車両保険は必要?加入を検討するポイントについて解説
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今回は、車両保険の補償の範囲や必要性のほか、加入を検討するポイントなどについて解説します。
■車両保険は自分の車を補償する任意保険
・車両保険の加入率
■車両保険の2つのタイプ
■車両保険を使うと等級はどうなる?
■車両保険が必要か悩む理由
・使うと等級が下がる
・保険料が高い
・修理費が全額補償されない
・相手から賠償金が支払われる
・修理費は高くない
■車両保険の必要性を考えるポイント
・新車または高級車に乗っている
・ローン残高がある
・初心者、または運転に自信がない
・修理費を自分でまかなえる
・車にあまり乗らない
■車両保険に加入しないデメリット
・補償を受けられない
・車両保険にのみ付帯できる特約がつけられない
■車両保険の保険料を抑えるには?
・エコノミー型を選ぶ
・免責金額を高く設定する
・複数の保険会社を比較する
■車両保険が必要かどうか見極めよう
車両保険は自分の車を補償する任意保険
車両保険の保険料は高めとされており、「事故相手から賠償されるから、自分で車両保険に加入しなくてもいいのでは?」と考えるかもしれません。しかし、事故の際に自分にも過失が認められれば、相手から補償されるのは相手の過失分までのため、自己負担が必要になる可能性があります。また、必ずしも事故に相手がいるとは限らず、自損事故や当て逃げなどで相手がいなかったり、判明しなかったりする場合もあるでしょう。その場合の修理費はもちろん自己負担になります。
車両保険は、相手のある事故だけでなく、単独で起こした自損事故、相手がわからない落書きやいたずらの被害、盗難、自然災害などの損害でも、保険金が支払われる点が特徴です。
台風や洪水など自然災害時における自動車保険の補償
車両保険の加入率
また、これは営業車なども含んだ数字であり、車種別だと下記のようになります。車を所有する約半数の人が車両保険に加入しているようです。
車種  | 加入率  | 
自家用普通乗用車  | 63.2%  | 
自家用普通小型乗用車  | 52.6%  | 
軽四輪乗用車  | 48.8%  | 
車両保険の2つのタイプ
2つの補償範囲の違いをまとめました。
補償内容  | 一般車両型  | エコノミー型  | 
車やバイクとの事故  | 〇  | 〇  | 
飛来物・落下物との接触、窓ガラスへの損害  | 〇  | 〇  | 
盗難  | 〇  | 〇  | 
いたずら・落書き  | 〇  | 〇  | 
火災・爆発  | 〇  | 〇  | 
台風・洪水・竜巻・高潮  | 〇  | 〇  | 
雹(ひょう)・霰(あられ)  | 〇  | 〇  | 
自損事故  | 〇  | ×  | 
自転車との接触  | 〇  | ×  | 
当て逃げ  | 〇  | ×  | 
転覆・墜落  | 〇  | ×  | 
地震・噴火・津波  | ×  | ×  | 
地震や噴火、津波の被害についてはどちらでも補償を受けられませんが、そういった場合にも一時金が受け取れる特約を用意している保険会社もあります。
車両保険を使うと等級はどうなる?
