ディーラーの下取りは安い?買取との違いや査定額を上げるコツ

ディーラーの下取りは安い?買取との違いや査定額を上げるコツ

車の買い替えを考えるとき、多く人が迷うのが「ディーラーの下取りに出すべきか、それとも買取店に売るべきか」という選択です。

本記事では、手続きの楽さか、金額の高さか、自分の優先順位を整理しながら最適な売却方法の選び方と、なぜディーラー下取りと買取で価格差が生まれるのかという仕組みの違いから、査定基準の考え方、損を防ぐための具体的な交渉方法まで順を追って解説します。
新井 智美

監修者新井 智美

トータルマネーコンサルタント

マネーコンサルタントとしての個人向け相談、NISA・iDeCoをはじめとした運用にまつわるセミナー講師のほか、金融メディアへの執筆および監修に携わっている。

mokuji目次

  1. ディーラーの下取りと買取の違いとは?仕組みと特徴
    1. 下取り:新車購入と売却の手続きをディーラーで一括して行う
    2. 買取:中古車専門店などに車を売却して現金化する
  2. ディーラーの下取り価格が安い理由と査定基準
    1. 新車販売が本業のため中古車市場の相場が反映されにくい
    2. 査定基準が「イエローブック」に基づき一律で決まる
  3. ディーラーで下取りに出すメリット
    1. 車の購入と売却の手続きをワンストップで完結できる
    2. 納車ギリギリまで今の車に乗り続けられる
  4. ディーラー下取りのデメリットと注意点
    1. 買取業者の査定額と比較して数十万円の差額が出ることも
    2. 社外パーツや他メーカー車は評価が低くなりやすい
  5. ディーラーの下取り査定額を少しでも高くする交渉術
    1. 事前に買取店の査定を受けて愛車の相場を把握しておく
    2. 「下取り価格」と「新車値引き」を分けて交渉する
  6. ディーラーの下取りから納車までの流れ
    1. 1. 購入を検討しているディーラーに問い合わせ
    2. 2. 下取り査定を受ける
    3. 3. 新車の購入と下取りの契約を結ぶ
    4. 4. 納車時に下取りに出す車を引き渡す
  7. ディーラーの下取りと買取で迷ったときのポイント
  8. ディーラーの下取りのメリット・デメリットを知って、賢く車を売ろう

ディーラーの下取りと買取の違いとは?仕組みと特徴

ディーラーの下取りと買取の違いとは?仕組みと特徴

ディーラーの下取りとは、新車購入と同時に現在の車をディーラーへ引き渡し、その査定額を購入代金に充当する方法です。売却代金は現金で受け取るのではなく、新車代金の支払総額から差し引かれます。

それに対し、買取は、中古車専門業者に車を売却し、売却金額を現金で受け取る方法です。売却したからといって車を購入しなければならないわけではなく、売却した金額の使い道は自由です。

つまり、
  • 手続きを1本化したいならディーラーの下取り
  • 価格競争を活用したいなら買取
というように、手続きの利便性と売却価格の高さのどちらを重視するかによって、選ぶ方法は異なります。

下取り:新車購入と売却の手続きをディーラーで一括して行う

下取りの特徴は、新車の納車に合わせて車の引き渡しができることです。「車がない期間」が発生しないため、通勤や買い物で毎日車を使う方には安心です。

さらに、契約、名義変更、残債処理などを同じ窓口(ディーラー)で進められることによる、実務的な負担が軽減される点は大きなメリットです。売却代金は自動的に新車の購入費用から差し引かれるため、金銭的なやり取りの手間が少ない点も安心できるでしょう。

ただし、下取り価格は新車の値引きと合わせて調整されることがあるため、「本当の下取り価格」がわかりにくくなる点には注意が必要です。

買取:中古車専門店などに車を売却して現金化する

買取の強みは、市場価格が反映されやすいことです。中古車市場では、需要が高い車ほど価格が上がるため、人気のミニバンやSUV、低走行の車などは高く評価されやすい傾向があります。

