家の主な構造は?木造・鉄骨造・RC造の各特徴やメリット・デメリットを解説
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家の構造は大きく分けて「木造」「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造(RC造)」の3種類があります。
それぞれの構造のメリット・デメリットや建築コストをわかりやすく解説し、理想の家づくりに役立つポイントを紹介します。
目次
家の構造は大きく分けて3種類
構造 | 主な特徴 |
木造 | 木材を使うことでコストを抑えやすく、断熱性や調湿性に優れた快適な住まいを実現できます。 |
鉄骨造 | 柱や梁に鉄骨を使用するため耐震性や耐久性が高く、広い空間をつくりやすい構造です。 |
鉄筋コンクリート造 | 鉄筋とコンクリートを組み合わせた非常に頑丈な構造で、耐震性・耐火性・遮音性に優れています。 |
使われる材料によって、建物の強度・コスト・快適性・デザインの自由度などに違いが生まれます。
木造は「コスパと快適性」、鉄骨造は「耐震性と自由設計」、RC造は「耐久性と防災性」と、それぞれに強みがあります。
また、近年ではこれら3種類に加えて、アルミ造(AL造)やコンクリートブロック造(CB造)といった構造も存在します。
AL造は軽量で耐食性に優れ、CB造はコストを抑えつつ耐火性を確保できるなど、それぞれに独自の特徴があります。
予算やライフスタイル、立地条件などを踏まえて検討することが大切です。
木造とは
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日本では古くから木の特性を活かした家づくりが行われており、現在でも戸建て住宅の約8割が木造※です。
※参照:国土交通省「建築着工統計調査(2024年度)」
木は軽くて加工しやすく、調湿性や断熱性に優れているため、四季のある日本の気候に適した建材といえます。
また、リフォームや増改築が比較的しやすく、コスト面でも他の構造に比べて経済的です。
さらに分類:木造軸組工法、木造枠組壁工法(2×4工法、2×6工法など)、木造丸太組工法(ログハウス)があります。
区分 | 特徴 |
木造軸組工法 | 柱と梁と土台で骨組みを作る日本伝統の構法。設計自由度が高い。 |
木造枠組壁工法 | 枠材(2×4・2×6)で壁を作り、面で支える構法。耐震性・耐風性・気密性に優れる。 |
木造丸太組工法 | 丸太を積み上げて壁と構造体を兼ねる。丸太が横に並ぶ外観が特徴。 |
木造のメリット
・建築コストが安い
・断熱性・調湿性に優れている
・自然素材ならではの温かみやぬくもりのある空間づくり
鉄骨造やRC造に比べて材料費や工事費を抑えやすく、建築コストが比較的安いのが特徴です。
また、木材は天然の断熱材ともいわれるほど断熱性や調湿性に優れており、季節を問わず快適な室内環境を保ちやすい点も魅力です。
夏は涼しく冬は暖かい空間を実現できるため、冷暖房の効率も良く、光熱費の節約にもつながります。
さらに、木材特有の香りや質感は、自然素材ならではの温かみやぬくもりを感じられる空間づくりに最適です。
落ち着いた雰囲気やリラックス効果を求める人にとって、木造住宅は心地よい住まいを実現できる選択肢といえるでしょう。
木造のデメリット
・湿気やシロアリなどの影響を受けやすい
・鉄骨造・鉄筋コンクリート造と比べ、耐震性が低い
木材は自然素材であるため、湿気が多い環境では腐朽やカビの発生、そしてシロアリ被害などのリスクがあります。
また、鉄骨造や鉄筋コンクリート造に比べると耐震性が低いという側面もあります。
構造上、強度が劣るわけではありませんが、地震の揺れによる変形が起こりやすく、建物全体の耐久性に影響が出る可能性があります。
このように、木造はメンテナンスの手間や耐震性の面で注意が必要ですが、適切な施工と定期的な管理を行うことで、長く快適に暮らせる住まいを実現できます。
木造の建築コスト
※参照:国土交通省「建築着工統計調査(2024年度)」より弊社で概算(全国 木造「床面積の合計(u)と「工事費予定額」から1坪当たりの単価を算出」)
住宅の建築コストは年々増加傾向にありますが、「鉄骨造」「RC造」に比べたらコストは安めです。
木造がおすすめな人
・コストを抑えてマイホームを建てたい人
・自然素材の温もりを感じたい人
・将来的にリフォームや間取り変更を考えている人
