車は買取と廃車どっちがいい？判断基準とお得に手放すポイントを解説

古い車や事故で壊れてしまった車を手放すにあたって、買取にするべきか廃車にするべきか迷っている人もいるのではないでしょうか。買取と廃車には大きな違いがあり、それぞれのメリットを知ることで、愛車を手放す最善の方法がわかるはずです。

今回は、車の買取と廃車の違いや、どちらを選ぶべきかを判断する際の基準について解説します。売却する際にできるだけ高く買い取ってもらう方法や、車買取会社の選び方にもふれていますので、ぜひ参考にしてください。

目次
■車の買取と廃車の違い
　・買取：中古車買取会社に車を売却すること
　・廃車：車を公道で走行できない状態にすること
■買取と廃車を判断する際のポイント
　・買取にしたほうがいいケース
　・廃車にしたほうがいいケース
■車を高く買い取ってもらうには？
　・廃車買取会社より中古車買取会社を選ぶ
　・きれいな状態で査定に出す
　・純正オプションや付属品をそろえておく
■中古車買取会社の選び方のポイント
　・全国から買取を受け付けているか
　・利用者から支持を得ているか
■廃車は中古車として買い取ってもらえないときの選択肢として考えよう

車の買取と廃車の違い

車の買取と廃車では、手続きの方法や必要な書類が異なります。まずは、それぞれの特徴と手続きに必要な書類等をご紹介します。

買取：中古車買取会社に車を売却すること

買取とは、中古車買取会社で車を売却することを指します。中古車買取では、中古車買取会社が車を中古車として売り出すことを前提に、所有者が車を売却します。買取は下取りと混同しがちですが、両者は似て非なるものです。

下取りは主に、ディーラーで新たに車を購入する際に、所有している車をディーラーに買い取ってもらい、新車の購入代金にあてる方法です。買取では車の売却額を受け取ることになりますが、下取りは下取り価格を新車の購入代にあてるため、現金は手元に残りません。
このように「車の売却のみ」の場合は買取、「購入する車の代金に充当する」場合は下取りと区別されています。

車の買取に必要な書類

車の買取に必要な書類は、普通自動車と軽自動車で異なります。それぞれに必要な書類等は下記のとおりです。

普通自動車の買取に必要な書類等

1. 自動車検査証（車検証）
2. 自賠責保険証明書
3. 自動車リサイクル券
4. 自動車税（種別割）納税証明書
5. 実印・印鑑登録証明書
6. 委任状・譲渡証明書

軽自動車の買取に必要な書類等

1. 自動車検査証（車検証）
2. 自賠責保険証明書
3. 自動車リサイクル券
4. 軽自動車税（種別割）納税証明書
5. 実印（認め印でも可）

普通自動車・軽自動車ともに、（1）〜（4）の書類はダッシュボードの中など、車に保管されていることが多い書類です。
普通自動車を売却する際に必要な「委任状・譲渡証明書」は、一般的に中古車買取会社に用意されている書類であるため、売り手が事前に取り寄せる必要はありません。

新たに用意する必要があるものは、普通自動車の場合「実印」「印鑑証明書」、軽自動車の場合「実印または認め印」のみです。

車を売却する際の書類については、下記の記事をご覧ください。
車の売却に必要な書類とは？車を高く売るために必要なものも解説

廃車：車を公道で走行できない状態にすること

廃車とは、車を公道で走行できない状態にすることを指します。陸運支局で廃車手続きを行った車は、車の情報が取り消されるため、公道を走行することはできません。

廃車手続きには、「永久抹消登録」と「一時抹消登録」の2種類があります。永久抹消登録はこの先車を使用することがない場合に行い、一時抹消登録は車の使用を一時的に休止する場合に行う手続きのことです。車を手放すにあたって廃車を選択する場合は、永久抹消登録の手続きを行います。

廃車（永久抹消登録）に必要な書類

永久抹消登録の手続きは所有者が行うこともできますが、車を処分する際に依頼する解体業者が代行するケースがほとんどです。そのため、車を廃車にして解体処分するときは、解体業者に手続きに必要な書類を提出すれば問題ありません。

永久抹消登録に必要な書類等は、下記のとおりです。

車の永久抹消登録に必要な書類等

1. 永久抹消登録申請書
2. 手数料納付書
3. 所有者の印鑑（登録）証明書
4. 車検証（自動車検査証）
5. 自動車登録番号標
6. 委任状（代行業者に依頼する場合等）

買取と廃車を判断する際のポイント

車を手放すにあたり、中古車買取会社に買い取ってもらうか、廃車にするべきか迷った場合、どのような基準で判断すればいいのでしょうか。買取と廃車、それぞれに適したケースをご紹介します。

買取にしたほうがいいケース

車を手放すのであれば、基本的に廃車にするより買い取ってもらうほうがお得といえます。古い車や傷、へこみがある車でも売却できる場合があるため、まずは中古車買取会社に買取査定を依頼して、売却が可能か確認しましょう。

