ファミリーバイク特約は250ccで使える?任意保険との違いを解説
今回は、自動車保険のファミリーバイク特約の補償対象や任意保険との違いについて、わかりやすく解説します。バイクの任意保険を選ぶ際のポイントを併せて紹介していますので、バイク保険を選ぶ際にもぜひお役立てください。
目次
ファミリーバイク特約は自動車保険に付帯してバイク事故を補償する特約
<ファミリーバイク特約の補償範囲>
- 自動車保険の被保険者
- 被保険者の配偶者
- 被保険者と同居中の親族(父母・子供など)
- 被保険者、配偶者の別居する未婚の子供
ファミリーバイク特約については、下記の記事をご覧ください。
●関連記事:ファミリーバイク特約とは?補償内容やバイク保険との違いを解説
250cc以下のバイクは任意保険で備える
250ccのバイクを運転するにあたって加入する保険は、自賠責保険と任意保険の2種類です。自賠責保険は強制保険と呼ばれるとおり、バイクを運転するすべての人が必ず加入しなければなりません。
一方、バイク保険とも呼ばれる任意保険の場合、加入するか否かは各々の判断に委ねられています。しかし事故が起きた際、自賠責保険だけでは賠償金をまかないきれなくなる可能性があるため、任意保険への加入が推奨されているのです。
自賠責保険の補償内容
自賠責保険の補償の範囲と支払限度額は下記のとおりです。
■自賠責保険の支払限度額
対象 | 支払限度額(被害者1人につき) |
相手が死亡した場合(逸失利益、葬儀費、慰謝料など) | 3,000万円 |
相手に後遺障害が残った場合(逸失利益や慰謝料など) | 75万〜4,000万円 |
相手が傷害を負った場合(治療関係費、ケガで仕事を休んだ分の休業損害、慰謝料など) | 120万円 |
なお、後遺障害による損害は、障害の程度に応じて逸失利益および慰謝料等が支払われます。
バイクの自賠責保険については、下記の記事をご覧ください。
●関連記事:バイクの自賠責保険とは?保険料や補償範囲など基礎知識を解説
任意保険の補償内容
■任意保険の主な補償内容
対象 | 保険 |
賠償責任 | 対人賠償保険 |
損害補償 | 人身傷害保険 |
車の補償 | 車両保険 |
●関連記事:バイク保険の種類とは?自賠責保険との違いや補償内容などを解説
・対人賠償保険
対人賠償保険は、バイクを運転中に事故を起こし、他人を死傷させた場合に生じた損害を過失割合に応じて補償する保険です。保険金額は「無制限」に設定することもできるため、相手に支払うべき賠償金が高額になった場合にも対応できます。
特に相手が死亡してしまった場合や後遺障害が残った場合には、多額の賠償金を支払うことになるケースも少なくありません。対人賠償保険は、自賠責保険ではカバーしきれない部分を補償するための保険と捉えてください。
・対物賠償保険
対物損害保険は、バイクの運転中に他人の車両や家屋などの建物、ガードレールなどの物を損壊させた場合に、損害を過失割合に応じて補償する保険です。対人賠償保険と同様、保険金額を「無制限」に設定することも可能です。
事故によって損壊した車両や建物などの状況によっては、高額な賠償金を支払うことになる可能性は大いに考えられます。自賠責保険では物に生じた損害が補償の対象外となることから、対物賠償に関しては任意保険で備える必要があります。
・人身傷害保険
人身損害保険は、バイク事故による、バイクに搭乗していた人の死傷を補償する保険です。過失割合にかかわらず、保険金額を上限に実損額が補償される点が特徴です。
人身傷害保険には「搭乗中タイプ」と「一般タイプ」の2種類があります。搭乗中タイプは、契約中のバイクに搭乗していたときに起きた事故のみを補償します。一方、一般タイプは契約中のバイク以外に搭乗していて起きた事故や、被保険者の親族のバイク事故に関しても補償の対象となります。
・搭乗者傷害保険
搭乗者傷害保険は、人身傷害保険と同じく、バイク事故でバイクに搭乗していた人の死傷を補償する保険です。過失割合にかかわらず、契約時に設定した保険金額が一律に支払われる点が特徴です。
搭乗者傷害保険は、事故による実損額の確定前であっても条件を満たせば保険金が支払われます。当座の入院・治療費などにあてられるため、事故が起きた際、スピーディーに保険金の支払いを受けたい場合に適しています。
・自損事故保険
自損事故保険は、契約しているバイクに搭乗中の、単独事故による死傷の補償に特化しており、任意保険に自動付帯される場合が多い保険です。
