ウォーターサーバー満足度ランキング! 利用者が重視するポイントは?

※記事は2017年7月7日にダイヤモンド・オンライン(外部リンク)に掲載されたものです。

【画像】コップに入っている飲み水

【画像】コップに入っている飲み水

近年、「サーバー内の水に細菌が存在することは良くない」という傾向が高まる中で、衛生面での管理とメンテナンスに注力するメーカーが増えている
 いよいよ全国各地で梅雨本番。気温も上昇しジメジメとした湿気を感じるこの時期にこそ、健康面で注意しておきたいのが「食中毒」だろう。

 5月26日、新潟県妙高市で山の湧き水を飲んだ小学生とその家族の計43人が食中毒になった事件は記憶に新しいが、水に細菌が潜むのは、なにも湧き水ばかりではない。高水準の安全管理のもとでパッケージ化されたウォーターサーバーも、海外ではサーバー内の細菌が原因で乳児が発病するなど、その安全神話はときに脅かされることもある。

 そこで今回は、ウォーターサーバーの衛生面の確保について、実際のサーバー利用者の満足度を調査した「オリコン日本顧客満足度ランキング」で上位を獲得した企業の取り組みを探った。

 同顧客満足度調査の対象者は、キャンペーン期間を除き2ヶ月以上継続して家庭用ウォーターサーバー(ウォーターディスペンサー)を利用しており、かつ、その選定に関与した全国の20歳以上の男女で、3592人の回答を得た。調査では評価項目別に「水のおいしさ」「サーバー機能」「コストパフォーマンス」など10項目に関する質問を行い、それぞれの満足度を10点満点で評価。併せて「重視する項目」についても質問を実施した。

“総合力”のサントリーは「おいしさ」「清潔さ」で高評価

 今回で7度目となる満足度調査で、初めて第1位に選出されたのは「サントリー天然水ウォーターサーバー」(以下、サントリー)で、73.77点を獲得。次いで第2位に「FRECIOUS(フレシャス)」(73.36点)、第3位「クリクラ」(72.58点)、第4位「アクアクララ」(72.28点)、第5位「プレミアムウォーター」(71.61点)などが続く結果となった。

 トップとなったサントリーについては「大手メーカーなので信頼できる」(男性/30代)という意見が寄せられているように、評価項目別では3項目(「水のおいしさ」「サーバー機能」「デザイン」)が1位、さらに特典・キャンペーンを除く9項目でトップ3に選出されるなど、ブランド力とそこを支える総合力で強さを見せている。また、1位に選ばれた評価項目のうち、2位との得点差が大きかった項目として「水のおいしさ」と「サーバー機能」の2つがある。まず「水のおいしさ」では80.51点で、2位アルピナウォーターの78.56点を2ポイント近く上回った。次に、サーバーの清潔さなどの満足度を問う「サーバー機能」では75.70点で、2位フレシャスの74.40点と1ポイント以上の差をつけている。このことから、特に水の品質確保、衛生面の取り組みについて評価されていることがわかるだろう。

 サントリーの利用者からは「以前契約していたウォーターサーバーでは“おいしさキーパー”というものはなかったが、サントリーにはこの機能があり、なんとなく安心できる」(女性/30代)、「外気を取り入れない構造なので衛生的だと思う」(男性/50代)というコメントもあり、ユーザーにも分かりやすい取り組みや工夫が安心や信頼につながり、満足度を高めている。

【画像】ウォーターサーバー評価項目別・男女別ランキング

【画像】ウォーターサーバー評価項目別・男女別ランキング

36社を対象に調査を行い、実際にウォーターサーバーを利用した3592人の回答に基づく。ウォーターサーバー利用者の評判・口コミ等の詳細はこちら
(注)2017年5月29日、クリクラとアクアクララとの合弁会社(子会社)設立発表が出ておりますが、今回のランキングはそれよりも前に調査した結果に基づいたものとして発表しております。

【画像】利用者が利用の際に重視した項目

【画像】利用者が利用の際に重視した項目

重視項目とはウォーターサーバー利用者が商品やサービスを利用・選定する際に重要視した項目を調査、3833人のデータに基づく。数字の大きい項目ほど、重要視している結果となる。
(注)オリコンのサイト内では重視項目の割合が小数点第2位表示までとなっていたが、作成上、小数点第1位表示までとした。詳細はこちら

