車の個人売買の流れを徹底解説!必要書類や手続き、トラブル防止策とは

車の個人売買の流れを徹底解説!必要書類や手続き、トラブル防止策とは

車を売却するにあたって、買い取ってくれる人と個人間で売買したいと考えたことはないでしょうか。

車を個人間で売買することは可能ですが、車買取会社などに買い取ってもらう場合とは異なり、取引の際には手続きの手間が大きいことを知っておく必要があります。

今回は、車を個人売買する方法や取引の流れのほか、必要な手続きと費用の目安についてわかりやすく解説。
個人売買でよくあるトラブルや、トラブル防止策についても紹介します。
トータルマネーコンサルタント 新井智美

監修者トータルマネーコンサルタント 新井智美

マネーコンサルタントとしての個人向け相談、NISA・iDeCoをはじめとした運用にまつわるセミナー講師のほか、金融メディアへの執筆および監修に携わっている。

mokuji目次

  1. 車の個人売買の流れを5ステップで解説
    1. 1. 車両の状態確認と価格等の条件交渉
    2. 2.「売買契約書」の作成と締結
    3. 3. 代金の支払いと車両・書類の引き渡し
    4. 4. 車両および自賠責保険の名義変更
    5. 5. 任意保険の切り替え・加入手続き
  2. 【売主・買主別】車の個人売買で用意する必要書類
    1. 売主が用意する書類(車検証・譲渡証明書など)
    2. 買主が用意する書類(車庫証明・印鑑証明書など)
    3. 軽自動車と普通車で異なる書類の違い
  3. 車の個人売買にかかる費用と手続き場所
    1. 運輸支局・軽自動車検査協会での法定費用
    2. 書類再発行やナンバープレート変更にかかる費用
  4. 車の個人売買でよくあるトラブルと対処法
    1. 名義変更されず自動車税の通知が届く
    2. 代金が支払われない・連絡が取れない
    3. 引き渡し後に故障や修復歴が発覚する
  5. トラブルを未然に防ぐための注意点
    1. 契約書を作成し重要事項を明記する
    2. 連絡がとれる状態にしておく
    3. 車両情報の開示と実車確認を徹底する
    4. 解決できないトラブルは第三者機関へ相談
    5. 不安な場合は買取店や仲介サービスの利用を検討する
  6. 車の個人売買は、取引の流れやリスクを把握しておくことが大切

車の個人売買の流れを5ステップで解説

車の個人売買の流れを5ステップで解説

まず、車を個人売買する際の流れを紹介します。どの方法でも基本的な流れは変わらないため、まずは取引の全体像を把握しておくことが大切です。
  1. 車両の状態確認と価格等の条件交渉
  2. 「売買契約書」の作成と締結
  3. 代金の支払いと車両・書類の引き渡し
  4. 車両および自賠責保険の名義変更
  5. 任意保険の切り替え・加入手続き

1. 車両の状態確認と価格等の条件交渉

個人売買では、車両状態の確認と条件のすり合わせが重要です。まず行うことは、車の状態の正確な把握です。

実車を確認できる場合は、キズやへこみ、タイヤの摩耗、エンジンの異音などをチェックします。取引相手が遠方におり、実車を確認できない場合は、写真や動画を複数用意して細部まで確認しましょう。

また、修復歴やメンテナンス履歴のチェックも大切です。修復歴とは、事故などで、車の骨格部分を修理した履歴のことで、走行性能や安全性に影響するため、必ず事前に確認しましょう。あわせて、点検記録簿などで、メンテナンス履歴を確認しておくと安心です。

さらに、車の状態確認と平行して、売買価格や引き渡し時期、支払い方法などの条件を話し合います。このとき、口頭だけで話をすすめるのではなく、「どこまで合意したか」をメモして整理しておくことで、後のトラブルを防ぎやすくなります。

2.「売買契約書」の作成と締結

売買契約書とは、売主と買主の合意内容を文書として残すもので、個人売買でも「売買契約書」の作成は必須です。

「個人間の取引だから売買契約書は不要」と考えるかもしれませんが、契約書がない取引ほど、トラブルが長期化しやすい傾向にあるため、必ず作成しましょう。

売買契約書には、最低でも以下の項目を掲載してください。
売買金額
車引き渡し日
支払い方法と支払日
車名や車台番号などの車両情報
契約不適合責任
契約不適合責任とは、引き渡し後に欠陥が見つかった際の売主の責任範囲を取り決めるものです。特に車の個人売買では現状のまま引き渡すケースが多いため、責任の範囲を明確に記載しておくことが重要です。