買取で得たお金は現金で受け取れ、次の車の購入資金だけでなく、趣味や旅行など別の目的にも使えます。

さらに、複数の買取業者に査定を依頼する「相見積もり」を行うことで価格競争が起き、結果として査定額が上がる可能性がある点もメリットです。

ディーラーの下取り価格が安い理由と査定基準

ディーラーの下取り価格が安い理由と査定基準

ディーラーの下取りは、仕組み上、中古車買取店と比べると高値がつきにくい傾向があります。これは「不当に安くしている」というよりも、ビジネスモデルの違いによるものです。

ディーラーの主な収益源は新車販売であり、下取り車はあくまで新車販売を円滑に進めるための付随業務という位置づけです。そのため、下取り車をできるだけ高く買い取り、再販で利益を最大化するという発想にはなりにくいのです。

さらに、下取りは基本的にディーラー1社のみの査定で完結します。複数社が競う買取とは異なり、価格競争が起きにくいことも査定額が伸びにくい理由の一つです。

新車販売が本業のため中古車市場の相場が反映されにくい

ディーラーは新車販売がメインビジネスです。そのため、中古車の需要動向やオークション相場の変動を常に追い続け、査定に反省させる体制は、買取専門店の方が強い傾向にあります。

買取専門店は、国内販売だけでなく輸出や専門市場など、さまざまな再販ルートを持っていますが、ディーラーは、下取り車を自社の認定中古車として販売できない場合、業者オークションなどで処分するケースが一般的です。結果として在庫リスクを避ける必要から、ディーラーは保守的な査定額を提示しやすくなってしまうのです。

特に他メーカー車は、自社ブランドの認定中古車として扱えないことが多いため、評価が控えめになる傾向があります。また、改造車やカスタムカーは再販先が限られるため、適正な評価がされにくいことも覚えておきましょう。

査定基準が「イエローブック」に基づき一律で決まる

ディーラーの査定は、一般財団法人日本自動車査定協会が定める査定基準(通称イエローブック)をもとに行われます。

イエローブックでは、年式、走行距離、修復歴、内外装の状態などが細かくチェックされ、加点・減点方式で価格が算出されています。全国で一定の基準が使われているため、公平性と透明性が保たれているといえるでしょう。

ただ、この評価はあくまでも「標準的な状態」を前提としたもので、市場で一時的に需要が高騰している車種や、希少グレードなどのプレミア価値が十分に反映されていない場合があります。

オークション相場などのリアルタイムな高騰が反映されないため、人気の車種だったとしても査定額が伸び悩むケースも考えられます。

つまり、ディーラーの下取りでは安定した査定が行われる一方、市場の動向が価格に反映されにくいと言えるでしょう。

ディーラーで下取りに出すメリット

ディーラーで下取りに出すメリット

ディーラーの下取りは価格だけを見ると不利に感じることがありますが、明確なメリットがあります。それは「手間の少なさ」と「安心感」です。

特に、仕事や子育てで忙しい方にとっては、数万円の差よりも時間の節約のほうがメリットに感じるケースもあります。

車の購入と売却の手続きをワンストップで完結できる

ディーラーで下取りに出すメリットは、新車の購入契約と同時に売却手続きが進むことです。

査定、契約、名義変更、抹消登録、ローン精算まで、基本的にディーラーが窓口になるため、買取店とディーラーを別々に回る必要がありません。査定日程の調整や、売却タイミングのすり合わせも不要です。

また、ローン残債がある場合も、ディーラーが金融機関との手続きを代行するケースが多く、書類の準備や確認の負担が軽減されます。

初めて車を売却する人にとっては、専門スタッフに一括で任せられる点は大きな安心材料でしょう。

納車ギリギリまで今の車に乗り続けられる

買取の場合、査定額の有効期間が短いことがあり、引き渡し時期が早いほど高値が付く傾向があります。ただ、車を乗り換える場合だと、次の車が納車されるまで車がない期間が発生しやすい点に注意が必要です。

その点、ディーラーの下取りなら、新車の納車日に合わせて車を引き渡せるため、通勤や通学、買い物など日常的に車を使う人にとっては、車がないことで生じる影響を最小限に抑えられます。

