注文住宅の相場はいくら?建築費や土地代、坪別費用などを解説
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家の建築を検討している方は、まずは相場を把握することが第一歩です。
国交省のデータ等を基に、注文住宅の平均価格や費用の内訳、予算に応じて建てられる家の特徴をわかりやすく解説します。
目次
注文住宅の相場
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※参照:国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査報告書」
さらに都市圏に絞った場合は、全国平均よりもさらに相場が高まります。
それぞれの項目別に詳細データを見てみましょう。
■注文住宅の相場データ
建築費用の相場
うち、自己資本比率は30%前後程となっており、建設費用の7割は借入金として用意していることもわかります。
【土地がある場合】と【土地が無い場合】、それぞれのデータは下記の通りです。
【土地あり】建築費用のみの相場
年度 | 全国平均 | 自己資本比率 |
令和6年度 | 4,695万円 | 38.9% |
令和5年度 | 4,319万円 | 29.2% |
令和4年度 | 3,935万円 | 29.9% |
令和3年度 | 3,459万円 | 28.1% |
令和2年度 | 3,168万円 | 26.8% |
令和2年度の全国平均は約3,168万円でしたが、令和6年度には約4,695万円にまで増加しており、ここ5年で1,500万円以上高くなっているのです。
また、自己資本比率(頭金の割合)にも変化が見られます。
令和5年度までは約30%前後で推移していたのに対し、令和6年度には38.9%と大きく増加しました。
実際の自己資金額も、令和2年度の848万円から、令和6年度には1,825万円へと倍以上に増えています。
これは、住宅価格の上昇により、ローンだけに頼ると返済負担が大きくなるため、購入者が頭金を多めに準備する傾向が強まっていることを示しています。
【土地なし】土地購入を含めた場合の相場
年度 | 全国平均 | 自己資本比率 |
令和6年度 | 6,188万円 | 32.2% |
令和5年度 | 5,811万円 | 29% |
令和4年度 | 5,436万円 | 30.6% |
令和3年度 | 5,112万円 | 23.5% |
令和2年度 | 4,606万円 | 26.0% |
令和6年度の全国平均は6,188万円で、年々上昇しています。
これは建築費だけでなく、土地価格の上昇が費用全体を押し上げているためです。
一方、土地あり(建築費のみ)の平均は4,695万円でした。
つまり、土地を買うかどうかで、総費用に約1,500万円前後の差が生まれることがわかります。
土地を購入して家を建てる場合は、総費用が大きくなるため、自己資本比率(頭金の割合)は 土地ありのケースより低くなる傾向があります。
一方で、土地なしの場合は費用総額が大きいぶん、自己資金額そのものは多くなるケースが多いことが特徴です。
土地の有無は、総予算だけでなく、頭金割合や資金計画の立て方にも大きく影響します。
土地取得費用の相場
年度 | 全国平均 | 自己資本比率 |
令和6年度 | 2,082万円 | 40.7% |
令和5年度 | 1,929万円 | 37.3% |
令和4年度 | 1,819万円 | 39.2% |
令和3年度 | 1,769万円 | 32.1% |
令和2年度 | 1,545万円 | 38.9% |
全国平均の土地購入費は年々上昇しており、令和2年度の 約1,545万円 から令和6年度には 約2,082万円 へと増加しています。
特に令和5年度以降は上昇幅が大きく、土地価格の高騰が進んでいることがうかがえます。
また、自己資本比率(頭金の割合)はおおむね30〜40%台で推移しており、令和6年度は40.7%(自己資金額約847万円) と、比較的高い割合になっています。
これは、土地費用が高くなっているため、借入額を抑える目的で頭金を多めに用意する人が増えていると考えられます。
都市部の費用相場(全国平均との違い)
年度 | 三大都市圏 | 全国 |
住宅建築資金 | 5,243万円 | 4,695万円 |
土地購入資金 | 3,043万円 | 2,082万円 |
住宅建築資金と土地購入資金の合計 | 7,364万円 | 6,188万円 |
住宅建築資金の全国平均が4,695万円であるのに対し、三大都市圏では5,243万円。
さらに土地購入資金は全国平均2,082万円に対して3,043万円と、土地費用の差が特に大きくなっています。
住宅建築費と土地代を合わせた総額では、都市部では全国と比べて平均で1,000万円以上高い結果となりました。
この差が生まれる背景には、都市部では人口・企業・商業施設が集中し、土地の需要が高く価格が上がりやすいことが挙げられます。
