縁側のある家の魅力と注意点は?快適な住まいを実現する方法を解説

縁側のある家の魅力と注意点は?快適な住まいを実現する方法を解説

昔ながらの日本家屋でおなじみの縁側には、日本人の暮らしの知恵が詰まっています。和室の減少や、狭小住宅の増加とともに数は減りつつありますが、その利便性の高さにあらためて注目し、マイホームに取り入れたいと考える人も多いようです。

一方で、縁側がある家のデメリットや、造る際の注意点についてはわかりづらい部分もあります。そこで本記事では、縁側の特徴やメリット・デメリットのほか、注意点や費用などについて解説します。

mokuji目次

  1. 縁側とは、和室と外をつなぐ板敷きの廊下のこと
  2. 縁側の種類
    1. 濡れ縁
    2. 内縁/くれ縁
    3. 広縁
    4. 落ち縁
    5. 入側縁
    6. 狭縁
  3. 縁側のある家のメリット
    1. 快適性が上がる
    2. 四季折々の変化を感じられる
    3. 多目的スペースとして活用できる
    4. コミュニケーションが活性化する
  4. 縁側のある家のデメリット
    1. 建築費用がかかる
    2. ほかの部屋が狭くなる
    3. メンテナンスに手間がかかる
  5. 縁側のある家を造る際の注意点
    1. 目的を明確化する
    2. プライバシーやセキュリティへの対策も必須
    3. 費用や手間について把握しておく
  6. 縁側の設置にかかる費用はどれくらい?
  7. 縁側のある理想的な家を建てるなら、ハウスメーカー選びが重要

縁側とは、和室と外をつなぐ板敷きの廊下のこと

縁側は、畳を敷き詰めた伝統的な和室と戸外の境目にある板敷きの廊下のことをいいます。和室の外周部にあり、「屋外ではないが、屋内でもない」という曖昧さによって、気軽なコミュニケーションの場として古くから活用されてきました

家の中ほど気を使わず、外で立ち話をするよりも打ち解けた雰囲気を出すことができる縁側は、親戚や近隣の人たちとのつながりを育む場所として今も大切にされています。西洋建築におけるベランダやウッドデッキと似ていますが、屋内と半屋外が建具で切り替わる様式はほかになく、日本家屋特有の造りといえるでしょう。

現代の日本の家屋は、そもそも和室が減っている上、近所付き合いが希薄になっていることもあり、縁側のある家は減少しています。しかし、風通しの良さや開放感、スペースとしての柔軟性などに魅力を感じ、あえて縁側のある家を建てる人も少なくありません。
現代の住宅に合うようなデザインも見られるようになり、和風建築以外の住宅に縁側を取り入れるお宅もあります。

縁側の種類

縁側は設置する場所や幅の広さなどによって、さまざまな種類があります。ここでは、代表的な6つのタイプについて解説していきましょう。

濡れ縁

濡れ縁(ぬれえん)とは屋外に張り出すように設けられた縁側のことです。戸や窓などの建具で仕切ることができず、屋根もないため、雨が降ると濡れることからこのように呼ばれます
家の中にいながらにして外の空気を感じられるのが魅力ですが、風雨にさらされるため定期的なメンテナンスが必要です。

内縁/くれ縁

内縁(うちえん)またはくれ縁(くれえん)とは、室内にある縁側のことです。天気が良い日は建具を開け放てば外とのつながりが感じられ、天気が悪い日は窓から外の景色を楽しめます。部屋の床と高さをそろえることで一体感が生まれ、室内を広く見せることができます

広縁

広縁(ひろえん)一般的な内縁よりも幅がある縁側です。通常、幅が4尺(約1.2m)以上になるものを広縁といいます。
旅館のように差し向かいで椅子を置いたり、作業場として使ったりといった多目的な使用が可能です。

落ち縁

落ち縁(おちえん)は、室内より低い位置に床がある縁側です。一段下がっている分、部屋の中に外部の汚れが入りにくい特徴があります。ただし、濡れ縁と同様に外に張り出しているため、風雨のケアは必要です。
床が部屋よりも一段落ちているので、室内から外を眺めた際に解放感を得られるといった魅力があります。

入側縁

入側縁(いりかわえん)は、建物の外周にある側柱と、側柱の内側にある入側柱とのあいだを板張りにした縁側です。縁側の内側にもう1つ通路があるような造りで、広々とした開放感があります。

