住宅ローンの金利相場は?固定金利や変動金利などタイプ別に比較

住宅ローンの金利相場は?固定金利や変動金利などタイプ別に比較

住宅ローンを初めて借りる人や借換え検討している人にとって、気になるのは金利ではないでしょうか。

住宅ローン金利にはいくつかの種類があり、それぞれの金利タイプによって金利水準や特徴には違いがあります。金利の種類と金利の相場、また、それぞれの金利タイプがおすすめのケースなどについて解説します。

mokuji目次

  1. 住宅ローンの金利の基礎知識
    1. 住宅ローンの金利タイプは3種類
    2. 住宅ローンの金利相場が変動する仕組み
  2. 住宅ローンの金利タイプ別の特徴
    1. 変動金利型
    2. 当初固定金利型
    3. 全期間固定金利型
  3. 今後の住宅ローンの金利推移はどうなる?
  4. 住宅ローンの金利相場を理解して、自分に合ったプランを選ぼう

住宅ローンの金利の基礎知識

住宅ローンの金利の基礎知識

住宅ローンの金利とは、元金(借り入れた額)に対して支払う利息が、どれくらいの割合なのかを示すものです。利息は「元金×金利(%)」で計算しますので、金利が低い方が利息額も少なくなるのが基本です。

住宅ローンの金利タイプは3種類

住宅ローンには、「変動金利型」「当初固定金利型」「全期間固定金利型」の3つの金利タイプがあります。それぞれの金利タイプの違いを押さえておきましょう。
【変動金利型】
年に2回金利を見直し、金利が変動した場合には返済額も増減するタイプ

【当初固定金利型】
一定期間は固定金利で、期間満了後は変動金型または固定金利期間を選ぶタイプ

【全期間固定金利型】
借り入れた時点で金利が確定し、借入期間終了まで金利・返済額が変わらないタイプ

住宅ローンの金利相場が変動する仕組み

住宅ローンは大きく分けると、「変動金利型」と「固定金利型」に分けられますが、この2つは金利相場の決まり方に違いがあります

変動金利型は、短期プライムレート(優良企業向けの期間1年未満の最優遇金利)に1%程度上乗せして、基準金利を設定するところが多くなっています。

短期プライムレートは、日本銀行(以下、日銀)が設定する「政策金利」(物価や景気の安定を目指して設定するもの)と連動していて、政策金利の引上げ・引下げによって、住宅ローンの変動型の金利相場も変動します。

一方の固定金利型は、期間10年以上の長期国債の利回りを指標に決められています。固定金利型の指標となる長期国債についても、日銀が国債の購入額を増減させることで債券価格が上下し、金利も変動するのです。

住宅ローンの金利相場と日銀の金融政策とは、とても密接な関係にあることがわかりますね。

住宅ローンの金利タイプ別の特徴

住宅ローンの金利タイプ別の特徴

住宅ローンの金利タイプの特徴やメリット・デメリットを見ていきましょう。あわせて金利の相場や、それぞれの金利タイプがどのような人に向いているのかなども紹介します。

変動金利型

変動金利型は、市場の金利情勢に応じて金利が変動し、返済額が増減するタイプの住宅ローンです。金利は半年に一度見直されます。ただし、金利が急激に上がったときでも、家計に極端な負担が生じないよう下記2つのルールが設けられています。
1.5年ルール
金利が上昇しても、5年間は毎月の返済額は変わらず、6年目以降に金利上昇分を返済額に反映します。

2.125%ルール
返済額が上がる場合でも、従前元の額の1.25倍超にはなりません。仮に毎月10万円の返済額だとすると、見直し後の返済額は12.5万円が上限です。
ただし、金融機関によっては、上記のルールを設けていないところもありますので、事前に確認しましょう。

変動金利型の相場

変動金利型住宅ローンの金利相場は、下表の通り概ね0.4〜0.8%程度の水準です。

なお、このランキングは変動金利を実際に利用したユーザーが選んだ、満足度が高い住宅ローンのランキングです。金利が低い順位のランキングではありません。

【最新】変動金利型 満足度ランキング・変動金利

順位

金融機関

変動金利

1位

ソニー銀行

0.647%

2位(同率)

イオン銀行

0.53%

2位(同率)

auじぶん銀行

0.479%

4位

PayPay銀行

0.465%

5位

住信SBIネット銀行

0.448%

6位

楽天銀行

0.844%

7位(同率)

SBI新生銀行
(旧:新生銀行)

0.43%

7位(同率)

