防災対策に必要な水の備蓄量は?家庭でできる保管方法も解説

災害時の備蓄水はなぜ必要?必要量と確保方法を解説

9月1日は防災の日です。地震や台風などの災害によって断水が起こると、飲料水や生活用水が不足する恐れがあります。こうしたリスクに備えて、自宅に防災用の備蓄水を確保しておくと安心です。

ここでは、水の備えが必要な理由に加えて、世帯人数ごとの水の必要量の目安を解説します。さらに、非常時にすぐに・安全に使えるよう備蓄水を確保する方法や収納・保管時のポイントについても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

mokuji目次

  1. 水の備えが必要な理由
  2. 備えておきたい水の量の目安は?
    1. 世帯人数別でみる必要量の目安
    2. 生活用水の備蓄量の推奨目安はない
    3. ペット用の水は最低限5日分備えておく
  3. 備蓄水を保管する時のポイント
    1. 小分けにして収納する
    2. ローリングストックを実践する
  4. 備蓄水の確保方法
    1. ペットボトルのミネラルウォーターを購入する
    2. 停電時にも使えるウォーターサーバーを活用する
    3. 水道水を保存する
  5. 水以外で備えておくべきもの
    1. 非常食
    2. カセットコンロ・ボンベ
    3. 医療品
    4. 貴重品
    5. 生活用品
  6. 日頃から無理なく災害に備えよう

水の備えが必要な理由

地震などの災害時には、水道管が破損・損傷するといった要因から断水が発生し、水道が使えなくなる可能性があります

水の不足は健康状態に直接影響し、生命の維持にもかかわってきます。非常時にも水が使えるよう、日頃から十分な量を備蓄しておきたいところです。なお、水は飲用水・調理用水として必要なだけでなく、衛生環境を整える点からも必要となります。
飲用水・調理用水
水分が不足すると、脱水症状による様々な健康被害の原因となります。飲料水や調理用水は、体に直接取り込む水です。生水を使用することは避け、ミネラルウォーターを使用するようの厚生労働省のガイドライン(※)でも推奨されています。やむを得ず生水を使用する際は煮沸殺菌をしてください。

衛生環境を整える生活用水
手洗い、トイレ、お風呂、洗濯などに使う水が含まれます。ガイドライン(※)の中でも病気や感染症の予防・蔓延防止のために、こまめな手洗いが推奨されています。また、体を拭うなど体を清潔に保ったり、トイレの衛生を保つための水も必要になります。

※厚生労働省健康局健康課「『避難所生活を過ごされる方々の健康管理に関するガイドライン』について(令和元年)

備えておきたい水の量の目安は?

備えておきたい水の量の目安は?

備蓄水の用途は「飲料・調理用」と衛生環境を整えるために使用する「生活用水」の2つに分けられますが、「飲料・調理用」だけで、一人当たり1日3Lの水が必要とされています。さらに最低でも3日分(計9L)、大規模災害の発生を想定すると7日分(計21L)の水を備えておくよう推奨されています。

世帯人数別でみる必要量の目安

前述の通り、一人当たり1日3Lの水が必要ですので、世帯の人数が増えるだけ必要な備蓄量も増えます。備えておきたい備蓄水の量は下記の通りです。
世帯人数 1日分の必要量 3日分の必要量
(2Lペットボトル換算)
7日分の必要量
(2Lペットボトル換算)
1人 3L 9L
(4.5本)
21L
(10.5本)
2人 6L 18L
(9本)
42L
(21本)
3人 9L 27L
(13.5本)
63L
(31.5本)
4人 12L 36L
(18本)
84L
(42本)
5人 15L 45L
(22.5本)
105L
(52.5本)
1人世帯でも、2Lペットボトルで5本〜11本程度の備えをしておきたいところ。5人家族となると、45Lで23本〜53本程度ものミネラルウォーターの備えが必要となります。

