車の傷は買取査定にどう影響する?減額の目安や修理すべきかの判断基準
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今回は、車の傷が買取査定にどの程度影響するのかを詳しく解説。傷のある車を高く買い取ってもらうポイントや、査定に出す際の注意点にもふれていますので、ぜひ参考にしてください。
監修者高見陽子
ファイナンシャルプランナー/金融・法律ライター
元大手銀行で個人営業を担当。現在は、資産形成や相続、ライフプランを中心に、車の売却・買い替えなど家計に関わる判断について、金融と生活実務の両面から情報提供を行う。
目次
車の傷は買取査定にどう影響する?減額の仕組み
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しかし、すべての傷が同じように評価されるわけではありません。傷の深さや大きさ、場所によって減額幅は大きく変わります。査定の仕組みを正しく理解することで、自分の車がどの程度の評価を受けるのか予測できるようになるでしょう。
ここでは、査定の基準となる減点方式の仕組みと、傷による減額がどのように決まるのかを解説します。
日本自動車査定協会の基準と減点方式
傷に関する評価は「深さ」「大きさ」「場所」の3つの要素で決まり、1点あたり約1,000円の減額として計算される目安があります。たとえば10点の減点であれば、約1万円の減額となります。
車の標準状態は以下のように定義されています。
・外装・内装は無傷である
・エンジン・足回りは走行に支障なく良好である
・車検の残り月数は3ヵ月以内である
・年間の走行距離が標準走行距離の範囲内である
・タイヤの残り溝の深さは1.6mm以上である
・事故による修復歴・損傷減価要因・改造工作がない
※一般財団法人日本自動車査定協会
査定士は、車の年式や走行距離を考慮し、「年式相応」と判断される傷であれば減額しないこともあるのです。
傷の深さと大きさで決まる減額幅
日本自動車査定協会の基準では、傷の大きさを「カードサイズ(約9cm未満)」、「A4サイズ(約30cm未満)」、「A4サイズ以上」という3つの区分で分類します。
特に板金作業が必要な深い傷は、パネル全体の塗装や場合によってはパネル交換が必要となるため、数万円から十数万円規模の減額につながることもあるでしょう。
【状態別】車の傷による査定減額の目安
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ただし、傷の状態に対する判断は車買取会社によって異なるため、あくまで目安として捉えてください。
車の傷が査定に与える影響の目安は、下記のとおりです。
爪が引っかからない浅い傷・洗車傷
こうした傷は通常使用の範囲内で発生するものとみなされ、「年式相応」として扱われるケースがほとんどです。
1cm以上の塗装剥がれや擦り傷
1cm〜9cm(カードサイズ程度)の傷であれば約1万円程度。9cm〜30cm(A4サイズ程度)の傷になると約1万円〜2万円程度、さらに30cm以上の大きな傷では、2万円〜4万円程度の減額となるでしょう。
へこみを伴う大きな傷・板金が必要な傷
9cm〜30cm(A4サイズ程度)のへこみで約2万円〜5万円程度、30cm以上の大きなへこみでは約2万円〜8万円程度の減額が目安となるでしょう。
さらに修理箇所と周囲との境目を自然に仕上げるため、ぼかし塗装やパネル全面の塗り直しが必要になることもあり、修理費用が高額になります。
修復歴ありと判断される損傷
修復歴の対象となる骨格部位は以下の8ヵ所です。
■車の修復歴の対象パーツ
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※一般財団法人日本自動車査定協会「修復歴車ってどんな車?」をもとに作成
特に高級車や年式の新しい車ほど減額幅が大きくなる傾向があります。修復歴を隠して売却すると、後から発覚した際に契約不適合責任を問われるリスクがあるため、事故歴や修理歴は正直に申告する必要があります。
パーツごとの傷の減額相場の違い
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ここでは、日本自動車査定協会が定める減額の目安を、パーツ別にご紹介します。
バンパー
バンパーについた傷の減額目安は、下記のとおりです。
傷の大きさ | 減額目安 |
9〜30cm程度までの傷(A4サイズ未満) | 1万〜1万5,000円程度 |
30cmを超える傷(A4サイズ以上) | 2万〜3万円程度 |
パネル面積の2分の1以上 | 2万5,000〜5万円程度 |
反対にバンパー下の削り傷など、目立たなく修復が容易な傷であれば、ほかのパーツと比べて査定額への影響が少ないケースもあります。
ドア、ボンネット、フェンダー
ドア、ボンネット、フェンダーについた傷の減額目安は下記のとおりです。
傷の大きさ | 減額目安 |
9〜30cm程度までの傷(A4サイズ未満) | 2万〜3万円程度 |
30cmを超える傷(A4サイズ以上) | 3万〜5万円程度 |
パネル面積の2分の1以上 | 6万〜15万円程度 |
そのため、前述したバンパーと比較すると減額幅も大きくなります。
ルーフ
ルーフについた傷の減額目安は下記のとおりです。
