自動車保険の20等級の保険料は?相場やさらに安くするコツを解説

自動車保険の20等級の保険料は?相場やさらに安くするコツを解説

自動車保険は、等級によって保険料の割引・割増率が決められています。一般的には1〜20等級に区分され、等級の数字が上がるほど保険料は安くなっていきます。では、最高の20等級の場合、保険料はいくらになるのでしょうか。
ここでは、自動車保険で20等級になるとどのくらい保険料が割引されるのか、そこからさらに保険料を抑える方法についてご紹介します。

自動車保険の20等級は割引率が最も高い状態

自動車保険の20等級とは、等級による割引で最も保険料の割引率が高い状態です(共済では22等級まである場合も)。事故有係数がない場合、20等級の割引率は63%となっており、仮に割引適用前の保険料が10万円なら、負担は3万7,000円ということになります。

等級は保険料の割増・割引率を決めるための区分

自動車保険の等級とは、ノンフリート等級別料率制度における等級のことを指し、1年間の保険料の割増・割引率を決めるための区分です。
初めて自動車保険に加入する場合は原則として6等級からスタートし、無事故で保険を使用しなければ等級は毎年1つずつ上がっていきます。そのため、初めて自動車保険に加入してから最高の20等級になるまでは、最短でも14年かかるでしょう。

反対に、事故を起こして自動車保険を使った場合は、事故の内容によって等級が3等級または1等級下がります。

自動車保険の等級については、下記の記事をご覧ください。
自動車保険の等級とは?上げ方、割引率、引き継ぎについて解説

事故を起こすと事故有係数が適用され、保険料が高くなる

事故を起こして等級が下がった場合、「事故有係数」が適用されます。事故有係数とは、下記の表の「事故有」の割増引率を指し、事故有係数が適用されている期間は、同じ等級でも「無事故」より割引率は小さくなります。
事故有係数は等級の下がり幅と連動しており、3等級下がる事故の事故有係数の適用期間は3年、1等級下がる事故の事故有係数の適用期間は1年です。

ただし、事故有係数が適用される期間は最長6年のため、続けて事故を起こしても6年以上になることはありません。事故有係数は1年ごとに減算されていきます。

■自動車保険の等級別割引率(継続契約の場合)
等級 無事故 事故有
1等級 +108%
2等級 +63%
3等級 +38%
4等級 +7%
5等級 -2%
6等級 -13%
7等級 -27% -14%
8等級 -38% -15%
9等級 -44% -18%
10等級 -46% -19%
11等級 -48% -20%
12等級 -50% -22%
13等級 -51% -24%
14等級 -52% -25%
15等級 -53% -28%
16等級 -54% -32%
17等級 -55% -44%
18等級 -56% -46%
19等級 -57% -50%
20等級 -63% -51%
事故有係数適用期間については、下記の記事をご覧ください。
事故有係数適用期間とは?同じ等級でも保険料が変わる仕組みを解説

等級は20等級になっても下がることがある?

等級は20等級になっても下がることがある?

初めて自動車保険を契約してから最短で20等級に上がるまでは、14年間無事故でいる必要があります。しかし、せっかく20等級に上がったとしても、事故を起こして保険を使えば翌年以降の等級は下がります。ここでは、等級が下がる事故についてご紹介しましょう。

3等級ダウン事故

対人賠償保険や対物賠償保険、車両保険(一部)の対象となる事故を起こし、自動車保険を使った場合、翌年の等級は3等級下がります。20等級だった場合、翌年の等級は17等級になり、事故有係数適用で割引率は44%です。仮に保険料が10万円だった場合、3万7,000円だった負担が、事故の翌年は5万6,000円に上がります。

1等級ダウン事故

盗難や火災、台風など、主に走行危険以外の事故で車両保険を使った場合、翌年の等級は1等級下がります。20等級だった場合は翌年の等級が19等級になり、事故有係数適用で割引率は50%です。保険料が10万円だった場合、3万7,000円だった負担が事故の翌年は5万円になります。

