平屋か二階建てどっちがいい?メリットや固定資産税・値段など8項目で徹底比較
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それぞれに異なる魅力があり、生活スタイルや家族構成によって最適な選択は変わるので違いを十分に理解することが大切です。
この記事では、建築費用や固定資産税、生活動線、耐震性など8つの重要な項目で平屋と二階建てを徹底比較します。
さらに、それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説し、あなたの理想の住まい選びをサポートします。
新築を検討している方や将来のライフスタイルを見据えた住宅選びをしたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
監修者矢野 翔一
有限会社アローフィールド代表取締役社長。
不動産賃貸業、学習塾経営に携わりながら自身の経験・知識を活かし金融関係、不動産全般(不動産売買・不動産投資)などの記事執筆や監修に携わる。
平屋と二階建てを8項目で徹底比較
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それぞれに明確な特徴があるため、どちらが良いとは一概にはいえません。
そこで、建築費用や維持費、生活動線・家事効率などの8つの項目で、平屋と二階建てを比較してみました。
これらの違いを理解せずに選択すると、後々の生活に大きな影響を与える可能性があります。
各項目を比較検討する際は、現在の家族構成やライフスタイルだけでなく、将来の変化も見据えた長期的な視点で判断することが重要です。
比較項目 | 平屋 | 二階建て |
1. 建築費用・土地代 | 建物は割高 | 建物は割安 |
2. 固定資産税・維持費 | 税金は高め・修繕費は安め | 税金は安め・修繕費は高め |
3. 土地の広さ | 広い土地が必要 | 狭くてもOK |
4. 生活動線・家事効率 | 非常に良い(水平移動のみ) | 悪い(上下移動が多い) |
5. プライバシー | 密になりやすい | プライバシーを確保しやすい |
6. 老後の暮らしやすさ | 非常に良い(バリアフリー) | 悪い(階段が負担に) |
7. 耐震性・防犯性 | 耐震性は高い・防犯は工夫要 | 耐震性は工夫要・防犯は有利 |
8. デザインの自由度 | 高い(勾配天井など) | 高い(形状の工夫がしやすい) |
平屋と二階建て住宅の比較
1. 建築費用・土地代
これは平屋の方が基礎と屋根の面積が広くなるためで、建物工事費に占める基礎工事と屋根工事の割合は大きく、結果として坪単価が高くなってしまうのです。
土地代についても大きな差があり、平屋は二階建ての約2倍の広さの土地が必要です。
例えば建ぺい率50%・容積率100%の条件で延床面積120平方メートルの家を建てる場合、平屋には240平方メートルの土地が必要ですが、二階建てなら120平方メートルで済みます。
都市部では土地価格が高いため、この差は総費用に大きく影響します。
2. 固定資産税・維持費
固定資産税は固定資産税評価額×1.4%、都市計画税は評価額×0.3%で計算されます。
新築住宅では固定資産税が3年間1/2に減額される措置がありますが、評価額自体が高い平屋の方が税負担は大きくなるのです。
維持費については項目によって差があり、外壁・屋根の塗装などのメンテナンス費用は平屋の方が安く済みます。
これは二階建てに比べて足場代が少なく、作業範囲も限定されるためです。
一方、防蟻処理費用は建築面積が広い平屋の方が高くなる傾向があります。
3. 土地の広さ
同じ延床面積を確保する場合、平屋は二階建ての約2倍の土地が必要になります。
これは平屋がすべての居住空間を1階に配置するためで、建ぺい率の制約により必然的に広い敷地が求められるからです。
例えば延床面積30坪の住宅を建てる場合、建ぺい率60%の土地では平屋なら50坪、二階建てなら25坪の土地があれば建築可能です。
都市部では土地価格が高いため、この差は総予算に大きく影響します。
