中古車を高く売るコツを解説!査定のポイントや高価買取を引き出す交渉術も
目次
本記事では、中古車売却の基本知識から高価買取を引き出すテクニックまで、実践的なコツを解説します。
売却相場の把握や最適な売却方法の選択、季節やモデルチェンジを考慮したタイミング、車両状態の整備、純正パーツの準備、効果的な交渉術など、プロの視点から具体的なアドバイスをお届けします。
これらの方法を活用して、納得のいく価格で愛車を売却しましょう。

監修者トータルマネーコンサルタント/新井 智美
マネーコンサルタントとしての個人向け相談、NISA・iDeCoをはじめとした運用にまつわるセミナー講師のほか、金融メディアへの執筆および監修に携わっている。
中古車を高く売るための基本知識
車の買取相場や最適な売却時期の見極め、そして売却方法の選択は、高価買取を実現する重要な要素です。
また、査定額に影響を与える車の状態や必要書類の準備も欠かせません。
これから紹介する売却のコツや交渉術を活用すれば、愛車の価値を最大限に引き出し、満足のいく価格での売却が可能になるでしょう。
車の売却相場を事前に把握する
相場を知らないままでは、業者から提示された査定額が適正かどうか判断できず、買い叩かれるリスクが高まります。
買取相場は車種、年式、グレード、走行距離などによって大きく変動します。
たとえば、同一車種で年式が同じものでも、走行距離によって価格は大幅に変わってきます。
最適な売却方法を比較・検討する
下記の表で主な売却方法のメリットデメリットについてまとめました。
売却方法 | メリット | デメリット |
ディーラー下取り | ・手続きが簡単で手間がかからない | ・買取専門店より査定額が低いことが多い |
買取専門店 | ・下取りより高く買い取ってもらえる可能性が高い | ・オークションなどに出すため中間マージンが発生 |
中古車販売・買取店 | ・中間マージンが発生せず高価買取の可能性が高い | ・店舗数が少ないことがある |
個人売買/オークション | ・中間業者がいないため高値で売れる可能性 | ・手続きを全て自分で行う必要がある |
個人間売買やオークションは高額売却の可能性がありますが、未入金や売却後のクレームなどのトラブルリスクが高いため、経験者以外にはおすすめできません。
車を高く売るための6つのコツ
適切な売却時期の選択、車両の状態管理、必要書類の準備など、事前の対策で査定額は大きく変わります。
査定額の違いは数万円程度ではなく、時には数十万円にもなる可能性があります。
以下では、愛車を高く売るための6つの具体的なコツを紹介します。
これらの方法を実践することで、買取業者からより良い条件を引き出し、満足のいく価格で愛車を手放すことができるでしょう。
最適な売却タイミングを見極める
一般的に1〜3月と9月は車の需要が高まる時期で、査定額が上がる傾向があります。
この時期は多くの買取業者が決算期を迎えることや車の需要が増加するため、通常より高い査定額が期待できます。
一方、12月は買取相場が大きく下がる傾向があり、通常月と比べて2割〜4割も安くなることがあるため注意が必要です。
たとえば、通常なら100万円で買い取ってもらえる車でも、年末には60万円〜80万円になる可能性があります。
車両の状態を整えて印象をアップ
洗車や車内掃除をすることで、査定士に「車を大切にしてきた」という印象を与えられます。
特に注意すべきなのは車内の臭いです。
タバコやペット、芳香剤などの臭いがあると、査定額が数十万円単位で下がる可能性があります。
日本自動車査定協会(JAAI)のハンドブックでも、「異臭があるもの」は大きな減点項目となっています。
ただし、車についた小さなキズやへこみの修理は、費用対効果が低いケースが多いです。
修理費用がかかっても査定額に反映されるとは限らないため、査定を受ける前の大掛かりな修理は避けた方が無駄な出費を抑えられるでしょう。
純正パーツを用意する
特に「安全装備」や「カーナビ」、「レザーシート」などの純正オプションは査定額アップに貢献します。
あくまで目安となりますが、査定率アップにつながる可能性のある具体的な純正パーツは、下記の通りです。