3. 代金の支払いと車両・書類の引き渡し

基本的に、代金の支払いと車両および書類の引き渡しは、同時もしくは着金が確認された後とされています。なぜなら、代金を受け取る前に車両や書類を引き渡した場合、代金を払ってもらえないリスクが発生するからです。

代金は売買契約書に記載されたとおりに支払われますが、記録が残るという意味でも銀行振込がおすすめです。

そして、車両を引き渡す際には、以下の書類をまとめて受け渡します。
車検証
自賠責保険証明書
印鑑登録証明書(普通自動車の売買の時)
譲渡証明書、委任状など名義変更に必要な書類

4. 車両および自賠責保険の名義変更

車両を引き渡した後は、原則として15日以内に自賠責保険の名義変更を行わなければなりません。名義が旧所有者(売主)のままだと、事故時の手続きが複雑になる可能性があるからです。

一般的には買主が手続きを行いますが、売主の書類(売主の本人確認書類、売買契約書など)も必要になるため、引き渡し時にもれなく受け取っておきましょう

手続き方法は保険会社によって異なりますが、保険会社によってはインターネットで手続きできますので、該当するならインターネットで手続きを行いましょう。

5. 任意保険の切り替え・加入手続き

任意保険は自賠責保険とは異なり、車両ごとそして契約者ごとに加入する保険です。そのため、売主は任意保険の解約(必要に応じて中断証明書の発行)を、買主は任意保険の新規加入もしくは車両入替の手続きを行います

ここで気をつけたいのは、買主側の保険(補償)開始日です。引き渡しの当日に補償が開始されていないと、無保険の状態で走行することになるからです。

特に個人売買では、納車日が事前になって変わるケースもあるため、不安な場合は事前に保険会社に相談しておきましょう。

【売主・買主別】車の個人売買で用意する必要書類

【売主・買主別】車の個人売買で用意する必要書類

ここでは、車の個人売買に関して、売主側・買主側がそれぞれ用意しておくべき書類等について解説します。普通車と軽自動車では必要な書類が異なる場合があるため注意しましょう。

売主が用意する書類(車検証・譲渡証明書など)

売主側が準備しておく必要がある書類は下記のとおりです。
<普通車の場合に必要な書類>
・車検証:所有者の氏名・住所が印鑑登録証明書と一致しているもの
・自賠責保険証明書:有効期限内のもの
・自賠責保険承認請求書(売主・買主が捺印)
・リサイクル券:紛失した場合はリサイクル料金の預託状況を確認
・譲渡証明書:売買契約書でも代用可(買主が名義変更を行う場合は、売主の実印を押印)
・印鑑登録証明書:発行から3ヵ月以内のもの
・委任状:車両の名義変更手続きを買主に依頼する場合に必要
また、車検証の記載住所と印鑑登録証明書の住所が一致していない場合には、住民票や戸籍謄本など転居の履歴がわかる書類を別途用意する必要があります。
<軽自動車の場合に必要な書類>
・車検証
・自賠責保険証
・自賠責保険承認請求書(売主・買主が捺印)
・リサイクル券
・住民票:発行から3ヵ月以内のもの
・申請依頼書:軽自動車検査協会の窓口またはWebサイトにて入手可能。買主が名義変更を行う場合は、売主の認印を押印
・軽自動車税の納税証明書

買主が用意する書類(車庫証明・印鑑証明書など)

車の買主側が用意しておくべき書類等は下記のとおりです。
<買主側で用意する書類等>
・印鑑登録証明書と実印:普通自動車の場合は必要
・住民票:軽自動車の場合は必要
・車庫証明書:車の保管場所が自己所有ではない場合、保管場所使用承諾証明書も必要
・本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)

軽自動車と普通車で異なる書類の違い

軽自動車の場合、普通乗用車で必要になる「譲渡証明書」や「委任状」は不要です。また、印鑑も実印である必要はなく、認印で良いとされています。

個人売買では、対象となる車が普通車か軽自動車かで必要になる書類が異なります。特に初めて個人売買を行うケースだと、普通自動車の基準で考えてしまいがちですが、軽自動車と普通車の違いを正しく理解したうえで準備を進める心構えが大切です。

