ネット銀行のメリット・デメリットを徹底解説!初心者におすすめの選び方
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目次
ネット銀行とは?普通の銀行との違いを解説
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ネット銀行を賢く活用するには、まずその基本的な仕組みを理解することが大切です。ここでは、ネット銀行がどのような銀行なのか、メガバンクや地方銀行といった実店舗を持つ銀行とはどう異なるのかを解説します。
また、よく混同されがちな「ネットバンキング」との違いについても整理していきます。メリット・デメリットを知る前に、まずは基本を押さえておきましょう。
ネット銀行の基本的な仕組み
では、なぜネット銀行は金利が高く、手数料が安いのでしょうか。その理由は、実店舗を持たないことで店舗の家賃や光熱費、窓口対応の人件費といった運営コストを削減できるためです。
削減したコストは、利用者へのサービス向上として還元されています。
実店舗を持つ銀行(メガバンク・地方銀行)との違い
その他、ネット銀行とメガバンク・地方銀行を比較すると以下のような違いがあります。
比較項目 | ネット銀行 | メガバンク・地方銀行 |
店舗の有無 | 原則なし | あり |
利用できる時間 | 原則24時間365日(※メンテナンス時を除く) | 窓口:平日9時〜15時 |
ATM手数料 | 月に数回まで無料の場合が多い | 条件を満たさない限り有料 |
他行宛振込手数料 | 月に数回まで無料の場合が多い | 条件を満たさない限り有料 |
普通預金金利 | 高い傾向にある | 低い傾向にある |
相談方法 | 電話、チャット、メールが中心 | 窓口での対面相談が中心 |
口座開設 | スマホやPCで完結 | 原則、店舗窓口または郵送 |
「ネット銀行」と「ネットバンキング」は別物
ネット銀行は、銀行そのものがインターネット上に存在し、すべての銀行業務をオンラインで提供する金融機関です。
一方、ネットバンキングは、実店舗を持つ銀行が提供するインターネット取引サービスの名称を指します。既存の銀行がインターネットを利用して提供する機能のことです。
この違いを理解することが、自分に合った銀行サービスを正しく選ぶための第一歩となります。
ネット銀行のメリット5選
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ネット銀行には、実店舗を持つ銀行にはない魅力的なメリットがたくさんあります。この章では、ネット銀行を利用する5つの主なメリットを解説します。
<ネット銀行のメリット>
@ 預金金利が高い
メガバンクの普通預金金利が0.2%程度であるのに対し、ネット銀行では0.2〜0.21%程度となっています。定期預金でも、メガバンクが0.25〜0.5%程度なのに対し、ネット銀行は0.225〜0.75%程度と高めです。(※2025年10月 時点)
なぜこれほど高い金利を実現できるのでしょうか。理由は、実店舗を持たないことで店舗の家賃や人件費といった運営コストを削減できるためです。削減したコスト分を、利用者への金利という形で還元しています。
A ATM・振込手数料が安い(または無料)
さらに、利用状況や取引実績に応じてランクが上がる仕組みを導入している銀行もあり、ランクが上がるほど無料回数が増えていきます。メガバンクで1回数百円かかる手数料が無料になることで、年間で数千円から数万円の節約につながる可能性があります。
B 24時間365日いつでもどこでも取引可能
「平日の昼間は仕事で銀行に行けない」「急な振込が必要になった」といった場面でも、自分の都合に合わせて手続できるのは大きなメリットです。忙しい社会人や子育て中の方にとって、時間と場所を選ばずに利用できる利便性は魅力的といえるでしょう。
C 口座開設がスマホだけで完結する
アプリをダウンロードして必要事項を入力し、運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類を撮影するだけで手続が完了します。「銀行口座を作りたい」と思い立ったその場で、すぐに始められるスピード感は、ネット銀行ならではの大きな魅力です。
D ポイントが貯まる・使えるなど独自のサービスが豊富
たとえば、給与の受取や振込、デビットカードの利用など、日常的な銀行取引をするだけでポイントが自動的に貯まるネット銀行もあります。貯まったポイントは各種支払いや景品交換に利用できるネット銀行を選べば、普段の生活をお得にすることが可能です。
自分がよく利用するサービスと連携させることで、より効率的にポイントを活用できるでしょう。
後悔しないために知るべきネット銀行のデメリットと対策
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この章では、ネット銀行の主なデメリットと、それぞれに対する具体的な対策をセットで解説します。事前に注意点を把握しておくことで、デメリットを最小限に抑えながら、メリットを最大限に活用できるでしょう。
<後悔しないために知るべきネット銀行のデメリット>
