2016年05月21日 09時40分
「引越し」の“相場”知ってる? 見積もり金額がより明確に!!
【図1】基本運賃の一例(近畿運輸局のホームページより引用)
引越し料金は、荷物の量や移動距離、シーズンなどによって大きく変わってくるもの。だが、相場がわからないと見積もりの金額自体も、安いのか高いのか判断が難しくなることがある。そこで今回は、引越し料金の算出方法に加え、わかりやすく事例も紹介していこう。
■引越し料金の算出方法
まずは、引越し料金の算出方法について紹介していきたい。引越し料金は、引越し業者が定めた基本料金によって算出される。たとえば、引越し当日に利用するトラックの大きさや移動距離、作業時間などを参考に金額が算出されるという仕組みだ。引越し料金は主に以下のように計算される。
引越し料金 = 運賃(基本料金・車両留置料・割増料金) + 実費 + 附帯サービス料
上記の基本料金のほかに、休日や早朝、深夜に引越しを行う場合の割増料金やトラックを長時間留め置いたときにかかる車両留置料などが運賃に含まれることがある。基本運賃の一例は【図1】の通り(近畿運輸局のホームページより引用)。相場を計算するときの目安として参考にしてみよう。
続いて「実費」について解説したい。実費とは、作業員の人件費(1人当たり1〜2万円程度)、梱包や養生にかかる費用(2LDKで2万〜3万円程度)、高速道路などを利用した場合の料金のことを指す。また、付帯サービス料とは、いわゆるオプションにかかってくる料金のこと。エアコンの取りつけ(1万〜1万5000円程度)と取り外し(5000〜1万円程度)やゴミの処分などを依頼した場合にかかる費用だ。
引越し料金の算出方法は基本的にどの業者も同じだが、各社で料金設定、割引率や割り引かれる項目、サービスされる項目などが異なり、最終的な見積り額に差が出てくるケースがある。事前に相場を知ったうえで見積もり比較するといいだろう。
■家族構成別にみる! 引越しの価格は?
続いて家族構成別に事例を踏まえて、引越しにかかる金額を計算してみよう。
<単身者Aさんの場合>
Aさんは静岡から東京へ転勤することになり、単身で引越しを依頼。荷物の量は1トントラックにすべて収まり、静岡から東京までの距離は有料道路を利用する。なるべく費用を下げるために、3月や9月などの需要期を避けて11月の平日に引越しを行い、作業員の数は2名におさえた。Aさんの引越し費用の計算は以下の通りとなる。
・単身で静岡から東京まで(190キロ)
・11月平日
・トラックは1トン車
・作業員は2名
(基本料金)3万4480円+(人件費)1万2000円×2人+(有料道路)5030円=6万3510円
<ファミリーBさんの場合>
Bさんは、4人家族で新年度を迎える前に福岡から大阪へ引越しすることになった。家族全員の休みが合う3月末の土曜日に作業を行う。当日は4トントラックに荷物を詰め、作業員4人に運んでもらう。追加のオプションとして荷物梱包と、エアコン3台分の取り付けと取り外しを依頼。Aさんファミリーの引越し費用は以下の通りとなる。
・4人家族で福岡から大阪まで(615キロ)
・3月休日
・トラックは4トン車
・作業員4人
・荷物の梱包を依頼
・エアコン3台取り付け・取り外し
(基本料金)12万9920円(※1)×(休日割増)20%+(人件費)1万5000円×4+(梱包)4万円+(エアコン取り付け取り外し)4万5000円=30万904円
※1 基本料金の計算方法は(200キロまでトラックは上限時)58910円+(500キロまで)47400円+(500キロ〜)2万3610円=12万9920円となる
ここで提示した金額は、あくまで概算。荷物の量や日時、依頼する作業内容などの条件、および利用する引越し業者によって料金は変わってくるので、目安として参考にしてほしい。このように算出方法を知っておくことで、見積り書を見たときに相場もわかってくるので、値引き交渉もしやすくなるだろう。
文/河野真希
暮らしをテーマとしたフリーライター。ウェブや雑誌など各種メディアで、部屋探しや引越し、料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしを目指すライフスタイルの提案をしている。
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