そのため、都市部で注文住宅を考える場合は、建物の仕様だけでなく「土地にどれだけ予算を割くか」が資金計画の大きなポイントになります。
【坪数別】注文住宅相場
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新築の注文住宅にかかる費用を参照します。
坪単価の計算は下記の通り行い、延べ床面積は1坪=約3.3uとして坪数に換算して算出します。
建設費用 ÷(延べ床面積÷3.3)
年度 | 延べ床面積 | 建設費用 |
令和6年度 | 112.8u | 4,588万円 |
令和5年度 | 116.2u | 4,034万円 |
令和4年度 | 123.5u | 3,866万円 |
令和3年度 | 120.2u | 3,489万円 |
令和2年度 | 117.1u | 3,184万円 |
※参照:国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査報告書」、延べ床面積は各年の調査報告書を参照。
年度 | 坪単価 |
令和6年度 | 134.2万円 |
令和5年度 | 114.6万円 |
令和4年度 | 103.3万円 |
令和3年度 | 95.8万円 |
令和2年度 | 89.7万円 |
なお、土地取得費を含めない「建物本体+付帯工事+設計費等」を含む純粋な建築コストの目安と考えます。
こちらをもとに、坪数別の費用目安を見ていきましょう。
■坪数別の費用目安
20坪の費用目安(コンパクト住宅・狭小地向け)
134万円/坪で計算した場合 | 前後20%で計算した場合 |
約2,680万円 | 約2,144万円〜3,216万円 |
1〜2人暮らし、または若い夫婦+子ども1人程度であれば、無理なく暮らせる広さになります。
特に、土地価格が高い都市部でも検討しやすい規模といえるでしょう。
費用の目安は、1坪あたり134万円で計算すると約2,680万円。
仕様や設備グレードによって変動しますが、約2,144万〜3,216万円の幅で考えておくと安心です。
ただし、コンパクトだからこそ、収納の取り方や生活動線の工夫が快適さのカギになります。
スペースを無駄なく使い、生活しやすいレイアウトを意識した設計が重要です。
30坪の費用目安(平均的なファミリー層)
134万円/坪で計算した場合 | 前後20%で計算した場合 |
約4,020万円 | 約3,216万円〜4,824万円 |
LDKに加えて個室3部屋を確保しやすく、主寝室+子ども部屋2つといった標準的な間取りが組みやすいサイズ感といえます。
費用の目安は、1坪あたり約134万円で計算すると約4,020万円。
仕様や設備のグレードによっては、約3,216万〜4,824万円の範囲で検討することになります。
とくに総額が 4,000万円台に入ると、断熱性能・気密性能・省エネ設備などを高めやすく、いわゆる“高性能住宅”の領域に近づいてきます。
生活動線や収納、ワークスペースの確保など、家族のライフスタイルに合わせた柔軟な設計ができる点も30坪住宅の強みです。
40坪の費用目安(二世帯・収納充実タイプ)
134万円/坪で計算した場合 | 前後20%で計算した場合 |
約5,360万円 | 約4,288万円〜6,432万円 |
1階と2階にそれぞれ個室を配置したり、LDKを広く確保する、1階と2階の両方に水回りを設けるといった、暮らしやすさを重視した設計がしやすくなります。
費用の目安は、坪単価134万円で約5,360万円。
仕様によっては 約4,288万〜6,432万円 の範囲で検討することになります。
この価格帯になると、ZEH仕様、全館空調、ハイグレード断熱材など、快適性や省エネ性を高める高性能設備を導入しやすいことも特徴です。
家族の人数が多いほど、家の性能が暮らしの質に直結するため、動線計画と性能設計の両立がポイントとなります。
50坪の費用目安(大型・高グレード住宅)
134万円/坪で計算した場合 | 前後20%で計算した場合 |
約6,700万円 | 約5,360万円〜8,040万円 |
LDKを大開放したり、趣味室・書斎・シアタールーム・土間空間など、ライフスタイルに合わせて空間に余裕を持たせることができます。
費用の目安は、坪単価134万円で約6,700万円。
仕上げ材や設備グレード、外観・内装のデザインにこだわるほど、約5,360万〜8,040万円の範囲で調整していくイメージです。
この規模になると、外観デザイン・素材選び・造作家具・照明計画など、細部に至るまでこだわりを反映しやすく、上質さと個性を両立した住まいがつくれます。
また、全館空調や高断熱仕様など、快適性と性能面も高いレベルで備えやすい点も特徴です。
【予算別】建てられる注文住宅の特徴
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■予算別の注文住宅の特徴
1,000万円台の注文住宅
