火災保険は途中解約できる?返戻金の計算や引越しのタイミングを解説

火災保険は途中解約できる?返戻金の計算や引越しのタイミングを解説

住まいが火災などの災害に遭ったときに備えて、火災保険への加入は不可欠です。

火災保険は長期契約すれば月々の保険料が安くなりますが、契約期間中に火災保険の補償内容が住まいの現状と合わなくなり、別の火災保険に加入したくなることもあります。

また、引っ越したり、住まいを売却したりするので契約を解除したいという人もいるでしょう。

では、火災保険の途中解約は可能なのでしょうか。

この記事では、火災保険を解約するとどうなるのか、解約のタイミングや注意点などについてわかりやすく解説します。
新井 智美

監修者新井 智美

トータルマネーコンサルタント。マネーコンサルタントとしての個人向け相談、NISA・iDeCoをはじめとした運用にまつわるセミナー講師のほか、金融メディアへの執筆および監修に携わっている。現在年間200本以上の執筆・監修をこなしており、これまでの執筆・監修実績は3,000本を超える。

mokuji目次

  1. 火災保険は契約の途中でも解約が可能
  2. 火災保険を解約・見直すべきタイミング
    1. 引越し(退去・住み替え)をする際
    2. ハザードマップ更新や住環境の変化があった際
  3. 火災保険を解約すると戻ってくる「解約返戻金」の仕組み
    1. 未経過期間に応じた保険料が払い戻される
    2. 解約返戻金を受け取るための条件と注意点
  4. 火災保険の解約手続きの方法・基本的な流れ
  5. トラブルを防ぐための解約時の重要ルール
    1. 補償の空白期間(無保険期間)をつくらない
    2. 二重加入(重複)や解約忘れに注意する
  6. 火災保険の解約に関するよくある質問
    1. 解約は何日前までに連絡すべき?
    2. 住宅ローンを完済したら解約してもいい?
    3. 解約当日の火災は補償される?
  7. 火災保険は住環境の変化に合わせて最適な解約・見直しを

火災保険は契約の途中でも解約が可能

火災保険は契約の途中でも解約が可能

火災保険の途中解約はもちろん可能です。

2022年10月以降、新規契約では契約期間が10年超の長期火災保険は廃止され、最長5年契約となりましたが、2022年10月までは最長10年の長期契約制度があり、さらに以前には35年の住宅ローンに合わせた最長36年の火災保険もありました。

そのため、住宅購入時に組んだ住宅ローン期間に合わせて火災保険を長期契約し、一括で保険料を支払うケースも多かったようです。

このような長期契約者の中には、火災保険の内容を十分に吟味せずに加入してしまったために、一度解約して現状に合ったものに変えたいという人も少なくないでしょう。

火災保険の加入時に一括して保険料を支払った場合でも途中解約は可能で、未経過分の保険料も払い戻されます。

居住期間や保険料といったさまざまな条件を十分に検討して火災保険の加入を決めたとしても、転勤や介護などのやむをえない事情で引越しや住宅の売却を余儀なくされ、当初想定した暮らしとは異なった状況に直面することもあります。

そのような場合でも適切に対処できるよう、現在加入している火災保険の解約方法などを確認しておきましょう。

火災保険を解約・見直すべきタイミング

火災保険を解約・見直すべきタイミング

火災保険は「補償対象が変わるタイミング」や「リスク状況が変わるタイミング」で見直し・解約を検討すべきです。ただし、無保険期間をつくらないことが最優先です。

ここでは、賃貸物件と購入物件、それぞれの最適な火災保険解約のタイミングを解説します。

引越し(退去・住み替え)をする際

引越し時は、原則として火災保険の解約または変更が必要です。火災保険は「特定の建物・住所」を対象に補償する契約のため、旧居から退去する場合、その保険は原則として役割を終えるからです。

一方で、賃貸から賃貸へ引越す場合は、以下のように対応が分かれます。
  • ・ 同一保険会社で継続可能な場合:住所変更などの手続きで引き継げるケースがある
  • ・ 新規契約が必要な場合:旧契約は解約し、新居で新たに加入
また、以下のケースでは速やかな解約が必要です。
  • ・ 住宅の売却
  • ・ 建物の取り壊し
  • ・ 空き家化で補償が不要になった場合
不要な契約を放置すると、無駄な保険料の支払いにつながるため注意しましょう。