・安全装備
・ナビ
・レザーシート
・サンルーフ
・電動スライドドア
・オーディオ
もし社外品に交換している場合は、査定前に純正品を用意しておくとよいでしょう。
純正品があると見た目が統一され、買い手にとっても安心感があるため、高評価につながります。
メンテナンス記録を用意する
メンテナンスノートとは、メーカーの保証書と点検記録簿がセットになったもので、これまで受けてきた点検や整備履歴が記録されています。
過去の整備状況が不明な車よりも、しっかりとした整備記録が残っている車の方が高く評価される傾向があるためです。
メンテナンスノートがなくても車は売却できますが、きちんと保管しておくと高額査定の可能性が高まります。
販売ディーラーに問い合わせてみましょう。
車検前なら通さずに売る
車検には10万円程度の費用がかかりますが、車検後に売却しても査定額に車検費用分がそのまま上乗せされるわけではないからです。
たとえ車検までの期間が丸2年残っている状態でも、査定額にプラス10万円されることはほとんどありません。
つまり、車検を通す費用をかけても、その分だけ査定額が上がるとは限らないのです。
また、「車検切れが近い」という理由だけで査定額が大幅に下がることも少ないので、車検期限が迫っている場合は、車検を通さずに売却した方が出費を抑えられ、結果的にお得になること考えておきましょう。
モデルチェンジ前に売却する
新型モデルが発売されると、旧モデルの中古車相場は大幅に下落する傾向があるためです。
国内の人気車種は、一般的に5年〜10年ごとにフルモデルチェンジが行われます。
たとえば、あるモデルが10年目を迎え、新型モデルが発表されると、それまで高値で取引されていた現行モデルの査定額が一気に下がることがあります。
モデルチェンジ情報は自動車メーカーの公式サイトや自動車専門メディアで確認できます。
自分の車種のモデルチェンジ時期が近いと感じたら、発表前に売却の準備を始めるとよいでしょう。
売却を検討している車がモデルチェンジ間近かどうかをリサーチしておくことで、大幅な価値下落を避けられます。
高価買取を引き出す効果的な交渉術
査定士も交渉のプロですから、こちらも効果的な交渉術を身につけておくことが大切です。
適切な交渉方法を知り、実践することで、査定額を上げられる可能性が高まります。
また、査定士とのコミュニケーション方法や、自分の車の価値をアピールするテクニックも重要なポイントです。
ここでは、買取店と交渉する際に実践したい具体的な方法と、高額査定を引き出すためのコツを紹介します。
複数の買取店で査定を比較する
買取店によって査定額に差が出る理由は、各社の在庫状況や強化仕入れ車種、輸入車の買取・販売の得意不得意など、会社ごとの状況や特性が異なるからです。
同じ条件で査定を依頼しても、買取店によって査定額が大きく変わることがあります。
インターネット上の評価だけでは各社の特性を判断しにくいため、最低でも3社以上の査定額を比較して、愛車を最高額で評価してくれる買取店を見つけることが大切です。
曖昧な提示には惑わされないよう注意が必要です。
売る意思をはっきり伝える
多くの人は無理な売却を迫られないよう「とりあえず値段を知りたかった」と言ってしまう傾向があります。
しかし、査定士から「売る気がない」と思われてしまうと、買取店側も本気の査定額を提示してくれません。
車の価格交渉は、双方が本気であるほど真剣な交渉になります。
「条件さえ合えばすぐにでも売る」という姿勢を見せれば、買取店側も本腰を入れて価格交渉に応じてくれるようになります。
引き渡し期限を明確にする
その理由は、時間が経つにつれて走行距離の増加や傷・凹みが増えるリスクがあるだけでなく、車の再販売時の相場が下がってしまう可能性もあるためです。
査定当日か翌日に車を引き渡せるのが理想的ですが、実際はすぐに手放すことが難しいケースが多いでしょう。
そこで「○月△日には引き渡せる」というように、引き渡しの期限を明確にしておくことが大切です。
買取業者は期限が明確になっていることでリスクを適切に見積もることができ、より強気の価格提示がしやすくなります。
