水没車の買取相場は?レベル別の売却先や高く売るコツ、廃車の手続きを解説

水没車の買取相場は?レベル別の売却先や高く売るコツ、廃車の手続きを解説

台風やゲリラ豪雨などの自然災害で愛車が水没してしまい、「もう価値がないのでは」と不安を感じていませんか。処分費用がかかると諦めかけている方もいるかもしれません。

しかし実際には、水没車であっても適切な業者に査定を依頼すれば買取が可能です。浸水の程度によっては想像以上の価格がつくこともあります。

本記事では、水没車でも買取できる理由や浸水レベル別の買取相場、高価買取を狙うためのコツ、さらに廃車手続きの流れまで解説します。水没車の売却を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
高見陽子

監修者高見陽子

ファイナンシャルプランナー/金融・法律ライター
元大手銀行で個人営業を担当。現在は、資産形成や相続、ライフプランを中心に、車の売却・買い替えなど家計に関わる判断について、金融と生活実務の両面から情報提供を行う。

mokuji目次

  1. 水没車(冠水車)でも買取は可能!諦めずに査定を
    1. 水没車の定義と中古車査定基準
    2. なぜ水没車でも売れるのか?海外需要と部品価値
  2. 【浸水レベル別】水没車の買取相場と売却先の選び方
    1. フロアパネルまでの浸水(減点率50%):中古車として売れる可能性
    2. クッション上部以上の浸水(減点率70%):廃車買取業者へ依頼
    3. ダッシュパネル以上の浸水:エンジン始動厳禁!素材価値で売却
  3. 水没車を少しでも高く売るための4つのコツ
    1. サビや腐食が進む前に「1日でも早く」売却する
    2. 水没車・事故車の買取実績が豊富な業者を選ぶ
    3. 複数の業者に査定を依頼して相場を比較する
    4. 水没の状況や不具合を隠さず正直に伝える
  4. 水没車を買取に出す際の手順と注意点
    1. 申し込みから引き取り、入金までの流れ
    2. エンジンはかけずにレッカー移動を依頼する
    3. レッカー代や廃車手数料が無料か確認する
  5. 水没車と保険・税金に関する知識
    1. 車両保険を使って修理するか売却するか判断する
    2. 廃車手続きによる自動車税の還付金を受け取る
  6. 水没車買取に関するよくある質問
  7. Q. 水没車はディーラーでの下取りは難しいですか?
  8. Q. 後付けのカーナビなどは外してもいいですか?
  9. Q. 水没車を見分けるチェックポイントは?
  10. 水没車の買取におすすめの車買取会社をチェック

水没車(冠水車)でも買取は可能!諦めずに査定を

水没車(冠水車)でも買取は可能!諦めずに査定を

台風やゲリラ豪雨による被害で車が水に浸かってしまった場合、多くの方は「もう売れない」と考えがちです。

しかし、水没車でも値段がつかないと諦める必要はありません。適切な買取業者を選べば、予想以上の価格で売却できる可能性があります

なお、「水没車」、「冠水車」、「水害車」といった呼び方がありますが、これらは呼称が異なるだけで基本的には同じ状態の車を指しています。

水没車の定義と中古車査定基準

水没車とは、一般財団法人自動車公正取引協議会の定義によれば、「集中豪雨や洪水などにより、室内フロア以上に浸水したもの、または、その痕跡により商品価値の下落が見込まれるもの」とされています。

注目すべき点は、タイヤが少し水に浸かった程度では「水没車扱い」にならない場合があることです。車内のフロア面を超えて水が侵入したかどうかが大きな分かれ目になります。

水没車は外観だけでなく、エンジンや電装部品の故障、内部の腐食やサビ、消えない泥の臭いなど、さまざまな問題を抱える可能性があります。
※引用:自動車公正取引協議会|「冠水車」に関するトラブルが増加しています

なぜ水没車でも売れるのか?海外需要と部品価値

水没車に買取価格がつく大きな理由は、海外における日本車の高い需要にあります。

日本車は世界的に耐久性や品質が高く評価されており、たとえ水没車であっても修理して海外へ輸出されるケースが少なくありません。

また、修理が困難な場合でも価値がゼロになるわけではありません。使用可能なパーツを中古部品として再利用したり、鉄やアルミなどの金属部分を素材として売却したりすることで、買取業者は利益を確保できます。
こうした複数の販路やリサイクルルートを持っている専門業者だからこそ、水没車にも値段をつけることが可能になっています。

