大手国産車メーカーが続々参入、テレマティクス保険市場 Hondaは10月に取り扱い開始

自動車に装備されている端末から取得される走行距離や速度、ブレーキの掛け方といった運転技術情報を基に保険料を算出する「テレマティクス保険」。日本でも年々注目度が高まっている。そんな中、日本の大手自動車会社が、自動車保険会社と連携して続々とテレマティクス保険の提供に乗り出している。既にトヨタが導入しているが、2022年10月からホンダも「Hondaコネクト保険」の取り扱い開始を発表。さらに日産も2022年秋から同様のプランを販売予定だ。

新世代コネクテッド技術搭載の『Hondaコネクト保険』、2022年10月提供開始

  • 画像提供:Honda

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ホンダは、新世代コネクテッド技術を搭載した車載通信モジュールである「Honda CONNECT(ホンダコネクト)」が搭載されている車を対象として、2022年10月から全国のHonda Cars(ホンダカーズ)において「Hondaコネクト保険」の取り扱いをスタートすることを発表。

Hondaコネクト保険では、テレマティクス技術で取得した走行データに基づき、運転性向を毎月スコア化。基準スコアに達していれば翌年の保険料が割り引かれる運転性向連動型のテレマティクス保険となっている。被保険者は走行データをHondaコネクテッドプラットフォームを介して走行データを保険会社に提供することで毎月更新される運転レポートで、運転スコアの確認や運転アドバイスを受けることができる。

画像提供:Honda

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同保険は損保ジャパン、東京海上日動、三井住友海上の自動車保険商品の特約という位置付けとなっており、全国のHonda Carsや損害保険代理店において取り扱われる。保険始期日以降の運転性向をスコアリングし、そのスコアに応じて翌年の保険料に割引が適用される同保険、運転スコアが基準未満の場合でも保険料が割り増しされるということにならないのがポイントだ。

Hondaコネクト保険は、2022年10月より申し込みが開始(保険会社によって申し込み開始日は異なります)され、保険責任開始時期は2023年1月からとなっている。
「Honda コネクト保険」取り扱い会社

損害保険会社

保険商品名(個人向け)

特約名

損保ジャパン

THE クルマの保険

保険料算出に関する特約(運転特性反映型)

東京海上日動

トータルアシスト自動車保険

運転性向による保険料算出に関する特約

三井住友海上

GK クルマの保険

車両運行情報による保険料算出に関する特約

日産自動車では、従来の保険プランに”新サービス”として追加

日産自動車も、2022年秋より「日産カーライフ保険プラン」においてテレマティクス保険の新たな二つのサービスの提供を開始することを発表している。

「日産カーライフ保険プラン」は2003年よりパートナー損害保険会社と日産フィナンシャルサービスとの共同で立ち上げた保険サービスで、アクシデントによりドアミラー・タイヤ・フロントガラスの交換が必要な場合や、小さなキズ・ヘコミの修理を無償提供するといった内容が好評の保険だ。

この保険に「運転挙動連動型保険」「事故対応高度化サービス」という2つの新しいサービスが追加される形となる。「運転挙動連動型保険」ではテレマティクス技術で車両から走行データを取得し、運転挙動をスコア化することでスコア結果に応じて保険料割引が適用。また、「事故対応高度化サービス」では万が一の事故に際し、救急や警察対応、レッカー手配や保険会社への事故報告までサポートしてくれるものとなっている。

いち早く導入したトヨタ自動車は、取り扱い会社を拡大

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いち早くコネクテッドカーと連携したテレマティクス保険を開始したトヨタ自動車は、2018年4月からあいおいニッセイ同和損保と「トヨタコネクティッドカー保険」の販売を開始していたが、2021年10月より取扱保険会社を拡大。新たに取り扱いをスタートしたのは東京海上日動、三井住友海上、損保ジャパンの3社となっている。
「トヨタコネクティッドカー保険」の取り扱い会社

損害保険会社

保険商品名(個人向け)

特約名

あいおいニッセイ同和損保

トヨタつながるクルマの保険プラン

運転特性情報による保険料算出に関する特約

東京海上日動

コネクティッドカー保険プラン

運転性向による保険料算出特約

三井住友海上

GK クルマの保険 コネクティッド

車両運行情報による保険料算出に関する特約

損保ジャパン

コネぴた
コネクティッドカー専用自動車保険

保険料算出に関する特約(運転特性反映型)

「トヨタコネクティッドカー保険」はトヨタ車・レクサス車のT-Connect対応車種においてアクセル・ブレーキ操作といった運転データをスコア化し、そのスコアに基づいて保険料の割引が適用される保険となっており、運転データは保険会社にも共有。万が一事故が起き、状況説明が困難な場合でも運転データで状況把握が可能なため、事故対応や示談交渉といった保険会社のサポート対応にも安心感が持てる。

毎月、運転データを基に安全運転スコアやスコアアップのためのアドバイス、地域別・契約者全体におけるランキングといったスコアレポートも提供されるため、安全運転意識の向上にも一役買う仕組みとなっている。

海外では、テスラ社のリアルタイム変動型保険が話題に

日本よりもテレマティクス保険の普及が進んでいる海外では、テスラが昨年、テレマティクス保険の提供を始めたことが話題となった。現時点では対象モデル、地域こそ限られているものの、アメリカ・テキサス州などにおいてリアルタイム変動型の自動車保険も提供されている。同社では、車載システムで運転スコアを計測でき、各月の安全運転の度合いに応じて保険料が毎月変動する仕組みを導入している。

国内外で次々と開発されるテレマティクス保険。今後、テレマティクス技術を活用した新たな自動車保険サービスへの注目が益々高まっていくだろう。
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