車を売却したら自賠責保険の保険料は還付される?

車を売却したら自賠責保険の保険料は還付される?

自賠責保険は、法律で車の所有者に加入義務が課されているため、「強制保険」とも呼ばれます。任意保険を解約したときは、残りの保険期間に応じて解約返戻金を受け取れることがありますが、自賠責保険の場合はどうなるのでしょうか。
この記事では、車を売却した際に自賠責保険の保険料は還付されるのか、査定額への影響の有無などについて解説します。

mokuji目次

  1. 加入が義務付けられている自賠責保険
    1. 自賠責保険は車を売却したら還付金が受けられる?
  2. 買取会社から自賠責保険は還付される?
  3. 自賠責保険が切れていれば車を売却できない?
  4. 車を売却しても自賠責保険は解約にならない

加入が義務付けられている自賠責保険

自賠責保険は強制保険とも呼ばれ、車の所有者に加入が義務付けられた保険です。対人事故で他人にケガを負わせたり、死亡させたりした場合に、自賠責保険によってその損害が一定額補償されます。自賠責保険料は車種や保険期間、地域に応じて、政令で定められた保険料を納めなければなりません。

自賠責保険は1ヵ月ごとに更新することもできますが、更新手続きが煩雑になるため、24ヵ月や36ヵ月で更新とする人が多いようです。基本的に保険料は一括払いのため、特に更新したばかりで車を売却する人などは、解約して保険料が還付されるのか気になる人もいるでしょう。2024年4月以降の自賠責保険料は、下記のとおりです(2024年7月現在)。
■2024年4月以降始期の自賠責保険料(沖縄、沖縄以外の離島を除く)

車種

12ヵ月

24ヵ月

普通自動車

1万1,500円

1万7,650円

軽自動車

1万1,440円

1万7,540円

※日本損害保険協会「自賠責保険料の試算」

自賠責保険は車を売却したら還付金が受けられる?

車を売却した場合、自賠責保険は原則として解約とはなりません。自賠責保険は車の所有者や運転者ではなく、車に対してかけるものです。売却の際は、次のオーナーにその権利を譲渡することになります
自賠責保険を解約できるのは、廃車や手違いによる重複契約の場合のみです。解約した場合は、残りの保険期間に応じて還付金を受け取れますが、車を売却した際は解約するわけではありません。そのため、基本的に払い込んだ保険料は受け取れないものと考えてください

車を売却した後、自賠責保険の名義変更は必要ですが、買取会社が手続きを行うため、オーナー自身ですることはありません。なお、任意保険の場合は解約や変更の手続きが必要になるので、忘れずに行いましょう。

車売却後の任意保険の手続きについては、下記の記事をご覧ください。
車を売却したら自動車保険はどうすべき?ケース別の手続きを解説

買取会社から自賠責保険は還付される?

買取会社から自賠責保険は還付される?

自賠責保険の保険料は、基本的に前払いです。保険期間の途中で売却しても解約はされないため、還付金もなく、支払った分の保険料が無駄になってしまいます。

そこで、保険期間が残っている状態で車を売却すると、買取会社が査定額に上乗せしてくれたり、個別に支払ったりしてくれるケースがあります。多くは売却を決定する前の査定の段階で、上乗せや支払いがいくらになるかを提示されるため、確認してから売却を決めてもいいでしょう。
上乗せする額は、一般財団法人日本自動車査定協会(JAAI)が基準を定めており、3ヵ月以上保険期間が残っていると1,000円上乗せされます。その後2ヵ月ごとに1,000円ずつ加算されるように定められています。買取会社によって基準は違いますが、これを参考にする場合が多いようです。

ただし、自賠責保険の残存期間分の保険料を支払うのは、買取会社の義務ではありません。いくら上乗せされるかはあくまで目安であり、必ず上乗せしてもらえるとは限らないことは念頭に置いてください。

自賠責保険が切れていれば車を売却できない?

しばらく乗っていない車を売却する際など、自賠責保険の有効期限が切れていることもあるかもしれません。自賠責保険の有効期限が切れていても車を売却することは可能ですが、注意しなければならないことがあります。

自賠責保険は車検と同時に更新することが多いため、自賠責保険の有効期限が切れている場合は車検も切れている場合が多いです。自賠責保険と車検の有効期限が切れていれば公道を走ることはできないため、買取会社に出張買取を依頼しましょう。希望の場所で査定してもらえるので、公道を走れない車でも売却が可能です。
ただし、売却後に車を引き取ってもらうときに、公道を走れないため積載車などが必要になり、通常の車の売却より手数料などがかかる可能性があります。

車検が切れている車が一時的に公道を走る方法としては、市区町村の役所で仮ナンバー(自動車臨時運行許可証)を発行してもらう方法がありますが、そのためには自賠責保険に加入していなければなりません。
自賠責保険が切れている状態だと、通常の車売却よりも手間がかかるため、ある程度の有効期間が残っているうちに売却することをおすすめします

車を売却しても自賠責保険は解約にならない

車を売却する際、自賠責保険は解約にはならないため、払い込んだ保険料が還付されることはありません。損をしたように感じるかもしれませんが、買取会社によっては、自賠責保険の残りの期間に応じて査定額に上乗せしてくれる場合があります。ただし、上乗せは絶対にしてくれるものではないことは覚えておきましょう。

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