一方、郊外や地方では比較的広い土地を確保しやすく、平屋の魅力である庭とのつながりや開放的な間取りを実現しやすくなります。
土地の広さや立地条件、予算を総合的に考慮して選択することが重要です。
4. 生活動線・家事効率
キッチン、洗面所、リビングなどすべての空間が同じ階にあるため、一日に何度も行き来する移動が楽になり、家事動線を短くまとめることができます。
特に洗濯動線では、洗濯機→物干し場→クローゼットまでの移動がスムーズで、重い洗濯物を持って階段を上り下りする負担がありません。
一方、二階建てでは階段の上り下りが日常的に発生し、特に水まわりの配置が生活の利便性を大きく左右します。
洗濯機が一階にあり、物干し場が二階のベランダにある場合、濡れた洗濯物を持って階段を上がる作業は大きな負担となります。
二階建てで家事効率を高めるには、洗濯機と干し場を近くに配置したり、各階に水まわりを設けたりするなどの工夫が重要です。
5. プライバシー
小さな子供がいる家庭では、親の目が届きやすく安心して子育てができる点がメリットです。
しかし、家族それぞれのプライバシーを確保するのが難しく、特に思春期の子供がいる場合は、完全に独立した空間を作りにくいというデメリットもあります。
二階建てでは階層が分かれることで、家族間の適度な距離感を保ちやすく、プライバシーを重視したい場合や二世帯同居には向いています。
ただし、家族の気配を感じにくくなるため、リビング階段を設けて家族が顔を合わせる機会を増やすなどの工夫がなされることが多いです。
家族構成や生活スタイルに応じて、コミュニケーションとプライバシーのバランスを考慮して選択しましょう。
6. 老後の暮らしやすさ
車椅子での移動も容易で、階段での転倒リスクがないため安全性が高く、年齢を重ねても自立した生活を続けやすいでしょう。
実際に、家庭内での不慮の事故死の原因として「転落・転倒死」も一定の割合を占めており、階段は高齢者にとって大きなリスクとなります。
一方、二階建てでは高齢になると階段の上り下りが困難になり、二階部分がデッドスペース化してしまう可能性も。
しかし、将来的なリフォームで生活に必要な設備を一階に集約させる、住み替えを検討するなどの選択肢もあります。
20代で家を建てる場合も、老後まで同じ家に住み続けるのか、ライフステージに応じて住み替えを行うのかといった長期的な視点で検討することが重要です。
7. 耐震性・防犯性
二階部分がないため建物全体の重量が軽く、地震時に受ける影響が小さいことに加え、二階を支える柱や壁が不要なため、比較的間取りの自由度も高くなります。
一方、二階建ては建物の重量が重く、高さがあるため地震の揺れを感じやすくなる傾向です。
防犯性については対照的な特徴があり、平屋はすべての窓が地上階にあるため侵入経路が多く、空き巣に狙われやすいリスクがあります。
二階建ての上階部分は侵入が困難で、寝室を二階に配置することで心理的な安心感も得られます。
水害時の安全性では、平屋は床上浸水が発生すると家全体が水浸しになり、避難場所も確保できません。
二階建てなら上階への避難が可能で、水害時に家財道具を事前に移動させることもできます。
8. デザインの自由度
天井を屋根勾配に合わせて高くしたり、大きな開口部を設けて開放感のある空間を作ったりしやすく、庭とのつながりを重視した設計も可能です。
土地に余裕がある場合は、コの字型にして中庭を設けるなど、採光と通風を確保する工夫もできます。
一方、二階建ては吹抜けを活用した縦の空間利用が得意で、一階に光を届ける、視線の抜けによる開放感を演出できます。
また、高さを活かして眺望を楽しむ設計や、スキップフロアで空間に変化をつけることも可能です。
狭小地や変形地では、二階建ての方が対応しやすい場合が多くあります。
平屋でも床面積に算入されないロフトを設けたり、半平屋(平屋ベースの二階建て)として必要な部屋だけを二階に配置したりするなど、それぞれの特徴を活かしたデザインの工夫が重要です。
平屋のメリット・デメリット
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平屋には生活動線のシンプルさや安全性の高さといった魅力がある一方で、建築費用や土地の確保といった課題もあります。
