車を廃車にするには?手続きや必要書類、注意点を解説
車を手放す方法としては、大きく分けて「買取」「下取り」「廃車」の3つがあります。
ただし、車が買取や下取りが利用できない状態の場合などは、廃車の手続きを行う必要があります。廃車手続きをしたことがない人は、どのような手順で進めればいいのか迷ってしまうケースも多いかもしれません。
この記事では、車を廃車にする際に必要な手続きや準備しておくべき書類について解説します。
廃車にかかる費用や還付金、注意点もまとめていますので、手続きの際の参考にしてください。
目次
車の廃車とは走行できない状態にすること
廃車手続きとは、車を公道で走れない状態にするための手続きのことを指します。
車の事故や故障などで多額の修理費用がかかる場合や、車の状態が悪く買取や下取りに出せない場合などに、廃車手続きを行うことによって廃車の状態にすることが可能です。
何らかの理由で車に乗らなくなった場合には、登録を抹消して廃車にしなければ税金が発生し続けてしまいます。
車を運転していなくても、自動的にかかってしまう点に注意が必要です。
廃車手続きを行うことによってその車は公道を走行できなくなり、税金を納める必要もなくなります。
廃車以外に車を手放す方法
年式が古い車や故障している車は買取や下取りをしてもらえないのではないかと考え、廃車手続きを検討している人もいるかもしれません。
実は、こうした車であっても、車種の需要や故障の状態によっては、買取や下取りに対応してもらえる場合があります。
買取や下取りによって車を手放すメリットは、費用がかからないことです。
また、査定額がついて、車が売れることもあります。
多くの場合、買取や下取りの査定は無料で対応してもらえるため、まずは査定を依頼してみるのもひとつの方法です。
車の廃車手続きはどうやって行う?
廃車手続きの方法は主に、「永久抹消登録」と「一時抹消登録」の2種類になります。
永久抹消登録の方法
永久抹消登録を行うとその車を再登録することはできなくなるため、再び公道を走ることができません。
永久抹消登録の手続きを行うケースとして、すでに解体処理を済ませた車や、事故などで使用できなくなった車、盗難被害に遭い所在不明となった車などが挙げられます。
そのため、再び使用する可能性が少しでもある車については、永久抹消登録をしてしまわないよう注意が必要です。
一時抹消登録の方法
手続き後は公道を走行できなくなるものの、再び登録手続きを行うことで使用可能となる点が永久抹消登録との違いです。
一時抹消登録の手続きを行うケースとして、車を長期間使用しない場合などが挙げられます。
例えば、車の盗難被害に遭った場合でも、車が戻ってくる可能性があるようなら、一時抹消登録手続きを済ませておくといいでしょう。
車を使用しないあいだ、税金の支払いを停止できるからです。
また、再び車を使用する際には、管轄の運輸支局にて中古車新規登録を行えば公道を走行できるようになります。
反対に、車を今後も使用しないことが確実な場合には、解体届出の手続きを行うことで一時抹消登録をした車の登録情報が抹消されます。
車の廃車の手続きに必要な書類等
あらかじめ必要なものを用意しておくことで手続きをスムーズに進められるため、それぞれ確認しておきましょう。
永久抹消登録の必要書類等
解体が伴う場合には、申請書などのほかに、解体処理が完了した日がわかる書類が必要になります。
・永久抹消登録申請書:国土交通省Webサイトにてダウンロードまたは運輸支局にて入手
・自動車検査証(車検証):原本が必要
・印鑑登録証明書・実印:証明書は発行から3ヵ月以内のもの
・手数料納付書:運輸支局にて入手(無料)
・自動車重量税還付申請書:自動車重量税の還付を受ける場合は必要
・移動報告番号:リサイクル券に記載の番号(控えでも可)
・解体報告記録日:解体業者から発行される使用済自動車引取証明書に記載の番号(控えでも可)
・身分証明書:運転免許証、マイナンバーカードなど
・ナンバープレート:前後各1枚
一時抹消登録の必要書類等
一時抹消登録には手数料納付書に貼る印紙などが必要になります。
・一時抹消登録申請書:国土交通省Webサイトにてダウンロードまたは運輸支局にて入手
・自動車検査証(車検証):原本が必要
・印鑑登録証明書・実印:証明書は発行から3ヵ月以内のもの
・手数料納付書:運輸支局にて入手(手数料印紙350円を貼付)
・身分証明書:運転免許証、マイナンバーカードなど
・ナンバープレート:前後各1枚
解体届出の必要書類等
なお、解体届出は、一時抹消登録していた車を完全に解体する手続きで、一時抹消登録後に発行される書類なども必要となります。
・解体届出書:国土交通省Webサイトにてダウンロードまたは運輸支局にて入手
・手数料納付書:運輸支局にて入手(無料)
・自動車重量税還付申請書:自動車重量税の還付を受ける場合は必要(解体届出書と兼ねることができる)
・登録識別情報等通知書:一時抹消登録後に発行される書類
・移動報告番号:リサイクル券に記載の番号(控えでも可)
・解体報告記録日:解体業者から発行される使用済自動車引取証明書に記載の日程(控えでも可)
状況によって追加で必要となる書類
■永久抹消登録・一時抹消登録の手続きにおける追加書類