仮に納車が遅れた場合でも、ディーラーが代車を手配しやすい体制を整えているため、乗り換えに伴う不安が解消される点もメリットです。

ディーラー下取りのデメリットと注意点

ディーラー下取りのデメリットと注意点

ディーラー下取りは便利な反面、価格面では慎重に確認し、判断する必要があります。特に人気の車種や高年式の車の場合は、確認を怠ると大きな差が生じる可能性があるため、契約前には査定額の内訳や手数料などを必ず確認しましょう。

ここでは、ディーラー下取りを行う際のデメリットや注意点について解説します。

買取業者の査定額と比較して数十万円の差額が出ることも

中古市場で需要が高いとされるミニバンやSUV、ハイブリッド車などは、買取専門店の方が高い査定額を掲示する傾向があります。なぜなら、買取業者は国内販売だけでなく輸出や専門オークションなど再販ルートを多く持っており、強気の査定が可能になるからです。

特に人気車種や高年式車の場合、ディーラー下取りと買取専門店では、10万円〜数十万円単位の差が生じるケースも珍しくありません。

ディーラーから提示された額が安すぎると感じた場合は、契約前に1度買取店の査定を受けて判断することが、損失の回避につながります。

社外パーツや他メーカー車は評価が低くなりやすい

ディーラーの評価基準は純正状態です。そのため、社外ナビやアルミホイール、エアロパーツなどは必ずしもプラスの査定にはならず、場合によっては減点対象になるケースもあります。

また、ディーラーでは他社のメーカーの車を自社の認定中古車として販売できないため、販路が限られることも、査定が低くなりやすい理由です。

売却しようとしている車がこだわりのカスタムカーだったり、購入するディーラー以外のメーカーの車の場合は、買取専門店の方が高く評価してくれる可能性があります。

ディーラーの下取り査定額を少しでも高くする交渉術

ディーラーの下取り査定額を少しでも高くする交渉術

査定額を左右するのは、「事前準備」と「情報量」です。基本的に査定基準が決まっているディーラー下取りでも、交渉や準備次第で査定額がアップし、実質的な値引きを引き出せる可能性はあります。

しかし、ディーラーが提示した金額をみて、単に「もう少し高く買ってもらえませんか?」とお願いするだけでは、大きな上積みは難しいでしょう。ディーラー側も社内の基準に沿って価格を出しているため、根拠のない値上げは難しいからです。

大切なことは、「客観的な材料をそろえて交渉すること」です。他社の見積もりなど、比較できる情報があると、交渉の質が上がります。

事前に買取店の査定を受けて愛車の相場を把握しておく

まずは、ディーラーへ行く前に買取店で査定を受け、相場を確認しましょう。買取店で査定を受けることで、現在の中古車市場でどのくらいの価格が付くのか、おおよその目安が分かります。そして、これは単なる参考価格ではなく、最強の交渉材料です。

たとえば、ディーラーの査定額が相場よりも低いなら、「他社ではこの価格を提示されたのですが、御社ではどこまで高くできますか?」と具体的に交渉できます。

ディーラー側も新車購入の契約が無しになるのはできるだけ避けたいと考えるため、社内調整や再査定を行って条件を見直してくれる可能性が考えられます。

逆に相場を知らずに交渉すると、ディーラーが提示した金額が妥当かを判断できず、結果として数万円〜数十万円低い価格で手放してしまうリスクがあるのです。

「下取り価格」と「新車値引き」を分けて交渉する

査定額を少しでも高くする際に重要なポイントが、「金額の見える化」です。

ディーラーの見積もりでは、「下取り価格」と「新車本体からの値引き」が合算され、最終的に総支払額で調整されるケースが多く見られます。

一見すると総額が安くなっているためお得に感じがちですが、実際には下取り価格を低く設定し、新車の値引きを増やすといった調整が行われている可能性があります。

この状態では、本当に下取り価格が高いのかを判断できません。

そのため、必ず「下取り価格」と「新車本体からの値引き額」をそれぞれ提出してもらい、下取り価格は下取り価格で、値引き額は値引き額でと、それぞれ個別に話を進めることが大切です。