建築コストが比較的安いため、予算内で理想の家を建てやすく、初めてのマイホームとしても選ばれやすい構造です。
また、木の香りや質感が心地よく、自然素材ならではの温もりを感じたい人にも向いています。
木材はリラックス効果が高く、やさしい雰囲気の空間をつくりやすいため、家族で落ち着いて過ごせる住まいを求める方にぴったりでしょう。
さらに、木造住宅は構造上の自由度が高く、将来的にリフォームや間取り変更を検討している人にも適しています。
壁の撤去や間仕切りの変更が比較的容易なため、ライフスタイルや家族構成の変化に合わせて柔軟に対応できます。
鉄骨造とは
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鉄の強度を活かした構造で、大空間や自由な間取り設計がしやすいのが特徴です。
木造に比べて高い耐震性・耐久性を持ち、3階建て以上の住宅や重量のある屋根材を使用した建物にも適しています。
また、経年劣化が少なく、構造体がしっかりしているため長期的に安定した住まいを実現できます。
鉄骨造には、主に以下の2種類があります。
区分 | 特徴 |
軽量鉄骨造 | 一般的に厚さ6mm未満の鋼材を使用。住宅メーカーの一般的な戸建てに多い。軽量ながらも耐震性に優れる。 |
重量鉄骨造 | 一般的に厚さ6mm以上の鋼材を使用。高層マンションや大規模建造物などで用いられ、剛性・耐久性が非常に高い。 |
鉄骨造のメリット
・耐震性、耐久性が高い
・広い空間、自由な間取りが実現しやすい
・シロアリ被害や腐食のリスクが少ない
鉄骨は強度が高く、地震の揺れに対してもしなやかに変形して建物全体へのダメージを軽減できる構造です。
そのため、耐震性能を重視する人にとって安心感のある選択といえます。
また、鉄骨は長いスパン(柱と柱の間隔)を確保できるため、広い空間や自由な間取り設計がしやすいという特徴もあります。
大きなリビングや吹き抜け、ガレージ一体型の住宅など、デザイン性の高い住まいを実現したい人にも適しています。
さらに、鉄はシロアリ被害や腐食のリスクが低い素材であり、木造住宅に比べてメンテナンスの頻度を抑えやすい点もメリットです。
長期的に見ても、構造体が劣化しにくく、耐用年数の長い住宅を建てられるのが鉄骨造の強みといえるでしょう。
鉄骨造のデメリット
・木造に比べ建築コストが高い
・断熱性・遮音性に劣る場合がある
・間取り変更やリフォームが難しい
鉄骨は材料費や加工費が高く、さらに専門的な溶接や施工技術を必要とするため、全体的な工事費用がかさむ傾向にあります。
その分、耐久性や強度は高いものの、初期費用を抑えたい人にはやや負担が大きい場合もあります。
また、鉄は熱を伝えやすい性質を持っているため、断熱性や遮音性が木造より劣るケースもあります。
とくに夏は熱がこもりやすく、冬は冷えやすいため、断熱材の性能や施工の質が重要になります。
さらに、鉄骨造は構造体が頑丈な分、間取り変更やリフォームが難しいという点にも注意が必要です。
主要な柱や梁を動かすことが難しく、大規模なリノベーションを行う際には制約が多くなります。
鉄骨造の建築コスト
※参照:国土交通省「建築着工統計調査(2024年度)」より弊社で算出(全国 鉄骨造の「床面積合計(u)」「工事費予定額」(令和6年度4月〜12月)から1坪あたり単価を算出)
鉄骨造は、木造に比べて1坪あたり約10万円前後コストが高い傾向がありますが、その分、強度・耐震性・耐久性といった性能面での安心感を得られます。
鉄骨造がおすすめな人
・狭い土地で3階建て住宅を検討している方
・耐震性や耐久性を最重視する
・開放的な間取りやデザイン性を重視する方
強度の高い鉄骨を使用することで、地震の揺れにも強く、長期的に安心して暮らせる構造を実現できます。
建物の歪みや経年劣化が少ないため、資産価値を維持しやすい点も魅力です。
また、鉄骨は大きなスパン(柱と柱の間隔)を確保できるため、広いリビングや吹き抜けなど、開放感のある間取りをつくりやすいのが特徴です。
モダンでスタイリッシュな外観や、自由なデザインを取り入れたい方にも向いています。
さらに、鉄骨造は構造上の強度が高いため、狭い土地でも3階建てやビルトインガレージなどの住宅を建てたい方にも最適です。
土地の制約を受けにくく、都市部でも限られた敷地を最大限に活かせるのが強みです。
鉄筋コンクリート造(RC造)とは
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鉄筋の「引っ張る力に強い性質」と、コンクリートの「圧縮に強い性質」を組み合わせることで、非常に頑丈な構造を実現しています。
