自転車事故での後遺症認定

  • 自転車事故での後遺症認定

 交通事故が原因で、適切な治療を行ってもなお残ってしまった症状を後遺症といいます。通常このような後遺症の症状の立証・説明責任は被害者が負っています。つまり、どんなに重度の後遺障害だとしても、立証・説明出来なければ、交通事故の後遺障害として認定されることはできません。後遺症認定は賠償金の算出にも大きな影響を与えるので非常に重要です。そこで今回は自転車事故で被害に遭ってしまった場合の後遺症認定についてご説明します。
 近年増加傾向にある自転車と歩行者の事故。自転車との事故なら、自動車やバイクの事故ほど大きなケガにはならないだろうと思いがちですが、実際にはそんなことはありません。たとえば自転車にはねられ頭を強く打って意識不明になりそのまま植物状態になってしまった人や、手足にしびれが残り歩行困難になってしまった人など、重い後遺症が残ってしまうケースもあります。

 このように将来にわたって日常生活に影響がでてしまったり、介護が必要になってしまったりするのが後遺症の怖いところです。自転車事故の被害に遭い後遺症が残ってしまった場合は、精神的に受けた苦痛に対する「後遺傷害慰謝料」や将来労働によって得られたはずの利益が得られなくなったことによる損害として「後遺傷害の逸失利益」を加害者に請求することが出来ます。さらに重度の後遺症の場合には、被害者の余命期間にわたる介護費用の請求も認められます。

 後遺障害の賠償については、その傷害の程度に応じて等級が認定され、認定された等級に応じて算出されます。このように損害賠償金の算定も大きな影響をあたえる後遺症認定ですが、その立証責任は事故に遭った被害者にあるのです。

後遺症認定の前提条件

 後遺症認定の前提条件は、医療機関への半年以上の通院加療と、その間に4週間以上の通院の中断がないことになります。後遺症認定にあたっては、治療にあたっている医師から「これ以上は治療を続けても症状に変わりがない」という「症状固定」の状態といたったと判断されることが必要です。「症状固定」の状態に至ったら、医師に後遺障害診断書を作成してもらいます。この診断書は後遺症認定の大切な資料となります。

自転車加害事故では後遺症を認定する機関が存在しない

 自動車事故の場合は、「自賠責保険基準」という基準に基づいて損害保険料率算定機構の自賠責損害調査事務所が調査をおこなって認定します。
 しかし、自転車と歩行者の事故や自転車同士の事故の場合、自賠責保険は無関係ですからこの基準は利用できません。自転車事故の場合は原則に戻って、被害者自身が後遺症について医師の診断書などの資料を集め、後遺症の程度を証拠で固めて立証しなければならないのです。ですから、「事故と傷病や症状の相当因果性が在り」その上で「医学的に説明できる」ものでなければ後遺症とは認定されません。実際には、後遺症認定に詳しい弁護士や、外部機関に依頼することになるでしょう。

加害者が自転車保険に加入していたら

 加害者に責任があり、保険会社を利用して賠償をする場合には、保険会社との交渉になります。損保会社は被害者より提出された医証を基にして、それぞれの会社の裁量によって認定が行われます。

 自転車事故の場合は、それぞれが多様であり、事案に応じて対応・対処の方法が異なるので、後遺症認定には自動車事故以上に労力がかかってしまいます。また、裁判となれば、後遺症認定までにかかる期間も長くなり、被害者にとっては大きな負担となってしまいます。
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