建物本体はシンプルな仕様にまとめることでコストを抑えやすく、限られた予算でも必要十分な住まいが実現できます。
具体的なコストダウンの工夫は、以下のとおりです。
・建物の形状をシンプルにする(凹凸を減らす)
・総2階建てにする(平屋より構造コストを抑えやすい)
・外壁材のグレードを抑える(窯業系サイディングを採用など)
・住宅設備は標準仕様を選ぶ(キッチン・浴室の過度なグレードアップを避ける)
そのため、1000万円台の価格帯では自由設計よりも規格型の注文住宅が選ばれることが多く、シンプルモダンなデザインを好む人との相性が良いといえます。
若年層の初めてのマイホーム、セカンドハウス、または平屋の小規模住宅を検討する層に人気があり、都市部よりも土地に余裕のある地方圏でよく見られる価格帯です。
2,000万円台の注文住宅
夫婦や3人家族など、一般的なファミリー層が無理なく暮らせる規模と言えます。
この価格帯では、「建物の形状をシンプルにする」「総2階にする」「外壁や住宅設備は標準仕様を選ぶ」など、コストを抑える工夫が重要です。
一方で、断熱や耐震といった基本性能は落とさないことがポイントです。
土地をすでに持っている人は計画しやすいですが、土地から購入する場合は、地域によって総予算が大きく変動します。
特に都市部では建物よりも土地価格が負担になるため、郊外や地方で検討されるケースが多い価格帯です。
3,000万円台の注文住宅
延べ床面積は 30〜40坪前後が目安で、3〜4人家族向けの4LDKや、パントリー・ファミリークローゼット・ワークスペースなど“プラスαの空間” も取り入れやすくなります。
また、2,000万円台に比べて、断熱・気密・耐震などの基本性能をしっかり確保しつつ、住宅設備や内装デザインにもある程度こだわれる点が特徴です。
吹き抜けや大きな窓、造作家具、回遊動線など、暮らしを豊かにする計画も視野に入れやすくなります。
ただし、土地から購入する場合は、土地価格によって建物に回せる予算が大きく変わるため注意が必要です。
とくに都市部では土地代が高いため、同じ3,000万円台でも「広さ」や「設備グレード」の取捨選択が求められます。
4,000万円台の注文住宅
延べ床30〜40坪以上を確保しやすく、4LDK+書斎や家事スペース、パントリーなど、暮らしに余裕を生む間取りが実現しやすくなります。
断熱・耐震などの基本性能を高い水準で確保しつつ、外観デザインや内装の素材、造作家具、大開口や吹き抜けなどにもこだわれる点が特徴です。
ただし、土地代を含める場合は立地による差が大きいため、特に都市部では建物に回せる予算が限られることもあります。
そのため、性能・デザイン・広さの優先順位を明確にしながら予算配分を行うことが重要となります。
注文住宅でかかる費用の内訳
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それぞれどのような費用がかかるのかご紹介します。
注文住宅でかかる費用の内訳
土地にかかる費用
年度 | 全国平均 | 自己資本比率 |
令和6年度 | 2,082万円 | 40.7% |
令和5年度 | 1,929万円 | 37.3% |
令和4年度 | 1,819万円 | 39.2% |
令和3年度 | 1,769万円 | 32.1% |
令和2年度 | 1,545万円 | 38.9% |
国土交通省の「令和6年度 住宅市場動向調査報告書」によると、土地取得費用の全国平均は2,082万円ですが、三大都市圏(首都圏・中京圏・近畿圏)では2,626万円となり、建てる場所によって費用差が大きいことがわかります。
また、土地取得にかかる費用は土地代そのものだけではありません。仲介手数料・印紙税・不動産取得税など、契約や所有に関わる諸経費も発生します。
さらに、土地をすでに所有している場合でも費用がゼロになるわけではありません。
建築前には 「地盤調査費」 が必要で、地盤が弱ければ地盤改良・盛り土・造成・擁壁工事 といった追加費用がかかるケースもあります。
本体工事にかかる費用
年度 | 全国平均 | 自己資本比率 |
令和6年度 | 4,695万円 | 38.9% |
令和5年度 | 4,319万円 | 29.2% |
令和4年度 | 3,935万円 | 29.9% |
令和3年度 | 3,459万円 | 28.1% |
令和2年度 | 3,168万円 | 26.8% |
本体工事に含まれるのは、仮設工事や基礎工事、木工工事といった基礎・構造から、外装や屋根の工事、窓やドア、断熱材、タイルの取り付け、電線・水道管の配線・配管、空調工事、住宅設備の設置工事などです。
付帯工事にかかる費用
土地によっては、地盤調査や改良が必要になったり、古い家を解体する工事が必要だったりしますが、そういった工事も付帯工事に含まれます。
付帯工事の費用は注文住宅を建てる費用のうち、15〜20%が相場とされています。
しかし、地盤改良が必要になった場合は費用が大きく上振れすることがあるため注意が必要です。
