車両保険は必要?加入を検討するポイントについて解説

車両保険は必要?加入を検討するポイントについて解説

車両保険は事故や自然災害などで自分の車が損傷した場合に、修理や買い替えの費用を補償してくれる任意保険です。しかし、車両保険をつけると保険料が高くなるため、自動車保険の補償内容を検討するときに加入を迷う人もいるでしょう。

今回は、車両保険の補償の範囲や必要性のほか、加入を検討するポイントなどについて解説します。

車両保険は自分の車を補償する任意保険

車両保険は、自分の車にかける任意保険であり、事故や自然災害などで損害を受けた場合に、損害に応じて修理や買い替えの費用を補償してくれます。

車両保険の保険料は高めとされており、「事故相手から賠償されるから、自分で車両保険に加入しなくてもいいのでは?」と考えるかもしれません。しかし、事故の際に自分にも過失が認められれば、相手から補償されるのは相手の過失分までのため、自己負担が必要になる可能性があります。また、必ずしも事故に相手がいるとは限らず、自損事故や当て逃げなどで相手がいなかったり、判明しなかったりする場合もあるでしょう。その場合の修理費はもちろん自己負担になります。

車両保険は、相手のある事故だけでなく、単独で起こした自損事故、相手がわからない落書きやいたずらの被害、盗難、自然災害などの損害でも、保険金が支払われる点が特徴です。

車両保険の加入率

損害保険料率算出機構が発表する「2022年度 自動車保険の概況」によると、車両保険の加入率は46.5%でした。こちらに共済保険の数字は含まれていないので、実際はもう少し加入率は上がるでしょう。

また、これは営業車なども含んだ数字であり、車種別だと下記のようになります。車を所有する約半数の人が車両保険に加入しているようです。

車種

加入率

自家用普通乗用車

63.2%

自家用普通小型乗用車

52.6%

軽四輪乗用車

48.8%

※損害保険料率算出機構「2022年度 自動車保険の概況

車両保険の2つのタイプ

車両保険には、補償の範囲で2つの種類が用意されている場合が多いです。ひとつは補償範囲が広い「一般型(一般車両型、フルカバー型など)」、もうひとつは補償範囲を限定する分保険料が低い「エコノミー型(車対車+A、スタンダード型など)」です。
2つの補償範囲の違いをまとめました。

補償内容

一般車両型

エコノミー型

車やバイクとの事故
(相手が判明している)

飛来物・落下物との接触、窓ガラスへの損害

盗難

いたずら・落書き

火災・爆発

台風・洪水・竜巻・高潮

雹(ひょう)・霰(あられ)

自損事故
(電柱・建物などとの衝突・接触)

×

自転車との接触

×

当て逃げ

×

転覆・墜落

×

地震・噴火・津波

×

×

一般車両型なら、車に対する被害のほとんどが補償されます。一方のエコノミー型は、自損事故や自転車との接触、当て逃げなどが補償されない分、保険料が低めに抑えられるでしょう。

地震や噴火、津波の被害についてはどちらでも補償を受けられませんが、そういった場合にも一時金が受け取れる特約を用意している保険会社もあります。

車両保険を使うと等級はどうなる?

自動車事故で車両保険を使った場合、事故の内容によって翌年以降の等級が1等級、または3等級ダウンします1等級ダウン事故には、盗難やイタズラ、自然災害、飛び石などで車が損害を受けた事故、3等級ダウン事故には対車事故や自損事故などがあります。

例えば、これまで事故で保険を使ったことがなく、現在の等級が10等級だった場合、割引率は46%です。1等級ダウン事故で車両保険を使えば、翌年は18%(事故有係数)、3等級ダウン事故なら14%(事故有係数)と、翌年の割引率は大きく変わります。
■等級別割増引率(継続契約の場合)
等級 無事故 事故有
1等級 +108%
2等級 +63%
3等級 +38%
4等級 +7%
5等級 -2%
6等級 -13%
7等級 -27% -14%
8等級 -38% -15%
9等級 -44% -18%
10等級 -46% -19%
11等級 -48% -20%
12等級 -50% -22%
13等級 -51% -24%
14等級 -52% -25%
15等級 -53% -28%
16等級 -54% -32%
17等級 -55% -44%
18等級 -56% -46%
19等級 -57% -50%
20等級 -63% -51%
自動車保険の等級については、下記の記事をご覧ください。
自動車保険の等級とは? 上げ方、割引率、引き継ぎについて解説