【浸水レベル別】水没車の買取相場と売却先の選び方

【浸水レベル別】水没車の買取相場と売却先の選び方

水没車の買取価格は、浸水の深さで大きく異なります

適切な売却先も浸水の程度によって変わるため、自分の車がどのレベルに該当するかを把握することが重要です。

日本自動車査定協会(JAAI)は、2021年に加減点基準の一部を改定しており、以前より減点率が厳しくなっています。つまり、査定額が下がりやすくなっている点に注意が必要です。
水没車の買取価格の加減点基準
浸水レベル 減点率 状態・解説 適切な売却先
フロアまで
(床面浸水)
50% ・以前の基準(30%)から50%へ引き上げられました。
・フロアマットが濡れる程度の浸水でも、商品価値は半減するとみなされます。
中古車買取業者
クッション上部以上
(座席・ハンドル等)
70% ・以前の基準(40〜50%)から70%へ引き上げられました。
・座席以上に水が達した場合、商品価値の大部分が失われたと判断されます。
・ダッシュパネル(ハンドル)までの浸水もこの区分に含まれます。
廃車買取業者

参考:自動車公正取引協議会|加減点基準一部変更及び追加のお知らせ

フロアパネルまでの浸水(減点率50%):中古車として売れる可能性

床(フロアパネル)までの浸水は、減点率は50%程度と、水没車の中では比較的軽度のダメージと判断されます。

エンジンや主要な電装系統が無事である可能性が高く、中古車としての再販が見込めるため、中古車買取業者での売却が期待できます。

具体的には、浸水前の査定額が100万円の車なら、減点後でも50万円程度の価格がつく可能性があります。
ハンドルやダッシュパネルまで水が達した車は、JAAI基準では「クッション上部以上(70%減点)」に含まれますが、実質的には全損扱いとなります。このレベルまで浸水すると、エンジン内部まで水が入り込んでおり、修理して走行できる状態に戻すことは困難です。

ただし、エンジンが床下部分に搭載されている車種の場合、フロアまでの浸水でもエンジンが被害を受けている可能性があるため注意が必要です。

クッション上部以上の浸水(減点率70%):廃車買取業者へ依頼

座席(クッション)上部まで浸水した場合は、最新基準で減点率70%(以前は40〜50%)となり、商品価値の大半が失われると判断されます。

このレベルになると、電気系統の腐食カビ・臭いのリスクが高くなります。道路の冠水時には川や下水道からあふれた汚れた水が含まれているため、衛生面での問題も深刻です。
一般的な中古車店では買取不可となるケースが多いため、廃車買取業者への依頼が基本となります。

廃車買取業者なら、水没の影響を受けていない部品に価値を見出し、買取価格をつけてくれる可能性があります。

ダッシュパネル以上の浸水:エンジン始動厳禁!素材価値で売却

ハンドルやダッシュパネルまで水が達した車は、JAAI基準では「クッション上部以上(70%減点)」に含まれますが、実質的には全損扱いとなります。

このレベルまで浸水すると、エンジン内部まで水が入り込んでおり、修理して走行できる状態に戻すことは困難です。
特に重要な注意点は、絶対にエンジンをかけてはいけないということです。

エンジンに水が入った状態で始動させると、電気系統のショートやエンジンの破損、最悪の場合は車両火災につながる危険があります。
ただし、このレベルの水没車でも、鉄やアルミなどの素材価値として買い取ってくれる専門業者は存在します。

移動が必要な場合は、自分で動かさず、必ずレッカー車を手配して専門業者に引き取ってもらうことが重要です。

水没車を少しでも高く売るための4つのコツ

水没車を少しでも高く売るための4つのコツ

水没車を売却する際、少しでも高い価格で買い取ってもらうためには、いくつかの重要なポイントがあります。水没車は時間経過とともに急速に価値が下がるため、スピード感を持って対応することが何より大切です。