地盤の強さは実際に調査を行わないと判断できないため、余裕を持った資金計画が欠かせません。
なお、本体工事費用と付帯工事費用を合わせて、「建築工事費用」といいます。
諸経費
諸経費は建築工事以外にかかる費用のことで、契約に関わる印紙代や手数料、住宅ローンを契約する際にかかる費用、家を購入したことによる税金や保険料などが含まれます。
家具や家電、引越し代なども諸経費に含まれるものです。
諸経費は建築工事費用の5〜7%程度が相場とされていますが、現金で支払う場合が多いです。余裕を持って10%分くらいは現金で用意しておくと安心でしょう。
注文住宅のコストを抑えたい場合のポイント
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できるだけコストを抑えようと考えたときでも、耐震装置や断熱材など、削ると将来的に住みづらい家になってしまうものもあります。
ここでは、住みやすさを考慮した上で、注文住宅のコストを抑える方法をご紹介します。
注文住宅のコストを抑えたい場合のポイント
形状をシンプルにする
総二階とは、1階と2階がほぼ同じ面積・形状の家のことで、柱や梁の組み方がシンプルなため、建築コストが低くなります。
また、面積が同じでも、平屋よりも2階建てのほうが基礎の面積が少なく、工事費が抑えられます。
家の形状をシンプルにすることも重要な要素です。
外壁のでこぼこが少ない四角の家のほうが、資材費や作業工程を少なくできるため、コストを抑えられます。
加えて、屋根の形状をシンプルにする(例:切妻や片流れ)ことで、屋根材や施工費の負担も抑えられます。
また、コストを下げるうえで有効なのが、延べ床面積を見直すことです。
「少しコンパクトにする」「無駄な廊下や部屋を省く」など、面積そのものを適正化することが、効果の大きい削減策になります。
間取りをシンプルに、壁を少なくする
具体的には、「部屋数を必要最小限にする」「収納を一か所にまとめる」といった工夫に加え、廊下や玄関ホールなど「部屋以外のスペース」を極力減らす間取りが有効です。
動線をコンパクトにすることで、延べ床面積そのものを抑えられ、コストダウンにつながります。
また、和室は洋室よりも資材が高い傾向があるため、必要なければ洋室のみにして、和室を作らないという選択も、コストを抑えるために有効です。
さらに、将来的な家族構成の変化を見越した設計も、コストを抑えながら柔軟性を確保できるポイントです。
たとえば新築時は 子ども部屋を1つにして広めに作り、子どもが成長したら「間仕切り壁を追加して2部屋にする」 といった計画にすることで、当初の建築費を抑えることができます。
水回りを集中させる
ワンフロアにまとめ、できるだけ近くに配置することでコストを抑えられます。
特に、2階建て以上の場合、各階にトイレを設置しようと考える人は少なくありませんが、家族の人数を考慮して検討してみましょう。
1ヵ所のみにすることでコストを抑えられ、掃除の手間が減るメリットがあります。
設備にこだわりすぎない
特にこだわりがある部分でなければ、ハウスメーカーの標準設備を選ぶとコストダウンできるでしょう。
床暖房などの後からつけると高額になる設備は除き、建てた後に徐々に設備を追加していく方法もあります。
家具やカーテンなどもオーダーではなく、市販品を選ぶことでコストが抑えられます。
さらに、窓やドアの数・サイズを見直すこともコスト削減に効果的です。
開閉できる窓は金物やパーツが増えるため高くなりやすいので、開閉しない「FIX窓」 を上手に使うと、採光は確保しながらコストだけ抑えることができます。
また、照明やエアコンを自分で選んで購入し、施工だけ依頼する「施主支給」も有効な手段のひとつです。
メーカーの指定品より選択肢が広がり、費用も抑えやすくなります。
一方で、削らないほうがよい部分もあります。
・断熱材
光熱費に直結。省エネ性が低いとランニングコストが増加
・耐震設備
安全性に関わる重要な部分で、後から強化するのは困難
・セキュリティ設備
防犯対策は、万が一の被害コストや安心感に影響
価格を考えて理想の注文住宅を建てよう
全国の平均的な注文住宅の価格や返済負担率、頭金の有無などを考慮して、無理のない予算を考えましょう。
オリコンでは、日本最大級の規模で調査を行い、オリコン顧客満足度ランキングを発表しています。
ハウスメーカーの項目ごとのランキングや、利用者の口コミ・評判なども確認できますので、注文住宅を建てる際はぜひ参考にしてみてください。
監修者岡ア 渉
国立大学卒業後新卒で大手不動産仲介会社に入社。約3年間勤務した後に独立。宅地建物取引士・FP2級の資格を保有し、現在はフリーランスのWebライターとして活動中。不動産営業時代は、実需・投資用の幅広い物件を扱っていた経験から、Webライターとして主に不動産・投資系の記事を扱う。さまざまなメディアにて多数の執筆実績あり。
■保有資格
FP2級
宅地建物取引士