立つ鳥跡を濁さず。引越し後の片付けとそのタイミング

 引越しをするとき、荷造りや荷ほどきを効率良く行う方法や、新居の間取りに合わせたインテリアの購入、家具の配置などにばかり意識が向いてしまい、不用品の処分や退去後の掃除については後回しになりがちです。しかし、粗大ゴミや不用な家電などは前もって処分を依頼しておかないと、「退去日を過ぎた日にしか回収に行けないと言われ、業者に余分なお金を払うことになった」という事態も起こりかねません。また、退去後の部屋のクリーニングも敷金の返還額に大きく影響するため、計画的に行うのがベストです。

 ここでは、引越しに伴うゴミ出しのタイミングや退去後の部屋のお掃除についてご紹介します。

「粗大ゴミ」の規定とリサイクル対象品

 処分にお金がかかる「粗大ゴミ」の規定は自治体によって異なりますが、一番長い部分が30cmを超えるものを粗大ゴミと規定するケースが多いようです。燃える、燃えないに関わらず、自治体の規定にあてはまるものは粗大ゴミとして出さなくてはなりません。例えば、金属製品でもドライヤーなどは30cm以内ですから、粗大ゴミではなく不燃物です。また、燃えるゴミに分類できそうな木製のサイドテーブルでも、30cmを超えていれば「粗大ゴミ」に分類されることになります。

 また、テレビやエアコン、冷蔵庫、洗濯機などは、サイズに関係なく「リサイクル対象品」となり、自治体では回収してくれません。これらは「購入したお店に連絡して回収してもらう」など、家電リサイクル法という法律で定められた方法で処分する必要があります。この方法はお金がかかりますので、まだ使える物であれば「リサイクルショップに持ち込んで買い取りを依頼する」「ネットオークションで販売する」などの方法を検討してもいいでしょう。

引越しに伴うゴミ出しのタイミング

 粗大ゴミは、次のような流れで回収されます。

<粗大ゴミ回収の流れ>
1. 旧居がある自治体に電話かインターネット経由で依頼する。
2. 自治体からの指示に従って、案内された種類の「粗大ゴミ処理券」を必要な枚数購入する(粗大ゴミ処理券は、エリア内のコンビニエンスストアで購入可能)。
3. 粗大ゴミ処理券をゴミに貼付し、収集予約日に外に出す。

 注意したいのは、「収集予約日」が希望どおりの日になるとは限らない点です。申込み時に自治体から案内されるのが最短期日なので、引越しが差し迫ってから申し込むと「退去日を過ぎたあとの日しか予約がとれなかった」ということになりかねません。必ず、日程に余裕を持って申し込むようにしましょう。

 また、自治体での粗大ゴミ処分にはお金がかかります。「引越しに伴う費用を少しでも安く抑えたい」場合や「自治体からアナウンスされた期日では間に合わない」という場合は、リサイクル対象品と同様にリサイクルショップで買い取ってもらう方法や、ネットオークションで販売する方法を試してみましょう。

 あまりに古い物は買い取り対象外だったり、オークションでも売れなかったりする可能性もありますが、うまくいけば処分費用がかからない上、収入を得ることができます。

 同じく、「これはもう使わない」と思って不用品として処分しようとしている物も、一度は買い取りや販売を試してみることをおすすめします。自分にとっては不要な物でも、他人にとっては喉から手が出るほどほしい物ということもありますし、ゴミとして処分するよりは誰かに使ってもらったほうがいいのではないでしょうか。

退去後のお掃除について

 長く使った部屋に感謝して、引越し前に掃除をするという人は多いでしょう。しかし、中には「次の入居者が決まるまえに専門業者が入ってクリーニングするのだから、退去前に素人の自分が掃除をする必要はないのでは」と思う人もいるかもしれません。

 結論から言えば、一般的なモラルとして掃除はしたほうがいいですし、敷金の返還額という観点からも一通り掃除しておくことが望ましいといえます。

 敷金は、入居時に補償金として預け、退去時に問題がなければ返還されるものです。しかし、汚れや破損があると原状回復にかかる費用が敷金から差し引かれてしまいます。生活をしていく上で、必然ともいえる汚れなら問題ありません。しかし、浴槽の水垢や著しく油で汚れたガスコンロなど、入居者による過失に起因すると考えられるものは、入居者の「原状回復義務」の対象となり、敷金から差し引かれる可能性があるのです。

 では、室内のエリアごとに、どこまで掃除をすべきか見ていきましょう。

・床や畳
 国土交通省が発表している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によると、「フローリングやクッションフロアの日焼け、色落ち」「家具を置いたことによる床のへこみ」「畳の変色」などは、使用していれば起きることなので、原状回復の対象外とされています。そこで、退去時には掃除機をかけ、拭き掃除をして、ホコリを取れば十分です。

・窓ガラス
 不注意による破損がなければ、きれいに水拭きをして、そのあとにから拭きで水分を取っておきます。

・壁や天井
 壁や天井についたタバコのヤニや臭いは、原状回復の対象となります。こびりついた臭いや汚れは取れませんが、可能であれば落としておきましょう。掃除方法は、壁や天井などの素材によって変わります。

・風呂場、シンク、トイレ
 風呂場の石鹸カスや水垢、カビなどは、市販の洗剤でできる限り落としましょう。シンクやトイレの水垢も同じようにして取ります。トイレの便器は蓋の裏側が意外に汚れていますので、しっかり掃除をすることが大切です。

お世話になったお礼だと思って掃除をする

 引越しの最中は、やることが多いので、出ていく家の掃除をするというのは面倒かもしれません。しかし、気持ち良く新生活を始めるという意味では、お世話になった家に感謝とお礼の気持ちを込めて大掃除をしてみてもいいのではないでしょうか。敷金の返還の有無に関わらず、けじめをつける意味でも「立つ鳥跡を濁さず」をおすすめします。
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