三菱UFJ銀行

0.345%

9位

三井住友銀行

0.625%

10位

西日本シティ銀行

0.875%(NCB住宅ローンアドバンス)

【最新】変動金利型の住宅ローンランキング・おすすめ|オリコン顧客満足度調査
*金利は2024年11月の新規借入れの適用金利(金利引下げ後の優遇金利)

変動金利型のメリット・デメリット

変動金利型住宅ローンの、主なメリット・デメリットは下表のとおりです。

メリット

デメリット

・住宅ローンの金利水準が最も低い

・市場金利が上がると返済額も増える

・市場金利が下がると返済額も下がる

・総返済額が確定できない

・返済額が急に上がらない仕組みがある

・金利が急上昇すると未払利息が発生する

【メリット】
住宅ローンの金利水準が最も低い
住宅ローンの金利タイプの中では、一般的に最も金利水準が低いため、金利が低い時期に借入れできれば、他の金利タイプよりも返済額が少なくなり、当初の家計負担を軽減できます。

市場金利が下がると返済額も下がる
市場金利が下がれば住宅ローン金利も見直され、返済額の中の利息割合が変わって毎回の返済額も下がります。

返済額が急に上がらない仕組みがある
市場金利が上がっても、返済額の見直しは5年ごとに行われ、見直し後の返済額の上昇幅は、従前の1.25倍以内に抑えられます。
【デメリット】
金利が上がると返済額も増える
市場金利が上がれば住宅ローン金利も見直され、返済額の中の利息割合が変わって毎回の返済額も上がります。

総返済額が確定できない
半年に一度、金利の見直しがあることで、金利が変動していると返済終了まで総返済額が確定できないため、ライフプランへの影響も考えられます。

金利が急上昇すると未払利息が発生する
金利が急上昇すると元金の返済が進まず、利息が返済額を上回る「未払利息」が発生する可能性もあります。最終返済日まで未払利息が残った場合には、一括返済することになります。

変動金利がおすすめの人

変動金利型は、次のような人に向いた金利タイプです。
安定した家計で貯蓄もある
正社員で働く夫婦など安定した収入が見込まれて貯蓄が十分あれば、返済額が上がったときには繰上返済で元金を減らし、総返済額を抑えられます。

借入期間が短く借入額も少ない
住宅ローンの借入期間の短い人や、頭金を多く用意して借入額の少ない人はであれば、金利が上がっても返済額の上昇が比較的少なくて済む可能性があります。

金利情勢を自分で追うことができる
世の中の経済情勢や金利動向などをチェックする習慣があれば、金利が上昇する前に金利タイプの変更で借り換えるなど、柔軟な行動ができるでしょう。

当初固定金利型

当初固定金利型は、借入れ当初から一定期間(金融機関により3年・5年・10年など)は金利が固定され、その間は毎回の返済額は変わりません

一般的に、固定期間が長いほど金利は高くなり、固定期間終了後は、その時の金利で再度、当初固定金利型か変動金利型を選択します。

金利引下げには、固定期間中のみ引下げ幅の大きい「当初引下げ」と、借入期間中は同じ引下げ幅になる「通期引下げ」の2つがあります。

一般的には「当初引下げ」が多いのですが、金融機関によってはどちらかを選択できる場合もあります。固定期間終了以降の返済額に影響しますので、引下げの種類についても借入れ時に確認しましょう。

当初固定金利型の相場

当初固定金利型住宅ローンの金利相場は、下表の通り概ね1.1〜1.4%程度の水準です。

なお、このランキングは当初固定金利型を実際に利用したユーザーが選んだ、満足度が高い住宅ローンのランキングです。金利が低い順位のランキングではありません。

【最新】当初固定金利型 満足度ランキング・当初固定金利

順位

金融機関

固定金利

1位

三菱UFJ銀行

1.12%

2位

山陰合同銀行

1.20%

3位

三井住友信託銀行

1.495%

4位

北海道銀行

1.40%

5位

北陸銀行

1.30%

6位

北洋銀行

1.40%

【最新】当初固定金利型の住宅ローンランキング・おすすめ|オリコン顧客満足度調査
*金利は2024年11月の新規借入れの適用金利(固定期間10年、金利引下げ後の優遇金利)

当初固定金利型のメリット・デメリット

当初固定金利型住宅ローンのメリット・デメリットは、下表のとおりです。

メリット

デメリット

・一定期間は金利が固定され返済額が変わらない

・金利水準は変動金利型より高めになる

・ライフプランに合わせて固定期間が選べる

・固定期間終了後の金利上昇リスクがある

・固定期間終了後の金利タイプの選択肢がある

・固定期間中は金利タイプを見直せない

【メリット】
一定期間は金利が固定され返済額が変わらない
借入れから10年など一定期間は金利が固定され、仮に市場金利が上がってもその間は返済額が変わらないため安定した返済が可能です。