単独事故には、「わき見運転でガードレールに接触してしまった」「自宅に車を駐車しようとしたら家屋にぶつかってしまった」などの例が挙げられます。
なお、自損事故保険は人身傷害保険でカバーできる範囲である可能性が高く、近年では自損事故保険の提供をしていない保険会社も見られます。
・無保険車傷害保険
無保険車傷害保険は、事故の相手が任意保険に加入しておらず、運転者や同乗者の死傷に対する十分な補償を得られない場合などに備える保険です。
保険会社によっては、人身傷害保険の補償内容に無保険車傷害保険に相当する補償が含まれている場合もあります。したがって、人身傷害保険の補償内容を確認した上で、無保険車傷害保険への加入が必要かどうかを判断する必要があります。
・車両保険
車両保険は、契約しているバイクが事故により損壊した場合に、車両の修理費用などを補償する保険です。
バイクや車との事故で生じた損害のほか、補償内容によっては当て逃げや盗難、自損事故なども保険金の支払い対象となります。ただし、保険会社によってはバイク向けの車両保険を提供していないケースもあるため注意が必要です。
車両保険については、下記の記事をご覧ください。
●関連記事:バイクに車両保険は必要?必要性と補償内容、加入が必要な人を紹介
バイクの任意保険を選ぶポイント
ダイレクト型と代理店型について知る
ダイレクト型は保険会社に直接問い合わせをしてやりとりをするため、中間コストが発生しません。そのため、代理店型に比べると保険料を安く抑えられる傾向にあります。
一方、代理店型の場合は、保険の専門家にアドバイスを受けながら補償内容を検討することができます。コスト面を重視するのか、補償内容をじっくり検討したいのかによって選択が変わってくるでしょう。
■参考:【2024年】バイク保険 オリコン顧客満足度ランキング(ダイレクト型、代理店型)
バイクの乗り方を考慮する
自身のバイクの乗り方を考慮した上で、前述した任意保険の補償が必要か否かを検討します。
ロードサービスの補償内容を比較する
ロードサービスとは、交通事故のほか、バイクの走行中に起こるさまざまなトラブルに対応してくれるサービスです。例えば、事故により自力走行ができないバイクを自宅や修理工場まで運ぶ「レッカーサービス」や、自宅から離れた場所でのバイク事故で、宿泊が必要な場合の宿泊費を負担してくれる「宿泊費サポート」など、内容は多岐にわたります。
提供するロードサービスの内容や種類、無料で対応してくれる範囲・回数などは、保険会社によって変わります。自身のバイクの乗り方を踏まえた上で、ロードサービスの内容についても比較・検討が必要です。
ファミリーバイク特約を付帯するなら125cc以下のバイクを購入する
ファミリーバイク特約のメリットや、任意保険との違いは下記のとおりです。
ファミリーバイク特約のメリット
また、特約を利用して保険金の支払いを受けたとしても、自動車保険の等級には影響しません。バイク保険の場合、事故を起こして保険を使うと翌年度の等級が下がり、保険料も高くなります。一方、ファミリーバイク特約であれば等級は変わらないため、保険料への影響がない点は大きなメリットです。
さらに、ファミリーバイク特約で補償の対象となるバイクには、台数の制限がありません。被保険者やその親族が複数台のバイクを所有している場合はもちろんのこと、家族以外から借りたバイクを運転する場合にも補償の対象となります。そのため、バイク1台ごとにバイク保険を契約するよりも保険料を抑えられるのです。
任意保険とファミリーバイク特約の違い
例えば、任意保険の多くは事故や故障などの際に利用できるロードサービスが付帯しているのに対して、ファミリーバイク特約ではロードサービスがほぼ適用されません。自動車保険に付帯するロードサービスは、あくまでも主契約の車両にのみ適用されるためです。
また、ファミリーバイク特約には等級という概念がありません。事故により等級が下がるリスクがない一方で、無事故の期間を継続しても保険料が安くなることはない点に注意してください。
ファミリーバイク特約適用外の250ccのバイクは、任意保険への加入を検討しよう
ファミリーバイク特約を利用したい場合は、125cc以下のバイクを選ぶ必要がある点に注意が必要です。その際には、ファミリーバイク特約と任意保険の違いを理解した上で、どちらに加入するべきかを慎重に判断することが大切です。今回紹介したポイントや注意点を参考に、ご自身に合ったバイクの任意保険や特約を選びましょう。
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