高価買取を実現するための4つのコツは以下の通りです。

水没車の高価買取を実現する4つのコツ

サビや腐食が進む前に「1日でも早く」売却する

水没した車は、時間が経てば経つほどサビやカビが急速に進行し、部品の劣化が加速していきます。鉄やアルミなどの金属部分も錆びてしまうと価値が落ちるため、迷わずに早急に査定に出すことが重要です。

放置すればするほど、車内に悪臭や害虫が発生し、さらに査定額が下がるリスクが高まります。また、汚れの酷い車は放置車両と思われ、車上荒らしや車両放火などの犯罪に巻き込まれる危険性も否定できません。

水没車・事故車の買取実績が豊富な業者を選ぶ

独自の販路(海外輸出など)を持つ専門業者を選ぶと、他社で断られた車でも値段がつく可能性が高まります。
水没車の買取に強い業者の特徴として、
・海外への独自の輸出ルートを持っている、
・水没車や事故車の買取実績を具体的に公開している、
・レッカー代や廃車手続き代行が無料である、
などが挙げられます。
実績のない業者では、買取拒否や不当に低い査定額を提示されたりするリスクがあるため注意が必要です。

複数の業者に査定を依頼して相場を比較する

業者によって査定基準や販路が異なるため、1社だけで決めずに複数社の見積もりを比較することが重要です。

最低でも3社以上の専門業者に査定を依頼し、通常の中古車買取業者だけでなく、水没車・事故車の買取に特化した専門業者を必ず含めるようにしましょう。

専門業者は海外輸出ルートや部品リサイクルのネットワークを持っているため、一般の業者では買取不可と判断されるケースでも、より高い価格を提示してくれる可能性があります。
ただし、提示金額だけでなく、レッカー代や手数料の有無など内訳も確認し、「最終的な受け取り額」で判断することが大切です。

水没の状況や不具合を隠さず正直に伝える

査定時に水没の事実を隠すと、後から「契約不適合責任」を問われるリスクがあります。専門の査定員が見れば、水没車かどうかはすぐに判明するため、隠し通すことはできません。

くわしい情報を提供することで、スムーズな査定と適正な価格提示につながります。

車検証に記載されている基本情報に加え、「どこまで浸水したか」、「いつ水没したか」、「淡水か海水か」といった情報を明確に伝えましょう。

水没車を買取に出す際の手順と注意点

水没車を買取に出す際の手順と注意点

ここからは、実際に水没車を売却する際の流れと、やってはいけないNG行動について解説します。

申し込みから引き取り、入金までの流れ

水没車の買取は、以下のようなステップで進みます。
●ステップ1
申し込み…WEBフォームや電話で買取業者に査定を申し込みます。この際、車種、年式、浸水レベルなどの基本情報を伝えます。

●ステップ2
実車査定…指定した日時・場所で実車査定が行われます。自走できない場合は、車が置いてある場所まで査定員が来てくれます。

●ステップ3
必要書類の提出…買取価格に納得したら、車検証、自賠責保険証明書、印鑑証明書、実印などの必要書類を用意します。

●ステップ4
車両の引き取り…指定日に車両が引き取られます。レッカー代が無料の業者であれば、追加費用なしで引き取ってもらえます。

●ステップ5
入金…車両と書類の引き渡し後、業者ごとのルールに沿って買取代金が指定口座に振り込まれます。即日現金払いのところや、名義変更手続き完了後に振込となり数日〜数週間かかる場合もあるため、支払い方法や入金のタイミングは事前に確認しておきましょう。

エンジンはかけずにレッカー移動を依頼する

水没車のエンジンをかけることは、絶対に避けましょう

エンジン内部に水が入った状態で始動させると、電気系統のショートによる故障や火災、エンジンの破損などのほか、ハイブリッド車やEVでは高電圧による感電のリスクがあります。
移動が必要な場合は、自分で動かさず、必ずロードサービスや専門業者にレッカー車を手配してもらいましょう。

レッカー代や廃車手数料が無料か確認する

動かない水没車の引き取りには、通常レッカー費用がかかります。一般的なレッカー代は基本料金だけでも1万円以上かかりますが、多くの廃車買取業者は無料でレッカー対応してくれます。

見積もり依頼時には、「レッカー代は無料か」、「廃車手続き代行は無料か」、「その他の手数料は発生するか」を必ず確認し、追加費用が発生しない業者を選ぶことをおすすめします。

