キッチンリフォームの費用相場と後悔しないためのチェックポイント

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 リフォーム工事の中でもニーズの高いキッチンリフォーム。せっかく手を入れるなら、理想のキッチンを作りたいものです。でも、予算は限られているし、工期が長くなるのも困る…。

 そんな方のために、キッチンリフォームのコストの目安や注意点についてご紹介しましょう。
 これはキッチンに限りませんが、リフォームを行うときは「どこをどうしたいのか」をはっきりさせておかなくてはなりません。まずは、リフォームでどこを直したいのか、どのように改善したいのかを書き出してみましょう。

<よくあるキッチンリフォームのリクエスト>
・ガスコンロを入れ替えたい
・食洗機、食器乾燥機を追加したい
・収納スペースを増やしたい
・システムキッチンユニットを交換したい

 これらのうち、いくつかは個別に工事することができます。例えば、ガスコンロや食洗機などは、外寸や取付け方法などが標準化されていることも多いので、単体で交換することも可能です。ですが、長年使い続けているキッチンであれば、目に見えない部分が傷んでいることも考えられます。具合の悪い一部だけの交換でいいのか、ユニット全体を換えるべきか、考えどころでしょう。
 ここからは、個々のリフォームメニューの費用の目安や、注意すべきポイントについて、ひとつずつ見ていきましょう。もちろん、いずれも一般的なケースです。工事に踏み切るまえに複数の工務店やリフォーム会社で見積もりを取るなどして、十分に検討してください。

・ガスコンロや食洗機の交換
 「ガスコンロを2口から3口にしたい」というリクエストは多いものです。この場合、キッチンユニットに収まっているコンロを新しい物に入れ替えるだけですから、かかる費用はガスコンロの代金と工事費だけです。食洗機・食器乾燥機の場合には、給排水の配管工事のほか、電気工事が必要になることもあります。

【ガスコンロ交換の費用例】
ガスコンロ:10万円
工事費:2万円

【食洗機・食器乾燥機取付けの費用例】
食洗機・食器乾燥機:15万円〜
資材費:3万円(配管資材、化粧パネルなど)
工事費:3万円

 これら「一部ユニットを交換する」という小規模なリフォームならば、機器類の費用と工事費と合わせて20万円ほどと、比較的安価でできます。

 ただし、「ガスコンロからIHヒーターにしたい」となると、現状のガス管の撤去のほか、ほとんどの機種で200Vの電源を新たに引く必要があるなど、いくらかの作業が追加されます。そのため、総額で20〜25万円ほどと、金額は少々高くなります。
 キッチンリフォームで人気なのは、システムキッチンユニットを丸ごと交換するというものです。ただし、キッチンユニットは多くの部品の組み合わせであり、オプションの選択肢も多くあります。ここであまり欲張ってしまうと、かなり高額になってしまいますから注意が必要です。必要な部分にしっかりとお金をかけるためにも、自分の中で重視したいものを明確にしておきましょう。

・扉や天板の素材
 扉や引き出しの前面化粧板、作業台となる天板などの素材を選びます。化粧板には、汚れにくく掃除が楽で傷がつきにくいメラミン化粧板、天板はステンレスや人工大理石が広く使われます。天然木や天然石などはさすがに高価ですが、コストに見合う機能性があるなら検討してみる価値はあるでしょう。見栄えの良さ、手入れのしやすさ、かけられるコストなどによって適切な素材は変わりますので、要望を伝えて業者と相談してみてください。

・組み込み機器
 食洗機や食器乾燥機、オーブンなどのビルトイン機器の種類を選びます。機器そのものが高価ですし、配管工事や電気工事も必要となるため、物によっては数十万円単位でのコストアップになります。それでも、あとから追加するよりは安く済みますから、将来を見据えつつ、この機会に検討してみましょう。

・シンク
 シンクの素材や大きさ、形状に加えて、水栓金具の種類によっても価格が変わってきます。ビルトインタイプの浄水器は、通常オプション設定ですので、蛇口周りをすっきりさせたいときには追加を検討しましょう。
 選択するシステムキッチンユニットやオプションをつけるかどうかで費用は大きく変わってきますが、一般的な仕様の場合、費用の目安は以下のとおりです。

【小型のシステムキッチン交換】
システムキッチンユニット:25万円
工事費:25万円
※現状のシステムキッチンを撤去し、新品を設置する場合。

【中型以上のシステムキッチン交換】
システムキッチンユニット:60万円
資材費:30万円(床材)
工事費:20万円(キッチンユニット交換)
工事費:20万円(内装工事)
※床の張り替えが必要な場合。

 このほか、キッチンをアイランド型に入れ替えるような場合は、ユニットの移動・入れ替えだけでなく、キッチン周辺も含めてのリフォームになりますから、200〜250万円ほどのコストがかかる場合もあります。

 冒頭でお話ししたとおり、まず「どこまでリフォームするか」を決めておき、次に「どんな素材を使うか」「どんな機能が必要か」と絞り込んでいくと、リフォームの完成形が見えてきます。それから複数の業者から見積もりを取るなどして、比較・検討するといいでしょう。
 キッチンは家事をする人が長い時間を過ごす作業場とも言えます。心地良く、楽しくいられる場所であることは大切ですが、機能的な問題があると、食事の支度をする度にストレスに繋がることにもなります。キッチンのリフォームで後悔しないためのポイントを、いくつかご紹介しましょう。

・作業スペースは十分に確保する
 壁付けのキッチンからL字形のユニットに交換するような場合、広くなるスペースをシンクやコンロに振り分けたくなるものです。しかし、そちらに目が行きすぎると、肝心の作業スペースが手狭になりかねません。ちょっと鍋を置いておく、お皿を並べて盛りつける…。何をするにも、作業台のスペースは広いに越したことはありません。

・素材は見た目よりも機能優先で
 選ぶ素材によってインテリアの印象が変わりますので、ついついデザインの好みで選びたくなってしまうかもしれません。しかし、それだけではリフォーム後に後悔してしまう可能性もあるでしょう。

 特に注意したいのが、作業台やサービスカウンターの天板です。ここは、見た目以上に機能の違いがあります。例えば、天然石は高級感がありますが、非常に硬い素材なので、食器が割れやすいのが難点。一方、天然木は見た目がナチュラルで柔らかく、食器を傷めず音も出にくいという特長があるものの、水濡れやシミに弱いという点があります。自分なら何を優先するかを考えて、長い期間便利に使える素材を選ぶようにしましょう。

・収納スペースは十分に
 食洗機やオーブンをキッチンに組み込むと、その分、キッチンユニットの収納スペースは少なくなってしまいます。意外と忘れがちなところですが、キッチンの収納環境はそのまま作業効率に直結しますから、おろそかにはできません。この機会に食器や調理器具を総点検して、不要な物を整理するといいでしょう。

 新たに収納を作る場合には、奥行きよりも面積、収納力よりも出し入れのしやすさを優先した収納にすると、便利に使えるでしょう。また、日頃あまり使わない調理家電や、毎日使うゴミ箱など、使用頻度に合わせて収納場所を決めていくことも重要なポイントです。

 キッチンに限らず、リフォームは「とりあえずやってみて、具合が悪かったら修正していけばいい」というわけにはいきません。それに、毎日使うものですから、わずかな欠陥が大きなストレスに繋がってしまいます。工事を発注するまえに十分情報を集め、しっかり検討するようにしてください。
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