水没車は買取できる?買取額の相場や売却のコツを徹底解説

水没車は買取できる?買取額の相場や売却のコツを徹底解説

台風や豪雨の影響で増加している「水没車」。

水に浸かってしまった車は一見すると価値がないように思われがちですが、実は買取が可能なケースも少なくありません。状態によっては十分な価格がつくこともあり、適切な売却方法を知っておくことで損を防ぐことができます。

本記事では、水没車の定義や価値がつく理由、買取価格の相場、高価買取を狙うためのコツを解説します。さらに、水没車に関するよくある質問や、信頼できる買取業者の選び方についても紹介します。

水没車の売却を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

mokuji目次

  1. 水没車でも買取が可能
    1. 水没車の定義
    2. 水没車に価値がつく理由
  2. 水没車の買取価格の相場
    1. フロアパネル上部まで水没した場合
    2. シート上部以上が水没した場合
  3. 水没車の高価買取を狙うコツ
    1. 水没後はできるだけ早く売却する
    2. 買取実績のある業者に依頼する
    3. 複数の買取業者の見積りを取る
    4. 正確かつ詳細な情報を業者に伝える
  4. 水没車に関するよくある質問
    1. Q. 水没車は保険適用できる?
    2. Q. 水位はどのくらいまで大丈夫?
    3. Q. 水没車の見分け方はある?
    4. Q. カーナビなど後付けパーツは外してもよい?
    5. Q. 冠水車と水没車の違いとは?
  5. 水没車の買取におすすめの車買取会社をチェック

水没車でも買取が可能

水没車でも買取が可能

台風や豪雨などの自然災害で車が水没してしまった場合、「もう車は使えない」「廃車にするしかない」と諦めてしまう方が多いかもしれません。しかし実際には、水没車であっても買取してもらうことが可能です。

浸水の程度や車の状態によって価格は変わりますが、適切な業者を選べば思わぬ価格で売却できるケースもあります。

水没車の定義

水没車とは、冠水車や水害車とも呼ばれる、浸水による被害を受けた車両のことです。

日本自動車査定協会による定義では、『集中豪雨や洪水などにより、室内フロア以上に浸水したもの、または、その痕跡により商品価値の下落が見込まれるもの』とされています。

水没車には目に見える汚れだけでなく、エンジンや電気系統の故障、内部の腐食や錆び、消えない泥の臭いなど、さまざまな問題が発生します。通常の使用では起こりにくい箇所の錆びや腐食、水染みなども水没車かどうかを判断する重要な基準となります。

引用:自動車公正取引協議会|「冠水車」に関するトラブルが増加しています(外部リンク)

水没車に価値がつく理由

水没車に買取価格がつく理由は、主に海外での需要にあります。

日本車は世界的に品質が高く評価されており、たとえ水没車であっても海外では購入したいという方が多く存在します。これは水没車に限らず、走行距離が10万キロを超えた車でも海外では大歓迎される傾向と同じです。

また、修理が困難な場合でも、車としてではなく中古パーツとして活用できる部品が残っている場合があります。さらに、鉄やアルミなどの金属部分は鉄素材として売却することも可能です。

このように、さまざまな活用方法があるため、水没車でも一定の価値を見出すことができるのです。

水没車の買取価格の相場

水没車の買取価格の相場

水没車の買取価格は、浸水の程度によって大きく異なります。日本自動車査定協会では、浸水レベルに応じた減点率を定めており、フロアパネルまでの浸水で50%、シート上部以上で70%の減点が適用されます。

ただし、これらは目安であり、実際の買取価格は車の状態や買取業者によって変動するため、複数の業者に査定を依頼することが重要です。

フロアパネル上部まで水没した場合

フロアパネル上部まで水没した車の場合、減点率は50%程度とされており、車の状態によっては中古車買取業者でも買取が可能です。ダメージレベルが比較的低いと判断されるため、ディーラーや中古車販売店への売却を検討できます。