必要書類 | 該当するケース |
住民票 | ・現住所と車検証・印鑑登録証明書に記載の住所が異なる場合 |
戸籍附票 | ・自治体をまたいで2回以上転居している場合 |
戸籍謄本 | ・姓を変更した場合 |
委任状 | ・代理人による申請の場合 |
譲渡証明書 | ・車の所有者がローン会社や販売店の場合 |
理由書 | ・盗難によりナンバープレートが提出できない場合(被害届提出時に受け取る受理番号も必要) |
事業用自動車等連絡書 | ・事業に使用している車両の場合 |
遺産分割協議書 | ・車の所有者が亡くなった場合 |
車の廃車の手続きの流れ
普通自動車の廃車に関連する手続きの、基本的な流れについて確認しておきましょう。
永久抹消登録の手続きの流れ
1. 必要書類を準備する
2. 解体業者に解体処理を依頼する
3. 解体業者に車を持ち込む
4. 運輸支局にて書類を入手・提出、ナンバープレートを返納する
5. 運輸支局の税申告窓口にて、税金の還付手続きを行う
一時抹消登録の手続きの流れ
1. 必要書類を準備する
2. ナンバープレートを取り外す
3. 運輸支局にて書類を入手・提出、ナンバープレートを返納する
4. 運輸支局の税申告窓口にて、税金の還付手続きを行う
この書類は車の使用を再開する際に必要となるほか、一時抹消登録の後に解体届出を行う際にも提出することになるため、紛失しないよう大切に保管しましょう。
なお、一時抹消登録を行った場合にも、先払いした分の税金が還付されます。
一時抹消登録の手続きが完了したら、税金の還付手続きも忘れずに済ませておくことが大切です。
解体届出の手続きの流れ
1. 必要書類を準備する
2. 解体業者に解体処理を依頼する
3. 解体業者に車を持ち込む
4. 運輸支局にて書類を入手・提出する
5. 運輸支局の税申告窓口にて、税金の還付手続きを行う
つまり、公道を走行できない状態のため、解体業者に運送を依頼するか、もしくは仮ナンバーの取得申請を行い現地まで車で移動することになる点に注意が必要です。
中古車新規登録(再登録)の手続きの流れ
1. 車両の点検・整備を行う
2. 自賠責保険に加入する
3. 必要書類を準備する
4. 仮ナンバーを取得する
5. 運輸支局にて検査・登録する
また、手続きの際に必要な持ち物として、下記のものが挙げられます。
・申請書
・自動車検査表
・一時抹消登録証明書
・所有者の印鑑登録証明書、実印
・自動車保管場所証明書
・自賠責保険証明書
・自動車重量税納付書
・手数料納付書
車の廃車手続きに関する費用と還付金
必要な費用
・永久抹消登録:0円
・一時抹消登録:350円
・解体届出:0円
ただし、永久抹消登録や解体届出を行う際には、車を解体処理する費用やレッカー移動するための費用がかかる点に注意が必要です。
具体的な費用としては、解体業者に支払うスクラップ費用、車の運送費用、リサイクル費用などがかかることが想定されます。
運送距離など諸条件によって費用は異なりますが、おおよその目安として下記を想定しておくといいでしょう。
・スクラップ費用:2万〜3万円程度
・運送費用:5,000〜3万円程度
・リサイクル費用:8,000〜2万円程度(リサイクル券が発行されていれば不要)
還付される税金や保険料
・自動車税(種別割):4月1日時点での車の所有者に還付される
・自動車重量税:永久抹消登録または解体届出を行い、車検が1ヵ月以上残っている場合に還付される
・自賠責保険料:契約期間が1ヵ月以上残っている場合に還付される
また、自賠責保険料については、加入している保険会社か代理店に連絡し、保険を解約したい旨を申し出ることで還付金の有無を確認できます。
車を廃車にする際の注意点
手続き関係でトラブルにならないよう、下記の3点を確認しておきましょう。
ローンで購入した場合は所有者を確認する
車の所有者がローン会社となっている場合、使用者が無断で廃車にすることはできません。まずは所有権を解除してから、廃車手続きを進めることになります。
また、ローンの残債がある場合は、廃車手続きを進められません。廃車手続きを行う前にローンを完済しましょう。
廃車後は保険関係の手続きを行う
自賠責保険に関しては、廃車を依頼した業者に解約手続きを進めてもらえる場合がありますが、任意保険については自分で解約手続きを行わなければなりません。
解約しないまま放置していると、不要な保険料を払い続けることになるため注意が必要です。
還付金の手続きは早めに行う
還付金は月単位で計算されるため、手続きが月をまたぐと還付金が減ってしまう可能性があります。
特に、月末近くに廃車手続きを行う際には、手続き完了と同時に運輸支局の税申告窓口にて還付手続きを済ませておくことが大切です。
必要な書類や手続きを把握して、廃車をスムーズに進めよう
また、費用面に関しても、手続きによって異なる点に注意が必要です。届出の際にかかる手数料だけでなく、車の解体やレッカー移動の費用がかかるケースも多くあります。
状況によっては、廃車にするよりも買取や下取りを利用したほうが費用を抑えられることもあるため、最適な方法を選ぶようにしましょう。
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