【飲酒運転事故の判例】ドライバーに酒類提供はNG! “ほう助”で罪に問われたケース

  • 【イラスト】酔ったドライバーに「NO!」と言う男性

 飲酒運転は、交通違反ではなくれっきとした“犯罪”。運転者はもちろん、飲酒の事実を知りながら同乗したり、またドライバーにお酒を提供しても処罰の対象となります。今回は、このようなほう助(幇助)行為が、実際に罪に問われたケースを、過去の判例をもとに紹介します。

<事例1>飲酒運転の車に同乗した運送会社スタッフ/危険運転致死傷罪ほう助罪・懲役2年

【発生日時】2008年2月17日午後7時25分頃

【事故内容】
 事故発生日の午後1時30分頃、運送会社で働く男性(当時32歳)が車で埼玉県熊谷市の居酒屋を訪れ、職場の先輩ら数人と約5時間に渡り飲酒。千鳥足になるほど酔っていたにもかかわらず、車を運転して2軒目へ移動。開店前だったため、「そのあたりを一周しよう」と、先輩2人を乗せてドライブをすることにした。午後7時25分頃、時速100〜120キロでカーブに進入して曲がりきれず、対向車線にはみ出して車2台と衝突。2人が死亡し、4人が重軽傷を負った。

【判決】
 男性に対しては、危険運転致死傷罪で懲役16年の判決。同乗した先輩は、男性からのドライブの提案に頷いたり、「そうしようか」と言って車を発進させることに了解を与えたことなどから、「安易かつ無責任な了解、黙認で犯行を容易にした」として、懲役2年の実刑判決が下された。また、彼らに酒を提供した居酒屋の店主に対しても、懲役2年(執行猶予5年)の有罪判決が下された。

 2軒目の駐車場を出てから事故を起こすまでには十数分の時間がありました。その時間、先輩2人は走行をやめるよう男性を説得することも可能だったはずです。職場で男性を指導する立場にある人から言われれば、男性は応じていたでしょう。

<事例2>19歳の少年による飲酒運転に同級生が同乗/道路交通法違反・懲役1年10ヶ月(執行猶予4年)

【発生日時】2011年11月5日午前0時35分頃

【事故内容】
 発生前日の午後8時30分過ぎ、少年(当時19歳)が同級生とともに長野県長野市の居酒屋を訪れた。2人で生ビールやチューハイ、日本酒などを飲み、5日の午前0時15分頃に店を出ると、少年は同級生を送るため車を運転。その約20分後、道路にいた17歳の少女2人をはねてしまった。ところが、「飲酒がばれると思った」「パニックになった」という理由で、その場にとどまることなく、被害者1人を車底部に巻き込み、引きずったまま約700メートルも走行を続けた。Uターンして現場付近に引き返したところを、ひき逃げ事件として捜査中の警察官が発見。引きずられた少女は死亡、もう1人も重傷を負った。

【判決】
 少年に対しては、殺人やひき逃げなどの罪で懲役17年の判決。一方、少年が酒気帯び状態であることを知りながら車に同乗した同級生は、事件以前にも少年と酒を飲み、車で送ってもらったことがあった。今回ははっきりと言葉にして依頼したわけでないが、自分でドアを開けて助手席に乗り込んだほか、「(酒を飲んでいるが)大丈夫か」「おう」という会話があったことから、「暗に運転を依頼したのと同じ」「少年が車で同級生を送ることは互いの了解事項だった」とされ、懲役1年10ヶ月、執行猶予4年の判決が下された。

 少年は、この年に運転免許を取得したばかりでした。周囲に飲酒運転をする人が多く、抵抗がなくなって10月頃から繰り返していたといいます。「なぜ飲酒運転をしたのか」と問われた際は、「駄目だとはわかっていたが、深くは考えなかった」と答えています。

<事例3>ドライバーに酒類を提供した店主/運転免許取消(欠格期間3年)

【発生日時】2011年12月10日午後11時10分頃

【事故内容】
 発生日の午後6時頃から、兵庫県加西市の食堂で飲酒していた男性(当時53歳)が、午後8時30分頃にスナックに移動。持参したワインを飲んでいたが、酔いがまわってほとんど居眠りをしていた。また、ジャンパーを忘れて車に戻ったため店主が届けに行くと、運転席でも眠っていた。ジャンパーを渡されると、男性は「これ(車)がないと明日困るんや」と言ったが、店主は店内に戻り、知人に代行運転を依頼。ところが、すでに車は発進した後だった。男性はコンビニに立ち寄り、午後11時10分頃に再度発進したが、すぐ居眠り状態に陥って道路左側にはみ出し、12歳(当時)と8歳(同)の兄弟をはね飛ばして死亡させた。

【判決】
 男性には、危険運転致死罪で懲役14年の判決が下された。また、酒を提供した食堂とスナックの店主に対し、「運転すると知りながら男性に酒を飲ませた」として、兵庫県公安委員会が運転免許取消(欠格期間3年)の行政処分を行った。二人の店主は、事故直後の新聞取材に対し、「車で来ているとは知らなかった」「客との信頼関係で成り立っているから、車で来たかとは尋ねられない」と話しているが、酒類を提供する飲食店の責任者としては、規範意識が低いと言わざるを得ない判決となった。

 犠牲になってしまったのは、皆既月食を見に行った帰りにたまたま現場に居合わせた幼い兄弟。“飲酒運転による悲惨な事故”として、当時大きく報道されました。

 飲酒運転の根絶には、ドライバーだけでなく周囲の協力が不可欠。取り返しのつかない事態を招く前に、厳しく目を光らせなければなりませんね。

 なお、飲酒運転事故では、加害者が任意保険に加入していて一定の損害賠償が見込まれる場合、被害者や被害者遺族、加害者家族にとって救いとなるケースもあるようです。万一の際の補償についてよく確認しておくことは、ドライバーの責任の1つといえるでしょう。

制作協力/

株式会社マイト
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