ただし、エンジンが床下部分に搭載されている車両では、フロアまでの浸水でもエンジンが被害を受けている可能性があります。

この場合、買取価格が大幅に下がる、あるいは買取そのものが難しくなることがあります。特にディーラーは買取よりも新車販売が主業務のため、査定額が低くなりがちです。

一方で、中古車の販売・再販を前提とした専門業者(中古車買取販売店)であれば、販売ルートや修理対応の柔軟性がある分、高値での買取が期待できるケースもあります。

シート上部以上が水没した場合

シート上部以上が浸水した車の買取相場は、減点率70%が適用され、大幅な査定額の減額が予想されます。このレベルになると、水没車特有の問題であるカビの発生や消えない臭い、エンジンや電気系統の故障といった深刻なトラブルが発生します。

道路の冠水時には川や下水道からあふれた汚れた水が含まれているため、衛生面での問題も生じます。

ダッシュパネル上部まで水没した場合は、むやみにエンジンをかけることは避け、速やかに廃車買取業者や解体業者に連絡することが重要です。

屋根まで浸水して全く動かない状態の車でも、アルミや鉄といった金属部分に価値をつけることができるため、廃車買取業者への売却をおすすめします。中古車としての再販は不可能ですが、廃車買取業者であれば、水没の影響を受けていない部品に価値を見出してくれるでしょう。

水没車の高価買取を狙うコツ

水没車の高価買取を狙うコツ

水没車でも適切な方法で売却すれば、予想以上の価格で買い取ってもらえる可能性があります。重要なのは、正しい知識と戦略を持って買取業者と交渉することです。

以下のポイントを押さえることで、水没車の価値を最大限に引き出せるでしょう。
以降では、それぞれについて解説します。

水没後はできるだけ早く売却する

水没車を高く売却するためには、スピードが何より重要です。汚水に浸かった車の劣化は非常に早く進行し、時間が経つほど価値が下がってしまいます。鉄素材として売れるはずの鉄部分も、錆びが進めば価値が大幅に低下します。

被害が軽度だったからと放置していると、害虫や悪臭が発生し、価値をさらに落とす結果となります。

また、汚れの酷い車は放置車両と思われ、車上荒らしや車両放火などの犯罪に巻き込まれるリスクも高まります。

水没車を所有していたら、できるだけ早急に買取査定を依頼することが賢明な判断といえるでしょう。

買取実績のある業者に依頼する

水没車の売却では、買取実績が豊富な業者を選ぶことが成功の鍵となります。実績のある業者は独自の販路や換金手段を持っており、水没車の売り方を熟知しているため、適正な価格で買い取ってもらえます。

一方で、悪徳業者の中にはさまざまな理由をつけて買取価格を提示できないどころか、手数料まで請求してくる場合があります。このような事態を避けるためにも、水没車の買取実績がある業者を慎重に見極めることが重要です。

業者選びの際は、過去の買取事例や顧客の評判を確認し、信頼できる業者かどうかを判断しましょう。

複数の買取業者の見積りを取る

水没車の買取では、業者によって査定額に大きな差が生じることがあります。1社だけの見積りでは、その価格が適正なのか判断できません。少し時間をかけてでも高く売りたい場合は、複数の業者に査定を依頼し、比較検討することがおすすめです。

見積りを取得した際は、金額だけでなく内訳もしっかりと確認しましょう。特に自動車税(種別割)の還付金が適切に処理されているかチェックが必要です。自動車税は1年分を先払いしているため、未経過分は所有者に還付されるものです。

この取り扱いに業者の誠意が表れるため、査定時に必ず確認することが大切です。

正確かつ詳細な情報を業者に伝える

適切な価格査定を受けるためには、車の情報を業者に正確かつ詳細に伝えることが不可欠です。現在の車の状態を踏まえた上で、買取業者が適切な価格を判断できるよう協力しましょう。