狭縁

狭縁(せまえん)幅が狭い縁側です。広さに余裕がないところでも設置でき、採光性を確保して室内の明るさを保ちます。ただし、使い方は限定的で、腰を掛ける程度しかできません。

縁側のある家のメリット

縁側のある家のメリット

縁側を設置することで、室内を快適な温度に保てたり、家族や近隣の人たちとの交流の場にしたりすることが可能です。縁側を設置するメリットには、主に下記の4つがあります。

快適性が上がる

縁側によって、夏の暑さや冬の寒さへの対策が可能になり、室内空間の快適性が上がります。例えば、広縁があれば居間に強い日差しが入るのを防げます。また、濡れ縁がある部屋の場合は庇(ひさし)が影を作るので、直射日光を遮ることができるのです。

さらに、縁側を設けることで、冬の冷たい空気が室内に入りにくくなるというメリットもあります。夏は涼しく、冬は暖かい住環境を実現できるため、エアコンの使用が減って電気代の節約にもつながります。

四季折々の変化を感じられる

家の中から外の景色を眺め、木々や草花の色づきや飛び交う鳥のさえずりなどから、季節の変化を感じられるのも縁側の魅力です。

縁側に団子やすすきなどを飾ってお月見をしたり、子供がビニールプールではしゃぐ様子を見ながら家事を済ませたりと、季節のイベントを楽しむ場所としても利用できます。

多目的スペースとして活用できる

縁側の用途は限定されていません。広縁で日当たりが良ければ、洗濯物を干すのに最適です。6月に梅仕事をしたり、週末にDIYをしたりと、ちょっとした作業場にもなります。

小さな子供がいる家庭では、天気が悪い日のおうち遊びの場として活用すると、目の行き届く範囲で安心して遊ばせることができるでしょう。

コミュニケーションが活性化する

縁側は、親戚や近所の人との交流の場として活用されてきました。地縁を深めたい場合は縁側に回ってもらうようにすると、室内に招き入れるよりもフラットに話ができ、会話がしやすいでしょう。

庭でバーベキューをするときに腰掛けたり、子供が遊ぶ様子を夫婦や祖父母がいっしょに眺めたりと、家族や友人とのコミュニケーションの場としても活躍します。

縁側のある家のデメリット

縁側は、住宅の中でも特に魅力的な空間といえ、多くのメリットがあります。ただし、デメリットも存在するため、縁側をつけるかどうかは十分に検討する必要があります。

建築費用がかかる

外に張り出すタイプの縁側を造ると、床面積が増えて建築費用が増加します。床面積を変えずに室内に縁側を造る場合にも、床の形状や建材が変わる分だけ費用がかさみます。
縁側を造ることで得られる効果と建築費用を比較し、費用に見合うかどうかを検証することが大切です。

ほかの部屋が狭くなる

内縁は建ぺい率に含まれるため、安易につけると居住スペースが圧迫されます。建ぺい率とは、敷地面積に対する建物の建築面積の割合のことで、建築基準法によって一定の限度が定められています。

居住スペースが狭くなっても縁側をつけるか、縁側をあきらめて居住スペースを確保するか、家族構成や用途に応じて検討する必要があります。また、室内のレイアウトや家具の配置によっても使えるスペースは変わってくるので、設置前のシミュレーションが重要になるでしょう。

メンテナンスに手間がかかる

濡れ縁にした場合、風雨や紫外線にさらされる時間が長いため、内縁よりもこまめな手入れが必要です。定期的なメンテナンスに時間と費用がかかることを覚えておきましょう。

また、景観を眺める目的で縁側を造る場合、庭の手入れも欠かせません。庭の広さによっては、草刈りや剪定でかなりの時間と労力を費やすことになります。
費用面や体力面で不安がある場合は、手入れを外注するのも手です。その際にかかる維持管理費用の概算も必要になります。

縁側のある家を造る際の注意点

縁側のある家を造る際の注意点

縁側のある家を建てる場合には、メリットや効果だけでなく、注意点にも十分配慮することが重要です。設置の計画を立てる際には、次の3点に気をつけましょう。

目的を明確化する

縁側のある家を建てる際には、「何のために縁側を造るのか」「縁側で何をしたいのか」などを考えて、設置の目的を明確にしましょう。その上で、目的を達成できるタイプを選ぶことが大事です。
例えば、家族とのコミュニケーションの場として主に活用したいのなら、庭の一部のように使える濡れ縁が適しています。対して、家の中から四季の移ろいを眺める場合や、子供たちの室内での遊び場としての活用がメインの場合は、内縁のほうが使い勝手が良いと判断できます。

