自転車走行中や歩行中にでも使える自動車保険の活用方法

  • 【画像】個人賠償責任特約

 自転車の危険運転による事故をニュースなどで見るようになり、自転車も車の一種であるという認識が少しずつ広がってはいるものの、まだまだ交通ルールに従わない乗り方をする人も見受けられます。自動車を運転している人にとっては、時には予測不能な乗り方をしている自転車との接触事故が心配です。

 一方、自転車に乗ることを覚えたお子様がいる方にとって、自動車との事故はもちろん心配ですが、歩行者などにケガを負わせてしまい加害者になることも考えられます。

 自動車と自転車、自転車と歩行者など、交通事故では様々なケースが考えられますが、自動車保険でどこまで補償されるのか、どのような自動車保険に加入すれば補償されるのか、事前に知っておくことで保険をより上手に活用することができます。
 自動車同士以外の交通事故にはどのようなケースが考えられるか挙げてみましょう。まず自動車を運転しているときに自転車に接触してしまい、相手にケガを負わせたり、自転車を壊してしまったりするケースが考えられます。また、いつも自動車に乗っているわけではありません。普段は自転車で土日だけ自動車を使う人もいるでしょう。自転車に乗っているときの交通事故では、相手が運転する自動車や自転車にぶつけられ被害者となるケース、歩行者や自転車にぶつかってしまう加害者となるケースなどが考えられます。さらには本人(記名被保険者)ではない家族の誰かが交通事故を起こす可能性もあります。

 次に自動車保険の内容について確認しておきましょう。自動車保険には大きく分けて3〜4つの補償があります。それは「相手方への補償」「自分や同乗者の補償」「自分の車の補償」「その他(オプション)の補償」です。具体的な補償内容と交通事故との関係は次の通りです。

 <自動車保険の補償の種類と内容>
 ・相手方への補償・・・対人賠償保険、対物賠償保険
 ・自分や同乗者の補償・・・人身傷害保険、搭乗者傷害保険
 ・自分の車の補償・・・車両保険
 ・その他(オプション)の補償・・・個人賠償責任特約、自転車傷害特約
 
 <事故と自動車保険との関係>
 1. 自動車を運転しているとき
  ・走行中の自転車にぶつけてしまった場合(加害者になるケース)・・・対人賠償保険対物賠償保険

 2. 自転車に乗っているとき
  ・歩行者や走行中の自転車とぶつかった場合(加害者になるケース)・・・個人賠償責任特約
  ・行中の自動車にぶつけらた、または、自転車で転倒した場合(被害者になるケース)・・・自転車傷害特約

 では、どのような自動車保険に加入すれば補償されるのか、一つずつ具体的に確認していきましょう。
 自分が運転する自動車で走行中の自転車と交通事故を起こしてしまった場合、相手方への補償である、対人賠償や対物賠償保険が必要となります。対人賠償保険は相手を死傷させてしまった場合で、相手方の治療費や慰謝料などが補償されます。状況によっては自転車が破損しますので、対物賠償保険で補てんすることになります。対人賠償保険と対物賠償保険の補償内容について確認しておきましょう。

対人賠償保険
 契約車両の事故で、他人にケガをさせたり死亡させたりして、法律上の損害賠償責任を負った場合に、1名ごとに保険金額を限度に保険金が支払われます。ただし強制保険である自賠責保険が優先され、自賠責保険を超えた分が対象となります。

対物賠償保険
 契約車両の事故で、他人の財物に損害を与え、法律上の損害賠償責任を負った場合い、1回の事故ごとに、保険金額を限度に保険金が支払われます。

 なお、対人賠償保険、対物賠償保険ともに、相手方が本人や親族の場合は補償の対象外となりますので注意が必要です。
 自転車に乗っているときに、歩行中や自転車走行中の相手にケガを負わせてしまったり、相手の自転車を破損させたりした場合、自動車保険に個人賠償責任特約を付けることで保険による補償を受けることができます。個人賠償責任特約の補償内容について確認しておきましょう。

