硬水と軟水の違い・特徴は?それぞれに適した使い分け方を解説

硬水と軟水の違い・特徴は?それぞれに適した使い分け方を解説

水には「硬水」と「軟水」があり、それぞれに特徴や適した用途があります。

日本の水道水はほとんどが軟水ですが、ミネラルウォーターとして販売されているものには硬水も多く、違いを理解しておくことで、飲水として飲んだり、料理に使用したりといったかたちで、日常生活での使い分けがしやすくなります。

本記事では、硬水と軟水の違いやそれぞれのメリット・デメリット、日本の水の特徴、そして飲用や料理などの使い分けについて詳しく解説します。適切な水の選び方を知り、水をより快適に活用していきましょう。

mokuji目次

  1. 硬水と軟水の違い
    1. 水の硬度について
    2. 軟水の特徴は?
    3. 硬水の特徴は?
  2. 日本の水道水は軟水?硬水?
    1. 日本の水は軟水が多いのはなぜ?
    2. 日本人に合う水はどっち?
  3. 硬水と軟水のメリット・デメリットとは?
    1. 軟水のメリットは?
    2. 軟水のデメリットは?
    3. 硬水のメリットは?
    4. 硬水のデメリットは?
  4. 硬度の違いによる味の違い、使い分け方とは?
    1. 軟水が合う料理は?
    2. 硬水が合う料理は?
    3. 赤ちゃんのミルクに適した水は?
  5. 硬水と軟水の違いを理解して自分に合った水を使い分けよう

硬水と軟水の違い

硬水と軟水の違い

私たちが普段飲んでいる水には、「硬水」と「軟水」の2種類があります。この違いは、水に含まれるミネラル成分の量によって決まります。水の特徴を理解することで、日常生活での用途に合わせた最適な水を選ぶことができます。硬水と軟水の特徴と違いについて見ていきましょう。

水の硬度について

水の硬度とは、1リットルあたりに含まれるカルシウムとマグネシウムの量を数値化したものです。

WHO(世界保健機関)の基準では、大分類として硬度120mg/L以上を硬水、120mg/L未満を軟水と定めており、さらに細かな分類では、60mg/L未満を軟水、60〜120mg/Lを中硬水、120〜180mg/Lを硬水、180mg/L以上を超硬水としています。

なお、日本では、硬度100mg/L未満を軟水、100mg/L以上300mg/L未満を中硬水、300mg/L以上を硬水とするのが一般的です。

軟水の特徴は?

軟水の最大の特徴は、そのまろやかな口当たりとさっぱりとした風味です。軟水は日本人にとって馴染み深く、日本の水道水や国産のミネラルウォーターの多くが軟水に分類されます。

軟水は、肌や髪にも優しいという特性を持っています。洗顔や洗髪の際に使用すると、硬水と比べて肌のつっぱり感や髪のパサつきが少なくなります。また、石鹸や洗剤の泡立ちがよいという特徴もあります。

これらの特徴は軟水のミネラル含有量の少なさに起因するものであり、ミネラルウォーターからより多くのミネラルを摂取したい方にとっては、この点はデメリットと言えるかもしれません。

硬水の特徴は?

硬水は、口当たりが重く、若干の苦みを感じるという特徴があります。ミネラルが豊富に含まれているため、食事だけでは不足しがちなカルシウムやマグネシウムを補給できるというメリットもあります。

一方で、硬水をたくさん摂取すると、マグネシウムが腸を刺激してお腹が緩くなることがあります。このため、飲用量には注意が必要です。特に、海外旅行などで硬水を飲む際は気をつけましょう。

胃腸が未発達な赤ちゃんや小さな子どもも、身体への負担を考慮して軟水を選んだほうがよいでしょう。

日本の水道水は軟水?硬水?

日本の水道水は軟水?硬水?

ここまで述べたように、日本の水道水や国産のミネラルウォーターの多くが軟水になります。その理由は、実は地理的特徴と深い関係があるのです。なぜ日本の水道水が軟水なのか、また日本人にとってどのような水が適しているのか、詳しく見ていきましょう。

日本の水は軟水が多いのはなぜ?

日本で軟水が多い理由は、その独特の地形と地質に由来します。日本の地形は花崗岩が多く、山から海までの傾斜が急で起伏に富んでいます。

そのため、雨や雪が地中に染み込んで地下水となる過程で、水の浸透が早い花崗岩を通過する際の流下速度も比較的速くなります。この結果、ミネラル成分が水に溶け込む時間が短くなり、自然とミネラルの少ない軟水になるのです。

これに対し、ヨーロッパでは石灰岩が多く分布し、山から海までの傾斜がゆるやかです。そのため、雨や雪はミネラル豊富な石灰層をゆっくり通って時間を書けてろ過され、時間をかけてミネラル成分が溶け込むことから、結果として硬水になります。

水の特性は地域の地質や地形に大きく影響を受けているのです。

日本人に合う水はどっち?

幼少期から軟水を飲み続けてきた日本人の体は、軟水に慣れています。そのため、普段飲まない硬水を急に飲用すると体調不良を引き起こす可能性があります。

先にも触れたとおり、胃腸が未発達な赤ちゃんや小さな子どもには、硬水ではなく軟水を飲ませるようにしましょう。特に、赤ちゃんにミルクを与える際、粉ミルクはミネラル含有量の少ない軟水で溶かすようにしてください。

硬水と軟水のメリット・デメリットとは?