車の個人売買にかかる費用と手続き場所

車の個人売買にかかる費用と手続き場所

車の個人売買に関して、必要な書類については理解したものの、手続きにどのくらいの費用がかかるのか不安に思う人もおられるのではないでしょうか。

ここでは、車の個人売買にかかる費用と手続きを行う場所について分かりやすく解説します。

運輸支局・軽自動車検査協会での法定費用

名義変更の手続き場所は、自動車の種類によって異なります。
・普通車:運輸支局
・軽自動車:軽自動車検査協会
また、名義変更には、移転登録手数料(印紙代)や車庫証明取得費用、ナンバープレート代(変更がある場合)などの法定費用がかかります。

車両の名義変更にかかる手数料(法定費用)の目安は以下のとおりです。

種類

手数料の目安

移転登録手数料(印紙代)

500円(軽自動車の場合は不要)

車庫証明取得手数料

2,500〜3,000円程度

印鑑登録手数料

300円(普通自動車の場合)

住民票

300円(軽自動車の場合)

このほか、ナンバープレートを変更する場合には別途1,500〜2,000円程度の費用がかかります。

また、車の保管場所が自己所有の土地ではない場合には、大家や管理会社などに保管場所使用承諾証明書を記入してもらうための手数料が必要になるケースもあります。

書類再発行やナンバープレート変更にかかる費用

車検証や自賠責保険証明書などを紛失した場合、再発行が可能です。また、名義変更(住所変更)によって管轄が変わる場合などはナンバープレートを変更する必要があります。

ナンバープレートの新規交付費用は、約1,500〜2,000円程度ですが、希望番号や字光式を選ぶ場合は追加の費用が発生します。

個人売買に必要な書類を紛失してしまった場合には、再発行の手続きを行わなければなりません。主な書類の再発行費用の目安は、下記のとおりです。
書類の再発行に必要な費用

種類

費用

車検証

手数料300円+申請書100円

自賠責保険証

保険会社ごとに異なる(原則は無料)

自動車納税証明書

無料

なお、再発行には時間がかかるケースもあります。必要書類は早めに確認を進め、紛失していることがわかった時点で再発行の手続きを行っておくようにしましょう。

車の個人売買でよくあるトラブルと対処法

車の個人売買でよくあるトラブルと対処法

車の個人売買には仲介業者が介在しないことから、個人間でのトラブルに発展するリスクがあります。車の個人売買でよくあるトラブルを見ていきましょう。

名義変更されず自動車税の通知が届く

原則として、車の名義変更が完了するまでには、売主側に法的責任が残ります

車の名義変更(移転登録)とは、運輸支局にて所有者情報を変更する手続きです。これが完了しないかぎり、車検証上の所有者は売主のままとなり、その結果、翌年度の自動車税の請求が届いたり、事故が発生した際の責任を問われたりするリスクがあります。

そのため、売買契約を締結する時に、名義変更の期限を明確に決めておきましょう。たとえば、「引き渡し後○日以内」と具体的に記載するとともに、名義変更後の車検証のコピーをもらうようにしておけば安心です。

期限を過ぎても買主が名義変更手続きを行わない場合、早急に手続きを行うよう促すことはもちろん、場合によっては一時抹消登録といった法的手段を検討するとよいでしょう。

一時抹消登録をしておけば、車は公的に使用不可の状態になるため、税金の課税を止める効果があります。

代金が支払われない・連絡が取れない

個人売買では、「車両を引き渡した後にお金を振り込む」または「分割払いで支払う」という口約束が原因で、売却代金が支払われないトラブルが発生するケースも見られます。さらには、相手と連絡が取れなくなるケースも珍しくありません。

そのようなリスクに備え、原則として「車は売却代金の全額が入金されたことを確認してから引き渡す」ようにしましょう。分割払いに応じる場合でも、契約書を作成し、支払期日や遅延があったときの対応を明記しておくと安心です。

さらに、相手と連絡が取れなくなることを想定し、以下の情報を事前に確認しておくことをおすすめします。
・住民票に記載されている住所
・本人確認書類
・勤務先や連絡先

引き渡し後に故障や修復歴が発覚する

売買契約書に「ノークレーム・ノーリターン」と記載していても、説明になかった重大な欠陥が見つかった場合は、責任を負わなければならない場合があります

これは、民法で定められている「契約不適合責任」というもので、引き渡されたものが契約内容と異なる場合に、売主が追う責任です。もし、売るときに売主が知っていた重大な欠陥を説明していなかった場合には、責任を取らなければなりません。代表的な例が、修復歴や水没歴などです。

売主には、「知っている不具合や修復歴」を買主に正確に伝える義務があります。判断に迷う場合は、「分からない」もしくは「未確認」と正直に伝えることで、後々のトラブル回避につながります。

