車の下取りと買取の違いとは？お得に車を手放すポイントを解説

車を売却する際には、「下取り」か「買取」を選ぶのが一般的です。車の下取りと買取は、車を売却するという点では同じなので意味を混同しがちですが、売却先や手続きなどが異なります。また、車の状態や所有者の考え方によって、下取りと買取のどちらを選べばいいかが変わってきます。
この記事では、車の下取りと買取の違いと、お得に車を手放すポイントについて詳しく見ていきましょう。

目次

1. 車の下取りはディーラー、買取は車買取会社に売却すること
2. 車の下取りのメリット
   1. 手間が少ない
   2. 車の引き渡しのタイミングを調整できる
   3. 状態の悪い車でも、値段がつくことがある
3. 車の下取りのデメリット
   1. 売却金額が低い傾向がある
   2. プラス評価が反映されにくい
   3. 売却額を新車購入費にしかあてられない
4. 車の買取のメリット
   1. 査定額が高い傾向がある
   2. 買取代金を現金で受け取れる
   3. プラス評価が反映されやすい
5. 車の買取のデメリット
   1. 手間がかかる
   2. 車の引き渡しのタイミング調整が難しい
   3. 売却時期によって車の買取額が低くなる
6. 車の下取りと買取はどちらがお得？
   1. 車の下取りが合っている人
   2. 車の買取が合っている人
7. 車の下取りと買取で必要なもの
8. 車の下取りと買取は、自分に合った方法を選択しよう

車の下取りはディーラー、買取は車買取会社に売却すること

車を手放す際には、主に下取りと買取という2つの方法があります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
下取りは所有している車をディーラーに引き取ってもらい、新しい車の購入代金から下取り金額を差し引いてもらう売却方法です。下取りはディーラーで車を購入する際に利用できます。

買取は所有している車を車買取会社に売却することを指し、売却したお金は現金として手元に残るので使い道は自由です。
一方の下取りは、車の購入が前提であり、買取は購入とは関係なく売却したお金が手元に残るという違いがあります。この違いを理解し、自分にとって最適な方法を選びましょう。

車の下取りのメリット

車の下取りのメリットは、車の引き渡しと新車購入が一括で行え、車の所有者の時間と労力を軽減してくれる点です。手間をかけずにスムーズに新車に乗り換えたい人にとって、便利な方法といえます。ここでは、車の下取りを依頼するメリットを詳しく紹介します。

手間が少ない

下取りは、新車の購入と車の売却を1つの店舗で済ませられるため、手間が少ないことがメリットです。
車の購入と売却には、複雑な契約手続きが発生します。ディーラーでは、それらの手続きを一括で行えるため、所有者自身で複雑な手続きを行う必要がありません。

車の引き渡しのタイミングを調整できる

下取りの場合、車の引き渡しと新車の納車を、同じタイミングに調整することが可能です。これにより、車がない期間を作らず、スムーズに新車に乗り換えられるため、生活や仕事に支障が出ることがありません。ディーラーが一連の流れを管理してくれます。

また、ディーラーの都合で車の引き渡し日が新車の納車日よりも前倒しになる場合、無料で代車を貸し出してくれることが大半です。そのため、車の売却のタイミングを気にする必要がありません。

状態の悪い車でも、値段がつくことがある

下取りでは、ディーラー側の目的が下取りではなく、新しい車の販売にあるため、市場価値がない車でも下取り価格を提示してくれる可能性があります。
車買取会社で納得のいく買取価格がつかなかった場合でも、ディーラーである程度の下取り価格を提示してくれることがあるため、相談してみてはいかがでしょうか。

車の下取りのデメリット

車の下取りを考えたときに心配なのは、金銭的なデメリットです。査定価格によっては、次の車の選択肢が変わってしまうかもしれません。車の下取りのデメリットをご紹介します。

売却金額が低い傾向がある

下取り価格は、単純な売却金額だけ見た場合、買取よりも安くなる傾向があります。価格差が出る大きな原因は、下取りと買取で査定の方法が異なるからです。
ディーラーでは基本的に、車両の年式と走行距離、状態によって下取り額が決まります。