ハザードマップ更新や住環境の変化があった際

居住地のハザードマップが更新され、水災や風災のリスクが新たに判明した場合は、「解約して見直す」ことも合理的な選択です。

近年は自治体によるハザードマップの見直しが進んでおり、住んでいる間に水災・土砂災害リスクが新たに判明するケースもあります。このような場合には、「水災補償を追加する」、「風災補償の見直しを行う」といった対応が必要です。
出典:国土交通省「ハザードマップポータルサイト」

ただし、契約途中で補償変更ができない商品もあります。その場合は、一度解約して新契約へ乗り換えることになります。

また、以下のタイミングも見直しの重要なチャンスです。
  • ・ 増改築・リフォーム
  • ・ 建物評価額の変化
なぜなら、保険金額が実態と合っていないと、補償が過不足してしまうリスクが生じるからです。

火災保険を解約すると戻ってくる「解約返戻金」の仕組み

火災保険を解約すると戻ってくる「解約返戻金」の仕組み

火災保険は未経過期間に応じて保険料が戻る仕組みがあります。ただし、単純な日割り計算ではない点に注意が必要です。

ここでは、火災保険を解約すると戻ってくる「解約返戻金」について概説します。

未経過期間に応じた保険料が払い戻される

解約返戻金とは、契約期間のうち「まだ経過していない期間」に対応する保険料の返金で、特に次の支払い方法の場合に発生します。
  • ・ 長期一括払い
  • ・ 年払い
解約返戻金の一般的な計算イメージは以下の通りです。
一括払保険料 × 未経過料率
この「未経過料率」は保険会社ごとに異なり、完全な比例計算ではありません。

さらに重要なこととして、月単位の端数処理が挙げられます。

多くの契約では、1日でも経過した場合1ヶ月分としてカウントされる仕組みが採用されており、解約のタイミング次第で返戻金に差が生じることを覚えておきましょう。

解約返戻金を受け取るための条件と注意点

返戻金は必ず発生するわけではありません。条件によっては、ほとんど戻らない、あるいは全く発生しないこともあります。

たとえば、
  • ・ 契約期間の残りがわずかな場合
  • ・ 月払い契約の場合
などは、返戻金がないケースが一般的です。

また、途中解約では「短期料率」が適用されることがあり、単純な月割りよりも返戻金が少なくなることがあります。

なお、火災保険の解約返戻金は、一般的な契約では払込保険料を上回る形になりにくく、実務上、課税が問題になるケースは多くありません。

生命保険のように、返戻金や満期金によって利益が生じやすい商品とは性質が異なるためです。

ただし、積立型や満期返戻金のある火災保険では、受け取り方や契約内容によって一時所得として課税対象になることがあります。
出典:国税庁 一時所得

該当する保険をお持ちの場合は、事前に保険会社に確認しておくと安心です。

火災保険の解約手続きの方法・基本的な流れ

火災保険の解約は、契約者自身が手続きを行う必要があります。保険会社から自動的に解約されることはありません。

手続きの流れは次のとおりです。
  • 1. 保険会社または代理店へ連絡
  • 2. 解約日を指定
  • 3. 必要書類の提出またはWeb手続き
  • 4. 手続き完了後、返戻金が振込
連絡方法は、コールセンター・Web・代理店などが一般的です。また、手続きをスムーズに進めるために、保険証券や証券番号を事前に用意しておくと安心です。

なお、解約返戻金の振込までは、通常1週間から数週間程度かかることも覚えておきましょう。

トラブルを防ぐための解約時の重要ルール

トラブルを防ぐための解約時の重要ルール

火災保険の解約時のトラブルを防ぐためのルールは以下の2点です。
いずれも事前に流れを整理しておけば防げるため、解約手続きはタイミングと順序が重要です。

補償の空白期間(無保険期間)をつくらない

重要な点は、補償を1日たりとも途切れさせないことです。

火災や自然災害はいつ起こるか分からないため、わずかな空白でも大きなリスクにつながります。

そのためには、新しい保険の開始日(始期日)と、現在の保険の解約日を同じ日に設定することが大切です。

具体的な流れとしては、
  • 1. 先に新しい保険の契約を完了させる
  • 2. 補償が開始される日(始期日)を確定する
  • 3. その日付に合わせて旧契約の解約日を設定する
という順序で進めます。

特に注意したいのは、「先に解約してから新規契約を検討する」ケースです。

この順番だと、手続きの遅れや審査状況によって無保険期間が発生する可能性があります。

また、保険は契約したその日から必ず補償が始まるとは限らず、「○月○日16時から」など開始時刻が定められていることもあるため、解約日だけでなく、こうした細かな時間のズレにも注意しておくと安心です。