 個人賠償責任特約の補償内容>
 ・自動車事故以外の日常生活の事故で、他人にケガをさせたり、他人の所有物に損害を与え、法律上の損害賠償責任を負った場合に保険金が支払われます

 <自動車保険 A社>
 ・国内で発生した事故 無制限
 ・国外で発生した事故 1事故につき1億円

 また、個人賠償責任特約は、日常生活中の事故に対応していますので、以下のような場合でも保険金が支払われます。

 ・買い物しているときに、あやまって商品を落として壊してしまった
 ・飼い犬と散歩中に、他人にかみついてケガをさせてしまった
 ・ゴルフ中に打ったボールが他人に当たりあやまってケガをさせてしまった。 など

 個人賠償責任特約は比較的安い保険料で幅広い日常での補償を受けられる点に魅力があります。
 自動車にぶつけられた場合は、過失割合にもよりますが相手に損害賠償請求を求めることができます。相手が十分な自動車保険に加入していれば対人賠償保険や対物賠償保険で補償してもらうことになります。ただ自転車の再購入や修理で十分な補償をすぐに受けられないことも考えられます。この場合、自分で加入する自動車保険にオプションとして自転車傷害特約を付けておくことで、補償の範囲が広がります。自転車傷害特約の特徴について紹介しておきます。

 自転車傷害特約の補償内容>
 自転車に乗っているときに自動車にぶつけられてケガをした
 自転車に乗っているときに転倒してケガをした

 このような場合に補償の対象となります。保険金は、ケガにより死亡した場合、後遺障害を負った場合、入院した場合に支払われます。

 <自動車保険 B社>
 死亡保険金 1名につき500万円
 後遺障害保険金 1名につき20万円〜500万円
 入院一時金 10万円(入院5日以上)
 入院保険金 入院1日に月5,000円

 このように、自転車傷害特約は、保険対象の自動車以外の事故にも対応できる補償となっています。

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 自動車保険は補償の対象が決められており、自動車の所有者・運転者である本人(記名被保険者)だけでなく、本人(記名被保険者)の配偶者、本人(記名被保険者)や配偶者の同居の親族、本人(記名被保険者)や配偶者の別居の未婚の子も対象とすることができます。

 一方、個人賠償責任特約や自転車傷害特約も、家族が対象となります。なお、自動車保険には保険料を安くするために運転者の範囲を限定することができますが、個人賠償責任特約や自転車傷害特約は自動車の運転に関わる補償ではないので、運転者限定特約を付けていたとしても家族も補償範囲となります。特に相手への損害賠償では高額になるケースも考えられますので、具体的に発生しそうな事故や必要な補償額を想定し、特約が必要ではないか検討してみましょう。

 なお、自動車を持たない方はこれまでに紹介しました自動車保険に付ける個人賠償責任特約や自転車傷害特約の特約には単独に加入することができません。そこで候補にあがるのが自転車保険です。自転車保険には個人賠償責任特約や自転車傷害特約と同じような補償となっています。気になる方は取扱いの保険会社に問い合わせしてみてください。

 自動車運転中では、自分や家族のケガは「人身傷害保険」や「搭乗者傷害保険」、相手のケガは「対人賠償保険」で補償されます。自動車運転中以外では、自分や家族のケガは「自転車傷害特約」、相手のケガは「個人賠償責任特約」の加入がそれぞれ必要です。

 事故はいつ、どこで、誰に起こるかわからないものです。もしものために備えておくことによって、さまざまなトラブルの際に適切な対応を取ることが可能です。特に自転車は免許不要で気軽に乗れますが、スピードが出ているときの事故による損害は大きくなると想定されます。自動車運転中の事故だけでなく、日常で起こりうる様々な事故について、保険で準備する必要はないか検討してみてください。
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