バイク保険の対物賠償保険とは?必要性も解説

バイク保険の対物賠償保険とは?必要性も解説

バイク保険で対人賠償保険とともに重要なのが、対物賠償保険です。この保険は、いったいどのようなものなのでしょうか。
ここでは、バイク保険の対物賠償保険の補償内容のほか、必要性とおすすめの保険金額について解説します。

mokuji目次

  1. バイク保険の対物賠償保険とは、他人の物的損害を補償する保険のこと
    1. 対物賠償保険と車両保険との違い
  2. バイク保険の対物賠償保険で補償されないケース
  3. 契約者あるいは被保険者の故意によって生じた損害
    1. 家族が所有、使用または管理するモノに対する損害
    2. 台風や洪水、高潮によって生じた損害
  4. バイク保険の対物賠償保険が必要な理由
    1. 自賠責保険では物損がカバーされない
    2. 賠償金が高額になるケースもある
  5. バイク保険の対物賠償保険は、無制限がおすすめ
    1. 対物超過修理費用特約をつけるとさらに安心
  6. 対物賠償保険は十分な補償をつけることが大切

バイク保険の対物賠償保険とは、他人の物的損害を補償する保険のこと

バイク保険の対物賠償保険とは、契約車両(バイク)に乗った際に、他人の車両や建物といったモノを壊してしまい、法律上の損害賠償責任を負った場合に保険金が支払われる保険です。

交通事故を起こしてしまうと、個人所有の車両や建物はもちろん、ガードレールや電柱など、行政機関によって設置された器物の損害も賠償請求されることがあります。
また、バイクで店舗に突っ込んでしまったような場合には、店舗の破損部分だけでなく、壊れた商品のほか、修理補修が終わるまでの休業補償なども請求される場合があります。こうした損害を補償してくれるのが、対物賠償保険です。

なお、対物賠償保険の保険金の支払いに関しては、保険会社によって対応が異なる場合があります。ですから、契約にあたっては、保険金が支払われる条件を十分に確認することが重要です。

対物賠償保険と車両保険との違い

対物賠償保険の補償は、他人の物的損害に対してのみになされます。ですので、自分のバイクを他人の車にぶつけてしまった場合、相手の車に与えた損害については対物賠償保険が適用されますが、自分のバイクの損害は、対物賠償保険で補償されることはありません。

自分のバイクが受けた損害を補償する保険は、車両保険となります。バイクに転倒は付き物ですし、高価な外国車などは、補修パーツも高額です。
万一の場合に備えて、車両保険への加入も検討するといいかもしれません。

バイク保険の対物賠償保険で補償されないケース

物損事故を起こしても、バイク保険の対物賠償保険が適用されないケースもあります。例えば、下記のような損害の場合です。

契約者あるいは被保険者の故意によって生じた損害

契約者あるいは被保険者が故意に物損事故を起こして、保険金を受け取ろうとした場合に生じた損害は、対物賠償保険は適用されません。これは明らかに犯罪行為であり、当然ながら対物賠償保険による補償はなされません。

家族が所有、使用または管理するモノに対する損害

家族が所有、使用または管理するモノに対する損害も、対物賠償保険は適用されません。ここでいう「家族」とは、保険の記名被保険者本人に加え、契約しているバイクの運転者、その父母、配偶者または子供。そして被保険者とその父母、配偶者または子供です。少々わかりにくいですが、要するに被保険者と運転者、そしてそれぞれの家族が所有するモノに損害を与えても、対物賠償保険の保険金は支払われないということです。
例えば、駐車場で父親の車にバイクをぶつけてしまった場合、対物賠償保険の保険金は支払われないということになります。

台風や洪水、高潮によって生じた損害

台風や洪水、高潮で、駐車場に置いてあった自分のバイクが転倒し、隣にあった他人の車にぶつかり、傷をつけてしまったという場合も、対物賠償保険の補償対象にはなりません。
こうした損害は不可抗力とみなされ、そもそも法律上の損害賠償責任が発生しません。そのため、対物賠償保険による補償もなされないのです。

バイク保険の対物賠償保険が必要な理由

バイク保険の対物賠償保険が必要な理由

「対物賠償保険はいらない」と考える人は、意外と多いかもしれません。とはいえ、万一のときに備えて、対物賠償保険は必要です。ここでは、バイク保険の対物賠償保険が必要な理由を2つご紹介します。

自賠責保険では物損がカバーされない

自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)は、法律で加入が義務付けられている保険です。ですが、自賠責保険は「他人に与えた人的損害」だけを補償するもので、物的損害への補償は行われません。
「自賠責保険に入っているから補償は十分になされるだろう」という理由で対物賠償保険に加入していないなら、今すぐ加入を検討することをおすすめします。

賠償金が高額になるケースもある

人身事故の場合、被害者の状況によっては、億単位の賠償額が裁判所で認定されることがあります。物損事故は、高額な賠償額が認定されることはまれですが、まったくないわけではありません。
下記は、交通事故による高額な対物賠償額の例です。

■高額の対物賠償額の例

賠償額

被害物件

2億6,135万

積荷(呉服・洋服・毛皮)

1億3,450万円

店舗(パチンコ店)

1億2,036万円

電車・線路・家屋

1億1,798万円

トレーラー

1億1,347万円

電車

※損害保険料率算出機構「2023年度 自動車保険の概況
対物賠償保険に入っていないと、こうした賠償金は自分で負担しないといけません。

バイク保険の対物賠償保険は、無制限がおすすめ

バイク保険の対物賠償保険は「500万円」「1,000万円」「2,000万円」「無制限」というように、保険金額を選択できます。この区分は保険会社によって違いますが、おすすめは無制限です。

例えば、バイクの運転を誤って店舗に突っ込んでしまった場合、店舗の修理代や売り物にならなくなった商品、破損した陳列棚などの損害を賠償しなくてはなりません。さらに、修理が終わるまでは営業ができませんから、その間の休業補償もかかります。そのため、損害額が大きくなりがちなのです。
前述したとおり、対物賠償額は億単位になる可能性もあるので、対物賠償保険の保険額は無制限にしておくといいでしょう。

対物超過修理費用特約をつけるとさらに安心

バイク保険の対物賠償保険では、相手のバイクや車の損害額を、その車両の「時価額」にもとづいて算出します。そのため、たとえ対物賠償保険を無制限にしていても、時価額以上に保険金が支払われることはありません。
例えば、市場において高値で取引されている希少車と呼ばれる車やバイクに損害を与えてしまった場合、対物賠償保険だけでは補償しきれないというケースが出てきます。

そのような事態で役立つのが「対物超過修理費用特約」です。これは、相手の車やバイクの修理代が時価額を超えてしまったら、その超過分の修理費用を補償するというもの。対物賠償保険に加え、このような特約をつけることで安心につながります。

対物賠償保険は十分な補償をつけることが大切

バイク保険の場合、「対物賠償保険は入らなくても大丈夫だろう」と考えがちかもしれません。ですが、もしもの場合に備えるのが、本来の保険の役割です。対人賠償保険と同じように、できるだけ大きな補償を用意しておくのが得策です。十分な補償を用意して、より大きな安心感とともに、バイクライフを満喫してください。

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