火災保険は解約できる?解約のタイミングや注意点について解説

火災保険は解約できる?解約のタイミングや注意点について解説

住まいが火災などの災害に遭ったときに備えて、火災保険への加入は不可欠です。火災保険は長期契約すれば月々の保険料が安くなりますが、契約期間中に火災保険の補償内容が住まいの現状と合わなくなり、別の火災保険に加入したくなることもあります。

また、引っ越したり、住まいを売却したりするので契約を解除したいという人もいるでしょう。では、火災保険の途中解約は可能なのでしょうか。
この記事では、火災保険を解約するとどうなるのか、解約のタイミングや注意点などについてわかりやすく解説します

火災保険は途中解約が可能

火災保険の途中解約はもちろん可能です。現在では、契約期間が5年を超える火災保険は廃止されましたが、2022年10月までは最長10年の長期契約制度があり、さらに以前には35年の住宅ローンに合わせた火災保険もありました。そのため、住宅購入時に組んだ住宅ローン期間に合わせて火災保険を長期契約し、一括で保険料を支払うケースも多かったようです。

このような長期契約者の中には、火災保険の内容を十分に吟味せずに加入してしまったために、一度解約して現状に合ったものに変えたいという人も少なくないでしょう。

火災保険の加入時に一括して保険料を支払った場合でも途中解約は可能で、未経過分の保険料も払い戻されます

居住期間や保険料といったさまざまな条件を十分に検討して火災保険の加入を決めたとしても、転勤や介護などのやむをえない事情で引越しや住宅の売却を余儀なくされ、当初想定した暮らしとは異なった状況に直面することもあります。

そのような場合でも適切に対処できるよう、現在加入している火災保険の解約方法などを確認しておきましょう。

火災保険を解約したほうがいいケース

加入している火災保険が現在の状況と合わなくなったら、解約したほうがいいでしょう。

例えば、引越しは住環境が大きく変わるポイントですから、火災保険を見直したり、解約したりする必要があります。増築・改築を行えば、住宅の広さや間取りが大きく変わり、建物の評価も変わるため、それに応じて保険料の見直しが必要です。

また、所在地のハザードマップが更新され、浸水リスクが追加されることがありますこうした場合、風災・水災に対する補償を検討する必要が出てきます契約途中で風災・水災に対する補償を追加できる火災保険商品がある一方で、契約途中での追加ができないものもあります

現在加入している火災保険に補償を追加できない場合、一度解約して風災・水災補償が含まれる別の火災保険を契約するのがおすすめです

火災保険を途中解約するとどうなる?

火災保険は途中解約できますが、その際に注意したいポイントについて解説します。また、長期契約している場合、すでに支払ってしまっている保険料はどうなるのかについても見ていきましょう。

解約日から補償の対象ではなくなる

保険契約者は、任意に保険契約を解除できることが保険法で規定されています(ただし、損害保険会社との約款によって変わることもあるので確認してください)火災保険の解約日は、解約申込日とは別に設定できます。損害保険会社にもよりますが、解約申込日を解約日に設定することも可能です

もちろん、解約日以降に起こった被害は補償対象外となります。解約後に火災が発生して損害を受けたのに補償を受けられない事態に陥らないよう、解約日の設定は注意しましょう

次の火災保険の加入日が決まってから解約日を合わせるなど、火災保険未加入の期間を作らない工夫が必要です。

解約返戻金が支払われる

火災保険を契約期間の途中で解約した場合、すでに支払っている保険料のうち、未経過の分が返還されます。これを解約返戻金といいます。

ただし、解約返戻金はすでに支払っている未経過の分の保険料の満額が返還されるわけではありません。解約返戻金は、通常「一括払保険料×未経過料率」で求められた金額です(損害保険会社によって異なる場合があります)

損害保険会社によって設定している未経過料率は異なりますが、損害保険会社の多くが未経過料率表を公開していますので、気になる人は解約返戻金を計算してみるといいでしょう

火災保険を解約するタイミング

火災保険を解約するタイミング

火災保険を解約するのであれば、万が一の事態に備えて火災保険に加入していない空白期間が発生しないように、解約日を設定したいところです

ここからは、賃貸物件と購入物件、それぞれの最適な火災保険解約のタイミングを解説します

賃貸物件の場合

賃貸物件の場合、賃貸契約の終了日と火災保険の解約日を同じ日に設定すれば、空白期間が発生することがないので安心です。引越しを決めたからといってすぐに火災保険を解約してしまうと、火災保険の解約日から引越し日までの間が空白期間になり、この間に火災が発生すれば火災保険の補償を受けることができません。