事前にスケジュールを整理しておくことで、万が一の事故にも切れ目なく備えることができると考えましょう。

二重加入(重複)や解約忘れに注意する

手続きで見落とされがちなのが、解約忘れによる二重加入です。

火災保険は「実損填補」といって、実際に発生した損害額を上限として保険金が支払われる仕組みです。

そのため、同じ対象に複数の保険をかけていても、受け取れる保険金が増えることはありません。

結果として、
  • ・ 補償内容はほぼ変わらない
  • ・ しかし保険料だけが二重に発生する
という効率の悪い状態になります。

特に注意したいのが、賃貸物件の退去時です。

不動産会社を通じて加入した火災保険であっても、退去手続きとは別扱いとなるため、自動的に解約されることはありません。必ず自分で解約手続きを行いましょう。

また、以下のようなケースも解約漏れが起こりやすいので注意してください。
  • ・ 更新時に契約内容を見直さなかった場合
  • ・ 複数の保険会社にまたがって契約している場合
  • ・ 家族名義で契約している場合
万が一、解約を忘れていた場合でも、気づいた時点ですぐに手続きを行うことが大切です。契約状況によっては、未経過期間に応じた返戻金を受け取れる可能性があります。

火災保険の解約に関するよくある質問

火災保険の解約に関するよくある質問

ここでは、火災保険の解約についてよくある質問を、回答と合わせて紹介します。

解約は何日前までに連絡すべき?

解約までの明確な期限はありませんが、できるだけ早めに連絡するのが安心です。

なぜなら、解約手続きは「連絡すれば即日完了する」とは限らず、書類の提出や内容確認に時間がかかることがあるためです。

保険会社によっては、手続き完了までに1週間程度かかるケースもあります。

そのため、「引越しが決まった時点」や「売却の契約が成立した時点」など、スケジュールが固まった段階で早めに連絡しておくと、余裕を持って対応できます。

住宅ローンを完済したら解約してもいい?

ローン完済後も火災や自然災害のリスクは残るため、解約せず、必要に応じて補償内容を見直しながら継続すべきです。

例えば、
  • ・ 火災による全焼
  • ・ 台風による屋根損傷
  • ・ 水災による床上浸水
などの損害は、すべて自己負担になります。

そのため、単純に解約するのではなく、「不要な補償を外す」、「保険金額を適正な額に設定し直す」、「保険料を見直す」といった形で内容の最適化を図ることをおすすめします。

解約当日の火災は補償される?

解約当日の補償の可否は、「いつまで補償が有効か」という契約上の時刻によって決まります。

一般的には解約日当日の16時や24時など、特定の時間まで効力が続くことが多いですが、詳細は約款により異なるため必ず確認しておきましょう。

たとえば、解約日当日の午前中に事故が起きた場合でも、契約上の終了時刻前であれば補償対象となる可能性があります。

一方で、終了時刻を過ぎていれば補償は受けられません。

日付だけでなく「時間単位」で扱われる点がポイントです。

火災保険は住環境の変化に合わせて最適な解約・見直しを

火災保険は途中解約が可能ですが、タイミングや手順を誤ると、補償が途切れたり、想定外の損失につながるおそれがあります。

そのため、解約にあたっては「いつ解約するか」、「返戻金がどのように計算されるか」、「補償の空白期間を生まないか」という3点を必ず意識しておきましょう。

これらを事前に整理しておくことで、不要な保険料の支払いを防ぎながら、万が一に備える補償も維持できます。見直しの際は、単に解約するかどうかだけで判断するのではなく、補償内容と保険料のバランスを確認し、ご自身の住環境やライフスタイルに合った形へ変更していくことが大切です。

保険会社選びに迷った際には、オリコン顧客満足度ランキングをご活用ください。オリコンでは、日本最大級の規模で調査を行っており、さまざまな視点でのランキングを確認できます。
新井 智美

監修者新井 智美

トータルマネーコンサルタント。マネーコンサルタントとしての個人向け相談、NISA・iDeCoをはじめとした運用にまつわるセミナー講師のほか、金融メディアへの執筆および監修に携わっている。現在年間200本以上の執筆・監修をこなしており、これまでの執筆・監修実績は3,000本を超える。

PR
オリコン日本顧客満足度ランキングの調査方法について
PR

\ 8,818人が選んだ /
火災保険ランキングを見る