無保険車傷害保険とは?無保険車との事故のリスクと補償の範囲を解説

無保険車傷害保険とは?無保険車との事故のリスクと補償の範囲を解説

無保険車傷害保険は、事故の相手が保険に加入していなかったり、加入していても賠償資力が十分でなかったりする場合に、保険金を受け取れる保険です。

事故に遭ったとき、相手が必ずしも任意保険に加入しているとは限りません。相手が保険に加入していなければ、事故で被害を受けても、十分な補償を受けられない可能性があるでしょう。そういった場合に、無保険車傷害保険に加入していれば、保険金が受け取れます。

今回は、無保険車傷害保険の概要や注意点のほか、無保険車との事故のリスクなどについて解説します。

無保険車傷害保険は無保険車との事故に備える保険

無保険車傷害保険とは、本来自分に補償するべき事故の相手が保険に加入していない、加入していても補償が損害額を下回るといった場合に、保険金が受け取れるもの。

どういった状態を無保険車として扱うかは、保険会社によって異なる場合がありますが、相手の補償が不十分なときだけでなく、当て逃げやひき逃げなどで事故の相手が不明なときも保険金が支払われます。また、事故の相手が運転者限定違反や飲酒などで相手の保険が適用されず、保険金が支払われない場合も、無保険車傷害保険から補償が受けられるでしょう。

<無保険車傷害保険の対象となるケース>
・事故の相手が無保険で十分な補償が受けられない
・事故の相手が保険加入しているものの、補償が十分でない
・ひき逃げや当て逃げで事故の相手がわからない
・運転者限定違反や飲酒などで相手の保険が適用されない

無保険車の割合はどれくらい?

任意保険は自賠責の補償でまかなえない部分を補うものであり、自賠責保険より対象も範囲も広いのが特徴です。

損害保険料率算出機構が発表した「2022年度自動車保険の概況」によると、任意保険の対人賠償保険の加入率は、共済を含めて88.7%でした。自動車保険に加入する際、ほとんどの人が対人賠償保険に加入するため、対人賠償保険の加入率は任意保険の加入率とほぼ同じといえるでしょう。9割近くが任意保険に加入していますが、反対に考えると「10台に1台は無保険車」ということになります。

自賠責保険は加入が義務付けられていますが、補償上限があり、被害者1人につき死亡で3,000万円、後遺障害で4,000万円です。事故で受けた損害によっては、補償が十分ではないかもしれません。

無保険車との事故のリスク

事故の相手が無保険車だった場合、保障されるのは自賠責保険の保険金のみのため、十分な補償が受けられないことがあります。相手に賠償資力がなければ請求しても賠償金は受け取れず、事故によるケガの治療費や、後遺障害の介護費用、死亡時の遺族への慰謝料なども補償されません。

なお、事故の相手が無保険だったり、ひき逃げや当て逃げで相手がわからなかったりする場合は、政府保障事業によって補償が受けられる可能性があります。補償される金額の上限は、自賠責保険と同じです。

しかし、一般的な保険金が振り込まれるまでの期間が約1ヵ月であるのに対し、政府保障事業制度の場合は4〜6ヵ月程度はかかるとされています。提出する書類も多く、事故で被害に遭った後に手続きを行うのは簡単ではないでしょう。

無保険車傷害保険の補償対象者

無保険車傷害保険の補償対象者

無保険車傷害保険の補償対象者は、(1)〜(5)の記名保険者とその家族、契約車に搭乗中の人です。

<無保険車傷害保険の補償対象>
(1)記名保険者(保険対象となる車を主に使用する人)
(2)記名保険者の配偶者
(3)記名保険者またはその配偶者の同居親族
(4)記名保険者またはその配偶者の別居の未婚の子
(5)契約車に搭乗中の人

なお、(1)〜(4)の記名保険者とその家族は、契約車以外に搭乗中で無保険車との事故に遭ったときや、歩行中に無保険との事故に遭ったときも補償されます。

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無保険車傷害保険の注意点

無保険車傷害保険で注意しておきたいのは、補償されるのは事故で死亡した場合と、ケガで後遺障害が残った場合のみという点です。後遺障害が残らずケガが完治した場合や、回復の見込みのあるケガの場合は、補償が受けられません。

また、人身傷害保険や搭乗者傷害保険に加入している場合は、そちらの補償が優先されます。無保険車傷害保険の保険金は、被害額が相手の自賠責保険と、人身傷害保険・搭乗者傷害保険の補償を上回る部分に対して支払われることになります。無保険車傷害保険は、自分の過失分については補償されない点にも注意が必要です。

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無保険車との事故に備える保険

任意保険の中には、無保険車傷害保険以外にも無保険車との事故の被害を補償してくれる保険があります。

「人身傷害保険」や「搭乗者傷害保険」は、相手が無保険かどうかにかかわらず、事故のケガや後遺障害、障害などの損害を補償するものです。人身傷害保険は保険金を上限として実損額を補償、搭乗者傷害保険は契約にもとづく定額を補償します。

前述のように、どちらか一方、またはどちらにも加入している場合、無保険車傷害保険の補償は、被害額が人身傷害保険や搭乗者傷害保険の保険金を上回る部分のみとなります。

無保険車との事故に備える任意保険としては、自分の車の修理費や買い替え代を補償する「車両保険」もありますが、車両保険は補償の範囲が2種類ある点に注意が必要です。狭い範囲の補償の場合は、当て逃げやひき逃げなどの相手がわからない事故の損害は補償されません。

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無保険車傷害保険で無保険車との事故に備えよう

任意保険は必ず加入しているものとは限らず、事故の相手が無保険ということもありうるでしょう。そういった場合に無保険車傷害保険に加入しておくと、事故による後遺障害や死亡の損害が補償されます。

無保険車傷害保険は、保険会社によっては人身傷害保険などに自動付帯されるケースもあるようです。加入しておくと安心な保険ですから、任意保険に加入するときは、無保険車傷害保険が自動で付帯されているか、または付帯できるかを確認してみましょう。

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