平屋を検討する際は、これらのメリット・デメリットを十分に理解することが重要です。
ここからは、平屋の主要なメリットとデメリットについて詳しく解説します。
平屋のメリット
まずは、平屋の主なメリットを5つご紹介します。
平屋のメリット
生活動線がコンパクトになる
平屋はワンフロア構造であるため、生活する上で階段の上り下りが不要です。
また、暮らしに必要なものがすべてひとつのフロアに集まっているため、無駄な移動が減り、生活動線をコンパクトにまとめられます。
お年寄りや子供が生活しやすい
転落事故などの心配が減り、家族全員が安心して暮らせることもメリットです。
消費者庁の資料によると、65歳以上の高齢者が転倒事故により負傷した事例のうち、自宅での転倒事故が48%を占めています(※)。
自分や家族が高齢になったときにも安心して暮らし続けるためには、二階建て住宅よりも平屋のほうが適しているケースもあるでしょう。
※消費者庁「10月10日は「転倒予防の日」、高齢者の転倒事故に注意しましょう!」
地震や台風に強い
地震や台風などによる揺れに強く、建物へのダメージが少ないことがメリットです。
耐震性や耐風性を重視するのであれば、二階建て住宅よりも平屋のほうが優れているといえるでしょう。
家族とのコミュニケーションがとりやすい
これにより、家族全員が集まるリビング・ダイニングを中心に、気軽に声を掛け合える設計が可能です。
このような家族の絆を深めやすい環境は、二階建て住宅にはない平屋ならではのメリットといえます。
外壁のメンテナンス費用が安く抑えられることがある
住宅は時間が経つにつれて劣化するため、外壁の定期的なメンテナンスが必要です。
二階建ての場合は足場の設置が必要で、その分足場代が上乗せされることで費用が平屋よりも高額になりがちです。
外壁のメンテナンス費用が安く抑えられるケースが多いことも、平屋のメリットのひとつといえるでしょう。
平屋のデメリット
続いては、平屋の主なデメリットについて詳しく見ていきましょう。
平屋のデメリット
二階建て住宅よりも建築費用がかかる
必要な生活空間を一階のみですべて確保するには、基礎部分や屋根の面積が大きくなり、結果として二階建て住宅よりも建築費用が増加します。
費用を抑えるためには、間取りを工夫して住宅の機能をコンパクトに集約する必要があります。
日当たりや風通しが悪くなる場合がある
特に、建物の中心部は、昼間でも薄暗くなってしまうことがあります。
また、周囲に高い建物が多い場合、より日当たりや風通しが悪くなる場合があるので注意が必要です。
水害に弱い
二階建て住宅では、水害発生時に二階へ避難することができますが、平屋では避難が困難です。
ですから、住宅を建てる際には、ハザードマップを確認し、洪水浸水想定区域に指定されている土地を避けることが重要です。
特に、河川の近くや標高が低い地域では、土地選びに注意しましょう。
防犯対策が必要
平屋はすべての窓が一階にあるため、空き巣などの犯罪リスクが増加します。
加えて、屋外から住宅内の様子をのぞき見ることができるため、プライバシーの保護も課題です。
防犯システムを導入したり、屋外からの視線を遮るような間取りにしたりといった工夫が必要です。
広い土地が必要
平屋の場合、すべての生活空間が一階にあるため、必要な部屋数や機能を確保するには、ある程度広い土地が求められます。
広い土地を購入するための費用がかさみ、家を建てるためのトータルの費用が高くなってしまう可能性があります。
二階建て住宅のメリット・デメリット
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これは多くの人にとって実用的で経済的なメリットがあるためです。
二階建て住宅には建設費用を抑えられることや、限られた土地でも十分な居住空間を確保できるといった魅力がある一方で、階段の上り下りによる負担や家族間のコミュニケーションのとりにくさといった課題もあります。
以下では、二階建て住宅の主なメリットとデメリットを見ていきます。
二階建て住宅のメリット
平屋と比較した際の主なメリットは、下記のとおりです。
二階建て住宅のメリット
平屋よりも建設費用が抑えられる