傷の大きさ | 減額目安 |
9〜30cm程度までの傷(A4サイズ未満) | 2万〜5万円程度 |
30cmを超える傷(A4サイズ以上) | 4万〜8万円程度 |
パネル面積の2分の1以上 | 14万〜18万円程度 |
特に、修復が困難なへこみを伴う傷の場合、大幅な減額につながるケースも少なくありません。
車を売る前に傷は直すべき?修理判断のポイント
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ここでは、修理すべきかどうかを判断する際のポイントを解説します。
修理費用の方が高くなるケースがほとんど
板金が必要なへこみ傷になると、さらに修理費用は高額になります。数万円の査定減額を避けるために5万円以上の修理費をかけるのは、明らかに損失です。
修理に出す前に、まずは現状のままで査定を受けて減額幅を確認し、修理費用と比較して判断することをおすすめします。
自分で直すと逆に査定額が下がるリスク
無理に手を加えず、現状のままで査定に出すことが、結果的に最も高い売却額につながるケースが多いといえます。
保険修理は等級ダウンによる保険料増額に注意
傷がある車を少しでも高く買取してもらうためのコツ
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買取査定に出す前にチェックしておきたいポイントをご紹介します。
洗車と車内清掃で大切に乗っていたことをアピール
きれいに手入れされた車なら、「大切に乗られてきた車だ」と感じてもらえるでしょう。プロのクリーニングまで行う必要はなく、自分でできる範囲の掃除で十分です。
外装は手洗い洗車で丁寧に汚れを落とし、ホイールやタイヤも洗浄して全体的に清潔な状態にしておきましょう。
内装も同様に重要です。シートやフロアマットの汚れを掃除機で吸い取り、ダッシュボードやドアの内張りなども拭き掃除しておきます。
複数の買取業者に査定を依頼して比較する
また、海外輸出ルートを持つ業者は、傷があっても日本車の需要が高い海外市場で販売できるため、高値をつけてくれることがあるでしょう。
傷の状態は隠さず正直に申告する
最初から正直に申告していれば適正な査定額が提示されますが、隠していたことが後からバレると、実際の減額分よりも多く請求されることもあるでしょう。
傷の状態だけでなく、事故歴や修理歴、不具合などもすべてを正確に伝えることが、トラブルを避けるための最善策です。
車買取の需要が上がるタイミングを狙う
買取業者は需要期に向けて在庫を充実させたいと考えるため、通常よりも高い査定額を提示してくれる可能性が高くなるでしょう。
傷がある車でも、需要が高まるタイミングで売却することで、減額分をある程度カバーできるかもしれません。売却を急がない場合は、こうした時期を狙って査定に出すことをおすすめします。
大きな傷や事故車でも売却する方法
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諦めずに適切な業者を選ぶことで、予想以上の価格で買い取ってもらえる可能性があるでしょう。
廃車専門の買取業者を利用する
廃車業者は車を部品取りしたり、鉄資源として再利用したりするため、走行できない車でも価値を見出してくれます。
廃車専門業者を利用するメリットは、レッカー代が無料のことが多い点や廃車手続きを代行してくれる点です。自分で廃車にすると運搬費用や解体費用、手続きなどの手間がかかりますが、専門業者に依頼すればスムーズに処分できます。
ただし、業者選びには注意が必要です。不法投棄や手続き漏れの心配がない、信頼できる業者を選ぶためには、契約前に下記の点などを確認すると安心です。
@抹消登録をいつまでに完了するか(名義・自動車税が自分に残らないか)
A自動車税・重量税・自賠責の還付金の扱いと受取人
B買取金額の見積書提示
C自治体の許可を受けた解体業者と提携しているか(登録番号など)
海外輸出ルートを持つ業者を選ぶ
エンジンやトランスミッションなどの主要部品だけでなく、ドアやボンネットといった外装パーツも需要があるため、傷があってもパーツとして価値があれば買い取ってもらえます。
ただし、高値が期待できる一方で、後のトラブルを防ぐための確認も大切です。契約前に、下記の点等を書面などで確認しておくと安心です。
@名義変更・輸出抹消が確実に行われるか
A代金決済の時期と方法
B車両の引取条件
傷のある車の買取査定はポイントを押さえて依頼しよう
ただし、実際の査定額は車買取会社の判断に委ねられます。傷のある車を少しでも高く買い取ってもらうには、あらかじめ洗車や車内清掃で車をきれいな状態にしたり、複数の車買取会社の査定額を比べたりするなど、ポイントを押さえて売却することが大切です。
オリコンでは、日本最大級の規模で調査を行い、毎年「車買取会社 オリコン顧客満足度ランキング」を発表しています。売却手続きや売却サポートのほか、担当者の接客力など、さまざまな視点で車買取会社を比較検討できますので、ぜひ参考にしてください。
監修者高見陽子
ファイナンシャルプランナー/金融・法律ライター
元大手銀行で個人営業を担当。現在は、資産形成や相続、ライフプランを中心に、車の売却・買い替えなど家計に関わる判断について、金融と生活実務の両面から情報提供を行う。