例えば、これまで事故で保険を使ったことがなく、現在の等級が10等級だった場合、割引率は46%です。1等級ダウン事故で車両保険を使えば、翌年は18%(事故有係数)、3等級ダウン事故なら14%(事故有係数)と、翌年の割引率は大きく変わります。
| 等級 | 無事故 | 事故有 | 
|---|---|---|
| 1等級 | +108% | |
| 2等級 | +63% | |
| 3等級 | +38% | |
| 4等級 | +7% | |
| 5等級 | -2% | |
| 6等級 | -13% | |
| 7等級 | -27% | -14% | 
| 8等級 | -38% | -15% | 
| 9等級 | -44% | -18% | 
| 10等級 | -46% | -19% | 
| 11等級 | -48% | -20% | 
| 12等級 | -50% | -22% | 
| 13等級 | -51% | -24% | 
| 14等級 | -52% | -25% | 
| 15等級 | -53% | -28% | 
| 16等級 | -54% | -32% | 
| 17等級 | -55% | -44% | 
| 18等級 | -56% | -46% | 
| 19等級 | -57% | -50% | 
| 20等級 | -63% | -51% | 
自動車保険の等級とは? 上げ方、割引率、引き継ぎについて解説
事故有係数適用期間については、下記の記事をご覧ください。
事故有係数適用期間とは?同じ等級でも保険料が変わる仕組みを解説
車両保険が必要か悩む理由
使うと等級が下がる
等級が下がると、翌年以降の保険料が上がるので、数万円程度の修理費用なら、車両保険を使わない選択をする人も多いのです。
保険料を支払っていてもいざとなったときに使わないなら、最初から車両保険はいらないと考える人もいます。
自動車保険を使う目安は?翌年以降の保険料を試算しよう
保険料が高い
等級や契約車の型式などにもよりますが、加入すると年間で5万円以上保険料が上がるケースもあります。負担が大きいため、車両保険の加入を迷う人は多いでしょう。
修理費が全額補償されない
高い保険料を支払っても保険金がたいして支払われないなら、車両保険は必要ないと考える人もいるでしょう。
相手から賠償金が支払われる
相手が対物賠償保険に加入していれば、修理費やレッカー費用などが補償されますから、特に自分で車両保険に加入する必要はないと考えるかもしれません。
修理費は高くない
車両保険の必要性を考えるポイント
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新車または高級車に乗っている
車の価値は10年程度でなくなるとされているため、中古車や長く乗っている車は時価総額が低く、保険金もあまり期待できません。車両保険を使用しても十分な補償がされない可能性があり、加入の必要性は高くないでしょう。
ローン残高がある
また、ローンを返済している最中に事故で車の修理が必要になった場合、ローン返済と修理費用が同時に発生し、家計の負担になるかもしれません。そういった場合も、車両保険の保険金が役立ちます。
初心者、または運転に自信がない
同様に、運転技術に自信がないという人も、車両保険への加入をおすすめします。
修理費を自分でまかなえる
車両保険の保険料は、ほかの任意保険と比べて比較的高く、使用すると等級が下がって翌年以降の保険料はますます高くなります。使わなくても問題ないという場合は、あえて加入の必要はありません。
車にあまり乗らない
車両保険に加入しないデメリット
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では、車両保険に加入しないデメリットはあるのでしょうか。
補償を受けられない
車両保険にのみ付帯できる特約がつけられない
車が事故で全損、または修理費用が新車価格相当額の50%以上となった場合に、新車購入相当費用が補償される「新車特約(車両新価特約)」、事故で全損した場合に廃車や買い替えの諸費用が補償される「全損時諸費用特約」などが挙げられます。
車両保険に加入しなければ、これらの特約がつけられないのはデメリットといえるでしょう。
自動車保険の特約はどのようなものがある?代表的な特約を紹介
車両保険の保険料を抑えるには?
エコノミー型を選ぶ
免責金額を高く設定する
ただし、免責金額は、何回事故を起こしても一定の「定額方式」と、事故の回数によって免責金額が増える「増額方式」があるため、注意が必要です。
自動車保険の「免責」とは 正しく理解して保険料をお得に
複数の保険会社を比較する
自動車保険料の平均・相場はいくら? 年代・等級・走行距離別で比較
車両保険が必要かどうか見極めよう
しかし、車の所有者の半数程度は加入している保険であり、特に新車や高級車に乗っている人、運転に自信のない人などは、加入しておくと安心できる保険でしょう。車両保険の保険料は高めとされていますが、低く抑える方法もあります。複数の保険会社を比較検討して、自分に合った保険を見つけてください。
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