縁側のある家のメリット・デメリットは?縁側の魅力と費用を解説
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今回は、縁側の特徴やメリット・デメリットのほか、費用や理想の縁側を設計するポイントについて解説します。
目次
縁側とは和室と外をつなぐ板敷きの廊下のこと
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和室の外周部にあり、「屋外ではないが、屋内でもない」という曖昧さによって、気軽なコミュニケーションの場として古くから活用されてきました。
家の中ほど気を使わず、外で立ち話をするよりも打ち解けた雰囲気を出すことができる縁側は、親戚や近隣の人たちとのつながりを育む場所として今も大切にされています。
西洋建築におけるベランダやウッドデッキと似ていますが、屋内と半屋外が建具で切り替わる様式はほかになく、日本家屋特有の造りといえるでしょう。
現代住宅における縁側
しかし、風通しの良さや開放感、スペースとしての柔軟性などに魅力を感じ、あえて縁側のある家を建てる人も少なくありません。
現代の住宅に合うようなデザインも見られるようになり、和風建築以外の住宅に縁側を取り入れるお宅もあります。
ウッドデッキやテラスとの違いは?
一方、ウッドデッキは建物の外に設けられた木製の床で、主にアウトドア用途に使われ、テラスはコンクリートやタイルなどで舗装された洋風の屋外空間です。
つまり、縁側は「家の一部として内と外をつなぐ空間」、ウッドデッキやテラスは「屋外で楽しむための空間」という点に違いがあります。
縁側の種類
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ここでは、代表的な6つのタイプについて解説していきましょう。
縁側の種類
濡れ縁
戸や窓などの建具で仕切ることができず、屋根もないため、雨が降ると濡れることからこのように呼ばれます。
家の中にいながらにして外の空気を感じられるのが魅力ですが、風雨にさらされるため定期的なメンテナンスが必要です。
内縁/くれ縁
天気が良い日は建具を開け放てば外とのつながりが感じられ、天気が悪い日は窓から外の景色を楽しめます。
部屋の床と高さをそろえることで一体感が生まれ、室内を広く見せることができます。
広縁
通常、幅が4尺(約1.2m)以上になるものを広縁といいます。
旅館のように差し向かいで椅子を置いたり、作業場として使ったりといった多目的な使用が可能です。
落ち縁
一段下がっている分、部屋の中に外部の汚れが入りにくい特徴があります。
ただし、濡れ縁と同様に外に張り出しているため、風雨のケアは必要です。
床が部屋よりも一段落ちているので、室内から外を眺めた際に解放感を得られるといった魅力があります。
入側縁
縁側の内側にもう1つ通路があるような造りで、広々とした開放感があります。
狭縁
広さに余裕がないところでも設置でき、採光性を確保して室内の明るさを保ちます。
ただし、使い方は限定的で、腰を掛ける程度しかできません。
縁側のある家のメリット
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縁側を設置するメリットには、主に下記の5つがあります。
縁側があるメリット
快適で心地よい住環境が実現する
例えば、広縁があれば居間に強い日差しが入るのを防げます。
また、濡れ縁がある部屋の場合は庇(ひさし)が影を作るので、直射日光を遮ることができるのです。
さらに、縁側を設けることで、冬の冷たい空気が室内に入りにくくなるというメリットもあります。
夏は涼しく、冬は暖かい住環境を実現できるため、エアコンの使用が減って電気代の節約にもつながります。
部屋が広く見えることで開放的な印象になる
ガラス戸を開け放てば、室内と縁側、さらに庭が一体化し、外とのつながりや開放感を感じられるのも魅力です。
季節の移ろいや庭の景色を楽しめる場所として、視覚的にも心理的にもゆとりを生み出してくれます。
実用的なスペースが増える
広縁で日当たりが良ければ、洗濯物を干す、サンルームとしても活用できます。
また、6月に梅仕事をしたり、週末にDIYをしたりと、ちょっとした作業場にもなります。
