可能な搭乗者傷害保険と人身傷害補償保険の組み合わせが異なる。一般的には、以下の3パターンに分類されることが多いので、まずは選ぶ前に、その会社で扱っている保険がどのタイプに該当するかを把握しよう。

<パターンA>
「人身傷害補償保険のみ」
 搭乗者傷害保険がなく、人身傷害補償保険のみでカバーする。人身傷害補償保険が自動的にセットされている保険会社もある。

<パターンB>
「人身傷害補償保険+搭乗者傷害保険(特約)」
 人身傷害補償保険に加入し、さらに搭乗者傷害保険(特約)を上乗せできるタイプ。ただし上乗せすると保険料は割高に。

<パターンC>
「人身傷害補償保険か搭乗者傷害保険」
 どちらに加入するか選べるタイプ。両方に加入することも可能だが、その場合は保険料が高くなる。

 同じ人身傷害補償保険でも、会社によって補償範囲や内容が異なり、各種特約で補償範囲を広げたり限定したりできる場合がある。保険会社を選ぶときは、自分に必要な補償がカバーされるかどうかをよく確認しよう。

■両方の保険に入っていれば万全

 人身傷害補償保険と搭乗者傷害保険の両方に入っていれば、まずは搭乗者傷害保険から保険金の支払いを受け、最終的な損害額が確定したら人身傷害補償保険で保険金を受け取ることが可能になる。さきほどの「頭部骨折」を例に取ると、搭乗者傷害保険で60万円を受け取り、治療費、通院費、休業補償など最終的な損害額が100万円になったとしたら、人身傷害補償保険から100万円を受け取ることができる。重い傷害を負った場合、両方から保険金支払いを受けられるのも心強い。保険料のコストはかかるが、両方の保険を組み合わせて加入しておくのが万全といえるだろう。

 もしもの事故に備える自動車保険は、ドライバーにとってあると安心できる材料のひとつ。自分にあった補償が受けられるかどうか、加入時にしっかり確認しよう。

(文/西村有樹)
フリーライター。保険や資産運用などマネー系に強く、「All About」で自動車保険ガイド記事のほか、銀行や保険会社、証券会社などの刊行物、国交省、財務省等官公庁の媒体など幅広く執筆。ほかにも雑誌「プレジデント」「ベストカー」などでも多数の記事を担当する。

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自動車保険選びのポイント

任意保険には、対人・対物賠償や人身傷害補償、車両保険などさまざまな種類があります。事前にチェックして重視する補償を決めることが大切です。

自動車保険会社は、ダイレクト系と代理店系の2つに大きくわけられます。双方のメリット・デメリットをきちんと踏まえて選びましょう。

人身事故の最高賠償金額は約5億円。物損事故でも約3億円にのぼるケースがあります。まずは実際の事故事例を見て任意保険の必要性を知りましょう。

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