ノーカウント事故

事故の中には、事故を起こして保険を使ったとしても、等級に影響しない「ノーカウント事故」があります。事故で人身傷害保険や搭乗者傷害保険を使った場合、弁護士特約やロードサービス(ロードアシスタンス)特約といった一部の特約のみを使った場合などは、等級にも事故有係数にも影響しません。よって20等級の場合、翌年も20等級のままです。

20等級の自動車保険料をさらに安くする方法

自動車保険の等級が20等級の場合、等級としては最大級の割引が適用されている状態です。では、これ以上に保険料が割引される方法はあるのでしょうか。
ここでは、自動車保険料をさらに抑える方法をご紹介します。

長期優良割引が利用できる保険会社に乗り換える

保険会社によっては「長期優良割引」を提供している場合があります。長期優良割引とは、20等級でさらに過去1年間に等級が下がる事故を起こしていない場合などに適用される割引制度です。
現在の保険会社が長期優良割引を提供していない場合は、提供している保険会社へ乗り換えることで、さらに保険料を抑えられる可能性があるでしょう。なお、保険会社が変わっても等級はそのまま引き継がれます。
実際の長期優良割引は、保険会社によって条件が異なる場合があるため確認してください。

各種割引が適用にならないかを確認する

等級以外の割引制度が適用にならないかを確認するのも、保険料を抑えるためには有効でしょう。
各保険会社は独自の割引サービスを提供していますが、契約者が申告しないと適用にならないものも多くあります。ゴールド割引、ASV割引、新車割引など、自分が適用になるものがないか確認してみてください。

ASV割引については、下記の記事をご覧ください。
自動車保険のASV割引とは?適用の条件や期間について

年払い(一括払い)にする

自動車保険は年払い(一括払い)と月払い(分割払い)が選択できることが一般的です。年払いで自動車保険料を支払った場合、分割手数料がかからない分だけ保険料が安くなります。
月払いよりも、1回にまとまった金額を支払うことにはなりますが、保険料を抑えるために検討してみてください。

自動車保険の年払いについては、下記の記事をご覧ください。
自動車保険は年払いがお得?メリットや保険料を節約する方法を解説

運転者を限定する

運転者限定特約を利用し、契約車を運転する人を限定することで、保険料を抑える方法があります。契約車を運転する人が多ければそれだけ事故のリスクも増えますから、限定することで保険料の割引が受けられるのです。範囲には「限定なし」「家族限定」「夫婦(記名被保険者とその配偶者)限定」「本人限定」の4つがあり、本人限定が最も割引率が高くなります。

ただし、運転者を限定することで、範囲外の人が契約車を運転して事故を起こした場合、補償が受けられなくなることには注意してください。

自動車保険の本人限定については、下記の記事をご覧ください。
自動車保険は本人限定にするとお得?仕組みや注意点を解説

使用目的を見直す

自動車保険を契約する際には、「使用目的」を告知しなければなりません。使用目的は、契約車を普段どのように使用するかを保険会社に伝えるもので、保険料を決める要素のひとつです。使用目的によって契約車を使う頻度が変わるため、事故のリスクも変化します。
保険会社によって異なる場合がありますが、一般的に使用目的は「業務」「通勤・通学」「日常・レジャー」の3つから選びます。保険料は業務が最も高く、次いで通勤・通学、最も安いのは日常・レジャーです。

使用目的を偽るのはいけませんが、使用目的が変わっているのに告知しないままということはよくあります。「契約車を通勤・通学に使っていたが、今はもう日常・レジャーでしか使っていない」といった場合は、保険会社に連絡して契約を変更し、保険料を抑えましょう。

自動車保険の使用目的については、下記の記事をご覧ください。
自動車保険の使用目的とは?選び方やよくある疑問について

自動車保険は20等級を目指して保険料を抑えよう

自動車保険の20等級は、等級の制度では最も割引率が高い状態です。初めて自動車保険に加入してから20等級になるためには最短でも14年かかり、地道に安全運転を続けるほかありません。
また、20等級になっても、さらに保険料を抑える方法はあります。万が一の事故に備えつつ、保険料を抑える方法を検討してみてください。

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