ライフプランに合わせて固定期間が選べる
ローン借入れ後に支出の多い時期が続く場合でも、一定期間は金利が固定されて返済額も変わらないため、家計にとっての安心感は大きくなります。

固定期間終了後の金利タイプ選択肢がある
固定期間満了後は、金利引下げの種類によって返済額が上がる場合もありますが、そのようなときには金利水準の最も低い変動金利型を選択することもできます。
【デメリット】
金利水準は変動金利型より高めになる
全期間固定金利型ほどではありませんが、金利水準は高くなりますので、変動金利型と比べた場合には返済額も多めになります。

固定期間終了後の金利上昇リスクがある
固定期間終了時点で金利が上がっていると、返済額が上昇します。また、金利が変わっていなくても、固定期間終了後の金利引下げ幅が縮小するタイプだと、結果的に返済額が上がることもあります。

固定期間中は金利タイプを見直せない
基本的に、固定期間中は金利タイプの変更ができません。その間に市場の金利が下がったとしても、当初借り入れた金利が固定期間終了まで続きます。

当初固定金利型がおすすめの人

当初固定金利型は、次のような人に向いた金利タイプです。
一定期間は安定した返済で家計に影響を与えたくない
子どもが高校・大学入学を控え、教育費の支出が増える見込みなら、10年固定など固定期間が長めのもので返済額を固定しておけば、その間に金利が上がったとしても、家計負担増のリスクを回避できます。

固定期間終了時には支出が減っている
固定期間が終わる頃には子どもが社会人になっているなど、支出のピークが過ぎて家計にゆとりが出る見込みがあれば、固定金利満了後の金利上昇にも対応しやすくなります。

固定金利期間中に貯蓄を増やせる
昇進や転職、パートから正社員などで収入がアップする見込みがあり、固定期間満了までに借入れ時よりも貯蓄を増やせる人なら、返済額が上がっても対応しやすくなります。

全期間固定金利型

全期間固定金利型は、借入期間中の金利が返済終了まで変わらず、毎月返済額も一定で変わらないことが大きな特徴です。市場の金利変動の影響を受けず、借り入れた時点で総返済額が確定することで、堅実な返済計画が可能になります。

全期間固定金利型の代表的な商品が、「フラット35」です。フラット35は、住宅金融支援機構と全国の民間金融期間が提携して取り扱う住宅ローンで、どの金融機関で借り入れても利用要件は同じです。

ただし、金利や手数料については、金融機関ごとに違いがあります。

全期間固定金利型の相場

全期間固定金利型住宅ローン(フラット35)の金利相場は、下表の通り1.84%で並んでいます。

なお、このランキングはフラット35を実際に利用したユーザーが選んだ、満足度が高い住宅ローンのランキングです。金利が低い順位のランキングではありません。

【最新】フラット35 満足度ランキング・全期間固定金利型

順位

金融機関

固定金利

1位

日本住宅ローン

1.84%

2位

みずほ銀行

※現在フラット35の取り扱いを中止しています。

3位

りそな銀行

1.84%

4位

ARUHI

1.84%

【最新】フラット35のおすすめ住宅ローンランキング|オリコン顧客満足度調査
*金利は2024年11月の新規借入れの金利(融資率9割以下、団信加入時の金利)

全期間固定金利のメリット・デメリット

全期間固定金利型住宅ローンのメリット・デメリットは、下表のとおりです。

メリット

デメリット

・金利や返済額が借入期間中変わらない

・金利水準は金利タイプの中で最も高い

・ライフイベントへの支出計画が立てやすい

・総返済額も他の金利タイプに比べて多くなる

・借入期間中の心理的な安心感がある

・金利が下がっても恩恵がない

【メリット】
金利や返済額が借入期間中変わらない
金利の見直しがなく、借り入れた時点で金利や返済額が確定するため、市場金利が上昇した場合でも返済額には影響を受けず、安定した返済が可能です。

ライフイベントへの支出計画が立てやすい
住宅ローンの返済額が確定することで、将来的に見込まれる教育・車の買替え・老後生活などライフイベントへの支出計画が立てやすくなります。

