【新等級制度と旧等級制度の違い(2)】等級据え置き事故が廃止され、1等級ダウン事故に!

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 契約内容や事故歴に応じてドライバーを1〜20等級に区分し、自動車保険の保険料の割増引率を定める「ノンフリート等級制度」が2012年4月1日に改定され、翌年から順次導入されてきました。

 大きな変更としては、まず、同一等級であっても事故を起こしたドライバーより無事故のドライバーの保険料負担のほうが少なく済むよう「無事故係数」と「事故有係数」を取り入れ、両者で異なる割増引率を設定した点。そして、もう1つの変更点が、「等級据え置き事故」の廃止です。

 今回は、「等級据え置き事故」にフォーカスし、運転中の飛び石や台風の影響など、防ぎきれない事故のケースが制度改正でどのように変化するのかをみていきましょう。

ドライバーに過失のない事故も、今後は「1等級ダウン」

 旧等級制度では、ドライバーが注意していても防ぎきれないという理由で、車両保険を使っても過失がないとみなされ、翌年の等級が変わらない「等級据え置き事故」が存在しました。ところが新制度では、この「等級据え置き事故」は廃止され、「1等級ダウン事故」として扱われることが決定。具体的には、以下の(ア)および(イ)いずれも満たす事故を指します。
(ア)下記のいずれかの事故であること
・車両保険のみ
・車両保険および無保険車傷害保険のみ
・車両保険および搭乗者傷害保険のみ
・車両保険、無保険車傷害保険および搭乗者傷害保険のみ
(イ)事故発生の原因が下記のいずれかに該当する事故であること
・火災または爆発
・盗難
・騒じょうまたは労働争議に伴う暴力行為または破壊行為
・台風、竜巻、洪水、高潮
・落書または窓ガラス破損
・いたずら
・飛来中または落下中の他物との衝突
 該当する事故を起こしてしまうと、翌年から1年間、事故有係数が適用されます。1年間を無事故で過ごせば、また無事故係数に戻りますが、保険料の負担を減らすためにも、盗難防止グッズを利用するなど、可能な範囲で対策をしていきたいものです。

「等級据え置き事故が1等級ダウン事故」反対が約7割 「意識」の変化は?

 オリコンが実施した調査によると、「等級据え置き事故の廃止」については【良いと思う】が28.9%で、【良くないと思う】が71.1%。約7割が反対していることがわかりました。これまでは等級が下がらなかった内容の事故もダウンするため、当然かもしれませんね。

 ドライバーからは「台風などで等級がダウンするのは納得できない」(東京都/40代/女性)、「本人の責任はあまりないと思うから」(茨城県/20代/男性)、「自然災害は仕方がない面もあるので、ダウンはきつい」(千葉県/30代/男性)、「コントロール不能なところを評価に含めるのはいかがなものか」(神奈川県/20代/男性)と、契約者の責任外である点に着目した意見が多く寄せられました。

 一方、賛成するドライバーに理由を尋ねると、「自然災害が多いから仕方がない」(福島県/50代/女性)、「事故は事故なので当然」(埼玉県/40代/女性)、「公平性が増す」(神奈川県/30代/男性)、「保険を使ったことが事実なら、等級はダウンするのが当然だと思う」(長崎県/30代/女性)と手厳しい声。事故内容は重視しない傾向にあるようです。

 今回の制度改定により【意識が変わった】と回答したドライバーは、約3割。具体的には、【事故を起こさないようにしようと思った】が43.4%で1位となっています。

 皆さんもこれを機に、自動車事故や加入中の自動車保険に関して、いま一度、考えてみるのも良いのではないでしょうか。

【調査概要】
調査テーマ:『2014年度 顧客満足度の高い自動車保険ベスト18』
調査対象:自動車保険に加入している20〜60代の男女1000人
調査期間:2013年12月13日〜20日
調査方法:インターネット調査
調査機関:オリコン・モニターリサーチ(外部リンク)(調査企画:株式会社oricon ME)

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