耐震性・耐火性・遮音性に優れており、マンションや高層住宅、店舗併用住宅などで多く採用されています。
また、躯体がしっかりしているため、長期にわたって安定した資産価値を維持できる点も大きな魅力です。
鉄筋コンクリート造(RC造)のメリット
・耐震性、耐火性、耐久性が非常に高い
・遮音性、断熱性に優れている
・資産価値が落ちにくい
鉄筋で骨組みをつくり、その周囲をコンクリートで固める構造のため、耐震性・耐火性・耐久性が高いのが特徴です。
地震や火災などの災害に強く、長期的に安心して暮らせる住まいを実現できます。
また、RC造はコンクリートの密度が高いため、遮音性や断熱性にも優れている点もメリットです。
外部の騒音を抑え、室内の温度を一定に保ちやすいので、静かで快適な暮らしを送りたい人にも向いています。
さらに、RC造は構造的に劣化しにくく、資産価値が落ちにくいことも特筆すべき点です。
耐用年数が長く、メンテナンス頻度も少ないため、将来的な売却や賃貸を見据えた場合にも優れた選択肢といえるでしょう。
鉄筋コンクリート造(RC造)のデメリット
・建築コストが高い
・工期が長い
・リフォームや間取り変更が難しい
鉄筋やコンクリートといった材料費に加え、型枠工事や配筋工事など専門的な作業が必要なため、木造や鉄骨造に比べて施工費が高くなります。
初期費用を抑えたい人にとっては、ややハードルの高い構造といえるでしょう。
また、RC造はコンクリートを固める工程に時間がかかるため、工期が長くなる傾向があります。
特に季節や天候の影響を受けやすく、乾燥期間をしっかり確保する必要があるため、スケジュールに余裕をもって計画することが重要です。
さらに、RC造は構造が頑丈である分、リフォームや間取り変更が難しいという側面もあります。
壁や柱が建物の強度を支えているため、撤去や位置変更が制限される場合が多く、大規模なリノベーションを行う際には専門的な構造計算が必要になります。
鉄筋コンクリート造(RC造)の建築コスト
※参照:国土交通省「建築着工統計調査(2024年度)」より弊社で算出(全国 鉄骨造の「床面積合計(u)」「工事費予定額」(令和6年度4月〜12月)から1坪あたり単価を算出)
木造、鉄骨造に比べて1坪あたりコストが高いですが、性能面では非常に優れた構造です。
鉄筋コンクリート造(RC造)がおすすめな人
・耐震性・防災性を最優先したい人
・静かで快適な住環境を重視する人
・長期的な資産価値を重視する人
鉄筋とコンクリートを組み合わせた構造は頑丈で、地震や火災などの災害に強いため、耐震性や防災性を最優先したい人に最適です。
災害リスクの高い地域でも、安心して暮らせる住まいを実現できます。
また、RC造はコンクリートの密度が高く、遮音性や断熱性に優れているため、外の騒音を遮断し、快適な室内環境を保ちやすいのが特徴です。
マンションのように隣接する建物が多い環境や、静かな暮らしを求める人に向いています。
さらに、RC造は構造が劣化しにくく、長期間にわたって品質と強度を維持できるため、長期的な資産価値を重視する人にもおすすめです。
家の構造による違いを把握して理想の家を建てよう!
構造によって、コスト・耐震性・デザインの自由度・快適性が大きく異なるため、ライフスタイルや予算、住む地域の特性に合わせて選ぶことが大切です。
木造はコスパと温もり、鉄骨造は強度と自由設計、RC造は防災性と資産価値の高さが魅力。
それぞれの特徴を理解し、自分たちにとって最適な構造を見極めることが、理想のマイホーム実現への第一歩です。
ハウスメーカーによって得意とする構造や提案の方向性は異なります。
オリコンでは、日本最大級の調査規模で毎年「ハウスメーカー 注文住宅 満足度ランキング」を発表。デザインや価格の納得感、営業担当者の対応など、さまざまな観点から比較できます。
家づくりを始める前に、ぜひランキングを参考にして、自分に合ったハウスメーカーを見つけてください。
監修者岡ア 渉
国立大学卒業後新卒で大手不動産仲介会社に入社。約3年間勤務した後に独立。宅地建物取引士・FP2級の資格を保有し、現在はフリーランスのWebライターとして活動中。不動産営業時代は、実需・投資用の幅広い物件を扱っていた経験から、Webライターとして主に不動産・投資系の記事を扱う。さまざまなメディアにて多数の執筆実績あり。
■保有資格
FP2級
宅地建物取引士