@ 対面で直接相談することができない
多くのネット銀行では、電話やオンラインチャットでのサポート体制を充実させています。わからないことがあれば、ウェブサイトを確認したり、問い合わせ窓口に電話したりすることで解決可能です。最近では、ビデオ通話で相談できる銀行も増えており、画面を共有しながら丁寧に説明を受けられるサービスも登場しています。
A ID・パスワードの自己管理が必須
パスワードの使い回しは絶対に避け、複雑なパスワードを設定しましょう。多要素認証(二段階認証)を必ず設定することで、万が一パスワードが漏れても不正アクセスを防げます。指紋認証や顔認証などの生体認証を活用すれば、セキュリティを高めながら利便性も保てるため、積極的に利用することをおすすめします。
B システムメンテナンス中は利用できない
メンテナンス情報は事前に公式サイトやアプリで告知されるため、こまめに確認する習慣をつけることが大切です。特に月末や給与日前後は重要な手続きが重なりやすいため、スケジュールを把握しておきましょう。また、急な出費に備えてサブバンクの口座を持ったり、ある程度の現金を手元に用意したりしておくと安心です。
C 硬貨の入出金や公共料金の窓口払いができない
スマートフォン決済アプリを利用すれば、請求書のバーコードを読み取るだけで簡単に支払いができます。硬貨については、日常的に使う機会が少ない方であれば、大きな問題にはならないでしょう。
D 通信障害や災害時に利用できなくなるリスク
メインバンクとサブバンクを使い分けることで、リスクを分散できます。さらに上級者向けの対策として、異なる通信回線を利用する銀行を組み合わせる方法もあります。万が一、ひとつの銀行でトラブルが発生しても、別の銀行で取引を続けられるため安心です。また、緊急時に備えて現金も一定額手元に置いておくとよいでしょう。
初心者でも失敗しない!ネット銀行の選び方5つのポイント
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ここでは、自分に合ったネット銀行を選ぶための具体的なチェックポイントを5つ紹介します。それぞれのポイントについて、見ていきましょう。
<ネット銀行の選び方>
@ 「金利」で選ぶ:貯蓄目的なら最優先
ネット銀行によって金利には差があるため、少しでも高い金利を提供している銀行を選ぶことで、同じ金額を預けてもより多くの利息を受け取れます。
ただし、特典や利用状況によって優遇金利が受けられる場合も多いため注意が必要です。給与振込口座に指定する、証券口座との連携をおこなうといった条件を達成することで金利がアップする仕組みになっています。
「利用できる特典はないか」「自分の利用状況の場合どれくらいの金利が適用されるか」をしっかりチェックしましょう。
A 「手数料」で選ぶ:普段使いの利便性重視なら
ネット銀行では「月○回までATM利用手数料無料」「月○回まで他行宛振込手数料無料」といった特典を設けていることが多いため、無料回数を比較してより安価に利用できるところを選ぶとよいでしょう。
自分のライフスタイルを振り返り、月に何回くらいATMを使うか、振込をするかをシミュレーションしてみることで、最適な銀行を見つけやすくなります。
B 「ポイント・連携サービス」で選ぶ:ポイ活・経済圏重視なら
ネット銀行の中には、ポイントサービスを提供しているところもあり、貯まったポイントは買い物や支払いに充てられるなど、さまざまな用途に使えます。
また、証券会社や家計管理アプリなど、ほかのサービスとの連携についても確認しておきたいポイントです。生活全体がお得になる視点を持って、自分の経済圏に合った銀行を選ぶことで、より効率的にポイントを貯められるでしょう。
C 「アプリの使いやすさ」で選ぶ:スマホでの操作性重視なら
取引に特化したスマホアプリが用意されており、残高照会や振込など、どの操作も直感的でわかりやすくできている銀行を選びましょう。実際に使っている人の意見を参考にするため、アプリストアのレビューをチェックすることをおすすめします。
評価が高く、操作性に関する好意的なコメントが多い銀行なら、初心者でも安心して利用できるでしょう。
D 「安全性・サポート体制」で選ぶ:安心感を最優先するなら
ワンタイムパスワード、合言葉認証、ソフトウェアキーボード、自動ログアウトといったセキュリティ対策がどれだけ導入されているかを確認しましょう。二段階認証や生体認証が利用できる銀行なら、より安全性が高まります。
また、万が一の際のサポート体制が充実しているかも確認すべきポイントです。多くのネット銀行が電話やチャットでのサポート体制を充実させているため、対応時間や連絡方法を事前にチェックしておくと安心して利用できます。
ネット銀行に関するよくある質問
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「安全性は大丈夫なのか」「メインバンクとして使えるのか」といった基本的な疑問から、「倒産したらどうなるのか」という万が一のケースまで、初心者の方が気になるポイントを網羅しました。
これらの疑問を解消することで、より安心してネット銀行を活用できるようになるでしょう。
Q1. ネット銀行の安全性は本当に大丈夫?