提示すべき車両情報には、被害状況や車種だけでなく、年式、型式、車台番号など車検証に記載されている詳細情報も含まれます。

正確な情報が分からなければ最低額での査定となってしまう恐れがあるため、車検証を手元に置きながら詳細な情報を伝え、少しでも高い査定額をつけてもらうことが重要です。

情報提供に手抜きがあると、本来の価値よりも低い評価を受ける可能性があるので気を付けましょう。

水没車に関するよくある質問

水没車に関するよくある質問

水没車の買取について調べていると、さまざまな疑問が浮かんでくるものです。保険の適用範囲や売却時の注意点、専門用語の違いなど、分からないことが多いのは当然です。

ここでは、水没車に関してよく寄せられる質問にお答えしていきます。

Q. 水没車は保険適用できる?

没車に対する保険適用は、水没の原因によって決まります。台風や洪水といった自然災害による水没は、車両保険の適用範囲内となるケースがほとんどです。

一方で、地震や津波による水没は基本的に適用範囲外とされています。

ただし、保険会社によっては地震特約などのオプションを用意しており、地震が原因の水没でもカバーされる場合があります。修理が不可能と判断された場合や修理費用が保険金額を超えた場合は全損扱いとなり、

設定された保険金額が支払われます。加入している車両保険の条件を確認し、どのような場合に補償が受けられるかを把握しておくことが重要です。

Q. 水位はどのくらいまで大丈夫?

水没車の判断基準については、一般財団法人日本自動車査定協会の中古自動車査定基準が広く採用されています。この基準では、冠水車を「室内フロアよりも上まで浸水した車」と定義しており、業界標準となっています。

なお、同協会では水没車ではなく冠水車という表記を使用しています。

つまり、車内のフロア面を超える高さまで水が侵入した場合、その車は冠水車として扱われることになります。

この定義は『水没車の定義』でも詳しく説明していますので、ご確認ください。

タイヤが少し水に浸かった程度では冠水車とは見なされませんが、フロア面を超えると商品価値に大きな影響を与える損害として認識されます。

参考:一般財団法人日本自動車査定協会の中古自動車査定基準〔I〕(外部リンク)

Q. 水没車の見分け方はある?

水没車かどうかを見分ける主な方法は、通常の使用では発生しないようなサビや腐食があるかどうかを確認することです。

シートのスライドレールやスプリング、ペダル類のブラケット、ステアリングポスト付近など、普通に車を使っているだけでは錆びないような箇所にサビが見つかった場合、水没車である可能性が高くなります。

また、粉末状の汚れが残っていることも水没車の特徴です。これは泥水が乾いて粉末状になったもので、フロアやシート、ドア内部などに付着していることがあります。

さらに、ドロやカビの臭いが室内やエアコン作動時に感じられる場合も、水没車である可能性を示唆しています。

Q. カーナビなど後付けパーツは外してもよい?

カーオーディオやカーナビ、ETC車載器など、後付けした付属品については基本的に取り外しても問題ありません。これらは車本体ではなく付属品として扱われるためです。

ただし、査定後に外すと査定額の減額や契約違反となる可能性があるため、十分な注意が必要です。

査定時にパーツを付けたまま価格を提示されたにも関わらず、引き渡し前に取り外してしまうと、査定条件が変わったとして買取価格が変動する恐れがあります。

パーツを取り外したい場合は、査定前に行うか、査定時に取り外しの予定があることを業者に伝えておくことが大切です。

Q. 冠水車と水没車の違いとは?

冠水車と水没車は、どちらも浸水した車を指して使われる用語で、基本的には同じ意味として扱われています。水害車と呼ばれることもあり、これらの用語は業界や地域によって使い分けられているのが現状です。

一般財団法人日本自動車査定協会の中古自動車査定基準では「冠水車の定義」として統一的に定められており、専門的な文書では冠水車という表現が使用される傾向があります。

しかし、実際の買取や販売の現場では、水没車、冠水車、水害車といった用語が混在して使われているため、どの用語を使っても基本的には同じ状態の車を指していると理解して問題ありません。

水没車の買取におすすめの車買取会社をチェック

水没車は廃車にするしかないと思われがちですが、実際には買取が可能です。

浸水レベルによって買取価格や最適な売却先は異なりますが、フロアパネル上部までの浸水なら中古車買取業者への売却も検討できます。シート上部以上まで浸水した場合は、廃車買取業者への依頼が適切でしょう。

高価買取を実現するには、できるだけ早い売却、実績豊富な業者選び、複数業者での見積もり比較、正確な情報提供が重要になります。

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