事故有係数適用期間については、下記の記事をご覧ください。
事故有係数適用期間とは?同じ等級でも保険料が変わる仕組みを解説

車両保険が必要か悩む理由

車両保険は、任意保険に加入している人のすべてが加入しているものではありません。前述したように、加入者は全体の半数程度となっています。では、なぜ車両保険への加入を悩む人が多いのでしょうか。

使うと等級が下がる

前述したように、車両保険を利用すると、内容によって3等級ダウン事故、もしくは1等級ダウン事故となります。
等級が下がると、翌年以降の保険料が上がるので、数万円程度の修理費用なら、車両保険を使わない選択をする人も多いのです。
保険料を支払っていてもいざとなったときに使わないなら、最初から車両保険はいらないと考える人もいます。
自動車保険を使う目安については、下記の記事をご覧ください。
自動車保険を使う目安は?翌年以降の保険料を試算しよう

保険料が高い

車両保険の保険料は、ほかの任意保険と比べて保険料が高いとされています。
等級や契約車の型式などにもよりますが、加入すると年間で5万円以上保険料が上がるケースもあります。負担が大きいため、車両保険の加入を迷う人は多いでしょう。

修理費が全額補償されない

車両保険で支払われる保険金の上限は、車の時価相当額までです。新車登録から時間が経つほど時価額は減っていきますから、購入したばかりの新車ならともかく、古い車や中古車の場合はほぼゼロとなることも珍しくありません
高い保険料を支払っても保険金がたいして支払われないなら、車両保険は必要ないと考える人もいるでしょう。

相手から賠償金が支払われる

相手のある事故なら、過失割合に応じて事故の相手から賠償金が支払われます
相手が対物賠償保険に加入していれば、修理費やレッカー費用などが補償されますから、特に自分で車両保険に加入する必要はないと考えるかもしれません。

修理費は高くない

対人事故や対物事故と比べ、車両保険を使うような事故での修理費用は、高くても車購入費用程度と考えられます。そのため、貯蓄があればあえて車両保険に加入する必要はないと考える人もいるのです。

車両保険の必要性を考えるポイント

車両保険の必要性を考えるポイント

車両保険に加入するかどうか迷ったとき、何を基準に判断したらいいのでしょうか。ここでは、判断基準の一例をご紹介します。

新車または高級車に乗っている

新車や高級車に乗っている場合は、車両保険の加入がおすすめです。車両保険の支払われる保険金の上限額は、加入時の車の時価総額で設定されます。新車や高級車の場合は十分な保険金を設定でき、修理や買い替えの費用が捻出しやすくなります。新車や高級車は軽微な修理でも費用が高い傾向があり、その点でも車両保険があると安心です。

車の価値は10年程度でなくなるとされているため、中古車や長く乗っている車は時価総額が低く、保険金もあまり期待できません。車両保険を使用しても十分な補償がされない可能性があり、加入の必要性は高くないでしょう。

ローン残高がある

「自動車ローンの支払い中に事故に遭い、廃車になってしまった」といった場合、ローンの支払い義務だけが残ります。車両保険を利用すれば、保険金をローンの返済にあてられるでしょう。

また、ローンを返済している最中に事故で車の修理が必要になった場合、ローン返済と修理費用が同時に発生し、家計の負担になるかもしれません。そういった場合も、車両保険の保険金が役立ちます。

初心者、または運転に自信がない

運転免許を取得したばかりの初心者は、交通事故を起こすリスクが高いとされています。それだけ車の修理や買い替えが必要になる可能性が高いということですから、車両保険に加入しておくと安心でしょう。

同様に、運転技術に自信がないという人も、車両保険への加入をおすすめします。

修理費を自分でまかなえる

十分な貯蓄があり、万が一事故に遭って車の修理や買い替えが必要になったとき、問題なく費用が捻出できるという人は、車両保険に必ずしも加入しなくてもいいでしょう。

車両保険の保険料は、ほかの任意保険と比べて比較的高く、使用すると等級が下がって翌年以降の保険料はますます高くなります。使わなくても問題ないという場合は、あえて加入の必要はありません。