生活用水の備蓄量の推奨目安はない

飲料水や調理用水とは別に、トイレを流したり、手を洗ったり、体を拭ったりなど身の回りを清潔に保つための生活用水も必要です。生活用水には目安となる備蓄量は提示されていませんが、あればあるだけ安心といえます。
日頃からポリタンクなどの大きな容器に水道水を入れて用意しておく、お風呂の水をため置きしておくなどして一定量の備えがあるといいでしょう。

ペット用の水は最低限5日分備えておく

ペットがいるご家庭では、さらに水の備えが必要となります。
環境省のガイドラインでは「ペット用の備蓄品と持ち出す際の優先順位の例」として、水を優先度の高い【優先順位1】に位置付けています。というのも、震災初期の段階では、ペット用の救援物資を運ぶ車両が緊急車両と認められずに物資がすぐには届かない可能性もあるからです。

同ガイドラインによると、ペット用の飲用水としては少なくとも5日分、可能なら7日分以上の水を備蓄することが推奨されています

備蓄水を保管する時のポイント

備蓄水を収納する時のポイント

備蓄水やそのほか保存食などの備蓄品は、いざという時にすぐに・安全に使えるよう保管することが大切です。でないと、いざという時に「収納場所から取り出せない」「賞味期限・消費期限が切れていた」ということも起こりえます。
ここでは、備蓄品を収納する際のポイントをご紹介します。

小分けにして収納する

地震などの災害時には、家具が転倒して備蓄品を収納している部屋に入れなくなる恐れがあります。
そのようなリスクに備え、備蓄品は1ヵ所にまとめて保管するのではなく、キッチンや玄関、リビング、クローゼットなど複数の場所に小分けにしてストックしておくといいでしょう。

保管場所を分けることで、リスク分散に繋がります。
また、2階建ての戸建て住宅の場合は、1階と2階の両方に分散して保管することを意識してください。

なお、物置の奥など目に触れにくい場所に保管するのは避けましょう。いざという時に取り出せなかったり、そもそも保管していること自体を忘れてしまう可能性もありますので、取り出しやすい場所にストックするのがおすすめです。

ローリングストックを実践する

ローリングストックとは、少し多めにストックした水などの備蓄品を、日常生活で使用しながら、使った分を買い足していく備蓄方法です。

ローリングストックの方法

ローリングストックを実践することで、主に次の3点のメリットがあります。
一定量の備蓄品が家にある状態を常に維持できる
一気に買う必要がないので、買い物の手間やコストの負担が小さくなる
備蓄品の賞味期限切れ、使用期限切れを防ぐことができる
水や加工食品などを備蓄用としてまとめて1ケース購入すると、お金も掛かりますし買いにいくのも大変です。この方法だと、1個使ったら1個買うと日常的に消費・購入を繰り返すので、備蓄品の賞味期限切れを防ぐことにも繋がります。

備蓄水の確保方法

備蓄水の確保方法

非常時に備えて水を確保する方法には「ペットボトルのミネラルウォーターを購入する」「災害時にも使えるウォーターサーバーを活用する」「水道水を備蓄しておく」の主に3つの方法があります。ここでは、各方法について概要と注意点を説明します。

ペットボトルのミネラルウォーターを購入する

ペットボトルのミネラルウォーターを購入する方法です。
通常のミネラルウォーターの場合、賞味期限は未開封で1~2年です。防災用の備蓄水だと5年~12年間持ちます。

ただし、開封後は遅くとも2~3日以内に飲み切るようにしましょう。
コップが使えない状況も想定すると、飲みやすい500mLのペットボトルと、コスパの良い2Lペットボトルの両方をストックしておいてもいいでしょう。

なお保存時には、日が当たらない涼しい場所で保存する必要があります。

停電時にも使えるウォーターサーバーを活用する

ウォーターサーバーの中には、停電時にも使えるものがあります。
基本的には、給水のタイプが「レバー式」もしくは「コック式」の機種は停電していても給水できることが多いです。
また、非常時に直接水タンクに取り付ける「非常用コック」を提供しているメーカーもあります。