解約の申込みは引越しよりも前に行ってもいいですが、退去するまで火災保険の補償を受けられるように解約日の設定を確認しましょう

購入物件の場合

持ち家を売却するために引越しをする場合、引越しが決まった段階ではまだ火災保険を解約するべきではありません

火災保険を解約したものの売却の手続きが順調に進まなかった場合、売却手続き完了までに火災などの災害に見舞われても補償を受けることができないからですその上、購入をキャンセルされたり、販売価格を下げざるをえなかったりする可能性があります

持ち家を売却するために火災保険を解約するなら、購入者との売買契約が成立し、物件の引渡しが完了する日を解約日に設定してください

火災保険を解約する場合の注意点

火災保険を途中解約する場合、損害保険会社に解約を申し入れます。ここでは、解約する際の注意点を紹介します

解約手続きは契約者本人が行う

解約手続きは必ず契約者本人が行うこととされており、損害保険会社からは解約をすすめてくることはありません契約者から途中解約を申し入れない限り、解約返戻金が支払われることもありません

火災保険を途中解約する手続き方法は、損害保険会社によって異なります一般的には、損害保険会社に途中解約を申し入れた後、営業店に必要な書類を提出して解約の手続きを行います。電話やインターネットで解約を申し込み、書類を郵送することで解約手続きできる損害保険会社もあります。保険証書などの書類をなくしてしまったなどの場合は、損害保険会社に相談しましょう。

解約前に次の火災保険を探しておく

火災保険を解約した後に新たに加入したい火災保険がなかなか見つからなかった場合、空白期間が発生してしまいます。解約だけにとらわれず、次の火災保険を先に探しましょう

以前の火災保険を解約しないまま引越しをして、転居先で新たに別の火災保険に加入してしまうケースがあります。実際に住んでいるかに関係なく、火災保険に加入しているあいだはその保険料を支払う必要があるので、以前の火災保険と現在のものとで保険料を二重に支払うことになってしまいますが、原則的には重複する保険料の返還が認められることはありません

引越し日が決まってから損害保険会社に連絡し、解約の申込みを行い、解約日を退去日に設定するなど、手続きを確実に行ってください

解約返戻金がない場合もある

火災保険の残りの契約期間が1ヵ月未満の場合、損害保険会社によっては解約しても返戻金がない可能性があります例えば5年間の長期契約で、4年11ヵ月と1日の時点で解約した場合は解約返戻金が支払われないということです

したがって、やむをえない場合を除いて、契約期間が残り1ヵ月を切った場合は途中解約せずに満期まで契約を続けたほうがいいでしょう。また、中には解約返戻金がない火災保険商品もありますので、途中解約をするにあたっては加入期間や契約内容の再確認が重要です

なお、火災保険は掛け捨て型保険が一般的ですが、積立型の商品もあります。積立型の場合は契約期間が満期を迎え、保険料を全額払い終えていれば満期返戻金が支払われます。

しかし、契約期間の途中で解約すると、解約返戻金は支払われるものの満期返戻金は支払われません。解約返戻金が支払われる条件は保険商品によってさまざまなので、解約にあたっては再度確認してください。

火災保険は切れ目なく加入しよう

火災保険は住環境と密接に関わった保険なので、引越しや増築・改築などで住環境が変われば見直しや解約を検討することになります。長期契約であっても、保険加入者の任意で途中解約は可能ですが、解約は慎重に行うべきでしょう。

火災や自然災害は、いずれも不測の事態です。自分が気をつけていても近隣の火災に巻き込まれる可能性がありますし、水災や風災は自然現象なので居住地で発生すれば避けることは困難です。火災保険は、こうしたいつやって来るかわからない災害に対する備えなので、切れ目なく加入しておくことを心掛けてください

また、解約返戻金を受け取るためにも、これから解約しようとしている火災保険はどのような商品なのか、解約するにはどうすればいいのかなど、契約内容をよく確認することをおすすめします。火災保険の見直し、新規加入においても、契約内容の確認は重要です。

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