車にあまり乗らない

そもそも車に乗る機会が少ないという場合は、事故のリスクが少ないです。修理や買い替えの機会も少ないということですから、車両保険の必要性は高くないでしょう。

車両保険に加入しないデメリット

車両保険に加入しないデメリット

修理費の全額は補償されない、保険料が高いなど、さまざまな理由で車両保険に加入しない選択をする人はいます。
では、車両保険に加入しないデメリットはあるのでしょうか。

補償を受けられない

第一のデメリットとして、十分な補償を受けられないことがあります。高級車や新車の場合、修理費が高額になりがちですが、車両保険に加入しないことで保険金が受け取れません。自己負担が大きくなるため、車両保険に加入しないデメリットとなるでしょう。

車両保険にのみ付帯できる特約がつけられない

保険会社は各社がそれぞれ特約を用意していますが、中には車両保険にのみ付帯できる特約があります。
車が事故で全損、または修理費用が新車価格相当額の50%以上となった場合に、新車購入相当費用が補償される「新車特約(車両新価特約)」事故で全損した場合に廃車や買い替えの諸費用が補償される「全損時諸費用特約」などが挙げられます。

車両保険に加入しなければ、これらの特約がつけられないのはデメリットといえるでしょう
自動車保険の特約については、下記の記事をご覧ください。
自動車保険の特約はどのようなものがある?代表的な特約を紹介

車両保険の保険料を抑えるには?

車両保険に加入したくても、保険料が高いことが気になって悩んでいる人もいるでしょう。車両保険の保険料は工夫次第で抑えることも可能です。ここでは、車両保険の保険料を節約するポイントをご紹介します。

エコノミー型を選ぶ

前述のとおり、車両保険は補償の範囲によって2種類あり、補償範囲が狭いエコノミー型を選べば、保険料は低く抑えられます。補償範囲が限定されている分、誰にでもおすすめできるものではありませんが、運転技術に自信がある、車に乗る機会が少ないなどといった場合は、エコノミー型で十分でしょう。

免責金額を高く設定する

免責金額とは、車の修理費用の自己負担額のことです。修理代が50万円だった場合、免責金額が5万円だとすれば、5万円は自己負担で残りの45万円が保険金として支払われます。免責金額はある程度自分で選択でき、高く設定しておけば保険料が低くできるでしょう。

ただし、免責金額は、何回事故を起こしても一定の「定額方式」と、事故の回数によって免責金額が増える「増額方式」があるため、注意が必要です。
車両保険の免責金額については、下記の記事をご覧ください
自動車保険の「免責」とは 正しく理解して保険料をお得に

複数の保険会社を比較する

車両保険の保険料は一定ではなく、保険会社によって違います。また、キャンペーンなどで割引が用意されていたり、ほかの保険とのセット割引が使えたりすることもあります。車両保険の保険料を節約したい場合は、複数の保険会社の保険料を比較検討することがおすすめです。

車両保険が必要かどうか見極めよう

車両保険は、事故や自然災害で自分の車が損害を受けたときに、修理や買い替えの費用を補償してくれる保険です。保険金は車の時価総額に応じて変わるため、「誰でも絶対に加入するべき」とは言い切れないかもしれません。

しかし、車の所有者の半数程度は加入している保険であり、特に新車や高級車に乗っている人、運転に自信のない人などは、加入しておくと安心できる保険でしょう。車両保険の保険料は高めとされていますが、低く抑える方法もあります。複数の保険会社を比較検討して、自分に合った保険を見つけてください。

オリコンでは、日本最大級の規模で調査を行い、毎年「自動車保険ランキング」を発表しています。保険料や事故対応、加入者の年代などさまざまな視点のランキングを確認できますので、保険会社選びの参考にしてください。

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自動車保険選びのポイント

任意保険には、対人・対物賠償や人身傷害補償、車両保険などさまざまな種類があります。事前にチェックして重視する補償を決めることが大切です。

自動車保険会社は、ダイレクト系と代理店系の2つに大きくわけられます。双方のメリット・デメリットをきちんと踏まえて選びましょう。

人身事故の最高賠償金額は約5億円。物損事故でも約3億円にのぼるケースがあります。まずは実際の事故事例を見て任意保険の必要性を知りましょう。

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