プラス評価が反映されにくい

ディーラーは車の下取りをする際、主に年式、走行距離、車種、市場の需要と供給を基に評価をしています。そのため、特別にカスタマイズされた車や後付けオプションを搭載した車などは、プラス評価になりにくい傾向です。さらに、中古車市場の情勢が売却価格に反映されないため、市場で人気のある車でも価格がつきにくいのが実情です。
また、ディーラーが扱うメーカー以外の車を下取りしてもらう際には、プラス評価がされにくくなります。

売却額を新車購入費にしかあてられない

ディーラー下取りの場合、車を買い取ってもらったお金は、新車の購入代金にあてられます。売却代金が手元に残らないのは、デメリットといえるでしょう。
車買取会社の買取では、車の売却額を受け取れるため、何に使うかは自分で決められます。

車の買取のメリット

車の買取の大きなメリットは、下取りよりも査定額が高くなる傾向がある点です。車を購入する際の金銭的な負担を減らしたいのであれば、買取を検討するといいでしょう。ここでは、車の買取のメリットについて詳しくご紹介します。

査定額が高い傾向がある

車をより高く売りたいと考えている人にとって、買取という選択肢は下取りに比べて高額になることが多いため、魅力的です。特に、買取先の得意な車種や人気車種、人気のオプションを備えている車は高く売れる傾向があります。手続きなどの手間は増えますが、複数の車買取会社に見積もりを依頼することで、より良い条件で売却することも可能です。

買取代金を現金で受け取れる

車の買取は、買取代金を現金で受け取れるため、車の購入資金以外の使い道にも利用できます。急な出費で現金が必要な場合やほかの出費にあてることができるのは大きなメリットです。

なお、買取の契約をしてから入金されるまでの期間は、車買取会社によって異なります。買取代金の半額が当日に支払われ、後日残りの代金が振込されるケースもあります。受け取った現金を使用したい時期が決まっている場合は、事前に確認しておきましょう。

プラス評価が反映されやすい

車の買取の場合、車種やグレード、装備などのプラス評価が反映されやすく、結果的に高く売れる傾向があります。特にオプションパーツが多い場合や、人気車種であれば高額査定が期待できるでしょう。ほかにも、後から取り付けることが難しい純正オプション品があれば、査定額がアップしやすいといわれています。
人気車種を所有している場合や、価値のあるオプションパーツ・装備を備えている場合は、買取を選択肢に入れましょう。

車の買取のデメリット

買取は、車買取会社に相見積もりを取ったり、車の引き渡しのスケジュールを調整したりと、所有者の手間がかかる点がデメリットです。また、タイミングを間違えると買取の最大のメリットである査定額の高さが反映できない場合があります。そこで、査定前に確認しておきたいデメリットを3つご紹介します。

手間がかかる

車を売却する際は、下記のように複数の車買取会社と連絡をとり、相見積もりや価格交渉などを行うことが一般的です。そのため、下取りよりも多くの手間が発生します。

＜車買取会社の買取の流れ＞
1. 複数社に見積もり査定を依頼する
2. 出張査定や店舗で査定を受ける
3. 提示された査定価格で契約する
4. 必要書類を提出する
5. 売却する車を引き渡す
6. 買取金額を受け取る

見積もりには有効期限があり、車買取会社によって異なりますが、1週間前後と短期間です。そのため、複数業者への査定依頼は、同時期にしなければなりません。
短期間で複数の車買取会社と連絡を取り合って交渉をしなければならないのは、デメリットといえるでしょう。

車の引き渡しのタイミング調整が難しい

売却するタイミングによっては車がない期間が発生するので、車を引き渡すタイミングを注意する必要があります。大手の車買取会社であれば、無料で代車を借りられるケースが多いですが、代車の用意がない場合もあるので、事前に確認するといいでしょう。
車の引き渡し日と新しい車の納車日の期間をできるだけ短くできるか、その期間に代車を借りられるか、タイミングの調整や交渉をする必要があります。