ただし、期限があまりにも先だと逆効果になる場合もあります。
引き渡し期限は1週間以内が望ましく、長くても2週間以内に設定するようにしましょう。
明確な期限設定は、高額査定を引き出す重要なポイントです。
車の価値を維持するための日常ケア
適切なメンテナンスと保管方法、そして日常的な使用頻度は、車の劣化を防ぎ、価値を長期間維持することにつながります。
車は使わないでいると逆に劣化が進むこともあるため、適切な使用と管理のバランスが大切です。
将来の売却を見据えた日常のケアを心がけることで、数年後の査定額に大きな差が生まれることもあります。
ここでは、車の価値を長く保つための日常的なケア方法について解説します。
定期的なメンテナンスを欠かさない
定期的なオイル交換やタイヤのローテーション、ブレーキパッドの点検など、基本的なメンテナンスを怠ると車の状態が悪化し、査定時に大きな減額要因となります。
特に注目すべきは整備記録です。
点検や修理の履歴をメンテナンスノートにきちんと記録しておくと、「この車はしっかり整備されてきた」という印象を与え、査定額アップにつながります。
日常の運転においても、安全運転を心がけることが大切です。
1cm以内の傷なら査定額にも影響がないと言われており、修復歴のない状態を保つことで、将来の高価買取の可能性が高まります。
適切な保管場所で車を守る
可能であれば、車は屋内ガレージや地下駐車場など、直射日光や雨風から守られる場所に保管するのが理想的です。
車の塗装は直射日光や雨に晒されることで、色褪せや劣化が進みやすくなります。
特に強い日差しによる紫外線はボディカラーの変色や内装の日焼けを引き起こし、査定時のマイナス要因となります。
屋外駐車しか選択肢がない場合は、ボディカバーの使用やガラスコーティング施工を検討するとよいでしょう。
ガラスコーティングは汚れがつきにくくなるだけでなく、小さな傷も防げるため、車の外観を良好に保つのに効果的です。
塗装の劣化を防ぐことは、車を高く売るための重要なポイントです。
週1回以上は運転する
単にエンジンをかけるだけでは不十分で、実際に走行することがポイントです。
定期的に走行しないと、エンジン内部の潤滑不足によるトラブルが発生しやすくなったり、バッテリーの劣化が早まったりします。
また、タイヤの同じ部分に長期間荷重がかかり続けると、偏摩耗や変形の原因になることもあります。
ブレーキディスクやパッドも使用しないと錆びや固着が進行し、性能低下につながります。
こうした消耗品の不要な劣化は車の価値を下げることになるため、定期的な走行で車の各部分を適切に動かし、良好なコンディションを維持しましょう。
車を高く売るには買取会社の選定が重要
まず基本知識として車の売却相場を把握し、最適な売却方法を比較検討することが重要です。
高く売るコツとしては、需要の高まる1〜3月や9月に売る、車両の印象をアップさせる、純正パーツを用意する、メンテナンス記録を残す、車検前に売る、モデルチェンジ前に売却するなどが挙げられます。
交渉の場では、複数の買取店で査定を比較し、売る意思を明確に伝え、引き渡し期限を具体的に設定することで査定額アップが期待できます。
また、日常的なケアとして定期点検の実施、適切な保管場所の確保、定期的な運転を心がけることも将来の査定額に大きく影響します。
より詳しい情報や信頼できる買取会社を知りたい方は、オリコン顧客満足度調査による車買取会社ランキングを参考にしてみてはいかがでしょうか。
実際の利用者の声をもとにした評価は、買取会社選びの貴重な指標となるでしょう。

監修者新井 智美
マネーコンサルタントとしての個人向け相談、NISA・iDeCoをはじめとした運用にまつわるセミナー講師のほか、金融メディアへの執筆および監修に携わっている。
現在年間200本以上の執筆・監修をこなしており、これまでの執筆・監修実績は3,000本を超える。
(保有資格)
・1級ファイナンシャル・プランニング技能士
・CFP?
・DC(確定拠出年金)プランナー
・住宅ローンアドバイザー
・証券外務員
公式サイト:https://marron-financial.com/