二階建て住宅のほうが基礎部分や屋根の面積が小さくなるため、より少ない建材で建てられるからです。
また、壁や床のサイズやピッチがある程度決められた建材が大量生産されていることから、平屋と比べて建材のコストを抑えられる点も大きなメリットといえます。
土地が狭くても部屋数を多く確保できる
一階と二階にそれぞれ部屋を設けられるため、土地が狭くても必要な生活空間を確保できるためです。
敷地面積が限られている場合には、平屋よりも二階建て住宅のほうがメリットを感じられるでしょう。
二世帯で暮らしやすい
キッチンや浴室、トイレを一階と二階それぞれに設置することによって、各家族のプライバシーを守りやすくなります。
また、将来的に二世帯住宅へのリフォームを考えている場合にも、二階建て住宅であればリフォーム費用を抑えられることがあります。
プライバシーが守れる
人通りや車通りの多い道路に面している敷地や、隣家との距離が近い敷地の場合、プライバシーの確保がしやすいことは大きなメリットとなるでしょう。
近年では、リビングを二階に設置するケースも増えつつあります。
プライバシーの確保を重視するのであれば、平屋よりも二階建て住宅のほうがおすすめです。
広い土地が必要ない
こだわりたい間取りがある場合にも、平屋と比べて実現できる可能性が高いでしょう。
広い土地を用意するのが難しい場合には、平屋よりも二階建て住宅を選ぶことで快適な居住空間を実現しやすくなります。
二階建て住宅のデメリット
想定される主なデメリットは下記のとおりです。
二階建て住宅のデメリット
階段の上り下りが大変
特に、高齢になってからのことを考えると、階段の上り下りは足腰に負担がかかるだけでなく、転落事故などのリスクもあります。
二階建て住宅を選ぶ際には、若いときだけでなく、高齢になった場合の生活も想定して計画を立てることが大切です。
家族のコミュニケーションがとりづらい
プライバシーが保てる反面、お互いの様子を把握しにくくなるかもしれません。
特に、子供の成長とともに各自が自分の部屋で過ごす時間が増えると、家族との交流が減少する可能性があります。
家族とのコミュニケーションを重視する場合は、間取りや生活動線を工夫する必要があるでしょう。
地震の際に揺れを感じやすい
建物の重心が高い位置にあるため、振動の影響を直接的に受けやすく、揺れを感じやすくなるためです。
そのため、住宅の耐震性能の確保はもちろん、地盤の硬さを確認しておくなど、大地震が発生した場合に備えてさまざまな対策を講じる必要があります。
光熱費がかかりやすい
二階建て住宅は吹抜けや開放的な階段など、平屋にはない設計が可能になりますが、冷暖房の効率は下がってしまいます。
特に、建物の上部に温かい空気が溜まりやすいため、夏場には二階部分が暑くなりやすく、それぞれの部屋で冷房を使用し続けると光熱費が増加してしまうでしょう。
外壁のメンテナンス費用が高くなる場合がある
さらに、二階部分のメンテナンスを行う際には足場を組む必要があることも、施工費が高くなりやすい要因のひとつです。
住宅は建てた後も定期的にメンテナンスを行う必要があることから、メンテナンス費用も加味して平屋か二階建て住宅のどちらを選ぶかを検討することが重要です。
平屋と二階建て住宅は、メリット・デメリットを踏まえて検討しよう
平屋は生活動線の良さと老後の安全性が魅力ですが、建築費用と土地代が高くなりがちです。
二階建ては費用を抑えやすく限られた土地でも部屋数を確保できますが、階段による負担があります。
どちらを選ぶかは現在の家族構成だけでなく、将来のライフスタイルも考慮して慎重に検討しましょう。
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監修者矢野 翔一
関西学院大学法学部法律学科卒業。有限会社アローフィールド代表取締役社長。
不動産賃貸業、学習塾経営に携わりながら自身の経験・知識を活かし金融関係、不動産全般(不動産売買・不動産投資)などの記事執筆や監修に携わる。
(保有資格)
・2級ファイナンシャルプランニング技能士(AFP)
・宅地建物取引士
・管理業務主任者
公式サイト:https://www.arrow-field-ltd.com/