売却時期によって車の買取額が低くなる

車の買取額は、さまざまな要因で変動します。タイミングによっては思っていたよりも低い価格の査定額を提示される場合もあるでしょう。特に、新車や中古車を購入するピークが過ぎ需要が減少する4月と、年末イベントによる出費で車の購入を控える人が増える12月は高く売りにくい傾向があります。一方で、新年度に向けた需要が高まる1〜3月または、決算セールにより新車販売が活発になる9〜10月に高く売りやすいといわれているのです。
車を高く売るには、車検前、フルモデルチェンジ前、10年落ちあるいは走行距離10万kmを超える前など、適したタイミングがあります。これらのタイミングを逃さないようにすることで、より高い価格で売却できる可能性が高くなります。

車の売却のタイミングについては、下記の記事をご覧ください。
車が高く売れる時期はいつ？売却のタイミングと高く売る方法を紹介

車の下取りと買取はどちらがお得？

車の買取は査定が高額になる傾向があるため、金額面だけで考えるとお得といえるかもしれません。しかし、下取りにもさまざまなメリットがあるため、目的によってどちらが自分に向いているのか判断する必要があります。
車を手放す際には、下取りと買取の両方の条件を見比べてから検討することをおすすめします。

車の下取りが合っている人

車の下取りは、「新車を購入するので、車の下取りから任せたい」「手間と時間をかけたくない」と考える人に最適です。ディーラーに車の引き渡しと納車を任せられるので、一連の手続きをスムーズに進められます。

また、車がないと日常的な生活が難しい人にも下取りが向いています。ディーラーであれば新車の納車と同時に下取りに出すことが可能で、ディーラー都合で下取りが先になった場合も無料で代車を用意してくれることがほとんどです。日常的に車が必要な生活を送っていて、車がない期間を避けたい人にとっては下取りが便利でしょう。

車の買取が合っている人

車の買取は、下取りと比べて高値で売却できる可能性が高いため、少しでも車を高く売却したい人に向いています。人気の車種やグレード、純正オプション品を搭載されている車は評価されやすく、市場価値が高い車を持っている人は買取を検討したほうがいいでしょう。

下取りで値がつきにくい古い車でも、車買取会社であれば査定額がつく可能性があります。車買取会社は無料査定を行っていることが多いため、まずは相談して積極的に査定を受けてみることをおすすめします。
買取ではオプションパーツが多い場合はその分をプラス評価してもらえることが多くあります。特にカスタムカーなどは、車買取会社のほうが評価が高い傾向です。

車の下取りと買取で必要なもの

車を手放す際には、下取りと買取のどちらの場合も同じ書類が必要です。なお、軽自動車と普通車では、必要な書類が異なるため注意してください。

＜軽自動車の売却に必要なもの（例）＞
・自動車検査証（車検証）
・自賠責保険証明書
・軽自動車税納税証明書
・自動車リサイクル券
・印章（浸透印以外の認印）
・金融機関の振込先口座情報
・住民票（引越しにより車検証に書かれた住所と現住所が異なる場合）
・自動車検査証記入申請書（車買取会社で作成する書類）

＜普通車の売却に必要なもの（例）＞
・自動車検査証（車検証）
・自賠責保険証明書
・自動車税納税証明書
・自動車リサイクル券
・実印
・印鑑登録証明書
・金融機関の振込先口座情報
・住民票（引越しにより車検証に書かれた住所と現住所が異なる場合）
・譲渡証明書（車買取会社が用意する場合が多いですが、国土交通省のWebサイトからダウンロード可能）
・委任状（車買取会社で作成する書類）

車の売却に必要な書類については、下記の記事をご覧ください。
車の売却に必要な書類とは？車を高く売るために必要なものも解説

車の下取りと買取は、自分に合った方法を選択しよう

車の下取りは手間がかからず、車がない期間を避けられますが、下取り価格は低くなりがちです。買取は高額査定が期待できる反面、手続きに手間がかかり、売却するタイミングによっては思った以上にメリットがないと感じることもあります。
車の下取りと買取は、自分のライフスタイルやニーズに合わせて、どちらの方法が最適か検討することが大切です。手間をかけずにスムーズに進めたいなら下取り、高額で売却したいなら買取を選択しましょう。

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