トラブルを未然に防ぐための注意点

トラブルを未然に防ぐための注意点

車の個人売買は仲介手数料などの費用を抑えられる反面、トラブルに見舞われるリスクも抱えています

そのため、できる限り下記のようなトラブルを防止するための対策をとっておくことや、トラブルが解決できない場合の相談先を知っておくこと、個人売買以外の方法も考えてみることが重要です。

契約書を作成し重要事項を明記する

口約束だと、後々トラブルに発展する可能性が高まるため、いくら個人売買だとしても売買契約書を作成し、契約を交わすことが不可欠です。

車の売買は高額になりやすく、さらには、契約不適合責任を問われる可能性も否定できません。そのため、売買契約書には、「現状のままで引き渡し、引き渡し後の不具合については原則として責任を負わない」と記載し、トラブルを防ぎましょう。

あわせて、以下の項目も売買契約書に記載しておくと安心です。
・売買金額と支払い方法
・引き渡し日
・名義変更を行う期限と担当者
・自動車税やリサイクル料金の精算方法

連絡がとれる状態にしておく

車の個人売買では、必ずお互いに連絡がとれるようにしておかなければなりません。

何かトラブルが起きた際に連絡がつかないと、解決できなくなるおそれもあるためです。売主・買主ともに住所・氏名・電話番号を把握しておきましょう。その際は、身分証を提示して確認することをおすすめします。

また、電話番号だけでなく、メールアドレスなど複数の連絡手段を確保しておくことも大切です。

車両情報の開示と実車確認を徹底する

売主には、車の不具合や過去の修理歴を隠さず正直に買主に伝える必要があります。小さなキズや異音だとしても、買主側からすると「聞いていなかった」という不信感につながり、結果として契約不適合責任を巡るトラブルに発展する可能性もあるからです。

また、買主側も可能な限り実車を確認し、できれば試乗まで行っておきましょう。エンジン音やブレーキの効き具合、警告灯の点灯状況などは写真だけで判断できません。

遠方にいて実車の確認が難しい場合は、動画や詳細な写真などで確認しましょう。特にエンジンをかける際の様子や、内装・外装のアップ写真を見せてもらうことで、情報不足から発生するトラブルを減らせます

解決できないトラブルは第三者機関へ相談

個人間での売買で発生したトラブルは、まずは双方で話し合って解決するのが理想です。

しかし、話し合いでは解決しそうにない場合や、重大なトラブルに発展してしまった場合は、第三者機関へ相談することをおすすめします。具体的な相談先として、下記のようなところが挙げられます。
<トラブルを相談できる第三者機関>
・弁護士:法律上のトラブル解決や相手との和解に関する相談に乗ってもらえる
・JPUC(一般社団法人日本自動車購入協会):車を売却した際のトラブルに関する窓口が設置されている
・国民生活センター:消費者トラブルに関する相談を受け付けている
・自動車公正取引協議会 :車の取引が公正に行われるよう広告表示や販売方法のルールを定めて運用しており、トラブル時の判断材料や主張の根拠の規準として利用できる

不安な場合は買取店や仲介サービスの利用を検討する

個人売買に少しでも不安があるなら、買取店やオークション形式の仲介サービスを利用するのも一つの方法です。業者が間に入ることで、名義変更手続き代行や書類の不備がないかのチェックを任せられます。

また、万が一トラブルが発生した場合でも、事業者としても対応窓口があると安心でしょう。

価格だけでなく、「どこまで自分で対応できるか」という視点で売却方法を選ぶことで、結果的に大きな失敗を防げます。

車の個人売買は、取引の流れやリスクを把握しておくことが大切

車の個人売買には仲介手数料が必要ない上、場合によってはほかの方法より高額で買い取ってもらえる点がメリットです。

一方、トラブルが発生した際は、売主と買主とのあいだで解決しなければならないリスクもあります。車の個人売買を行う際は、手続きの流れやリスクも理解した上で、取引を進めるようにしましょう。

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トータルマネーコンサルタント 新井智美

監修者トータルマネーコンサルタント 新井智美

マネーコンサルタントとしての個人向け相談、NISA・iDeCoをはじめとした運用にまつわるセミナー講師のほか、金融メディアへの執筆および監修に携わっている。

現在年間200本以上の執筆・監修をこなしており、これまでの執筆・監修実績は3,000本を超える。

(保有資格)
・1級ファイナンシャル・プランニング技能士
・CFP®
・DC(確定拠出年金)プランナー
・住宅ローンアドバイザー
・証券外務員

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