車の一括査定はやめたほうがいい?理由やトラブルの例を解説
車の一括査定は、売却したい車の情報(車種や年式、走行距離等)と個人情報を一度入力するだけで、複数の車買取会社に査定見積もりを依頼できる便利なサービスです。しかし、便利さの裏には、デメリットやトラブルも潜んでいます。
この記事では、「車の一括査定はやめたほうがいい」といわれる理由のほか、よくあるトラブルと、その対処法について解説します。
目次
車の一括査定はやめたほうがいいと言われる理由
そもそも車の一括査定は、一括査定サイト運営会社が、個人情報と車両情報を車買取会社に販売することで成り立つビジネスモデルです。車買取会社は、一括査定サイトでかかったコストを回収するために、営業活動を積極的に行います。車の一括査定を利用する際は、下記のようなデメリットを知った上で、慎重に申し込みましょう。
複数の車買取会社から営業電話とメールが頻繁に来る
居住地域によっては、同時に最大30社もの査定見積もりを申し込むことができる場合もあります。一括査定に申し込むと、数分後に営業電話がかかってくることもあります。営業電話が必要以上に続くこともあるため、仕事中や移動中など、電話に出られない環境で申し込むのは控え、30分〜2時間程度の余裕があるときに申し込みましょう。
なお、一般社団法人日本自動車購入協会(JPUC)は、会員として加盟した車買取会社に向けて、夜9時から朝8時までの時間帯に電話をかけたり、訪問したりする勧誘を禁止する行動基準を定めています。
しかし、非会員の車買取会社やJPUCの行動基準を無視した車買取会社から、早朝や深夜に電話がかかってくる場合もあります。また、夜9時までは営業電話がかかってくる可能性がある点にも注意が必要です。
買取相場をチェックする方法については、下記の記事をご覧ください。
電話なしで車の買取査定はできる?買取相場をチェックする方法も解説
地域によっては車買取会社が見つからない場合がある
強引な営業をされる場合がある
実際に、全国の消費生活センターに寄せられる中古車売却のトラブルは、年々増加傾向です。特に、「査定時に強引に契約させられ、車を持っていかれた」「契約後すぐにキャンセルを申し出たら、高額なキャンセル料を提示された」など、強引な勧誘やキャンセル時のトラブルに関する相談が多いといいます。
車の売却は、特定商取引法によるクーリング・オフの対象外です。査定の場で強引な営業をされても、断る勇気と冷静な判断が必要です。
関係のないサービスの営業を受ける場合がある
実際は、利用規約まで細かくチェックすることは難しいでしょう。車の一括査定サービスに申し込む際は、車とは関係のないサービスの営業を受ける可能性があることも念頭に置いておく必要があります。
キャンセル料が発生する場合がある
特に、車の一括査定サービスでは一度に多くの車買取会社とやりとりをするため、キャンセル規定の確認をしないで査定を依頼することもあるでしょう。査定額に納得できずにキャンセルする場合でも、一定の費用がかかることがあるため、キャンセル料について事前に確認しておくことが重要です。
また、電話ではなく、メールなどで記録に残しつつ交渉を進めてトラブルを回避しましょう。
無料査定と聞いていたにもかかわらずキャンセル料を請求された、明らかに高すぎる違約金を請求されたなどの場合でも、慌てて支払わず、しかるべき窓口に相談をしてください。
キャンセル料・違約金を高額請求されたときの代表的な相談先は、下記のとおりです。
相談先 | 概要 |
消費生活センターでは、商品やサービスなど、消費生活全般に関するトラブルの相談や苦情を受け付けている。消費生活センターが開所していない土日祝日などには、国民生活センター休日相談窓口が開設されている。 | |
車買取に特化した相談窓口「JPUC車売却消費者相談室」を設けている。 | |
契約書の内容や法律に反する取引がないかを確認し、専門的な判断を仰げる。 |
車の一括査定がおすすめの人
下記の3点の条件をすべて満たしている場合に、車の一括査定はおすすめできます。
<車の一括査定に適している人の条件>
・時間に余裕がある
・納得いかなければきっぱり断れる
・高値で売りたい
車の一括査定は、時間に余裕がなければ申し込むべきではありません。数十社からの電話とメールの対応と、出張査定に根気よく対応する時間が必要です。
また、各社が契約に向けてさまざまな条件をつけたり、急かしたりすることがあるため、納得がいかなければ断れる強い心を持つことも重要。積極的な営業のプレッシャーに負けず、自分の条件に合わない場合はきっぱり断れるのであれば、車を高値で売却できる可能性が高いでしょう。
車の一括査定に適さない人
これらの点を考慮すると、車の一括査定は下記の条件に1つでもあてはまる人にはおすすめできません。
<車の一括査定に適さない人の条件>
・ひとまず査定だけしたい
・営業に対応する時間を割きたくない
・車を売ると決めていない
車を本気で売却するつもりがない場合、一括査定は不向きです。車を売る意志がある程度固まっていないと強引な営業に負けてしまいます。
一方で、車の査定金額よって売る意志が固まることもあるでしょう。頻繁な連絡や強引な営業に対応する時間や手間がかかる可能性と、査定額が上がる可能性の両方を鑑みて、車の一括査定を依頼するか判断してください。
信頼できる車買取会社を選ぶ際のポイント
過去に利用したユーザーの評判や口コミがいいか
しかし、評判や口コミを鵜呑みにするのは危険です。主観的・感情的な口コミは参考にすることを避けて、客観的で事実にもとづくと思われるものを参考にすることをおすすめします。
強引な営業があるか
また、「あとからキャンセル可能」「クーリング・オフもできます」といった営業トークを鵜呑みにしてはいけません。車買取ではクーリング・オフが適用されないので、納得いくまで検討・確認することをおすすめします。
査定の根拠や買取相場を答えてくれるか
車一括査定でよくあるトラブルと対処法
見積もりと実際の査定額が異なる
極端に高い金額を提示した車買取会社には、その査定額となっている根拠を聞くことや、そもそも営業は受けないなどの対処をしましょう。
取消しやキャンセルに応じてもらえない
その場合は、キャンセルができない理由を確認し、明確な説明がない場合は悪質な車買取会社の可能性を疑うべきです。
キャンセル料を請求される
とはいえ、キャンセル料がかからない車買取会社が大半です。キャンセル規定が記載されているかどうか、事前に確認しましょう。記載がない場合は、キャンセル料を支払う必要はありません。
車一括査定のデメリットを知って上手に車買取会社を選ぼう
車の一括査定は、複数社の見積もりを手軽に取得できる便利なサービスですが、多くのデメリットやトラブルも存在します。
一方で、車の一括査定サービスを利用して相見積もりを取ることは、より高い売却額を狙う際に重要です。信頼できる車買取会社を選ぶためには、口コミを確認し、見積もり内容の詳細を直接確認するなど、慎重な対応を心掛けましょう。
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