特に宅配水型のウォーターサーバーでは、必要量の水ボトルが定期的に宅配されます。そのためボトル1個余裕をもって頼んでおくことで、日常生活での消費とストックを自然とローリングすることができるでしょう。

水ボトルの容量はメーカーや機種によって異なりますが、小さいものだと4~5L程度、大きいものだと15Lとペットボトルに比べて大容量の水を確保しやすいのも便利な点です。

水道水を保存する

水道水を空のペットボトルや防災用の水タンクに保存する方法もあります。

水道水は雑菌などの繁殖を抑えるため、塩素消毒されています。そのため、室内での常温保存で3日程度、冷蔵庫保存で10日程度は飲料水として使用できるとされています。
ただし、浄水器でろ過された水は塩素の効果が弱まるので、長期の保存には不向きです。

水道水をペットボトルに注ぐ際は、中をよく洗ってから、なるべく空気が入らないように口元いっぱいまで水を入れ、蓋をしっかり閉めることがポイントです。直射日光が当たらない涼しい場所で保存しましょう。

3つの方法の中でも特にコストをかけずに備蓄できますが、保存期限が短いので管理に気を付けましょう

水以外で備えておくべきもの

水以外で備えておくべきもの

ここまで水の備えについて解説してきましたが、その他にも備えておきたい非常用物品があります。ここでは、東京消防庁などの公表している情報を参考に、非常時用に備えるべきモノを紹介します。

参照先:東京消防庁「備えよう!いざという時の非常物品」、内閣官房内閣広報室「災害が起きる前にできること」、農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド

非常食

最低限、3日分の食品を備えておくといいでしょう。長期保存ができる加工食品・防災用の保存食などを揃えましょう。
また、調理不要でそのまま食べられるビスケットや乾パンなどもおすすめです。
加工食品などは多めにストックし、それを普段から使用・使った分を買い足す「ローリングストック」を実践することで、賞味期限が切れを防ぎましょう。
非常食の例:
ご飯(アルファ米)、ビスケット、乾パン、チョコ、魚の缶詰、レトルト食品など

カセットコンロ・ボンベ

災害時には水道と同様にガスも止まる恐れがあります。カセットコンロで火が使えたら、お湯を沸かしたり、レトルト食品を温めることもできます。温かい食事には、ストレスや不安を和らげる効果も期待できるので、ぜひ備えておきたいところです。
1人1週間当たり約6本のボンベが必要とされています。

医療品

風邪やケガの応急処置ができるよう、風邪薬、ばんそうこう、包帯、ガーゼなどの医療品を準備しておきましょう。

貴重品

貴重品としては、現金、通帳類、健康保険証のコピー、家や車のスペアキーなどを非常時用にまとめておくといいでしょう。携帯電話のスペアがあれば、一緒に準備しておくとさらに安心です。

生活用品

懐中電灯:停電対策としてライトは必須です。
ビニール袋:衛生面の対策やモノを運ぶ際に活用できます。
トイレットペーパー:避難所のトイレなどで使えます。なかの芯を抜いておくことで、コンパクトにストックできます。
軍手:ケガを防止するためにも備えておきましょう。
ラジオ:携帯電話は充電できない可能性もあります。情報収集の手段としてあると安心です。

日頃から無理なく災害に備えよう

災害時に水道が使えなくなった備えとして、1人1日当たり3Lの水が飲料用・調理用として必要とされています。それとは別にトイレを流すなどの生活用水も必要となります。

備蓄水は、ペットボトルの水を買う、ウォーターサーバーを活用する、水道水をストックするといった方法で確保できます。非常時にすぐに安心して使えるように収納場所を工夫したり、日頃からローリングストックを実践したりすることも大切です。

停電時にも使えるウォーターサーバーでは、定期的に水ボトルが届くので一定量の水をストックしやすく、また日常生活での消費とストックを自然とローリングすることができる点でおすすめです。

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