借入期間中の心理的な安心感がある
金利が固定され借入れ時に返済額が確定すれば、将来の金利上昇による返済額増加リスクの心配がなくなりますから、心理的な安心感が大きくなります。
【デメリット】
金利水準は金利タイプの中で最も高い
住宅ローンの金利は、全期間固定金利型の金利が最も高い水準です。金利情勢が将来的に変わらなければ、結果的に他の金利タイプよりも不利になります。

総返済額も他の金利タイプに比べて多くなる
金利水準が高いため、毎回の返済額や総返済額も多くなり、住宅費のコスト面で見ると他の金利タイプに比べて多くなりがちです。

金利が下がっても恩恵がない
世の中の金利が下降トレンドになって住宅ローン金利が下がったとしても、金利が固定されているため返済額は変わらず、金利低下の恩恵を受けることができません。

全期間固定金利がおすすめの人

全期間固定金利型は、次のような人に向いた金利タイプです。
返済額の上昇が家計に影響する
貯蓄が少なく、将来の家計に不安がある人や、子どもが小さい家庭などでこれから教育費がピークを迎える見込みなら、金利や返済額を確定しておけば家計防衛にもなります。

返済額は多くても安心感を優先したい
金利水準が高めで返済額が多くなったとしても、金利が上がらない安心感を優先させたい人にはおすすめです。

収入が不安定な人や病歴のある人
フラット35は、返済負担率や住宅性能などの基準を満たせば、収入が不安定な人でも審査に通る可能性は高くなります。団体信用生命保険の加入も任意ですので、健康不安のある人でも申し込みが可能です。

今後の住宅ローンの金利推移はどうなる?

今後の住宅ローンの金利推移はどうなる?

住宅ローンの金利相場については、さまざまな要因が絡むため、今後の金利推移を予測することは容易ではありません。

大きなとトレンドとしては、日銀がマイナス金利政策を解除し、政策金利を上げたことで、金融機関の預貯金や住宅ローン金利は少しずつではありますが上昇局面になってきています

今後も金融の正常化という名目のもとに、物価や経済情勢を見ながら政策金利は上がる可能性があります。

今後インフレが続くようであれば、政策金利の上昇と連動し、住宅ローン金利も緩やかに上がってくことが見込まれます。日頃からニュースや金融機関の情報を確認し、金利の動向を把握することが個々にも求められるでしょう。

住宅ローンの金利相場を理解して、自分に合ったプランを選ぼう

住宅は、人生の中で最も高額な買い物とも言われます。住宅ローンの借入額も高額になりがちですから、住宅ローン金利の選び方は、借入れ後の家計や資産、ライフプランに影響を与えます。

今回は住宅ローンの3つの金利タイプを見ながら、それぞれの特徴、メリット・デメリット、各金利タイプが向いている人などについて見てきました。

金利タイプの選択にあたっては、家族構成や収入・支出、預貯金の額、今後の働き方やライフイベントなどを考慮することも必要です。

また、住宅ローンの金利相場はもちろんですが、国の金融政策などにも注目しながら金利の推移に目配りすることも、住宅ローン選びでは取り入れたい習慣です。自分自身ができるところから実践するようにしましょう。

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ハウスメーカー 注文住宅オリコン顧客満足度ランキング

  • 1位

    81.0

    スウェーデンハウス

    ※公式サイトへ遷移します。

  • 2位

    78.7

    住友林業

  • 2位

    78.7

    ヘーベルハウス

  • 4位

    78.5

    積水ハウス

  • 5位

    77.5

    一条工務店

  • 6位

    77.2

    パナソニック ホームズ

  • 7位

    76.9

    セキスイハイム

  • 7位

    76.9

    三井ホーム

  • 9位

    76.6

    大和ハウス

  • 10位

    76.1

    ミサワホーム

  • 11位

    76.0

    イシンホーム

  • 12位

    75.8

    住友不動産ハウジング

  • 13位

    75.5

    トヨタホーム

  • 14位

    74.9

    クレバリーホーム

  • 15位

    74.6

    アイ工務店

  • 16位

    73.4

    富士住建

  • 17位

    73.3

    アキュラホーム

    ※公式サイトへ遷移します。

  • 17位

    73.3

    イシカワ

  • 19位

    73.1

    アイフルホーム

  • 19位

    73.1

    桧家住宅

  • 21位

    73.0

    住宅情報館

  • 22位

    72.9

    ユニバーサルホーム

  • 23位

    72.5

    パパまるハウス

  • 24位

    72.3

    ヤマダホームズ

  • 25位

    72.2

    タマホーム

  • 26位

    71.3

    秀光ビルド

  • 27位

    69.7

    アイダ設計

  • 28位

    69.0

    オープンハウス・アーキテクト

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