家族の時間や交流を育む
室内に招き入れるよりも気軽に会話ができ、地縁や人とのつながりを自然に深める空間となります。
また、庭でバーベキューをするときの腰掛けや、子どもが遊ぶ様子を夫婦や祖父母が一緒に眺める場としても活躍します。
小さな子どもがいる家庭では、雨の日のおうち遊びスペースとしても安心して使えるなど、家族や友人とのコミュニケーションを豊かにしてくれます。
趣味やくつろぎを楽しむ空間が増える
読書やお茶を楽しんだり、ガーデニングの合間に腰掛けて休んだりと、趣味の時間を過ごす場としても活躍します。
さらに、団子やすすきを飾ってお月見をしたり、子どもがビニールプールではしゃぐ様子を眺めながら家事をしたりと、季節のイベントを楽しむ空間として利用できます。
自然を身近に感じながら心身をリフレッシュできる、贅沢なくつろぎの場となるでしょう。
縁側のある家のデメリット
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ただし、コストやプライバシーの問題など、以下のようなデメリットも存在するため、縁側をつけるかどうかは十分に検討しましょう。
縁側のデメリット
建築コストがかかる
床面積を変えずに室内に縁側を造る場合にも、床の形状や建材が変わる分だけ費用がかさみます。
縁側を造ることで得られる効果と建築費用を比較し、費用に見合うかどうかを検証することが大切です。
間取りによっては部屋が狭くなる
建ぺい率とは、敷地面積に対する建物の建築面積の割合のことで、建築基準法によって一定の限度が定められています。
居住スペースが狭くなっても縁側をつけるか、縁側をあきらめて居住スペースを確保するか、家族構成や用途に応じて検討する必要があります。
また、室内のレイアウトや家具の配置によっても使えるスペースは変わってくるので、設置前のシミュレーションが重要になるでしょう。
メンテナンスやお手入れの負担がある
定期的なメンテナンスに時間と費用がかかることを覚えておきましょう。
また、景観を眺める目的で縁側を造る場合、庭の手入れも欠かせません。
庭の広さによっては、草刈りや剪定でかなりの時間と労力を費やすことになります。
費用面や体力面で不安がある場合は、手入れを外注するのも手です。その際にかかる維持管理費用の概算も必要になります。
プライバシーや防犯上の課題がある
また、出入り口が増える分、防犯面でも侵入経路となるリスクが生じます。
対策としては、すりガラスや目隠し格子、植栽、フェンスを活用して視線を遮ることが有効です。
さらに、人感センサー付きの照明や防犯ガラス、シャッターの設置によって安全性を高めることができます。
これらの工夫を取り入れることで、縁側の開放感を保ちながら、安心して過ごせる空間を実現できます。
新築で縁側のある家を設計する時のポイント
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日当たりや風通し、家族の動線、庭とのつながりなどを考慮することで、見た目だけでなく機能的にも心地よい空間になります。
ここでは、理想的な縁側をつくるための設計ポイントを紹介します。
理想の縁側のための設計ポイント
縁側の目的を明確にする
その上で、目的を達成できるタイプを選ぶことが大事です。
例えば、家族とのコミュニケーションの場として主に活用したいのなら、庭の一部のように使える濡れ縁が適しています。
対して、家の中から四季の移ろいを眺める場合や、子供たちの室内での遊び場としての活用がメインの場合は、内縁のほうが使い勝手が良いと判断できます。
配置や方角を考慮して寸法を工夫する
特に南向きに設けると、一年を通して日当たりが良く、庭の景色も楽しめるため、明るく心地よい空間を演出できます。
さらに、用途に合わせて寸法を計画することも重要です。
人が通るだけの通路として使うなら幅90cm程度、座ってくつろぐスペースとして利用するなら120cm以上あるとゆとりを感じられます。
方角と寸法のバランスを考慮することで、機能性と快適性を兼ね備えた縁側を実現できます。
屋根や柱の計画を立てる
たとえば、軒の深さを調整することで、日差しの入り方や雨よけ効果をコントロールできます。