そうすることで、下取り価格を高くする代わりに新車本体の値引き額を減らすという操作が防げ、純粋に高い下取り価格を得るための交渉の余地が明確になります。

ディーラーの下取りから納車までの流れ

ディーラーの下取りから納車までの流れ

続いては、ディーラーの下取りから納車までの流れについて見ていきましょう。それぞれの流れについて、押さえておきたいポイントや注意点を解説します。

1. 購入を検討しているディーラーに問い合わせ

購入したい車を指定して、ディーラーに問い合わせをします。ディーラーが混雑している場合は待ち時間も多くなるため、Webサイトまたは電話で日時を予約してから店舗に行きましょう。なお、来店までに事前に聞きたいことを、書き出しておくことをおすすめします。

2. 下取り査定を受ける

購入する新車の見積もりを取ったら、ディーラーに車を持ち込み、車を査定してもらいます。多くの場合、査定見積もりは無料です。なお、下取りの査定をディーラーに依頼する際には、「自動車検査証」「自賠責保険証明書」「自動車納税証明書」が必要となります。
査定に出す際は高値で売却できるように、中古車需要が高くなる時期を見極めるのが重要です。2月や8月などがおすすめとされています。

3. 新車の購入と下取りの契約を結ぶ

新たに購入する車が決まり次第、購入契約を結びます。新車の購入契約と車の下取り契約をすると、購入と下取りについてはキャンセルができないので注意しましょう。

4. 納車時に下取りに出す車を引き渡す

購入契約と下取り契約が終わった後は、新しい車の納車を待ちます。納車までのあいだは現在の車に乗り続けられるので、引き渡しと同時に納車できるようにしてもらいましょう。

ディーラーの下取りと買取で迷ったときのポイント

ディーラーの下取りと買取で迷ったときのポイント

ディーラーの下取りと買取で迷ったときには、「手間を優先するか」もしくは「金額を優先するか」を最終的な判断基準にしましょう。

どちらを優先するかによって、おすすめの売却方法は異なります。
<下取りのほうがいいケース>
・同じメーカーの車に乗り換える
・新車購入と売却を同時に行い、手間をかけたくない
・ディーラーでの信頼性や安心感を重視する
<買取のほうがいいケース>
・ほかのメーカーの車に乗り換える
・オプションやカスタマイズパーツが多く装着されている
・手間がかかっても、より高い査定額を重視する
とはいえ、下取りと買取でどれぐらい査定額の差があるのか気になる人も多いのではないでしょうか。そのような場合は、車買取会社に一度無料査定を出してから、その査定額を参考にディーラーに下取りに出すこともひとつの方法です。
車買取会社の査定額とディーラーの下取りの査定額の差を比較できれば、納得のいく売却方法を選ぶことができます。

ディーラーの下取りのメリット・デメリットを知って、賢く車を売ろう

ディーラーの下取りと買取のどちらがいいかは、個々の状況やニーズによります。下取りは新車購入と売却を一度にすませられる手軽さや安心感がありますが、車買取会社に比べて査定額が低くなります。

一方、買取は高額査定が期待できますが、手続きなどに手間がかかる点がデメリットです。それぞれのメリットとデメリットを理解し、自分にとって最適な選択をしましょう。どちらで売却するか迷った場合は、車買取会社に見積もりを依頼するのもおすすめです。現在の中古車市場の相場を知ることができ、納得できる価格での車の売却につながります。

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新井 智美

監修者新井 智美

トータルマネーコンサルタント

■プロフィール
マネーコンサルタントとしての個人向け相談、NISA・iDeCoをはじめとした運用にまつわるセミナー講師のほか、金融メディアへの執筆および監修に携わっている。
現在年間200本以上の執筆・監修をこなしており、これまでの執筆・監修実績は3,000本を超える。

(保有資格)
・1級ファイナンシャル・プランニング技能士
・CFP ®
・DC(確定拠出年金)プランナー
・住宅ローンアドバイザー
・証券外務員

公式サイト:https://marron-financial.com/

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