硬水と軟水は、日常生活での利用において、それぞれメリットとデメリットがあります。健康維持や料理、美容など、その目的に応じて適切な水を選ぶことで、硬水と軟水の長所を最大限活かすことができるでしょう。

軟水のメリットは?

軟水の最大の特徴は、口当たりのまろやかさです。クセがなくさっぱりとした味わいで、日本人の味覚にもマッチしています。

生活面では、髪や肌にとても優しいという性質を持っています。ミネラル分が少ないため、石鹸やシャンプーの泡立ちがよく、洗顔や入浴時に肌への負担を減らせるでしょう。

マグネシウム含有量が少なく、体への刺激が穏やかなため、赤ちゃんや胃腸が敏感な方も安心して飲むことができます。もちろん、消化器官が未発達な赤ちゃんのミルク作りにも最適です。

髪を洗う際も、パサつきやギシギシ感を抑えることができます。

軟水のデメリットは?

軟水の唯一とも言える弱点は、ミネラル成分の含有量が少ない点です。カルシウムやマグネシウムなどのミネラルは、体の基礎代謝や新陳代謝を整える重要な役割を担っています。

ミネラル不足は、健康面でマイナスの影響を及ぼす可能性があります。日本人の多くは軟水を飲用しているため、水からのミネラル摂取が少なくなりがちです。食事などで意識的にミネラルを補給するようにしましょう。

硬水のメリットは?

硬水には、豊富なミネラル分が含まれているため、カルシウムやマグネシウムを手軽に摂取することができます。不足しがちなミネラルを、日常的な水分補給の際に体内に取り入れることが可能です。

マグネシウムには体内で水を集める性質があり、便の水分量を増やしてくれることから、便秘解消が期待できます。また、これらの硬水に含まれるミネラルには基礎代謝を高める働きもあることから、ダイエット効果も期待できます。

スポーツ後の水分補給にも最適で、失われた電解質を効率的に補うことができます。

硬水のデメリットは?

日本人は硬水を飲み慣れていないため、独特の苦みやクセを感じるのはマイナスポイントです。また、マグネシウムの含有量が多いため、飲みすぎると胃腸に負担がかかる可能性がある点もデメリットと言えるでしょう。

硬水を生活用水として使用する際も注意が必要です。例えば、硬水に多く含まれるカルシウムやマグネシウムは石鹸と反応してしまい、水に溶けない「金属石鹸」が発生し、洗髪や洗顔時の泡立ちが悪くなります。

ミネラル成分は水回りにウロコ状の汚れを付着させやすいという性質もあります。

硬度の違いによる味の違い、使い分け方とは?

硬度の違いによる味の違い、使い分け方とは?

料理の味を左右する重要な要素の一つが水選びです。料理の種類によって硬水と軟水を適切に使い分けることで、料理をより美味しく仕上げることができます。料理に応じた最適な水選びについて見ていきましょう。

軟水が合う料理は?

和食を作る際は軟水がおすすめです。和食の最大の特徴のひとつである「だし」のうまみ成分をほどよく抽出し、全体に丸みのある仕上がりを生み出します。例えば、だし汁を取る際に軟水を使用すると、グルタミン酸などの旨味成分が効率よく溶け出します。

白米を炊くときも軟水がおすすめです。軟水を使用することで、ふっくらとした甘みのある炊き上がりになります。また、野菜を煮る際にも、軟水を使用するとやわらかく仕上がります。煮魚を作る場合も、素材の味を引き出す軟水が最適です。

硬水が合う料理は?

欧米料理には硬水の使用がおすすめです。硬水に含まれるカルシウムは、肉のたんぱく質と結合してアクとして取り除かれるため、臭みの少ないやわらかな仕上がりになることから、肉料理との相性がよいと言われています。

また、カレーやシチューなどに硬水を使うと、肉の臭みが除去されるだけでなく、素材の旨みを逃がさずに調理できます。

パスタも、硬水との相性がよい料理のひとつです。硬水でパスタを茹でると、パスタのデンプンと硬水に含まれるカルシウムが結合し、麺にコシが出ます。

パエリアやピラフなど、パラパラとした食感が求められるお米料理も、硬水を使うことでより美味しく仕上げることができるでしょう。

赤ちゃんのミルクに適した水は?

これまで説明したとおり、赤ちゃんのミルク作りには軟水が適しています。

その理由は、内蔵が未発達の赤ちゃんにとって、ミネラル分の多い硬水は消化器官に負担をかけてしまう可能性があることだけでなく、赤ちゃんが飲む粉ミルクはすでに必要な栄養成分が調整されているため、硬水を使用することで過剰なミネラル摂取になる可能性があるためです。

水分補給として与える飲み水も、内臓が発達する2〜3歳頃までは軟水を選ぶようにしましょう。

硬水と軟水の違いを理解して自分に合った水を使い分けよう

硬水と軟水の違いは、水に含まれるミネラル成分の量にあります。日本人の体質には軟水が適しており、和食や赤ちゃんのミルク作りにも最適です。また、生活用水としての軟水は、石鹸やシャンプーの泡立ちがよくなり、洗髪の際のパサつきやギシギシ感も抑えてくれます。

一方の硬水は、豊富なミネラル分を含み、肉料理や欧米料理との相性が抜群です。普段の生活で硬水と軟水を使い分けることで、より豊かな生活を楽しむことができます。

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