ただし、全損してしまい走行ができないような状態の車や、水没車などは中古車買取会社での売却は難しい場合が多いと考えられます。このような車は、高額な費用をかけて修理しても買い手がつく可能性が低く、中古車買取会社の利益が見込めないためです。

廃車にしたほうがいいケース

全損や水没車など、車として使用するのが難しい状況であれば、前述のとおり中古車買取会社の売却が難しいと考えられるため、廃車を選択することをおすすめします。

廃車手続きを行うと車の登録が抹消されるため、自動車税を納付する必要がなくなります。場合によっては自動車税や自賠責保険の還付金を受け取れることもあるため、廃車を選択するのであればできるだけ早く手続きを行いましょう。

なお、廃車にする場合は、永久抹消登録して車を処分する方法に加え、廃車買取会社に車を買い取ってもらう方法があります。廃車買取とは、廃車にすることを前提に車を買い取ってもらうことです。廃車買取会社は、走行できない状態の車であっても分解してパーツを販売したり、海外に輸出したりして利益を得ています。そのため、中古車買取会社で売却できないような車でも、廃車買取会社であれば売却できる可能性があるのです。

車を高く買い取ってもらうには？

古い車や傷、へこみがある車でも、買い取ってもらえることが多くあります。そのような車でも、できるだけ高く買い取ってもらうために、買取査定を依頼する際のポイントをご紹介します。

廃車買取会社より中古車買取会社を選ぶ

車の買取では、廃車買取よりも中古車買取のほうが査定額は高くなるのが一般的です。そのため、全損などで走行できないといった状態でなければ、まずは中古車買取会社に査定依頼をすることがポイントです。廃車買取会社への依頼は、中古車買取会社での売却が難しいときの選択肢として考えましょう。

きれいな状態で査定に出す

買取査定時には、査定士が受ける印象が査定額に影響を与える可能性があるため、きれいな状態で査定に出すことが大切です。

査定の前に、洗車をして外装の汚れを取り除き、車内に掃除機をかけて細かなゴミをなくしておきます。車内のにおいも査定額に響く可能性があるため、天気のいい日に窓やドアをしばらく開けておくなどして、においにも気を配ります。
こうした準備によって査定額が大きく上がるとは言い切れないものの、少なくともマイナス評価にはなりません。車がいい状態ではないとはいえ、車が汚れた状態で買取査定に出すことのないよう、注意してください。

純正オプションや付属品をそろえておく

車を購入したときの純正オプションや付属品がそろっているほうが、買取価格が上がる可能性があります。
純正オプションは、新車購入時の納車前にメーカーの工場で取り付けます。新車を購入したときにしか装着できないため希少価値が高く、査定がプラスに動くのです。

取扱説明書、標準工具、スペアタイヤなどの付属品に加え、点検記録簿もそろえておくのがおすすめです。
中古車販売では、「純正フロアマット」「点検記録簿あり」などの情報を記載して販売されるケースが多く見られます。中古車を探す人は、純正オプションや付属品がそろった状態の車を好む傾向があるため、査定額にも影響します。

車を高く売る方法については、こちらの記事をご覧ください。
車を高く売る方法とは？普段からできることについても解説

中古車買取会社の選び方のポイント

前述のとおり、全損などで走行できないといった状態でなければ、まずは中古車買取会社への査定依頼がおすすめです。ここでは、中古車買取会社の選び方のポイントをご紹介します。

全国から買取を受け付けているか

中古車買取会社選びのポイントのひとつは、全国から買取を受け付けているかどうかという点です。地域密着型の中古車買取会社の場合、近隣の中古車に対する需要が査定額に大きく影響することが考えられます。全国的には人気のある車種であっても、地元で人気がなければ査定額が低くなってしまう可能性も否定できません。

全国展開している中古車買取会社であれば、全国の需要を鑑みて査定額を算出してくれるケースが多いでしょう。結果として、地域によって偏りのない査定額を提示してもらえる可能性が高まります。

利用者から支持を得ているか

車の売却を考える際は、利用者に支持されているかなど、中古車買取会社の評判や口コミ情報のチェックも重要です。買取金額に納得している人が多いかどうかはもちろん、査定や契約時の対応や担当者が信頼できるかどうかなども口コミから知ることができるかもしれません。

廃車は中古車として買い取ってもらえないときの選択肢として考えよう

車を手放すことを考えたとき、まずは中古車買取会社での売却が可能かを確認しましょう。全損など走行が難しい車ではない限り、中古車買取会社で売却できる可能性があります。中古車買取会社での売却が難しい場合は、廃車手続きや廃車買取会社への売却を検討します。
中古車買取を依頼する際は、今回紹介したポイントを参考に、少しでも高く売却することを心掛けたり、中古車買取会社の口コミを確認したりすることが大切です。

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