ネット銀行では、なりすましなどによる不正利用のリスクに備えて、しっかりとセキュリティ対策をおこなっています。
具体的には、ワンタイムパスワード、合言葉認証、ソフトウェアキーボード、自動ログアウトといった対策が導入されています。
そのため、一概に「ネット銀行=危険」とはいえません。
ただし、「後悔しないために知るべきネット銀行のデメリットと対策」の章の「A ID・パスワードの自己管理が必須」でお伝えしたように、利用者自身もパスワードの使い回しを避ける、二段階認証を設定するといった対策を講じることが重要です。
Q2. メインバンクとして使っても問題ない?
結論からいえば、ネット銀行をメインバンクとして利用することは可能です。実際に、ネット銀行をメインバンクとして利用している企業も増えており、これからますますネット銀行を利用する方も多くなるでしょう。
ただし、「後悔しないために知るべきネット銀行のデメリットと対策」の章の「C 硬貨の入出金や公共料金の窓口払いができない」でお伝えしたように、一部のサービスが利用できない場合があります。
自分がよく利用するサービスに対応しているかを事前に確認したうえで、メインバンクとして活用するか判断するとよいでしょう。
Q3. 倒産したらお金はどうなるの?
万が一ネット銀行が倒産した場合でも、預金保険制度によって保護されるため安心してください。元本1,000万円までとその利息が、ひとつの金融機関ごとに保護されます。
さらに、決済用預金であれば全額が補償されます。決済用預金とは、「無利息」「要求払い」「決済サービスを提供できること」の3要件を満たしたもので、具体的には当座預金など利息が付かない普通預金等のことです。
万が一ネット銀行が破綻しても、預金の全額が補償されるため、1,000万円を超える預金がある場合は決済用預金の利用を検討するとよいでしょう。
Q4. 給与口座にするデメリットはある?
ネット銀行を給与口座にすること自体に大きなデメリットはありません。
むしろ、「ネット銀行のメリット5選」の章の「@ 預金金利が高い」でお伝えしたように、金利が高いネット銀行に給与を受け取ることで、預金を効率的に増やせるメリットがあります。
ただし、一部の口座振替(自動支払い)や税金の受取金口座に対応していない場合があるため注意が必要です。給与口座として利用する前に、公共料金やクレジットカードの引き落としなど、必要な口座振替に対応しているかを確認しておくことをおすすめします。
最適なネット銀行を選び、賢いマネーライフの第一歩を踏み出そう
重要なのは、自分のライフスタイルや利用目的に合わせて最適なネット銀行を選ぶことです。金利、手数料、ポイントサービス、アプリの使いやすさ、セキュリティ体制といった5つのポイントを比較検討することで、後悔のない選択ができるでしょう。
オリコンの「ネット銀行ランキング」では、実際の利用者による評価やランキングを確認できるため、銀行選びの参考になります。ぜひ活用してみてください。ネット銀行を上手に活用し、賢いマネーライフの第一歩を踏み出しましょう。
監修者東本 隼之
ファイナンシャルプランナー、マネーライター
■プロフィール
独立系ファイナンシャルプランナーとして執筆業を中心に活動中。金融記事を中心に執筆・編集・監修を担当。税金・社会保険・資産運用・生命保険・不動産・相続分野を得意とし、自身の経験に基づいたライティングを強みとしている。難しい金融知識を初心者にわかりやすく伝えることが得意。
■保有資格
・2級ファイナンシャル・プランニング技能士
・AFP®(アフィリエイテッド ファイナンシャル プランナー)
ホームページ:https://falog-east.com/