深めの軒にすれば夏の直射日光を遮り、雨の日でも窓を開けられる一方、浅い軒にすれば室内に光を多く取り込めるでしょう。
また、柱を設けるかどうかによっても印象やコストが変わります。
柱を設けると安定感や和の趣が増しますが、視界がやや遮られます。
逆に柱のない設計にすれば、開放感が高まり現代的な雰囲気になりますが、構造上の工夫やコストアップが必要です。
目的やデザインに合わせて最適なバランスを検討しましょう。
庭とのつながりを大切にする
部屋と庭の広さの比率は、一般的に1:1程度が理想とされ、バランスが取れていると空間全体に奥行きが生まれます。
また、縁側から庭に降りる際に設ける沓脱石(くつぬぎいし)は、靴を脱ぎ履きするための踏み石であり、利便性を高めるだけでなく、風情や趣を感じさせる和の演出にもなります。
素材とデザインがおしゃれな印象を決める
天然木を使えば、ヒノキやウリンなどの木目や香りが楽しめ、和の趣ある縁側を演出できます。
一方で人工木は耐久性が高く、色あせや腐食が起こりにくいため、メンテナンスの手間を抑えたい人におすすめです。
仕上げの工夫としては、漆仕上げで高級感を出したり、タイルを用いてモダンで清潔感のある印象にすることも可能です。
デザイン面では、伝統的な和風住宅にはもちろん、ガラス戸や格子を取り入れることで和モダンに、また洋風住宅でもウッドデッキ感覚で取り入れれば自然に調和します。
素材とデザインを工夫することで、縁側は実用的であるだけでなく、おしゃれで住まい全体の印象を格上げする空間になります。
縁側の設置にかかる費用
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また、屋根なしの濡れ縁の場合は、基本的に床面の増設工事だけで済みますが、内縁の場合は建具で仕切って室内に取り込むための壁や窓、屋根などを設置する必要があり、費用がかさみます。
新築戸建ての場合や、中古住宅やリフォームの場合の費用を見てみましょう。
新築戸建ての場合
●濡れ縁
濡れ縁の建築費用は、1平米につき1万2,000〜2万円程度なので、6畳(約9.72平米)なら12万〜20万円前後、10畳(約16.2平米)で20万〜30万円前後が目安です。
●内縁
内縁は1平米につき10万円程度の費用が必要で、濡れ縁の10倍程になります。6畳で100万円前後、10畳になると160万円程が目安です。
中古住宅やリフォームの場合
屋外に設ける「濡れ縁」は1平米につき1万2,000〜2万円程度ですので、6畳(約9.72平米)の場合は、約15万〜20万円が目安です。
濡れ縁については、DYIも可能なため、増築も可能です。
ただし、基礎が必要な場合もあるため注意が必要です。
一方、屋内側に増築する「内縁(くれ縁)」も新築時同様1uあたり10万円程度で、4畳半ほどの広さなら80万〜100万円前後かかります。
「内縁(くれ縁)」増築の場合、部屋に設ける必要があり、間取りの変更など大掛かりになる場合もあるので、費用を単独で算出することは難しいので、あくまで目安となります。
事前に施工会社へ見積もりを確認して計画を立てることが大切です。
縁側のある理想的な家を建てるなら、ハウスメーカー選びが重要
現代風の家にフィットする縁側も増えているので、新築一戸建てを建てる際は設置を検討しても良いかもしれません。
縁側のデザイン性や、設置にかかる費用はハウスメーカーによって違うため、まずは予算内で理想の縁側を実現できる施工業者を探すことが大切です。
オリコンでは、日本最大級の規模で調査を行い、毎年「ハウスメーカー 注文住宅ランキング」を発表しています。
デザインや価格の納得感、モデルハウス、営業担当者の対応など、さまざまな視点でのランキングを確認できますので、ハウスメーカー選びの参考にしてください。
監修者岡ア 渉
国立大学卒業後新卒で大手不動産仲介会社に入社。約3年間勤務した後に独立。宅地建物取引士・FP2級の資格を保有し、現在はフリーランスのWebライターとして活動中。不動産営業時代は、実需・投資用の幅広い物件を扱っていた経験から、Webライターとして主に不動産・投資系の記事を扱う。さまざまなメディアにて多数の執筆実績あり。
■保有資格
FP2級
宅地建物取引士