水没車と保険・税金に関する知識

水没車と保険・税金に関する知識

水没車を売却する際には、保険金や税金の還付といったお金周りの疑問も出てきます。適切に対処することで、経済的な負担を軽減できる可能性があります。

車両保険を使って修理するか売却するか判断する

一般型の車両保険に加入している場合、台風や洪水による水没は補償対象になることが多いです。ただし、地震や津波による水没は基本的に補償対象外とされており、特約に加入していなければ保険金は支払われません。

「全損」扱いになった場合は保険金を受け取れますが、車の所有権が保険会社に移るため、勝手に売却することはできなくなります。

また、保険を使用すると等級がダウンし、翌年以降の保険料が上がってしまう点にも注意が必要です。

廃車手続きによる自動車税の還付金を受け取る

水没車を廃車(抹消登録)にした場合、先払いしていた自動車税が月割りで還付される仕組みがあります。ただし、軽自動車には自動車税還付の制度がなく、普通車のみ対象となる点に注意しましょう。

買取業者に依頼する場合、還付金が買取額に含まれているか、別途返金されるかを必ず確認しましょう。還付金の取り扱いは業者の透明性や信頼性を見極めるポイントとなるため、査定時に必ず明確にしておくことが大切です。

水没車買取に関するよくある質問

水没車買取に関するよくある質問

水没車の買取について調べていると、保険の適用範囲や売却時の注意点、専門用語の違いなど、分からないことが多くさまざまな疑問が浮かんでくるものです。

ここでは、水没車に関してよく寄せられる質問にお答えしていきます。

Q. 水没車はディーラーでの下取りは難しいですか?

ディーラーは新車販売が主業務であり、再販ルートが限られているため、水没車の下取りは断られるか、廃車費用を請求される可能性が高いです。仮に引き取ってくれたとしても、査定額はゼロ円で、逆に処分費用として数万円を請求されることもあります。

水没車専門の買取業者を利用する方がレッカー代や手続き費用が無料で、部品取りや海外輸出を前提に買取価格を付けるため、トータルで有利な条件になりやすいといえるでしょう。

Q. 後付けのカーナビなどは外してもいいですか?

カーオーディオやカーナビ、ETC車載器など、後付けした付属品については基本的には外しても問題ありません

ただし、査定時にパーツを付けたまま価格を提示されたにもかかわらず、引き渡し前に取り外してしまうと、査定額に含まれている場合は減額される可能性があります。パーツを取り外したい場合は査定前に行うか、査定時に事前に相談しておくことが大切です。

Q. 水没車を見分けるチェックポイントは?

水没車かどうかを見分ける主なチェックポイントは、シートレールのサビ、車内の泥臭さ、フロアマット下の泥汚れ、電装系のコネクタのサビ、ペダル類のブラケット周辺のサビなどです。

こうした痕跡は通常の使用では発生しないため、水没車を見分ける重要な判断材料となります。購入時に水没車を避けるための知識としても役立つでしょう。

水没車の買取におすすめの車買取会社をチェック

水没車は廃車にするしかないと思われがちですが、実際には買取が可能です。

浸水レベルによって買取価格や最適な売却先は異なりますが、フロアパネル上部までの浸水なら中古車買取業者への売却も検討できます。シート上部以上まで浸水した場合は、廃車買取業者への依頼が適切でしょう。

高価買取を実現するには、できるだけ早い売却、実績豊富な業者選び、複数業者での見積もり比較、正確な情報提供が重要になります。

オリコンでは「車買取会社ランキング オリコン顧客満足度ランキング」を発表しており、利用者の満足度や実績を基に信頼できる業者を紹介しています。水没車の売却を検討される際は、ぜひ参考にしてください。
高見陽子

監修者高見陽子

ファイナンシャルプランナー/金融・法律ライター
元大手銀行で個人営業を担当。現在は、資産形成や相続、ライフプランを中心に、車の売却・買い替えなど家計に関わる判断について、金融と生活実務の両面から情報提供を行う。

PR

車買取会社オリコン顧客満足度ランキング

オリコン日本顧客満足度ランキングの調査方法について
PR

\ 6,652人が選んだ /
車買取会社ランキングを見る