プライバシーやセキュリティへの対策も必須

縁側は、外に向かって開かれた開放的なスペースであることが特徴ですが、プライバシーの管理や防犯面には注意が必要です。
防犯のために目隠しの壁を造る方法もありますが、壁によって景観が悪くなるリスクもあるため、ハウスメーカーと相談しながら解決策を検討しましょう。

費用や手間について把握しておく

縁側の施工費用がどれくらいかかるのか、概算を把握しておきましょう。屋根、窓、壁などを増設する内縁の場合は、濡れ縁に比べて導入費用がかさむ傾向があります。

また、室内と室外を結ぶ境目にある縁側には、雨風や土ぼこりなどが入り込むため、汚れやすいという欠点があります。中でも、濡れ縁は紫外線によっても経年劣化が進むため、こまめに手入れをしなければなりません。
縁側の掃除や修理は、人によっては手間に感じます。傷みの度合いによっては、自分で修繕ができないため、業者に依頼する費用がかかることも。

維持費は住み続けているあいだは継続的にかかるため、導入費用だけでなく維持費も加味した合計費用を、あらかじめ算出しておくことが重要です。

縁側の設置にかかる費用はどれくらい?

設置費用は、縁側のタイプや家の広さなどによって変わります。また、屋根なしの濡れ縁の場合は、基本的に床面の増設工事だけで済みますが、内縁の場合は建具で仕切って室内に取り込むための壁や窓、屋根などを設置する必要があり、費用がかさみます。

新築戸建て住宅で、濡れ縁または内縁を設置する際の費用の目安は、下記のとおりです。
<縁側を設置する費用の目安>
●濡れ縁
濡れ縁の建築費用は、1平米につき1万2,000〜2万円程度なので、6畳(約9.72平米)なら12万〜20万円前後、10畳(約16.2平米)で20万〜30万円前後が目安です。

●内縁
内縁は1平米につき10万円程度の費用が必要で、濡れ縁の10倍程になります。6畳で100万円前後、10畳になると160万円程が目安です。
縁側の費用は、担当する施工会社や使用する建材によっても変わるため、見積もりをとって十分に比較検討することが大切です。

縁側のある理想的な家を建てるなら、ハウスメーカー選びが重要

縁側は、コミュニケーションの場としてはもちろん、家の快適性を高めるスペースとしても重要な役割を果たします。現代風の家にフィットする縁側も増えているので、新築一戸建てを建てる際は設置を検討しても良いかもしれません。
縁側のデザイン性や、設置にかかる費用はハウスメーカーによって違うため、まずは予算内で理想の縁側を実現できる施工業者を探すことが大切です。

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ハウスメーカー 注文住宅 オリコン顧客満足度ランキング
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ハウスメーカー 注文住宅オリコン顧客満足度ランキング

  • 1位

    81.0

    スウェーデンハウス

    ※公式サイトへ遷移します。

  • 2位

    78.7

    住友林業

  • 2位

    78.7

    ヘーベルハウス

  • 4位

    78.5

    積水ハウス

  • 5位

    77.5

    一条工務店

  • 6位

    77.2

    パナソニック ホームズ

  • 7位

    76.9

    セキスイハイム

  • 7位

    76.9

    三井ホーム

  • 9位

    76.6

    大和ハウス

  • 10位

    76.1

    ミサワホーム

  • 11位

    76.0

    イシンホーム

  • 12位

    75.8

    住友不動産ハウジング

  • 13位

    75.5

    トヨタホーム

  • 14位

    74.9

    クレバリーホーム

  • 15位

    74.6

    アイ工務店

  • 16位

    73.4

    富士住建

  • 17位

    73.3

    アキュラホーム

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  • 17位

    73.3

    イシカワ

  • 19位

    73.1

    アイフルホーム

  • 19位

    73.1

    桧家住宅

  • 21位

    73.0

    住宅情報館

  • 22位

    72.9

    ユニバーサルホーム

  • 23位

    72.5

    パパまるハウス

  • 24位

    72.3

    ヤマダホームズ

  • 25位

    72.2

    タマホーム

  • 26位

    71.3

    秀光ビルド

  • 27位

    69.7

    アイダ設計

  • 28位

    69.0

    オープンハウス・アーキテクト

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