水の品質を保つ満足度トップ3の取り組み

 「ウォーターサーバーの水には細菌が存在する」と断言する研究者がいる。水中の細菌に詳しい麻布大学の生命・環境科学部教授、古畑勝則氏だ。一見、水への不安が高まる意見だが、同氏によると「細菌が存在するということと健康被害が起こるということは全く別で、水で増殖する細菌は大腸菌などと違い、食中毒を起こすような種類ではない」という。

 しかし、いくら健康被害に直結しないと言われても、まったく意に介さず飲み続けるというのも難しいもの。ウォーターサーバーを提供する大手メーカーも同様に、「人体に無害だとしても、サーバー内の水に細菌が存在することは良くない」という傾向が高まりつつあり、衛生面での管理とメンテナンスに注力するメーカーが増えている。

 そこで、満足度調査結果の上位3社(サントリー、フレシャス、クリクラ)では、実際にどのような取り組みを行っているのか、それぞれ話を聞いた。 

 第1位のサントリーの広報によると「独自の品質管理の仕組みを作り、採水時から飲用時まで徹底的にこだわっている」と自負をのぞかせる。“天然水おいしいままリレー”と呼ばれるサントリーの仕組みでは、採水時の品質管理のみならず、水を貯蔵する容器やサーバーの機能において商品鮮度を徹底重視している。天然水ボックス(段ボール)の中には、天然水を詰める容器にポリエチレンバッグを使い、水が外気に触れにくいように“ダブルバリア構造”と呼ばれる二重構造になっているのが特徴。全てのサーバーに“おいしさキーパー*”という殺菌機能を搭載するなど、衛生面でも細心の配慮が徹底されている。

 第2位のフレシャスは、従来のようなボトルではなく、交換の際にも外気に触れにくい構造で、雑菌による品質低下の心配が少ない“無菌エアレスパック”を採用している。また、温水をサーバー全体に循環させる機能を搭載し、ボタンを押せばいつでも殺菌できるクリーニング機能搭載のサーバーも用意している。第3位のクリクラは、クリーンルームなどでも使われている高性能フィルター「HEPAフィルター」を全サーバーに装備しており、空気中のちりやホコリといったゴミを徹底的に除去する工夫をしている。

 しかし、このような高性能サーバーは衛生面では安心できるが、その分、水やサーバーのレンタル代が高くなってしまうという懸念もある。一般家庭のお財布事情に鑑みると、衛生面への配慮と同時に押さえておきたいのがランニングコスト。つまり、コストパフォーマンスといえるだろう。

 サントリーはフレシャスと並び評価項目「コストパフォーマンス」で1位タイだが、サントリーの利用者の中には「他社よりお水の価格が高い」(女性/50代)という声もある。この点についてサントリーの広報は、「衛生面の配慮を含めて高性能の機材や、製品自体について高い品質を保持するためには経費がかかる」としつつも、「今まで培ってきた天然水製造の技術や知見を活用して、高品質かつ他社製品と比較して消費者に十分に納得してもらえる価格設定ができていると考えている」と語る。

*1日1回、サーバー内に熱水を循環させ、雑菌から守ることでサーバー内を清潔に保つことができる機能。

緩やかな成長が見込まれる市場 サントリーの戦略は?

 ウォーターサーバーは東日本大震災後に普及した。日本宅配水&サーバー協会によると、サーバー契約台数は2007年から2014年にかけて右肩上がりの成長で、約67万台から約338万台とおよそ5倍に増加している。しかし直近の推移では、2015年は330万6000台(前年比97.8%)で前年割れ、2016年は350万台(前年比105.9%)、2017年は推定365万台(前年比104.3%)と微増傾向にとどまっている。熊本地震の影響で再び水に対する備蓄意識は高まったものの、2015年には前年割れしていることから、市場は成熟してきたと言えるだろう。

 サントリー広報によると「ウォーターサーバー市場は、2013年までの二桁成長から2015年以降、緩やかな成長へと変化している」という。これからも緩やかな成長が続くと予想する中で、今後の展開について尋ねると、同広報は「既存の顧客満足度向上をさらに図っていく。加えて、各社新たなビジネスモデルの模索が見られる中、付加価値強化に向けてのビジネスモデルを検討していく」としている。

 日本の水道水は世界と比べても非常に高品質であるにもかかわらず、1980年代後半から「水を買って飲む」というスタイルは徐々に国民に浸透し始め、今や常識となっている。ウォーターサーバー市場が今後どのような変動を見せ、また無味無臭の水にどのような付加価値強化を見い出していくのか、注目したい。

(オリコン日本顧客満足度調査)
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