防災対策に必要な水の備蓄量は?家庭でできる保管方法も解説
ここでは、水の備えが必要な理由に加えて、世帯人数ごとの水の必要量の目安を解説します。さらに、非常時にすぐに・安全に使えるよう備蓄水を確保する方法や収納・保管時のポイントについても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
水の備えが必要な理由
水の不足は健康状態に直接影響し、生命の維持にもかかわってきます。非常時にも水が使えるよう、日頃から十分な量を備蓄しておきたいところです。なお、水は飲用水・調理用水として必要なだけでなく、衛生環境を整える点からも必要となります。
水分が不足すると、脱水症状による様々な健康被害の原因となります。飲料水や調理用水は、体に直接取り込む水です。生水を使用することは避け、ミネラルウォーターを使用するようの厚生労働省のガイドライン(※)でも推奨されています。やむを得ず生水を使用する際は煮沸殺菌をしてください。
■衛生環境を整える生活用水
手洗い、トイレ、お風呂、洗濯などに使う水が含まれます。ガイドライン(※)の中でも病気や感染症の予防・蔓延防止のために、こまめな手洗いが推奨されています。また、体を拭うなど体を清潔に保ったり、トイレの衛生を保つための水も必要になります。
※厚生労働省健康局健康課「『避難所生活を過ごされる方々の健康管理に関するガイドライン』について(令和元年)」
備えておきたい水の量の目安は?
世帯人数別でみる必要量の目安
世帯人数 | 1日分の必要量 | 3日分の必要量 (2Lペットボトル換算) |
7日分の必要量 (2Lペットボトル換算) |
---|---|---|---|
1人 | 3L | 9L (4.5本) |
21L (10.5本) |
2人 | 6L | 18L (9本) |
42L (21本) |
3人 | 9L | 27L (13.5本) |
63L (31.5本) |
4人 | 12L | 36L (18本) |
84L (42本) |
5人 | 15L | 45L (22.5本) |
105L (52.5本) |
生活用水の備蓄量の推奨目安はない
日頃からポリタンクなどの大きな容器に水道水を入れて用意しておく、お風呂の水をため置きしておくなどして一定量の備えがあるといいでしょう。
ペット用の水は最低限5日分備えておく
環境省のガイドラインでは「ペット用の備蓄品と持ち出す際の優先順位の例」として、水を優先度の高い【優先順位1】に位置付けています。というのも、震災初期の段階では、ペット用の救援物資を運ぶ車両が緊急車両と認められずに物資がすぐには届かない可能性もあるからです。
同ガイドラインによると、ペット用の飲用水としては少なくとも5日分、可能なら7日分以上の水を備蓄することが推奨されています。
備蓄水を保管する時のポイント
ここでは、備蓄品を収納する際のポイントをご紹介します。
小分けにして収納する
そのようなリスクに備え、備蓄品は1ヵ所にまとめて保管するのではなく、キッチンや玄関、リビング、クローゼットなど複数の場所に小分けにしてストックしておくといいでしょう。
保管場所を分けることで、リスク分散に繋がります。
また、2階建ての戸建て住宅の場合は、1階と2階の両方に分散して保管することを意識してください。
なお、物置の奥など目に触れにくい場所に保管するのは避けましょう。いざという時に取り出せなかったり、そもそも保管していること自体を忘れてしまう可能性もありますので、取り出しやすい場所にストックするのがおすすめです。
ローリングストックを実践する
・一気に買う必要がないので、買い物の手間やコストの負担が小さくなる
・備蓄品の賞味期限切れ、使用期限切れを防ぐことができる
備蓄水の確保方法
ペットボトルのミネラルウォーターを購入する
通常のミネラルウォーターの場合、賞味期限は未開封で1~2年です。防災用の備蓄水だと5年~12年間持ちます。
ただし、開封後は遅くとも2~3日以内に飲み切るようにしましょう。
コップが使えない状況も想定すると、飲みやすい500mLのペットボトルと、コスパの良い2Lペットボトルの両方をストックしておいてもいいでしょう。
なお保存時には、日が当たらない涼しい場所で保存する必要があります。
停電時にも使えるウォーターサーバーを活用する
基本的には、給水のタイプが「レバー式」もしくは「コック式」の機種は停電していても給水できることが多いです。
また、非常時に直接水タンクに取り付ける「非常用コック」を提供しているメーカーもあります。
特に宅配水型のウォーターサーバーでは、必要量の水ボトルが定期的に宅配されます。そのためボトル1個余裕をもって頼んでおくことで、日常生活での消費とストックを自然とローリングすることができるでしょう。
水ボトルの容量はメーカーや機種によって異なりますが、小さいものだと4~5L程度、大きいものだと15Lとペットボトルに比べて大容量の水を確保しやすいのも便利な点です。
水道水を保存する
水道水は雑菌などの繁殖を抑えるため、塩素消毒されています。そのため、室内での常温保存で3日程度、冷蔵庫保存で10日程度は飲料水として使用できるとされています。
ただし、浄水器でろ過された水は塩素の効果が弱まるので、長期の保存には不向きです。
水道水をペットボトルに注ぐ際は、中をよく洗ってから、なるべく空気が入らないように口元いっぱいまで水を入れ、蓋をしっかり閉めることがポイントです。直射日光が当たらない涼しい場所で保存しましょう。
3つの方法の中でも特にコストをかけずに備蓄できますが、保存期限が短いので管理に気を付けましょう。
水以外で備えておくべきもの
参照先:東京消防庁「備えよう!いざという時の非常物品」、内閣官房内閣広報室「災害が起きる前にできること」、農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド」
非常食
また、調理不要でそのまま食べられるビスケットや乾パンなどもおすすめです。
加工食品などは多めにストックし、それを普段から使用・使った分を買い足す「ローリングストック」を実践することで、賞味期限が切れを防ぎましょう。
ご飯(アルファ米)、ビスケット、乾パン、チョコ、魚の缶詰、レトルト食品など
カセットコンロ・ボンベ
1人1週間当たり約6本のボンベが必要とされています。
医療品
貴重品
生活用品
・ビニール袋:衛生面の対策やモノを運ぶ際に活用できます。
・トイレットペーパー:避難所のトイレなどで使えます。なかの芯を抜いておくことで、コンパクトにストックできます。
・軍手:ケガを防止するためにも備えておきましょう。
・ラジオ:携帯電話は充電できない可能性もあります。情報収集の手段としてあると安心です。
日頃から無理なく災害に備えよう
備蓄水は、ペットボトルの水を買う、ウォーターサーバーを活用する、水道水をストックするといった方法で確保できます。非常時にすぐに安心して使えるように収納場所を工夫したり、日頃からローリングストックを実践したりすることも大切です。
停電時にも使えるウォーターサーバーでは、定期的に水ボトルが届くので一定量の水をストックしやすく、また日常生活での消費とストックを自然とローリングすることができる点でおすすめです。
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